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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2014年1月31日 (金)

ECM再発シリーズの2枚目はGary Burton

Gary_burton_7_songs_for_quartet_cha "Seven Songs for Quartet and Chamber Orchestra:Music by Michael Gibbs" Gary Burton(ECM)

ECM初CD化作品で,今回私が購入したのは3枚だが,その2枚目である。もう1枚は"Five Years Later"だが,それは別途記事にするとして,このBurton盤は,冒頭の現代音楽的な響きに最初は驚かされるが,私にとっては別に抵抗のないレベルの音楽である。まぁ,ややオーケストラの露出度が高いのも事実であり,Gary Burtonのヴァイブがもっと目立ってもいいようにも思えるのだが,コンセプチュアルな作品だと思えば,特に腹も立たない。

この作品もなぜCDになっていなかったのかという感じの作品だが,Gary Burtonの場合,ECMレーベルでは"Easy as Pie"や"Picture This"もCD化されていないはずで,この辺りはManfred Eicherの気まぐれのような気がする。Richie Beirachの場合,Eicherともめた末,Eicherの逆鱗に触れてリーダー作のみならず,多くの参加作もカタログから消されるという憂き目に遭ったわけだが,Burtonの場合はそういう話はないにもかかわらず未CD化の作品が結構あるところに不思議さがあったわけである。Steve Kuhnもそういうところがあったが,彼はボックス・セットで結構救われていたのと異なり,Burtonには救済策が必要だったのである(笑)。

だが,改めて聞いてみると,やはりこの作品,やや地味と言えなくもない。その要因は,リーダーであるBurtonがミックス的にもあまり前に出てこない場面が多いからのようにも思える。私としては,特にこの作品に違和感はないものの,やはりクァルテットがより前面に立って,オケは伴奏に徹するというスタイルの方がわかりやすいと思う。よきにつけ,悪しにつけ,時代が生んだチャレンジ作だったということができるのではないか。それにしても,Mick Goodrickの活躍の余地が小さいし,ドラマーは本当に必要だったのかとも思える。その分,Steve Swallowの出番は結構あるところが面白かった。星★★★☆。

Recorded in December 1973

Personnel: Gary Burton(vib), Michael Goodrick(g), Steve Swallow(b), Ted Seibs(ds), Members of the NDR Symphony Orchestra, Hamburg

2014年1月30日 (木)

携帯が中国より戻る...。

どんくさくも,私が先週土曜日に北京空港で落としたiPhoneが,昨日私の手許に戻ってきた。現地でボーディング間際に気がついたので,ほとんど現地での対応ができない状態だったから,半ば諦めモードだったのだが,JALに依頼して北京の地上係員への連携を経て,発見である。

受け取りには勤務先の現地法人のスタッフの手もわずらわせてしまったが,まずは戻ってきたことを素直に喜び,今回ご協力頂いたJALのCA、地上係員,そして現地法人の従業員の皆さんに改めてお礼を述べたい。皆さん,ありがとうございました。以後気をつけます(苦笑)。

2014年1月29日 (水)

出張中に見た映画(14/01編):その2はJustin Timberlake主演作

Runner_runner "Runner Runner" (’13,米,FOX)

監督:Brad Furman

出演:Justin Timberlake,Ben Affleck,Gemma Arterton,Anthony Mckie

先日の中国出張からの帰途は,風邪ひき,並びに携帯紛失のショックでボロボロだったので,全く食欲もなく,寝るに寝られずという状態だったこともあり,ソフト・ドリンクを飲みながら映画でも見るしかないというような感じであった。

更に,機種が737ということもあり,最新のシステムに比べるとエンタテインメントも限定的なものであり,選んだ映画が日本未公開の本作だったのだが,はっきり言って,これは失敗であった。オンライン・ギャンブルをめぐるサスペンス映画であるが,正直言って時間潰しにしかならなかったと言えよう。あれだけ「アルゴ」でBen Affleckをほめたのに,こんなクズのような映画に出ているのでは,せっかくの評価もガタ落ちになると言っておこう。もっと作品を選べよな...って感じなのだ。

そもそも,この映画,シナリオには相当の瑕疵があり,どうもドラマの中に登場人物の動きに連動性を感じられない,換言すれば辻褄が合わないと思わせる部分が多々あるのが難点である。主演のJustin Timberlakeは音楽界では極めて評価が高いのだから,音楽に専念していればいいものを,と余計なおせっかいをしたくなる。

