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2014年5月31日 (土)

買ってしまったAlbert Aylerボックス。

Albert_ayler_box "Holy Ghost: Rare & Unissued Recordings 1962-70" Albert Ayler (Revenant)

私は以前にも書いたことがあるように,Albert Aylerとは縁遠い人生を送ってきた。唯一の接点は山下洋輔がモントルーのライブで演じたAyler作の"Ghosts"だけだったと言ってもよいが,「ラスト・レコーディング」を聞いて,これまでの不明を恥じた。その後"Spiritual Unity"もアップし,その他の音源も何枚かゲットしてきた。そこに大きな壁として立ちはだかっていたのがこのボックスである。

テナー・サックスの聖地,新橋のBar D2のマスターと話をしていて,この箱に関する話が及び,先送りしてきた私の心に火がついてしまった。その後,オークション・サイトでゲットを試みたが2連敗を喫し,まぁいいかと半ば諦めたと思っていたところに,そこそこの値段で新品を発見,即発注してしまった。昔よりは値段が上がっているように思うが,オークションでも海外から発送すれば同じような価格になっていたはずだと思えば,仕方があるまい。

ということで,これをいつ聞くのか,あるいはいつ聞き終えることができることができるのかについては全く謎であるが,できるだけ機会を見て音源に取り組むこととしたい(ほんまか?)。

それにしても,私もよくやるわ(笑)。Bar D2のマスターはこれを重箱と呼んでいたが,まさに重箱だったのには,デリバリーされた現物を見て爆笑した私であった。

2014年5月30日 (金)

物忘れの激しい私がようやく見つけたあのジャケット...(笑)

Ingrid_michaelson 音楽を聞かなくても,ジャケを見て,おぉっ,これよさそうだと思うアルバムってあるものである。だが,それが全く今まで聞いたことのないミュージシャンだったりすると,名前を忘れてしまうと,どうしても思い出せず,あれ何だったけなぁとイライラしてしまうのはおそらくは加齢による記憶力の低下である。

最近でも同じようなことがあって,ジャケは印象に残っていて,それだけ発注しようと思わせるものだったのだが,ミュージシャンの名前がわからない。それが,偶然,仕事であるWebサイトを見ていて再会である。

これがジャケだけ見て,私がどうしても聞いてみたいと思ったアルバム。人によっては「ふ~ん」かもしれないし,「なんでやねん!」かもしれない。でも私はこのジャケに惹かれているのである。ということで,やっと見つけて,即発注した私である。でもデリバリーにはちょいと時間が掛かりそうである。まぁ,ゆっくり待つことにしよう。でもどういう音楽なんだろうねぇ(笑)。

2014年5月29日 (木)

ことのほか...

想定していたより帰りが遅くなってしまったので,今日はお休みです。もっとまじめにやらねば。

それにしても,結いの党との合流をめぐる路線の対立を理由に日本維新の会が分党するそうだ。選挙の時だけ協力して一体運営のように見せかけながら,結局分党って詐欺だろう。まぁ,天下無双の無責任野郎,橋下と石原らしいが,奴ら(奴らで十分な輩である)に期待して投票した国民の立場はどうなるのかねぇ。

ちなみに,私は奴らには当然のことながら投票していないが,本当の恥知らずであることが,今更のように明らかになっただけである。バカにつける薬はない。

2014年5月28日 (水)

ECMでリーダー作をリリースしたWolfgang Muthspiel

Driftwood "Driftwood" Wolfgang Muthspiel (ECM)

Wolfgang Muthspielはギター3重奏の"Travel Guide"でECMデビューを飾っているが,あちらはRalph Towner人脈かなぁなんて思っていたら,今度はリーダー作がリリースである。ってことはManfred Eicherのお眼鏡にかなったってことか。結構キャリアも長くなったMuthspielであるが,私の中では佳作は作れども,決定的なアルバムがない感じだったので,ECMでの録音が彼にどういう影響を及ぼすかは興味津々であった。そして,メンツはLarry Grenadier,Brian Bladeという鉄壁のリズム・セクションである。これは期待値が高い。

そして,一聴したところ,昨日聞いたTerje Rypdalのような同じような浮遊感を感じさせるが,もう少しメロディが強調されるというところだろうか。何てたって,タイトルが「流木」なのだから,流れるというか漂うような感覚があっても不思議ではない。

MuthspielにはベースがMarc Johnsonに代わった"Real Book Stories"というアルバムもあったが,あちらはスタンダード,ジャズ・オリジナルで固められていたのに対し,こちらはオリジナルで固められているので,随分雰囲気が違う。あっちはあっちでそれなりによかったが,ちょっと地味なのだ。だが,本作の持つ感覚は,静謐かつ地味めの音であることは一緒かもしれないが,やはりECMの個性というか,レーベル・カラーがちゃんと出ていて,Manfred Eicherプロデュースの強力な磁場を感じてしまう。

本作では一部,ギターの多重録音も行われているようだが,全編を通じて静謐な感覚で時間が過ぎていく。これこそECMの音だなぁと思ってしまう私のようなリスナーには全く問題ないとしても,このメンツなら,もう少しビートを利かしても違った個性を聞かせただろうなぁなんて想像をしてしまった。だが,最後に収められた"Bossa for Michael Brecker"の冒頭のアルペジオに聞くに至って,素晴らしい構成だと思ってしまうのである。最後にこの曲が入っていることによって,このアルバムはだいぶ印象が変わったからである。これがあるとないとでは,ジャズ的な要素に大きな違いがあったように思えるが,Muthspielのアルペジオと言い,Grenadierのアルコといい,極めて品のよい音で収められていて,これはいいわ。

私はRalph Townerも入ったギター3重奏を除けば,今までのMuthspielのアルバムでは最も気に入った作品といっていいだろう。ちょっとECMに甘いかなぁと思いつつ,特にアコースティック・ギターの響きがよかった。星★★★★☆。

Recorded in May 2013

Personnel: Wolfgang Muthspiel(g), Larry Grenadier(b), Brian Blade(ds)

2014年5月27日 (火)

Rypdal~Vitous~DeJohnette:ECM的な音,再訪。

Rypdal_vitous_dejohnette "Rypdal Vitous DeJohnette" Terye Rypdal / Miroslav Vitous / Jack DeJohnette (ECM)

今日はWolfgang MuthspielのECM第1作について書こうと思っていたのだが,通勤中に聞いていたこのアルバムに夢中になってしまったので,温故知新ということで方針変更である。

色気も何もない,ミュージシャン名だけを並べたタイトルだが,逆に言えばそれだけで十分と言ってもいいようなメンツであり,これぞECMという感じの音が冒頭から全編に渡って展開される。この演奏を聞いていると「浮遊感とスリルのミクスチャー」いう表現しか思い浮かばない(我ながらボキャブラリーが貧困である)。だが,まさにそういう音なのである。そして,この音はこの3人しか出せない音だというのが素晴らしい。

振り返れば,過去のECMにはいろいろなミュージシャンの意外な組合せによる共演というのが結構あったが,最近はそういうのがめっきり減ってしまった。しかし,Manfred Eicherのプロデュースのもとに,ミュージシャンがどういうケミストリーを生じさせるかというのは非常に面白い取り組みであったと思う。本作もそうしたタイプのアルバムであるが,3人がそれぞれに個性を持った人たちでありながら,ここでは非常にすぐれたバランスの音楽を聞かせていると思う。それでいて,馴れ合いのようなところは感じられず,レギュラーで活動しているような緊密度を感じさせるのは,さすが実力者って感じである。このアルバムの成功に気をよくしてか,続編"To Be Continued"も制作されたのは,やはりEicherも彼ら3人もこのアルバムの出来を認めていたことの証左である。

いずれにしても,いかにもECMだなぁと思わせるに十分な快作。DeJohnetteのギター・トリオと言えば,John AbercrombieとやったGatewayの諸作が思い出されるが,あれはあれで優れたバンドではあるが,私はこの3人の方が好きかなぁ。あくまで感覚的なものではあるが,やっぱりこのアルバムはよく出来ている。星★★★★☆。Rypdalのギターは環境音楽一歩手前と言われても仕方がない部分もあるが,それをVitousとDeJohnetteが塩梅よくジャズの世界に留まらせていると言ってもよい。次はJohn Abercrombieに申し訳ないので,Gatewayを聞きながら通勤してみるか。そんなことを言いだすと,いつまでもMuthspielの記事が書けないなぁ(笑)。

それにしても,こんなアルバムを通勤時間に聞きながら夢中になっている私も相当の変態だとは思うが,それでもいいものはいいのである(きっぱり)。Vitousがあまり得意でない私ですらそう思うぐらい,このアルバムはよい。VitousとDeJonetteの相性のよさはまさに意外ではあるが,ミュージシャン同士の交歓とはこういうものであろう。気まぐれで聞いたにもかかわらず,本当に夢中で聞けた。

Recorded in June, 1978

Personnel: Terye Rypdal(g, g-synth, org), Miroslav Vitous(b, el-p), Jack DeJohnette(ds)

2014年5月26日 (月)

