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2014年5月11日 (日)

待望のEnrico Pieranunziの新トリオの第2作

Stories "Stories" Enrico Pieranunzi(CAM Jazz)

Pieranunzi~Colley~Sanchezという強力トリオによる第1作"Permutation"がリリースされたのが2012年のことであった。その演奏は2009年に録音されたものだったが,今回の新作も前作のリリース前に録音されたものというこのCAM Jazzのリリース・タイミングは今回も疑問である。だが,前作も非常に出来がよかったし,メンツは違うが,昨年のPieranunziの来日公演も素晴らしかっただけに,待望と言ってよいリリースである。

結論から言えば,今回も素晴らしい作品に仕上がっている。Pieranunziらしい美的な感覚は残しながら,このトリオならではのスリリングな展開もミックスされていて,これはポイントが高い。私は前作にはこのトリオにまだ進化の余地を感じていたのだが,今回はそのコンビネーションは確実に「深化」しているように感じられる。三者が対等な位置づけを確保し,非常に優れた演奏を展開していると断言してしまおう。特にScott Colleyの活躍ぶりは前作以上のように感じる。

曲はどれもいい出来で,冒頭の"No Improper Use"からしてスリリングな展開で,つかみはOKである。美的なるものとは違ったかたちで,このトリオの実力を強く感じさせるオープニングである。そこから,アルバムを通して50分弱という演奏時間のコンパクトさもあって,一気に聞けてしまうよさが感じられる。最後をColleyとのデュオで美しく,しっとりと締めるという構成もいい。

今回,このアルバムを聞いて,前作"Permutation"を聞き直したらどういう風に聞こえるのかとついつい思ってしまった私だが,あれはあれでよく出来ていたと感じていながらも,2012年のベスト作には選ばなかった自分の審美眼を見直す結果になってしまうかもしれないなぁ(笑)。だが,本作は前作に勝るとも劣らない快作である。評価は前作同様,星★★★★☆とするが,あとは好みの問題ってことにしておこう。でも,私としては「今」のこのトリオが聞いてみたいなぁ。

Recorded on February 22 & 23, 2011

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Scott Colley(b), Antonio Sanchez(ds)

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コメント

 私にもトラックバックいただいて有り難うございました。
 Pieranunziのこの冒頭のスリリングな展開は、かってのアルバム「Canto nascosto」などとは異次元のように思いますが、このアルバムにもあの抒情性がベースにあり構築されたものと聴き取れます。こうした発展性は私も評価したいです。

風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございます。

Pieranunziは多様性のミュージシャンですから,こういうのはもちろんありだと思いますし,抒情性を認めた上でも,この手の演奏も評価しなければならないというのが,ライブを聞いた上での感想です。でもよくできてますね,このアルバムは。

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
ファースト・インプレションでちょっと戸惑いましたが、聞き込めるアルバムですね。1曲目の構図は強烈です。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

Pieranunziは多様で多才な人だと思えば,抵抗はないと思える快作ですよね。私は本作は一聴して"Permutation"以上だと思ったんですが,"Permutation"を改めて聞くと,前よりもよく感じてしてしまい,困ってしまいました(笑)。

ということで,こちらからも追ってTBさせて頂きます。

音楽狂さん、こんにちは
リンクありがとうございました。
僕は前作よりこのアルバムの方が、筋が通っているところは共通しているとしても、後半のバラードやラストの曲とか、表現力の方に磨きがかかっていると感じました。
作品の鮮度・・生ものじゃないのですが、早く聞かせて欲しい気もしますね。
こちらからもリンク張らせて頂きます。
http://musicpromenade.blogspot.com/2014/05/enrico-pieranunzi-with-scott-colley.html

とっつぁんさん,こんばんは。リンクありがとうございます。

私も前作よりも本作の方が進化していると思っています。生を聞いてみると,Pieranunziという人は実は奥深い人だと思いました。いろいろやれるんですよねぇ。なので,ある程度ハードな路線も想定内ではありましたが,演奏の質が高いのでやられてしまうって感じですね。

エンリコ・ピエラヌンツィを追いかけたのはここ5枚ほどですが、もう少し早くから聴いておけば良かったと思います。今となっては枚数が多いので、なかなか(笑)。

1曲目でやはりガツンとなりましたが、静かな曲もけっこういいですね。個人的に聴くのはあまりピアノトリオ比率は高くないですけど、彼は追いかけていこうと思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんにちは。TBありがとうございます。

おっしゃる通り,Pieranunziは多作なので,全部っていうのは大変でしょうが,古いものでもいいものだけをお聞きになればいいのではないかと思います。おそらくファンであれば,同じようなところを推すのではないでしょうか。

このアルバム,あるいはこのトリオによる前作は,Pieranunziに美的なものを期待する人にはやや刺激が強いかなぁと思いますが,これはこれで優れたアルバムだと思いました。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

閣下、忘れた頃にすみません。

旅行のタイミングとかさなってしまい、なんだかんだと、遅くなってしました。
一曲目からやってくれますよね。
でも、最後はデュオって感じでおさめてくれて、懐の深いトリオでございました。

コメント遅くなってすみませんでした。

Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。コメントのタイミングは全然問題ないです。

やはりこのトリオのレベルは異常に高いというのがよくわかりますよねぇ。今回はScott Colleyの露出度が高めってところでしょうか。次は来日したGrenadier~Ballardのトリオを出すんですかねぇ。まぁ,いずれにしても楽しみな人ですわ。

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