まぁ,機内エンタテインメントだから仕方がないが,もう少しましな映画を選べばよかったわと自分に対して悪態をつきたくなってしまった。日本公開しても,ヒットは決して見込めないタイプの映画であろうから,そもそも未公開のままにしておけばいいような,その程度の作品。星★★。あぁ,しょうもなぁ。

2014年1月28日 (火)

ECM再発シリーズ遂に到着。このVitous,前から欲しかったんだよねぇ。

Miroslav_vitous_group "Miroslav Vitous Group" Miroslav Vitous (ECM)

韓国でのECM展の企画盤として編集された"Re: Seoul"にも一部含まれていた音源は,なぜこれまで未CD化なのか首をひねってよいものだったと思う。今回,それらが一気に初CD化され,リリースされたのは実にめでたい。私も全部買っているわけではないが,何枚かを今回入手した。その中で,特に私が欲しかったのがこのアルバムである。Ralph Townerファンの私からすれば,"Five Years Later"の方が重要だろうって話もあるが,あちらはLPも持っているし,音源も某所でダウンロードしてあったからいつでもiTunesで聞けたわけだ。しかし,本作については,何度かLPを見掛けながらも,ジャケの痛みが気になったり,アメリカ盤だったりという理由もあって,買えずにきていたものである。

そもそもこの多国籍軍とも言うべきメンツからしても刺激的で,同じメンツによる"First Meeting"もよかったし,ピアノがKenny KirklandからJohn Taylorに代わった"Journey's End"もいい出来だったのだから,その狭間のこのアルバムだけがCD化されないというのは,私には,どうしても謎というか,あるいはManfred Eicherの気まぐれにしか思えなかった。そして,このアルバムに収められた音楽を聞いてみても,「おぉっ,ECM!」と言いたくなるようなサウンドなのだから,やはり今までCD化されなかったことが不思議だと言っておきたい。

4人の共作となっているのが2曲あるが,これはまぁフリーなアプローチであるから,コレクティブ・インプロヴィゼーションと言ってもよいだろうが,美的な感覚も入れ込んでくるところに,この人たちの相性のよさを感じる。更に,この音源を聞いていて,今更ながらびっくりしてしまうのが,Kenny Kirklandの多才ぶりである。本当に何でもできる人だったと思わされるような演奏の数々である。まさにこのような才人がわずか43歳でこの世を去ったのは惜しいと言わざるをえない。

そしてこのグループではJohn SurmanもJon Christensenも十分に効いている。メンツのよさもあって,私としてはVitous個人名義のアルバムでは,"First Meeting"~本作~"Journey's End"の時期が好きだと言ってよい。こういうスリリングな展開と美的な感覚を併せ持ったアルバムなら,私はいつでも歓迎である。星★★★★☆。

Recorded in July, 1980

Personnel: Miroslav Vitous(b), John Surman(ss, bs, b-cl), Kenny Kirkland(p), Jon Christensen(ds)

2014年1月27日 (月)

追悼,永井一郎

Photo またも突然の訃報である。声優界の大御所,永井一郎が亡くなったそうである。一昨日のTBS「ニュースキャスター」では元気なナレーションを聞かせていたし,昨日の「サザエさん」も通常通りの放送であっただけに,びっくりしたと言わざるをえない。

しかし,こうした訃報に接すると,昨日の「サザエさん」の第3エピソード「父さん子ども心」には回顧的なシーンがいくつも登場していて,何かを暗示しているようにさえ思えてしまう。もちろん,永井一郎は波平だけの声優ではないと思いつつ,私が小学生の頃から波平は永井一郎そのものであった。ここに謹んでご冥福をお祈りしたい。

いずれにしても,永井一郎の個性が際立っていただけに,後任の声優が誰になるのか。誰が務めたとしても,最初は違和感があるのだろうなぁ。

超エロいR. Kellyの新作。タイトルからして笑える。

Black_panties "Black Panties" R. Kelly(RCA)

ここ暫くはトラッド・ソウル的な活動が続いていたR. Kellyだが,今回はタイトル,そしてジャケからしてアホか?と言いたくなるエロ・アルバムである。歌詞を聞いているとこれまたアホかというようなエロい歌詞ばかりで,何を考えてんねんと言いたくもなるが,スイートなソウルとエロは不可分だと考えれば,まぁいいか(なんでやねん)。

それにしても,アルバム全部がエロってのも無茶苦茶だが,放送禁止用語連発では,FMでエアプレイしても,ピーピー言い放しではないか?今時,FMよりもネットに依存すればいいってことかもしれないが,それにしても笑える。ネットでこのアルバムの曲の歌詞を検索してみればわかるが,ストレートな下ネタとはこのことである。アホくさ~と思いつつ,笑えるとともに,音楽は超スイートである。まぁ,売れるだろうけど,子供の教育上は絶対聞かせたくないアルバムだねぇ。出張疲れの病み上がりのような私が歌詞を吟味してはいけない作品だ(爆)。星★★★★。