Liebman全面参加。フリー×クリムゾンみたいな感じのMachine Mass。

Machine_mass "Inti" Machine Mass Featuring Dave Liebman (Moonjune)

毎度おなじみテナーの聖地「Bar D2」で聞かせて頂いたDave Liebman関連の新譜であるが,これが結構激しい。私はこの手の音が結構好きなので,買おうと思ってはいたが,先日,中古盤屋で未開封盤をお手頃価格でゲットである。これは結構嬉しい(笑)。

Machine MassはMichel DelvilleとTony Biancoのユニットだが,Michel DelvilleのギターにはRobert Frippのそれを想起させる瞬間がある一方,ドラムスのTony BiancoはLiebman,Evan Parkerと激烈なライブを繰り広げた人である(その演奏を収めたCDに関する記事はこちら)から,主題のような感じを受けるのかもしれない。King Crimson的な部分はギターが入ってきた時に顕著でありながら,そこにLiebmanが切れ込んでくると,当然のことながらジャズ色は強くなっているが,いずれにしてもこれは一筋縄ではいかないアルバムである。かと言って,「ど」フリーでもないので,無茶苦茶聞き辛いってわけでもなく,ビートもはっきりした曲もあるので,ジャズ・ファンよりも,むしろとがったロック好きのファンの方に受け入れられるのではないかと思える作品と言ってもいいと思う。

もちろん,相当ノイジーな部分もあるし,かなり騒がしい(笑)ので,あまり一般のリスナーにお薦めはしないが,私はこういうのは結構好きである。そうは言っても,ほとんど世の中で認知されていないようにも思えるので,紹介しておく価値は間違いなくあると思う次第。ちょっと甘いが,認知度を高めるためにも星★★★★☆としてしまおう。

Recorded on October 10, 2012

Personnel: Michel Delville(g, g-synth, electronics), Tony Bianco(ds, loops, perc), Dave Liebman(ts, ss, wooden-fl), Saba Tewelde(vo)

2014年5月25日 (日)

Bob Reynolds:メンツはよくてもリーダーがなぁ...

Bob_reynolds "Somewhere in Between" Bob Reynolds (自主制作盤)

全く見ず知らずのミュージシャンであるが,John Mayerのゲスト参加や,その他のメンツにつられて購入したものである。Eric Harlandは言うまでもなく,渡辺香津美とも共演しているJanek Gwizdara,昨年Will Leeのバンドで来日したOli Rockberger,そしてベテランBashiri Johnsonである。更にもう一人のゲストとしてAaron Parksの名も見えるのだから,期待してしまう。

このBob Reynoldsという人,Fresh Sound New Talentからもアルバムはリリースしているようだが,本作の購入の最大の要因は,やはりJohn Mayerの名につられたというのが正直なところである。Bob ReynoldsはJohn Mayerのツアーに参加しているようなので,その縁でのゲスト出演であることは間違いない。

そのMayerは2曲に参加して,いかにも彼らしいギターを聞かせていて,それ自体は問題ない,というよりMayerらしいカッコいいフレージングを聞かせる。そして,冒頭の"Creep"から聞き易くもいい感じのイントロ(Aaron Parksらしいピアノと言ってよい)で始まり,おおっ,これはなかなかいいのではないかと思っていたのだが,その後が続かない。本作のバックを固めるメンツは決して悪くないのだが,いかんせんリーダーのサックスが平板で,音もフレージングも魅力に欠けるというのが難点である。

だから,バックの演奏を聞いている分には,あまり問題ないのだが,リーダーのサックスが鳴り出すとこれはダメだと思わせる。名匠Matt Pearsonのプロデュースをもってしても,この程度のアルバムに留まったというのは,それはこのBob Reynoldsという人の限界である。これだけのメンツを集めながら,惜しいと言わざるを得ない。

ということで,メンツ買いはギャンブルみたいな部分があることは事実としても,これははずしたなぁと思わされた一枚である。本人はこれはストレートなジャズでもなく,ポップでもなく,その中間,即ちアルバム・タイトルの"Somewhere in Between"だとライナーには書いているが,こっちから言わせれば,こういうのを中途半端って言う。バック・バンドに免じて星★★。まぁ,購入した私の自己責任だが,これはダメだな。

Recorded between December 16 and 18, 2011

Personnel: Bob Reynolds(ts, ss), Eric Harland(ds), Janel Gwizdala(b), Oli Rockberger(p, el-p, org. clavinet), John Shannon(g), Bashiri Johnson(perc) with Aaron Parks(p), John Mayer(g)

2014年5月24日 (土)

中古で拾ったTony Malaby入り正調フリー・ジャズ

Tone_collector "Tone Collector" Tone Collector(Jazzaway)

先日,中古盤屋をうろついていて,何の気になしに見たTony Malabyのコーナーに,まるで見たことのないCD発見である。ジャケを見れば,Tony Malaby入りのピアノレス・トリオのライブである。おぉっ,これは激しそうだということで,ジャケは全く食指をそそろなかったものの,値段も安かったのでゲットしてきたが,これがこれからの暑苦しい梅雨や夏に向けて「ぴったり(笑)」の正調フリー・ジャズであった。

Tony Malabyってのはミュージシャンズ・ミュージシャンとも言われ,世間一般のポピュラリティとはほぼ無縁の人だと思うが,実力は間違いないことは彼のアルバムを聞いたことがある人であればお分かり頂けるだろう。私はこのブログにもDaniel Humairとの共演作である"Full Contact"やStephane Kereckiとの"Houria"等を取り上げているが,フリー派のテナー奏者として,聞き手を熱くしてくれる人である。それでもって,このアルバム,何のこっちゃのジャケだったが,ベースのEivind Opsvikってどこかで見た名前だと思いつつ(後で確認したら,David Binneyのアルバムに参加していた),Malaby入りのトリオでライブなら大丈夫だろうということで購入してきたら,これがまさに期待通りというか,昨今ではあまりお目に掛かれないフリーらしいフリー・ジャズであった。

こういうアルバムからノルウェイのレーベルから出てくるのは意外な感じもするが,JazzawayレーベルのWebにはちゃんと"The New Wave of Norwedgian Jazz & Improvised Music"と書いてあるから,何も北欧らしくなくてもいいわけだ(笑)。こういう音楽は,万人向けではないとしても,好きな人間にはたまらないものがあるということで,本作も私は結構気に入ってしまった。とにかく,私は気候が暑くなりだすとフリー・ジャズに走る傾向が出てくるが,これもそんな私の嗜好にフィットしたってことである。だからと言って,一般の皆さんには「最高っ!」ってな感じではお薦めするものではないとも思っている。だが,好きなものは好きなのである。

しかし,それにしてもこのジャケは...って感じではあるが,やっぱりたまにはこういうフリー・ジャズを聞かねばいかんなぁと思ってしまった。静と動のバランスもなかなかよく,星★★★★。尚,ライブにしては特筆ものの音のよさだと思えたが,PCやiPodでの感覚なので,違っていたらごめんなさい(爆)。

Recorded Live at the Glenn Miller Cafe in Stockholm in August, 2004

Personnel: Tony Malaby(ts), Eivind Opsvik(b), Jeff Davis(ds)

2014年5月23日 (金)

ひやひやしたが,よく勝った!なでしこジャパン。こうなりゃ優勝だ!!

_ いよいよ4年に1度の「お祭り」,FIFA W杯の開幕も迫ってきたが,その前に現在,女子アジア杯が開催中である。昨日は日本~中国のセミ・ファイナルをやっていたが,澤の先制ヘッドはまさにW杯を彷彿とさせるナイス・ゴールだったし,ほぼラスト・プレーと思われたCKからの岩清水のヘッドによる決勝ゴールは,見ている私をを興奮させるものだった。延長に入ってからは,完全に日本代表は足が止まっていて,中国代表に攻め込まれることも多く,本当にひやひやさせられたが,GK福元の反応のよさに救われたようなシーンもあったことは否めない,とにかく勝ってよかった。

まぁ,今回の日本代表は一軍半みたいな編成であるところに,万全のチームと言えない部分もあり,大き過ぎる期待をかけてはいけないと思いつつ,若手にとってはアピールのチャンスのはずである。しかし,セミ・ファイナルも結局はセット・プレーからの2点,しかも,宮間,澤,岩清水という真のレギュラーによる得点であったことちょっと物足りない。そして,交代で入った木龍が短時間で交代になったのも頂けない。彼女には悪いが,ボールへの寄せの遅さを見ていると,まだ日本代表を務める器ではないし,セミ・ファイナルのプレーぶりでは暫く代表に呼ばれることはなかろう。また,セミ・ファイナルだけでなく,予選リーグでも思ったのだが,ミドルを打つタイミングが,彼女たちのキック力を踏まえると早過ぎると思う。本来は相手ディフェンスを崩すパス回しの結果の得点も必要なはずだが,やたらにミドルを打ち過ぎに思えた。まぁ,局面を打開するのにミドルが有効なこともあるが,それはほかのプレーがきっちり行われた上でのことだろう。FW高瀬も健闘はしているが,決定力に欠け,川澄の方がはるかに活躍度が高いところに限界を感じる。こうなると,やはり大儀見の不在は痛いが,贅沢は言っていられない。決勝戦は勝つしかないのである。

