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2014年1月14日 (火)

遂に完結,逢坂剛のイベリア・シリーズ。

Photo 「さらばスペインの日々」 逢坂剛(講談社)

第1作「イベリアの雷鳴」以来,長年に渡って継続してきたこのイベリア・シリーズも遂にこの第7作を以って完結である。執筆期間は約15年,逢坂のエピローグによれば,ページ数にして約4,000,原稿用紙にすれば約8,000枚だそうである。これだけでもご苦労様と言いたくなるような大作であった。

私はこのシリーズを第1作から全て単行本で読んできた。つまり,出版されるごとにすぐに入手してきたのだが,振り返ればシリーズ中の作品には出来,不出来はあったものの,ここまで付き合わせてくれた逢坂剛には感謝したい。

このシリーズは史実とフィクションをうまく重ねて書かれていることが最大の特長だと思うが,私がこの長いシリーズに途中で脱落することなく付き合えたのは,本シリーズに出てくる人物の魅力的な造形にあったと言ってもよいと思う。だから,2~3年に一度出版されるこのシリーズにおいて,あの人物はどうなるのか,今度はどうなるのかと思わせるところが魅力だったと思う。前作では聯合通信記者,尾形正義の露出を高めてシリーズとしてのメリハリをつけたが,その段階で,私はその次作としての本書がシリーズ最終作であると思っていたが,予想通りとは言え,このシリーズが終わってしまうことにはやや寂しさも感じてしまう。

正直言って,私としては本書の出来は決してほめられたものではないと思っている。これだけの長編だったのであるから,最終作としての「潔い」決着のつけ方が必要であったように思える。心情的には,本作のエンディングにはこれはこれで別に文句はないとしても,もう少し本来のスパイ小説としての「厳しさ」を持たせてもよかったのではないかと思えるというのも正直な感想である。そう思っている私にはこの小説の後半はあまりに甘いだろうと言いたくなるのも仕方がない。

だが,ここではそうした点には全て目をつぶり,約15年に渡ってこのシリーズが,私を楽しませてくれたことに感謝したいと思う。私がシリーズ物の書物で,これだけ次作のリリースを待ち続けたという経験はほとんどない。それぐらい魅力的なシリーズだったとして,私は甘いことを承知で,このイベリア・シリーズ全体に対して星★★★★★を謹呈したいと思う。私が本作に登場する北都昭平,ヴァジニア・クレイトン,そして尾形正義という主要キャスト名や,それを支える魅力的な脇役を忘れたことがなかったということだけでも稀有である。最後に逢坂が書いている架空の登場人物のイメージも,なるほどねぇと思わせるに十分であった。

ということで,逢坂剛はそのうち,改めてスペイン関連の書籍をものにするだろうが,我々読者はしばらくこのイベリア・シリーズの呪縛から逃れられないであろうことを念頭に,更に優れた本を書いて欲しいものである。

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