尚,参加者多数なので,パーソネル情報は省略。

2014年1月26日 (日)

中年音楽狂の失態。

Image_3やらかしてしまった。FBでは既に報告したのだが,北京の空港でiPhoneを落としてしまった。「iPhoneを探す」アプリがこれほど役に立つとは驚きだが,帰国後GPS検索をすると,空港内で移動していることもわかるので,恐らくは遺失物扱いをされたということであろう。

そうすると,現地のJALのオフィスからセキュリティに届いているらしいとの連絡も入り,まずは一安心だが,日本にデリバリーしてもらうのにどれぐらいかかるのか?現地駐在員に任せるって手もあるがさて。しかし,今回は本当に参った。風邪はひくわ,携帯は落とすわでまさに踏んだり蹴ったりとはこのことである。

2014年1月25日 (土)

中年音楽狂,中国で撃沈(笑)

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深圳での仕事を終えて北京へ戻ってきたのだが,朝からどうも咳が止まらず,明らかに風邪をひいてしまった私である。移動がボディブローのように体力を奪うとともに,今回は訪問地の気温差に対応し切れなかったというのが実態であろう。

私は出張には強い方だと思うが,今回はダメだった。そもそも昨年11月にオープンしたばかりの深圳空港の天井を見ていて,めまいのような感覚を覚えているところからして調子が悪かったことを物語っている。だが、この空港,やたらに広い上に,天井のデザインそのものは,正直気持ちのよいものではなかったと言っておこう。

既に,仕事はほぼ完了し(と言ってもレポーティングは残っているが...),あとは帰るだけではあるが,帰国までにもう少し体調が良くなっていることを期待しよう

2014年1月24日 (金)

中年音楽狂 in 中国(その2)

本日は銀川から深圳に移動した。この地に来るのは結構久しぶりのはずだが,いやいや,香港に近いだけに暖かい。昼間の気温は22℃ぐらいで,銀川とはほぼ30℃の相違であるから,身体には決して優しくない。アメリカ出張中の温度差40℃(30℃→マイナス10℃)の移動という経験に次ぐ落差である。

そして,深圳,大都会である。前に来た時は香港からの鉄路での移動で,泊まったのも駅のそばだったと記憶しているが,今回の宿泊場所とは随分印象が違うので驚いてしまった。昼間に車で移動していると,街中に咲く花の感じはまるでマレーシアのようだったと言ってもよいかもしれない。いずれにしても中国という国の広大な国土を体感した一日であった。次はまた北京に移動なので,これまた温度差約30℃である。やってられないねぇ。


ということで,本日は深圳の夜景と春節の飾り付けの写真をアップである。ちなみに,こちらでは今が忘年会シーズンだそうである。そう言えば飲み会も派手にやっている人たちがいたなぁ(笑)。

2014年1月23日 (木)

中年音楽狂 in 中国

昨年の暮れに続いて中国に出張中なのだが,北京から今回飛んできたのが寧夏省銀川という街である。北京からだと飛行機で2時間弱ってところだが,近いようで遠く,遠いようで近いって感じの距離感であろう。いずれにしても飛行機は結構砂漠の上を飛んでいたような気もする。

そんな初めての場所に来て,最近の判断基準となるのがタクシーの運転の質なのだが,ここのタクシーは最近行った他の街に比べると極めてまともで,それだけで嬉しくなってしまった私である。仕事のクライアントもまともな人ばかりだったのもポイントが高い。こういうところならまた来てもいいと思えた。

そんな銀川は中国なのに,なぜかイスラム教徒が多いらしく,食の名物は羊らしい。ということで,今回いただいたのは羊のしゃぶしゃぶである。ゴマだれにパクチー,青ネギ,そしてラー油を加えて食するのだが,実に美味しかった(この写真は我ながらイマイチだ...)。また,ぶどうの産地でもあるらしく出てきたワインはライトボディの,クセのない結構うまい赤だった。いやはや中国,奥が深いと改めて感じさせられた瞬間であった。

内陸ゆえ,昼の気温がマイナス5℃というのは辛いが,正直体感はそれほどでもなかった。多分,あれはデータが間違っていて,私にはせいぜい0℃ぐらいに思えていたので,まぁちょうどええわって感じである。いずれにしても,人当たりもよく好感度の高い町に来れたことはよかったと思う。結局中国もいろいろってことである。次は温暖な深圳への移動だが,飛行機でも結構な時間がかかるらしい。久しぶりに出張はつらいよと言いたくなるだろうと想定している私である。