それにしても,この試合のタイの主審は全然見えてないっていう感じで,中国ディフェンダーに2枚目のイエローを出しても,指摘されるまで退場にしないというありえない凡ミスはするわ,明らかなラフ・プレーにイエローは出さないわと,疑問の残るジャッジぶりだった。イエローを連発する審判にも困ったものだが,今回の主審はそんなこと以前にレベルが低過ぎだろう。国際試合の主審を務めるのであれば,もう少しちゃんとやってもらいたいものである。

世界一となった日本代表が,まだアジア・チャンピオンになっていないというのは不思議だが,ワンパターンの中国のオフェンスにあれだけ攻められるってことは,相性もあるんだろうと思わせる。しかし,ここまできたら,一軍半でも優勝して,日本代表のレベルの高さを見せつけて欲しいものである。

2014年5月22日 (木)

よく出来ているAndy LaVerneによるChick Coreaトリビュート。

Andy_laverne_plays_chick_corea "Plays the Music of Chick Corea" Andy LaVerne(Jazzline)

出来は結構いいし,メンツもなかなかというのに,あまり巷で話題にならないアルバムってのはあるものだが,このアルバムもあまり取り上げられているのを見たことがない。しかし,本当に悪くないので,ここで紹介することにしよう。

Andy LaVerneについてはアルバム"True Colors"を取り上げたことがある(記事はこちら)が,そこではJerry Bergonziの参加への言及が多かった私だが,本作にはギターはいるものの,ホーンは入っていないので,Andy LaVerneの露出は"True Colors"よりもはるかに高い。そして,お題はタイトル通りのChick Coreaトリビュートであるが,冒頭に収められている"Chick Corea"はLaverne作ながら,どう聞いてもChick Coreaの曲に聞こえてしまうという面白さである。やっている曲は冒頭の1曲と,Chickが客演した"Heart to Heart"が2人の共作である以外はChick Coreaのオリジナルが集められているが,超有名曲は避けているって感じで,あまり知らない曲が並んでいるが,逆によくこんな曲まで知っているねぇってところだろうか。

そして,演奏はトリビュートらしく,Chick Coreaへのオマージュとでも言うべき演奏であるが,冒頭を除けば,それほどそっくりに弾いているわけではなく,Chick Coreaの曲を素材として使ったという感じがする。このアルバムの好感度が高いのは共演陣のナイスな助演があることも強調しておかなければならない。Marc Johnsonがアコースティック・ベースを弾く曲と,Mark Eganがエレクトリック・ベースを弾く曲で,雰囲気はだいぶ違うが,前者がややコンベンショナルな響き,後者がコンテンポラリーな響きというところである。何曲かで加わるJohn Abercrombieは彼らしいプレイぶりとも言えるが,"Folk Song"はPat Methenyの音とフレージングみたいな感じになっているのが面白い。

いずれにしても,多様なキーボードを使い分けながら,全編を通して飽きのこない演奏をしているのは評価に値する。もちろん,曲の素材のよさというのがあったことは事実であろうが,それでも本作はもう少し知られてもいいアルバムのように思える。隠れた佳作。星★★★★。Andy LaVerneってのはいずれにしても平均点が高いってことだろうなぁ。

Personnel: Andy LaVerne(p, synth, org), John Abercrombie(g), Marc Johnson(b), Mark Egan(b), Danny Gottlieb(ds, perc), Chick Corea(p)

2014年5月21日 (水)

来日目前:ライブへの期待が高まるSimon Phillipsの新譜

Protocol_ii "Protocol II" Simon Phillips(Phantom)

昨今は上原ひろみとのトリオでの活動が目立つSimon Phillipsであるが,TOTOでの活動を抑制してまで,自身のバンド活動を優先させるとは思わなかった。その自身のバンドによる新作が届いた。間もなく日本公演も始まるので,絶妙のリリース・タイミングって気もするが,これがすこぶるカッコいい。

私が初めてSimon Phillipsの演奏を聞いたのは"801 Live"においてのことであった(そのアルバムに関する記事はこちら)はずだが,その記事にも書いたが,とにかくその当時から,Simon Phillipsと言えばタイトなドラミングという印象がある。そんなSimon Phillipsがインスト・アルバムをリリースすれば,大体どういうことになるかは想像がつくわけだが,まさに想像通りの音が出てきて嬉しくなってしまう。正直言って,今回,ライブに行くかどうかは迷っていた中,参戦を決めたのは「夜の部活」メイトのお誘いが大きいが,その予習としてゲットしたこのアルバムは,ライブへの期待値を高めるに十分な出来である。

キメだけが優先されるわけでもなく,メロディアスなところもあって,非常にバランスの取れたフュージョン・アルバムと言ってよいと思うが,やはりSimon Phillipsがリーダーだけにロック的なアプローチが強い。しかし,この人のタイトなドラムスを楽しむにはこの程度のサウンドが必要だと思うということで,予想以上,あるいは期待値以上にこのアルバムは気に入ってしまった。

もちろん,世の中には本作よりも優れたフュージョン・アルバムもあるが,今回はライブへの期待も込めて大甘と知りつつ,星★★★★☆としてしまおう。しかし,これならライブは燃えること必定である。お時間と余裕のある方は是非ライブへどうぞ(笑)。いや~,まじでライブが楽しみである。

Personnel: Simon Phillips(ds), Andy Timmons(g), Steve Weingart(key), Ernest Tibbs(b)

2014年5月20日 (火)

83年の来日時を思い出させるBoz ScaggsのConcert Vault音源

Boz_scaggs 昨日も「追憶の1983年...」なんて書いたばかりだが,1983年には私はBoz ScaggsがJoe Walsh,Michael McDonaldと来日して,代々木でライブをやったのを見たことがある。Joe WalshはEaglesの,Micheal McDonaldはDoobie Brothersのってことで,各々に思い入れはありながら,やはりこの3人の中ではBozが一番の目当てであったことは間違いない事実である。

その時のバックバンドは非常にタイトな面々で,それは楽しめる演奏だったのだが,ほぼ同じメンツ(ベースとバッキング・ヴォーカルは違ったはずだが...)でそれに先立つこと2年ほどのNYCのRadio City Music Hallでの音源が,Bill GrahamのConcert Vaultで公開されている。私が聞いているのはセットリストの多分半分ぐらいだと思うのだが,公開されているのが"Silk Degrees"からの曲が中心となっている。だが,このメンツならばむしろ"Middle Man"からの曲の方が合っているような気がする。ここでも"Breakdown Dead Ahead"はやっているし,"You Got My Imagination"もやっているが,後者は"Middle Man"の中でもソウル色が強くて,若干浮いているので,やっぱりここでもちょっとなぁって気がする。ライブの場で聞けばそんなことはないのだろうが,Michael Landauのギターはソリッドな曲の方が合うように思えることが要因だろう。代々木では"Middle Man"の曲が多く演奏されたことも私に影響しているかもしれないが,感覚的にはやっぱりMichael Landauはもっとハードでソリッドでなければならないのである。

まぁ,それでもこの頃ってBozの人気も絶頂だったのではないかと思えるってことで,結構スマートで若かりしBozの写真もアップしておこう。ちなみに,演奏は結構ラフな作りなのがライブぽい。それにしても懐かしいねぇ。

Recorded Live at the Radio City Music Hall on April 5, 1981

Personnel: Boz Scaggs(vo, g), Mike Landau(g), Randy Kerber(key), Scott Plunkett(key), Mike Pocaro(b), Carlos Vega(ds), Venetta Fields(vo), Paulette Brown(vo)

2014年5月19日 (月)

追憶の1983年...

Greenwich_village_jazz_festival_2 突然だが,久々にレコード棚を見ていたら,こんなものが出てきたということで,ご紹介である。

私は1983年になるまで,日本を出たこともなければ,飛行機に乗ったことすらなかったのだが,1983年,初めての海外旅行でアメリカに行った。その頃は英語もいい加減なものであったが,まさかその後,NYCに在住することになろうなどとは全く夢想だにしていない頃である。都合3週間ぐらい米国に行っていたはずだが,そのうち,2週間はLAに住んでいた叔父夫婦の家に厄介になりながら,そこを拠点に観光をしていたのだが,既にジャズ好きとなっていた私の真の渡米の目的がNYC訪問にあったことは言うまでもない。丁度その頃開催されていたのが,Greenwich Village Jazz Festivalであった。

写真としてアップしたのはその時のスケジュールを示したブローシュアの表紙であるが,中を見てみると,オープニングはワシントン・スクェアでJoe WilliamsとWynton Marsalis Quintetが出たフリー・コンサートとなっている。Joe Williamsの記憶ははっきりしない(見たはずだが...)が,Wyntonのバンドは私も間違いなく見た。暑い時期なのに,スーツ姿のWyntonバンド,大変だっただろうなぁなんて思っている。だが,その折のハイライトはSweet BasilにおけるGil Evans Orchestraのライブだったことは間違いない事実である(スケジュール表によれば,それは8/29のことである)。私は3セットぶっ通しで聞いていたのだが,1stで相席になったスイス人の紳士(のはず)に酒はおごってもらってしまった。当時のミュージック・チャージは$7.5だったはずで,かつ,私はこのフェスティバルのパスを事前に買っていたので,3セット通しでも飲み物代がなければ$7.5で聞けてしまう(1st,2ndは半額,3rdは無料)という状態だったのだ。まさにウハウハである。

そこで接したGil Evansの音楽はまさに驚愕。今でもメンツをはっきり覚えている。以前の記事にも書いたが,Gil,Lew Soloff,大野俊三,Miles Evans,Tom  Malone,David Sanborn,Nelson Rangell,George Adams,Pete Levin,Hiram Bullock,Mark Egan,Adam Nasbaumという強烈なメンツだったのである。そして,珍しくもArturo Sandovalもシット・インして,物凄いハイノートをぶちかましていたと記憶する。Sanbornは当時体調が悪く,1セットだけの参加であったが,その後はNelson RangellがSanbornクローンとして演奏していたことが昨日のように思い出される。

それでもって,私もせっかくの機会なのだからLPでも持ち込めばいいものを,そうした気が利かない頃だったので,Gil,Sanborn,Lew Soloff,George Adams,そしてHiram Bullockにスケジュール表にサインをもらったのであった(なんで彼らだけなの?と今となっては思ってしまうが...。それでも,このうちもう3名は亡くなっているという事実。)。もう30年前のこととなったが,今でも鮮明に蘇る記憶ということで,死ぬまで忘れられない経験だったと言ってしまおう。私はその後もGil Evansのライブを見る機会はあったが,83年のよみうりランドにおけるBilly Cobham入りのライブ(Milesとのダブルビル公演)とこの時は本当に素晴らしいものであり,その後のライブがその2回のインパクトを上回ることはなかったと思っている。

このスケジュール表に出ている当時のシーンを見返すだけで,随分と楽しんでしまった私だが,その中でもGil Evans Orchestraは今でも別格の記憶として残っている。その時に隠し撮りしたテープも先日実家で発見したので,CD-Rに落としてもらうサービスを使うことにしようと思っている。それを聞いたら,ますます追憶モードが高まるだろうなぁ(笑)。

ということで,こういう記事を書くようになったということは,私も歳を取ったということだろうと思って頂ければ結構だが,本当に懐かしいんだよなぁ...。

2014年5月18日 (日)

何とも味わい深いBrian Blade Fellowship Bandの6年振りの新作

Landmarks "Landmarks" Brian Blade & the Fellowhip Band(Blue Note)

前作"Season of Changes"がリリースされてから6年ぶりにBrian BladeのFellowship Bandの新作がリリースされた。先日のWayne Shorterとの演奏も素晴らしかったが,私はBrian Bladeのリーダーとしての才覚も高く評価しており,前作についてもその素晴らしさをこのブログに書いた(記事はこちら)。今回もこのバンドらしい,アメリカの原風景を描いたようなサウンドは健在である。

冒頭の"Down River"には一瞬面食らうが,2曲目のタイトル・トラック以降はこちらの考えている通りの音が出てくるので心配はない。結成以来,ほぼ不動のメンバーによる演奏は変わらぬ魅力を発揮しているが,まさにいぶし銀とでも言うべき渋い音楽である。この音楽はジャズとカテゴライズするべきではあるが,演じられている音楽はジャズに留まらず,より幅広いリスナーにも訴求するものではないかと思える。私が彼の音楽に惹かれる理由は,BladeのJoni Mitchellとの共演,あるいはそこでの見事な助演ぶりによるところも大きいが,やはりこの人の音楽はジャズだけから生まれてくるものではないように思える。だからこそ,歌手としてのアルバム"Mama Rosa"もリリースしてしまったわけだが,本作も作曲能力含め,本当に優れたミュージシャンは何でもできてしまうと思わせるに十分なアルバムである。

そうした中で,ここでの演奏はちょっと渋過ぎるかなぁって感じがしないわけでもないのだが,短い演奏の"Shenandoah"なんてゴスペルのような響きすら感じさせるものもあれば,フォーク的な感覚を持つ"He Died Fighting"のような曲もあり,アルバム全体を通じて何とも味わい深いのである。まさに,彼らしかできない音楽と言ってよいのかもしれない。第1作から不動のメンツを貫き,音楽を熟成させている感覚を強くおぼえる。今回はギターはゲスト扱いであり,Felloship Bandはそれ以外の5人ということになるが,同じ音楽性を追求し続け,強烈に「アメリカの音楽」を体現していると言ってよいように思う。大河がアメリカの原野をゆっくりと流れるかのような感覚を私は感じてしまった。Bladeの出身地はルイジアナ州シュリーブポートであるが,そこを流れるのはミシシッピ川の支流,レッド川である。そのような出自が,私にはBladeの音楽を構成する要素となっていると思えるのだ。まさに悠久な自然の感覚と言えばよいだろうか。

元来,私はアメリカの音楽が好きな人間であるから,こういうのはやはり好みに合致していることもあって,今回も評価してしまうところである。Marvin Sewellのギターが渋い"Farewell Bluebird"のような曲がもう少しあってもよかったと思うが,十分星★★★★☆には値する。

Recorded on November 7-9, 2010, February 1-4, 2012, & January 20-23, 2013

Personnel: Brian Blade(ds), Melvin Butler(ss, ts), Jon Cowherd(p, mellotron, org), Chris Thomas(b), Myron Walden(as, b-cl), Jeff Parker(g), Marvin Sewell(g)

2014年5月16日 (金)

耳より情報。Sanbornの新譜。

音楽界のクラウド・ファンディングであるPledgeMusicにおいてDavid Sanbornの新作が紹介されている。今回の肝はMarcus Millerとのコラボ復活である。ここのところ,ソウル寄りの演奏が多かったSanbornだが,盟友Marcusとの共演(レコーディングは15年ぶりだそうだ)なので大いに期待したいと思う。ちなみにSanbornのサイン入りCDが3,500円弱をどう考えるかだが,ちょっと高いかなぁ(笑)。

今日はお休みです。

訳あって,本日は記事を書くのが難しい状態です。ということで,本日はお休みです。悪しからず御了承願います。

2014年5月15日 (木)

恥ずかしながら今更のNirvanaである。

Nirvana "Nevermind" Nirvana(Geffen)

何を今更Nirvana?と言われればその通りである。このアルバムがリリースされた頃,私はNYCに住んでいて,日頃通っていたJ&R Music Worldにおいても相当プッシュされていたことだけは記憶している。だが,当時の私はグランジだとか,オルタナだとかには全く関心を示しておらず,この印象に残るジャケだけのイメージだけで本作を記憶していたと言っても過言ではない。そうした意味で,同時代にこの音に接するチャンスがあったのに,全く無視してしまったのは今となっては全くもったいないことであった。

そして,今頃になってこの作品をちゃんと聞いているわけだが,本作がリリースされた1991年と言えばNeil Youngが"Weld"をリリースした年とも重なり,「グランジ」なんていう概念が一般化した頃である。しかし,私にとってはそんなことはどうでもいい問題である。このアルバムを今の時代に聞いて何を思うかと言えば,ノイジーなサウンドの中にも,優れたメロディ・ラインを提示しているということではないだろうか。もちろん,激しいロック・ビートである。こんな音楽は聞いてられんという人も多々いるだろうが,私はこの音楽にメロディとビートの非常に優れたミクスチャーを感じてしまうのである。

既に世評を確立してしまったアルバムであるから,私がどうこう言ってももはや手遅れというか,負け犬の遠吠えにしかならないが,それでもこれほど見事にロックを感じさせるアルバムってなかなかないのではないかと思わされてしまうのである。リリースから20年以上経っても古さを感じさせないということは,この音楽が長期的に魅力を発露しうる名作であったことを裏付けていると思う。とにかく,曲よし,歌よし,演奏よしなのだ。私は完全に後付けでこの作品を聞いたが,それでもこの魅力は今の時代にも十分通用するものだと思う。

いずれにしても,90年代以降のロック音楽の一つの指針となったであろうことを今更ながら痛感させられるのである。そして,繰り返しになるが,同時代の音楽としてこの音楽に接しなかったのは私にとっては惜しいことであった。あらゆる要素を踏まえても,星★★★★★では多分足りないんだろうなぁと思わせる。まさに傑作と言う以外ない。

Personnel: Kart Cobain (vo, g), Krist Novoselic (b, vo), Dave Grohl(ds, vo), Chad Channing(ds, perc),   Kirk Canning (cello)

2014年5月14日 (水)

ブート音源を聞いていると,やっぱり来日を待望してしまうJeff Lorber Fusion

Jeff_lorber_fusion_2 現在,某所で入手したJeff Lorber Fusionの今年3月のミラノにおけるブート音源を聞いているのだが,演奏者のうちの2人は先日来日したEric MarienthalとSonny Emoryである。Marienthalのライブはそれでそれで楽しいものだったことは当ブログにも書いたとおりである(記事はこちら)が,ちょっとしたメンツの違いで雰囲気は随分変わるものである。Eric Marienthalのライブには相応の楽しさがあったが,この音源を聞いていて思うのはJLFというのは本当にいい曲が多いということである。

曲のクォリティが高くて,演奏者はエンタテインメントという要素を忘れることなく,かつ演奏能力が高いのだから,悪いはずがないではないかというのが当たり前の考え方である。前にも書いたと思うが,JLFの音楽は決してスムーズ・ジャズではないが,ハード・フュージョンでもない。ある意味,中道路線とも言うべき,「典型的」フュージョンであるが,この中道さ加減が何とも心地よいのである。私はこの音楽を生で聞きたいと思う欲求が強まるブート音源なのだ。

この極めてクォリティの高いオーディエンス録音と思しき音源を聞いていて,私はなぜJLFが日本に来ないのかと不思議に思えてならない。Eric Marienthalの公演があれだけ受けたことを鑑みれば,JLFが来日すれば相当に盛り上がることは必定だと思うのだが...。

いずれにしても,ここで私としてはJLF来日待望論を改めてぶち上げたいと思う。Eric Marienthalにも今度はJLFで来てねぇと言っておいたが,それがJeff Lorberに伝わることを期待したい。いやぁ,やっぱりいいよねぇ,JLF。こんなバンドのライブを聞きながら,相当おしゃべりに夢中のイタリア人は...(苦笑)。

Recorded Live at Blue Note Milan on March 21, 2014 

Personnel: Jeff Lorber(key), Eric Marienthal(as), Jimmy Haslip(b), Sonny Emory(ds)

2014年5月13日 (火)

中山康樹の本としてはましだった「キース・ジャレットを聴け!」

Photo 「キース・ジャレットを聴け!」 中山康樹(河出書房新社)

私は中山康樹の著作物はそこそこ読んでいるが,正直言って真っ当だと思ったのは「マイルスを聴け!」であって,その他の著作物や対談の類には,どうも納得がいかなかったり,首肯できない部分が多い。Keith関係で言えば,私は未読だが,「キース・ジャレットの頭のなか」という本を昨年暮れに出したばかりで,あたかもキースの来日に合わせるがごとく,またも新刊か?と言いたくなるような濫作ぶりである。だが,まぁKeithの来日も近いし,まぁいいかってことで,まんまと相手の術中にはまってしまったが,この本は比較的まともな出来だと思った。

なぜそう思うかと言えば,昨今の「スタンダーズ・トリオ」の作品にマンネリ感を感じ,一部の作品を酷評した私の考えにこの本の内容が合致している部分もあるし,近年のソロ・ライブについての考え方も概ね同様であることが大きかったように思う。であるならば,私と論調が合えば真っ当で,そうでなければダメと言っているようで,極めて不遜に聞こえるかもしれないが,そういう部分もないとは言わずとも,やはり首肯できる部分があるかないか(多いか少ないか)というのは,評価する上での一つの判断材料になってくるのは仕方がないと思う。相変わらずの極論も見受けられるが,私はこの本に書かれていることをニヤニヤしながらながめていたのも事実である。一番笑えたのはKeith JarrettとGarth Hudsonの関係性の記述かもしれない。

だが,論評対象からクラシックの作品を排除したというのは,「聴け!」というにはやはり不十分であり,一般的なクラシックのピアニストと違うKeithのアプローチについても論評すべきではなかったかと思う。裏を返せば,中山がクラシック音楽に関して論評を敢えて避けた(論評するだけのネタや比較対象がない?)とも言えるわけで,その辺りには中途半端さを感じる。そうは言いながら,多くのKeithのリスナーがジャズ側の人だとすれば,それもまぁ仕方がないかなぁなんて思うが,それでも,ショスタコービッチの演奏のよさや,八ヶ岳で録音された「ゴールドベルク変奏曲」におけるチェンバロの響きについてもカヴァーするべきだったと思えるのだ。

ということで,私個人としては中途半端さはぬぐえないが,中山の著作としてはまだましな方ということで,星★★★☆ぐらいにしておこう。

2014年5月12日 (月)

陰鬱ではあるが,非常によくできている「プリズナーズ」

Prisoners 「プリズナーズ("Prisoners")」('13,米,Summit)

監督:Denis Villeneuve

出演:Hugh Jackman, Jake Gyllenhaal, Paul Dano, Maria Bello, Viola Davis, Melissa Leo

これはなかなか見応えのある映画である。が,巷で話題になっているという話は全く聞こえてこないのが残念な話である。ただ,この映画,相当に陰鬱なので,見に行くには相当の覚悟が必要だと思う。

典型的にアメリカ的な住宅街で起こった少女失踪事件に関与する被害者の家族,刑事,そして容疑者の心理や行動が非常にしっかりと描かれていており,オリジナル脚本としては相当よくできていると思う。もちろん,設定に無理がないわけではないという指摘はあると思える。しかし,そんな瑕疵を感じさせないだけのストーリーテリングのうまさ,そして演技陣の頑張り,特にHugh Jackmanは予想以上に気合が入った演技が印象的である。娘を思うがゆえに,どんどん常軌を逸した行動に出るHugh Jackman演じるKeller Doverの姿に共感できるかどうかというのもこの映画を評価するポイントになろうが,あそこまではいかなくても,警察の捜査に対する不満のような点は,家族だったらありだろうなぁなんて思えてしまう。ただ,その常軌の逸し方が半端ではなく,その描写にはかなりショックを感じてしまう人も多いのではないかと思う。

そうした中で,容疑者として描かれるPaul DanoやDavid Dastmalchianの描き方がうまく,その不気味さが際立っているのも,この映画の質を高めた要因であるように思える。ただ,いろいろな意味で描写にえげつない部分があるので,気が弱い人には注意が必要と思う。だが,153分という結構な尺にもかかわらず,緊張感を途切れさせることなく演出したDenis Villeneuveの手腕は評価に値すると思う。そして,タイトルの「プリズナーズ」の意味を考えると,非常に重層的な意味を持っているように感じられて,感慨深い作品である。星★★★★☆。

昨今,世間では「アナ雪」ばかりが話題になっているが,その一方でこういうよく出来た映画が見逃されるのだとしたら,それは非常に惜しいことである。但し,家族連れにはこれほど適さない映画もないな(笑)。

2014年5月11日 (日)

待望のEnrico Pieranunziの新トリオの第2作

Stories "Stories" Enrico Pieranunzi(CAM Jazz)

Pieranunzi~Colley~Sanchezという強力トリオによる第1作"Permutation"がリリースされたのが2012年のことであった。その演奏は2009年に録音されたものだったが,今回の新作も前作のリリース前に録音されたものというこのCAM Jazzのリリース・タイミングは今回も疑問である。だが,前作も非常に出来がよかったし,メンツは違うが,昨年のPieranunziの来日公演も素晴らしかっただけに,待望と言ってよいリリースである。

結論から言えば,今回も素晴らしい作品に仕上がっている。Pieranunziらしい美的な感覚は残しながら,このトリオならではのスリリングな展開もミックスされていて,これはポイントが高い。私は前作にはこのトリオにまだ進化の余地を感じていたのだが,今回はそのコンビネーションは確実に「深化」しているように感じられる。三者が対等な位置づけを確保し,非常に優れた演奏を展開していると断言してしまおう。特にScott Colleyの活躍ぶりは前作以上のように感じる。

曲はどれもいい出来で,冒頭の"No Improper Use"からしてスリリングな展開で,つかみはOKである。美的なるものとは違ったかたちで,このトリオの実力を強く感じさせるオープニングである。そこから,アルバムを通して50分弱という演奏時間のコンパクトさもあって,一気に聞けてしまうよさが感じられる。最後をColleyとのデュオで美しく,しっとりと締めるという構成もいい。

今回,このアルバムを聞いて,前作"Permutation"を聞き直したらどういう風に聞こえるのかとついつい思ってしまった私だが,あれはあれでよく出来ていたと感じていながらも,2012年のベスト作には選ばなかった自分の審美眼を見直す結果になってしまうかもしれないなぁ(笑)。だが,本作は前作に勝るとも劣らない快作である。評価は前作同様,星★★★★☆とするが,あとは好みの問題ってことにしておこう。でも,私としては「今」のこのトリオが聞いてみたいなぁ。

Recorded on February 22 & 23, 2011

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Scott Colley(b), Antonio Sanchez(ds)

2014年5月10日 (土)

Keith Jarrett@紀尾井ホール参戦記

Keithkioi_hall001_2 毎年のようにこの時期になると来日をしているKeith Jarrettであるが,今年はソロ公演である。しかし,今回はライブの日程がGWにバッティングしていたので,家族の手前,参戦は無理だろうと考えていたら,なんとキャパ800人の紀尾井ホールでの追加公演が発表され,財布には厳しかったが,チケットをゲットしてライブに参戦してきた。

Photo_2 今年のKeithのソロ公演では,Keithが大阪で演奏環境に不満をおぼえたらしく(聴衆の咳,ビデオ撮影,酔っ払い等諸説あり),途中で演奏を打ち切ったような報道がされていたこともあって,紀尾井ホールの聴衆には異常な緊張感が漂っていたと言ってもよい。まさに固唾を飲んでKeithの登場を待っている感じなのである。正直言って,Keithをジャズ・ピアニストだと捉えれば,こうした環境設定は異常という気がしないでもないが,今回,紀尾井ホールに高い入場料を払って集まった聴衆は,大阪のようなことがあっては困ると思っていたことは間違いないだろう。だから,第二部の開演直前の聴衆の「怒涛のような」咳払いには失笑すら漏れていたわけだが,正直なところ,私はライブをこんな環境に仕立てたKeithは甚だ罪作りだと思っていた。

それはさておき,肝腎の演奏であるが,第一部の特に冒頭2曲は近年のKeithのソロ公演同様,現代音楽的なアプローチが強かった。ウェーベルン,武満,はたまたシェーンベルクか?みたいな感じで,一般の聴衆にとっては敷居が高い音楽であろう。私は現代音楽も好きなので全然問題ないのだが,Keithがこういう演奏をする必然性は全く感じていないので,やはりKeithはメロディ・ラインをもっと強調すべきだと思っていた。第1部で演奏された全5曲の後半には,現代音楽的なアプローチから離れた感じもなかったわけではないが,正直なところ,私は睡魔に襲われる瞬間もあったことは告白しておかねばなるまい。

しかし,第2部になると様相が一変した。後半の1曲目はいきなり美しいメロディが炸裂し,昔のKeithのイメージが強まったという気がしたのだが,やや私としてはスイートに流れ過ぎたという感覚があったのも事実である。だが,2曲目でバップをベースとしながら,ストライド風味を入れた激しい演奏をしてチェンジ・オブ・ペースに成功し,そして3曲目はまたも美的な路線に戻すという,聴衆の心を鷲掴みにする攻撃にはまいった聴衆も多いのではないだろうか。

3曲目が終わって,Keithはまた椅子に座ってプレイをしようとしたのだが,一旦"Thank You" の挨拶ととともに,突然の本編の終演を迎えたのは不思議であった。見ていると,即興演奏のためのイマジネーションが一瞬枯渇したかのようなKeithであったが,アンコール1曲目は,本来本編の4曲目として弾くはずだったのではないかというような長い演奏であった。そこには日本的な旋律や中東的な旋律が織り交ぜられていたようにも思えるが,それをコントロールする強力な左手が印象的であった。その後,更にアンコール3曲を演奏して終演となったが,私の数少ないKeithのソロ・ライブ歴では一番よかったように思う。特に第2部本編の3曲はメリハリも利いていてよかった。

Keith本人も非常に声も出ていたし(笑),半ば立った姿勢でのピアノ・プレイも多々あって,今回のライブは上機嫌で過ごしたのではないかと思えるものであり,一方の聴衆も最後には熱狂的な拍手をKeithに浴びせていたので,満足度は高かったものと想定される。私としても,第1部前半はさておき,第2部,そしてアンコールの演奏含めて,大いに楽しめたと思う。ただねぇ,\18,000ってのはやっぱり高過ぎだよねぇ。オーチャードでも\12,000なんだから仕方がないって話もあるが,敷居が高過ぎると思っているのは私だけではないだろう。でもまぁ,今回は行ってよかったと思っているので,許す(笑)。

ただ,ライブはもう少し気楽に聞きたいよねぇ。クラシックだってもう少しカジュアルな感覚で聞けそうだが,今回は大阪の一件があって,本当にピリピリし過ぎていた。その点はやっぱり何とかして欲しいと思っている私である。

2014年5月 9日 (金)

Circa Zero:Andy Summers,71歳。その割にこのカッコよさはなに?

Circa_zero "Circus Hero" Circa Zero(429 Records)

Policeのと言うのが一番通りがいいであろうAndy Summersが新しいバンドを結成して,アルバムをリリースすると聞いて,結構早いタイミングで発注したのに,ちっともデリバリーされずやきもきしていたが,ようやく到着である。

このアルバムでAndy Summersのパートナーを務めるRob Gilesという人は初めて聞いたが,なかなか魅力的な声を持っているマルチ・インストゥルメント奏者である。声については,どこかで聞いたような既視感を強く覚えるもので,個性には乏しいかもしれないが,軽く水準は越えている歌手だと思った。彼はThe Rescuesというバンドのメンバーらしいが,そっちでやっている音楽にも興味さえおぼえるナイスな仕事ぶりである。彼のベース,ドラムスによるバッキングに乗って,Andy Summersはギター一本で勝負であるが,これがAndy Summersって本当に71歳なのかって思わせるいけているロック・アルバムとなっているのには驚いた。

私はAndy Summersのフュージョンやジャズ寄りのアルバムも結構保有しているが,これは完全にロックである。John McLaughlinといい,Jeff Beckといい,そしてこのAndy Summersといい,大英帝国出身のギター弾きはどういう肉体構造,精神構造をしているのか?と思わせるほど,全然年齢を感じさせない音楽をやっているのには驚かざるをえないが,これが本当にカッコいいのである。年齢を重ねても,こんな音楽を平気でプレイしてしまえるAndy Summersには羨望さえ感じてしまうが,それって本当に素晴らしいことだよねぇ。

確かにPoliceを感じさせる曲がないわけではないが,Policeの音楽よりはずっとドライな感覚を持っているのはRob Gilesが持ち込んだアメリカンな感覚ゆえではないかと思える。そもそも,このアルバムに収められた曲のクォリティを聞けば,Policeと比較することに何の意味もないと言ってもよいように思う。もちろん,私はStingの声も歌も好きであることに間違いはないが,このアルバムはよりポップな音楽性におけるAndy Summersのギター・プレイを楽しめると言えばいいだろう。

とにかく,70歳を過ぎた爺さんが,過去にすがることなく,新作としてこんなアルバムを作ってしまうというのは素敵なことだということで,ついつい点も甘くなり,星★★★★☆。好きだなぁ,これ。

Personnel: Andy Summers(g), Rob Giles(vo, b, ds), Dan Epan(ds on 3, 12 & 13)

2014年5月 8日 (木)

懐かしや,Crusadersの"Royal Jam"

Royal_jam "Royal Jam" The Crusaders(MCA→GRP)

私はJoe Sampleのファンではあるが,Crusadersに対する思い入れは少ない方だろうと思う。それは大して音源を聞いていないからだというのが一番の理由だが,Crusadersの持つ若干のアーシーさよりも,Sampleのソロ・アルバムに聞かれる洗練度を私が好んだところが大きいと思っている。ただ,SampleのアルバムにはCrusadersの音楽に聞かれるファンク度が足りない部分があり,その辺りが難しいところではある。Crusadersとしては洗練され過ぎてもいけないし,泥臭いばかりでもいかんのである。

だが,このアルバムに関してはCrusaders名義ながら,Royal Philharmonic Orchestraの面々も参加して,洗練度が高い一方,Wilton Felderのサックスのファンク度がいい塩梅でミックスしていて,それこそ丁度よいバランスとなっているのだ。加えて,このアルバムを面白くしているのはB.B. Kingの参加だと思うが,B.B.のブルーズ・フィーリングがこれまたいい感じでアクセントになっていて,それがこのアルバムを飽きさせない理由となっていると思う。何てたって,B.B.が"Street Life"を歌っているのだ!

曲も粒ぞろいだし,演奏もいい。ヴォーカルで参加するJossie Jamesはちょっと声が高いが,ソウルフルな歌いっぷりがいい。そして,B.B. Kingの歌とギターはやはり効いている。だが,このアルバムはやはりJoe Sampleのプレイを聞くべきものだと思える。Rhodesもアコースティック・ピアノもこれぞSampleというものである。そして,ファンク度を維持させるWilton Felderのテナーがあってこのアルバムは成立しているという点で,Felderの貢献度も高い。じゃあStix Hooperはどうなのよって声も聞こえてきそうだが,Hooperはごく普通に叩いていている(笑)。出しゃばることもなく,淡々とバックを支えているって感じであるが,こういうのは好感度が高いと言ってもいいように思う。

そして,Royal Philharmonic Orchestraの面々だが,この人たちはDeep Purpleと共演したりしていて間口が広いオケだが,"Last Call"に聞かれるようなブラス陣のファンキーなノリはクラシックのオケとは思えないぐらいのものだし,ストリングスは当然のことながら美しい。

ということで,いろいろな要素がうまく相俟って,非常にいいライブ盤が生まれたという実例のようなものである。私は以前LPを保有していたのを売却してしまっていたが,結構安値でCDを買い戻せてよかったと思う。本当に久しぶりに聞いても十分楽しめた。星★★★★。心情的にはもう半星つけてもいいぐらい。

Recorded Live at the Royal Festival Hall in September, 1981

Personnel: Joe Sample(p, key), Wilton Felder(ts), Stix Hooper(ds) with B.B. King(vo, g), Jossie James(vo), Barry Finnerty(g), David T. Walker(g), James Jamerson, Jr.(b), Efraim Logreira(perc), The Member of the Royal Philharmonic Orchestra

2014年5月 7日 (水)

ブートで振り返る1983年のJoni Mitchell武道館公演

Joni_mitchell_wild_things_tour "The Wild Things Tour" Joni Mitchell (Bootleg)

現在の私はJoni Mitchellを偏愛していると言ってもよいぐらい彼女の音楽が好きだが,彼女が来日した1983年当時はそれほど入れ込んでいなかった。では94年の東大寺はどうだったんだと言えば,来日していたことすら認識していなかったのはなぜなんだろう?と思いつつ,結局彼女のライブは見る機会を逃してしまっているし,もう無理だろうなぁなんて思いながら,市中に出回っている音源や映像で追体験をしている私である。

1983年の来日時と言えば,"Wild Things Run Fast"期のライブであり,映像でも"Refuge of the Road"という作品(邦題は「放浪」だったか?)があったが,その時と同じようなハード・ドライビングな感覚を持つ演奏である。やはりこの時のバンドはタイトであったと改めて思わされるが,特にMichael Landauが凄い。リーダー作になると今イチ感が出ることも多いが,伴奏者としてのLandauはやはり一流である。私が彼の生を見たのはBoz Scaggsと来た時(よくよく調べると同じ83年)である。その時もSteve Lukather的だなぁと思ったもんだが,LandauはLukatherの高校の一年後輩らしいからまぁ相応の影響を受けているんだろうって感じである。甚だ余談だが,ってことはLukatherがTOTOの結成した時は20歳そこそこだったということに今更驚く私。

それはさておきである。このブートは武道館のライブと,シドニーのライブの音源,そしてロンドンの映像を組み合わせた気の利いたブートである。何が気が利いているかというと,武道館でやらなかった曲("Coyote"や"Amelia"のような私がやって欲しいと思う曲)をシドニーの演奏で補っているところである。しかも映像はBBCが放送したプロ・ショットであるから,これは相当ファンにとってはありがたいブートである。ブートレッグをほめそやすのはどうかって気がするが,こういう編集の仕方はユーザ思いだと思える。武道館公演の音源はお馴染みの曲が揃っているが,その中では「夏草の誘い」からの"Don't Interrupt the Sorrow"が珍しいかなぁって感じである。

いずれにしても,これは非常によくできたブートレッグであり,私にとっては非常に貴重な追体験機会を提供してくれるものとして紹介しておくことにしよう。

Recorded Live at 日本武道館 on March 7, 1983,at Sydney Opera House on March 23, 1983 and at Wembley Arena on April 24, 1983

Personnel: Joni Mithcell(vo, g, p, dulcimar), Michael Landau(g), Russell Ferrante(key), Larry Klein(b), Vinnie Colaiuta(ds)

2014年5月 6日 (火)

"A Letter Home":兄貴の新作はなぜこういう音なのか,その真意を測りかねている私。

Neil_young_a_letter_home "A Letter Home" Neil Young(Third Man / Reprise)

今年の"Record Store Day"向けにJack WhiteのThird Man Recordからアナログでリリースされた兄貴の新作である。ジャケは全くもって魅力的,そして兄貴が60年代を中心とした曲をカヴァーするということから,非常に期待していたものがアメリカからデリバリーされたのだが,LPを再生してみて,私の装置が故障したのかと思ったほど,とんでもないローファイな音が飛び出してくる。そもそも冒頭は"A Letter Home Intro"は兄貴の亡き母に宛てたらしい手紙の朗読から始まるのであが,私はオーディオ装置,特にターンテーブルの様子をすぐに見に行ったほどなのだ。

そもそもこのアルバムはJack Whiteのスタジオに作られた1947年式Voice-o-Graphレコーディング・ブースというところで録音されたらしいのだが,兄貴も"One of the lowest-tech experiences I've ever had."と言っているぐらいだから,このローファイ・サウンドは確信犯と言える。ではなぜこの音だったのか?それがよく理解できない。

歌や演奏は兄貴そのものである。だが,これがどの程度のオーディエンスに訴求しうるのかは疑問である。まるでSP時代の音のようだと言えばいいだろうが,現代における再生音楽としての魅力を徹底的に否定しているかのような試みを実験と言わずに何と言うのだろうか?ということで,私はこのアルバムに収められた歌を否定するわけではないが,制作に至った意図が全く理解できないのである。私が凡人だからということが最大の原因と言われるかもしれないが,それでもこれは評価が難しい。あるいは評価さえも否定しているようにさえ感じる。あるがままを受け入れる度量がないとダメかも知れないなぁ。だが,LPの内袋に敢えて使用感をつけてみたり,装丁としては相当凝った仕事をしているところに,「レコード・ストア・デイ」向けらしい「レコード愛」は感じるけどねぇ...。

ということで,私は$44強という送料込みのコストを支払ってまでこのLPをゲットしたわけだが,このLPをまた聞こうって気にはなかなかならないだろう。だが,ジャケだけ見ている分には全く問題ないので,これはLP用のフレームを買って壁飾り化すること必定ということになるだろうなぁ。ということで,今回は採点対象外。

しかし,こんなアルバムのデラックス版がリリースするらしいというのを聞いて,またまた驚いている。そこにはハイレゾ音源のダウンロード権も付いてくるらしいが,この音をハイレゾにしたってしょうがないんじゃないのかねぇ。ってことで,兄貴もやってくれるよなぁと思ってしまった私である。実際にこういう音というのを認識してもらうには公開されている映像を見てもらうのが一番である。

ということで,私に言えるのは,このアルバムをこれから買おうって人は,少なくともLPに関しては相当のローファイであるということを認識したうえで購入しないと,失敗したと思い知らされることとなるってことなので,くれぐれもご注意あれ。

Personnel: Neil Young (vo, g, p, hca), Jack White(p, g, vo)

2014年5月 5日 (月)

これは素晴らしい。ECMファンならずとも必聴のJacob Youngの新作

Jacob_young "Forever Young" Jacob Young (ECM)

今年も優れたアルバムを連発しているECMであるが,その中でもリリースがアナウンスされた段階で,期待値がMAXになっていた作品である。Jacob YoungはこれまでのECMの2作もよかったし,東京TUCでのライブもよかった(その頃は最近のようにまめにライブに行っておらず,レポもしてなかったが...)。彼の3作目というだけでも相応の期待ができるのは当然なのだが,何と言っても,今回の目玉はバックにMarcin Wasilewskiがトリオで客演していることである。そして加わる管が自身もECMにアルバムを持つTrygve Seimである。これは期待するなと言う方が無理である。

そして,冒頭の"I Lost to My Heart to You"のWasilewskiによるイントロが流れてきた段階で,私は完全OKモードであった。その後に続く演奏も,これぞECMの音だよねぇって感じの音楽であり,これは満足度が高い。このメンツならば,もっと静謐な音楽になる可能性もあったように思えるが,そこはかとないフォーク・タッチやエキゾチックなメロディ・ラインも聞かせていて,これはトータルに見てもポイントが高い。また,そこかしこに昔のPat Metheny的な部分も顔をのぞかせているように思えるのは,一部に感じられる牧歌的なサウンドゆえかもしれない。最後に収められた"My Brother"に"Travels"の残り香のようなものを感じるのは私だけだろうか?いずれにしても,ノルウェイ~ポーランドの混成軍にしては,凛とした清冽さというよりも,ヒューマンな暖かみさえ感じさせる音楽となっているのは意外ではあるが,この手の音楽を好きなリスナーにとっては何の問題もない。

70年代のECMであれば,混成軍や異種格闘技(ECMには不釣り合いな表現だ...)のような組み合わせの妙もあったように思えるが,最近はそうした作品が少なくなっているだけに,ここでは久々のそうした「想定外」のコンビネーションによる優れた音楽を楽しみたい。派手派手しさや賑々しさとは無縁だが,落ち着いた環境で,ゆったりと楽しみたいアルバムである。星★★★★☆。これは好きだなぁ。ECMファンであろうがなかろうが,きっと楽しめる(きっぱり)。

Recorded in August, 2013

Personnel: Jacob Young(g), Trygve Seim(ts, ss), Marcin Wasilewski(p), Slawomir Kurkiewicz(b), Michal Miskiewicz(ds)

2014年5月 4日 (日)

意外な展開の「アメイジング・スパイダーマン2」

Spiderman2 「アメイジング・スパイダーマン2("The Amazing Spider-Man 2")」('14,米,Columbia)

監督:Marc Webb

出演:Andrew Garfield,Emma Stone,Jamie Foxx,Dane DeHaan,Sally Field

私は第1作も見ていて,まぁマンガ的に楽しめるなんて思っていたので,GW休みということもあり,この第2作も見てきた。この映画,まぁ予想通りと言えば予想通りなのだが,私にとっては実は意外と思える展開が2つあった。

1つ目は,これから見る人に失礼なネタバレになるためご想像にお任せするが,2つ目はエンド・クレジットの途中に挿入された映像である。相変わらずエンド・ロールの途中で席を立つ人が多くて辟易とする中,なぜこの映像(キャラクター)がここに?と思わされる映像が入っているのである。それは「X-Men」のJeniffer Lawrence演じるMystiqueほかの映像なのだが,同じMarvelコミックのキャラということもあって,映画のプロモーションの意味合いで挿入されたようである。単純な私は,これはスパイダーマンとX-Menの共演も近いのか?なんて思ってしまったが,真相はそうではなかったようである。ただ,そんな勘違いをできるのも映像を最後まで見ているからであって,あまり席を早く立つと決して得はしないということの表れである。

映画としては,更にCGを駆使してマンガ的な表現が増加しているように見えるが,これまでのスパイダーマンに見られた,ヒーローとしての葛藤から生じるキャラの暗さのような要素はほとんどなくなり,今回は相当軽いキャラとして描かれているように思えた。私はそれはそれでいいと思うが,Jamie Foxxの使い方についてはどうなのかなぁって気もする。Jamie Foxxは今回は相当楽しみながら演じていると思われるが,CGに埋もれてしまって,どこまでを本当の彼の演技としていいのかはかなり微妙な気がする。それでも今回は確実に怪演といっていい役回りであった。

今回も次作に向けての布石は打ちまくっているので,第3作は遠からず制作されるだろうが,今回の映像を見ていると,CG依存度がどんどん高まって,これならアニメでいいじゃんなんて言われないよう注意をする必要があるのではないか。ただ,まぁそこそこ楽しめる映画だとは思うが,3Dの効果が限定的なこと,そして,やはりこの映画に142分はいらんだろうという気がするので,前作同様星★★★☆ってところがいいところ。気楽に見る分には全然問題なし。

最後に最近の観衆のマナーに苦言を呈しておきたい。エンド・ロールで席を立つのは勝手である。しかし,エンド・ロールが始まった瞬間,なぜか座席でスマホをチェックし始めるバカ者どもは何とかならんのか?なぜ場外に出てからチェックするのではいかんのか?上映中は場内は闇である。スマホといえども,そのディスプレイの光は人の集中力をそぎ,最悪の場合,映像効果にも影響を与えることがなぜわからないのか。たかだか数分の違いを我慢できないほど,スマホに依存しているのだとすれば,まさに情けない。歩きスマホ同様,上映中スマホは他人にとっては本当に不愉快だということがわからないほど,日本人は他者に対する思いやりを失いつつあるということであれば最悪である。いい加減にして欲しいものである。

2014年5月 3日 (土)

Brendel~Levine~CSO:ベートーベンのP協奏曲は苦手だが,これは例外だなぁ。

Brendel_levine_beethoven "Beethoven: The 5 Piano Concertos" Alfred Brendel / James Levine / Chicago Symphony Orchestra (Philips)

GWの休暇を使って,実家の雑事の手伝いに行っていたのだが,実家に置きっぱなしのソフトの整理をしていて,久々に引っ張り出してきたものである。私はそもそもベートーベンのピアノ協奏曲を苦手としていて,積極的に聞く気になれない代表みたいな感じになっているのだが,このCDを聞いて,その認識を改めてしまった。これほど,私に抵抗感なく訴求してきたベートーベンのピアノ協奏曲はほかに例を見ない。

だったら,手許に置いておいて聞きゃいいじゃないかという話もあって,まさにそう言われると返す言葉がないのだが,その理由はこの3枚組CDの構成にあったのである。CD1には3番と1番の1楽章だけが収められており,1番の2楽章以降と5番がCD2,2番と4番がCD3に収録という演奏の連続性が維持できない構成(CD1と2)によって,まともに聞く気が起こらなかったのである。だが,iTunesという便利なものができて,音はさておき,連続して曲を聞けるようになると,私の心にこれほどスッと入ってきたP協はないとついつい思ってしまった。

家に帰って,リッピングしたこの全集を,用事で出掛けた道すがらずっと聞いていたのだが,本当にスムーズに耳に入ってきたし,演奏も素晴らしいものであった。多分,私がこの演奏が好きなのは,ベートーベン的なゴリゴリ感とか暑苦しさがないところにあるのだろうと思うが,これほど心地よくこれらの曲を聞いた記憶がない。

いずれにしても,これまでCDのファーマットを言い訳にして,これを押し入れの奥にしまい込んでいた自分を恥じた私である。これなら,何回でもリピートできると思えた素晴らしき名演。星★★★★★。そう言えば,私はこれのLPも持っていたはずだが,一時的な資金難に陥って売ってしまったのは,今にして思えば痛恨事である。まぁ,遅ればせながらちゃんと魅力に気付いたのだからよしとしよう(苦笑)。

Recorded Live at Chicago Orchestra Hall between June 14 & 20, 1983

Personnel: Alfred Brendel(p), James Levine(cond), Chicago Symphony Orchestra

2014年5月 2日 (金)

策におぼれて全く面白くなかった「テルマエ・ロマエII」

2 「テルマエ・ロマエⅡ」('14, 東宝)

監督:武内英樹

出演:阿部寛,上戸彩,北村一輝,市村正親,宍戸開,竹内力,笹野高史

私はこの映画の1本目を見て,「抱腹絶倒とはいかなくてもクスクスできる」と評した(記事はこちら)が,その時にも映画がヒットしていたので,続編ありかなと思っていたら,案の定である。前作とほぼ同じキャストでの2本目となったわけだが,おそらく前作よりはるかに金は掛かっているのは間違いないところだが,映画としては全くいただけないものとなってしまった。

この映画の最大の問題点は,エピソードのぶつ切り感が著しく,その瞬間瞬間はある程度笑えるのだが,最終的な話の展開がコメディに徹することができていないことにある。車に例えれば,使っている部品はそこそこいけているが,その部品を組み合わせるだけでは名車は生まれないというのと同じである。車に照らして言えば,設計図に相当する脚本がダメ,そしてプロジェクト・マネージャーとしての監督の手腕がダメということになるだろう。

そもそも,今回,白木みのるを出してきたり,松島トモ子を出してきたりというキャスティングに何の意味があるのか。特に松島トモ子の小ネタ(熊ネタ)で受けるのはある一定の年齢層以上に限られるはずだが,この映画はそんな特定の年齢層の対象としたものではないはずである。また,曙や琴欧洲を登場させるのも,あまりにも無策なキャスティングを露呈させるだけである。曙はさておきとしても,琴欧洲には何の意味もない。そうした点も含めて,本作はあまりにも面白くなく,私は前作よりも楽しめなかったと言っておきたい。

これでは完全に「スタッフの内輪受け」だけで作っているようなところが強く感じられて,そうした要素が逆に鼻について仕方がないというやつであって,観客不在も甚だしいと思えるのである。悪ノリも度が過ぎれば不愉快になるという典型である。ということで,見ていて段々腹が立ってくるという極めて不幸な映画である。

この映画をメインで作っているのはフジテレビのはずだが,そもそも昨今何かと批判を浴びることの多いフジテレビの観客(TVの世界では視聴者)のことを何も考えていない体質がこの映画にも反映されていると言わざるをえない。私は,もっと笑えるかと思ってこの映画を見に行ったのだが,そのチョイスを強く後悔したことは言うまでもない。本当にこれではだめである。これは出演者の罪ではなく,制作側の責任が重いのである。極端さを増した阿部寛に免じて星★とするが,私はこの映画は到底認められない。最悪な気分で劇場を後にした私であった。こういう映画に腹を立てること自体馬鹿げていると言われればその通りかもしれない。だが,くだらないものはくだらないとはっきり言っておく。

3本目が作られるかどうはわからないが,次はもう行くことはない(きっぱり)。そして,フジテレビのドラマも見たくなくなることは言うまでもない。

2014年5月 1日 (木)

またもFred Zinnemannの映画を:今回は「ジャッカルの日」

Photo 「ジャッカルの日("The Day of the Jackal")」('73,英/仏,Universal)

監督:Fred Zinnemann

出演:Edward Fox,Michel Lonsdale,Michel Auclair,Cyril Cusack,Alan Badel,Delphine Seyrig

先日,Fred Zinnemannの「氷壁の女」を取り上げたばかりだが,今回も同じくZinnemannの「ジャッカルの日」である。この原作であるFrederick Forsythの同名の本が日本で出たのは1971年の頃だったらしいが,小学生の私はこの本を読んで,非常に面白いと思っていた。今にしてみれば小生意気なガキである(笑)。それが映画化されると聞いて,見に行こうと思っているうちに見逃していたというのが実態である。今回,久しぶりにDVDで見たのだが,これが無茶苦茶面白い。というか,143分という尺をものともしない見事にサスペンスフルな映画であった。

この映画が語られる時には,ドキュメンタリー・タッチとか言われるが,ちゃんとシナリオが書かれて,ちゃんと演出されて,ちゃんと編集されていれば,多少上映時間が長くても全然問題にならないことをこの映画は見事に実証していると思う。まさに見事な出来である。出ている役者陣がリアリティを盛り上げているというか,ちゃんとそういうキャスティングをしていることも成功要因であろう。

それにしても,この映画の主役であるジャッカルというキャラクターは非常に魅力的な造形であり,それに対するルベル警視はいかにもという感じもするが,やはりこうした登場人物の描き方によって,この映画の魅力は間違いなく増していると思う。本当によくできたサスペンス映画である。どうせなら,フランス側のキャストはフランス語で演じさせた方が尚よかったって気もするので,半星引いて星★★★★☆。でもまじで面白かった。それにしても,このポスター,懐かしいなぁ。

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