2014年1月22日 (水)

出張中に見た今年最初の映画は「ラッシュ/プライドと友情」

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「ラッシュ/プライドと友情("Rush")」(’13,米/英/独)

監督:Ron Howard

出演:Chris Hemsworth, Daniel Bruhl, Olivia Wilde, Alexandra Maria Lara, Pierfrancesco Favino

現在,中国出張中の私である。昨年は劇場で映画を24本見て,今年も同様のペースで行きたいと思いつつ,まだ一本も見てないのは問題だ(笑)。そんなところに中国出張が入り,機内エンタテインメントで,公開はこれからだが,劇場で観たいと思っていたこの作品がかかっていたので,今年最初の映画として早速観た。今年のオスカー・レースでは完全に無視されてしまった本作だが,映画としてはかなりよくできている。

本作はF1の世界における実話の映画化だが,James HuntとNiki Laudaについては名前こそ知っていても,こんなことがあったのかと思わせる。2人のチャンピオンシップ争いの決着をつけたのが,富士スピードウェイだったというのも,当時の私の関心外だったのは今にしてみれば惜しいが,まさしく素晴らしいバトルだったのだろうと想像させる。

人物の造形が極めてわかりやすく設定されていることに,評価の分かれ目があるようにも思うが,それでも優れたドライバーにもこれほど大きなキャラの違いがあるということが非常に面白く描かれている。そして,この映画の売りはレース・シーンにあるが,レース・シーンに偏ることなく,ドラマといいバランスになっているのは評価すべきだと思う。

よくできた映画なのに,なぜオスカーではノミネーションすらなかったのかは疑問だが,興行が大成功とは言えなかったところに問題があったのかなぁなんて思いたくもなる。しかし,私は大変面白く見ることができたし,レース・シーンやサウンドを楽しむためには劇場に行ってもいいかもなぁと思わせる作品となっていた。星★★★★☆。

尚,これからの日本公開では,主役の吹き替えをKinki Kidsの2人が担当するそうだが,私からすればギャグか冗談にしか思えないので,本作は字幕で見るべきだと思う。そもそもオーストリア人であるNiki Laudaを演じるDaniel Bruhlには,ドイツ語のセリフも相応にあるのを,堂本剛にそのまま演じられんのかい?と言っておこう。

2014年1月21日 (火)

追悼,Claudio Abbado

Abbado 今日は全く違う記事を書こうと思っていたのだが,いきなりの訃報に方針変更せざるをえない。Claudio Abbadoが亡くなったそうである。80歳ということであるから,早逝とは言えないが,胃がんから復活し,アルバムもリリースしていただけに,まだまだ活躍して欲しかった。昨年の来日も体調不良でキャンセルになっていたが,だからと言ってこの訃報を予想していた人はいないだろう。

私はAbbadoの生での体験は,学生時代の楽器の搬出入バイトついでに見たロンドン響との「マーラー5番」と「幻想」だけで,決して熱心なファンだったとは言えないが,実は結構な数のCDは保有している。何を振っても水準以上の演奏をする人であったが,私が初めて買ったのは確かPolliniとのバルトークのピアノ協奏曲だったのだから,相当変わっていると言われても仕方がない。その後にはまったのはロッシーニの序曲集だったと思う。そして,Abbadoがシカゴ響を振った「幻想」は実にいい演奏だったと思っていた。しかし,ベルリンの首席になってから,どうも私は絶対的にいいと思えなくなっていたのも事実である。もちろん悪い演奏ではないのだが,相性ってやつである。むしろ,シカゴ響やロンドン響との演奏を聞くことの方が多かったのは事実なのだ。

だが,最近ではIsabelle Faust,モーツァルト管とやったベルク/ベートーベンのヴァイオリン協奏曲なんて凄くいいなぁと感じたし,まだまだいけてるねぇと思っていただけに今回の訃報は残念でならない。ということで,亡きAbbadoを偲んで,今夜はマーラー5番を聞いた私であった。昨年だか一昨年だかにヴェルディのオペラ・ボックスも気まぐれで買ったのだが,今度ゆっくりと追悼のために聞くこととしよう。いずれにしても,Claudio Abbado,素晴らしい指揮者であった。

R.I.P.

2014年1月20日 (月)

久々にCecil Taylorを聞いた。

Cecil_taylor_solo "Solo" Cecil Taylor(Trio)

ちょっと前にブログのお知り合いのkenさんが取り上げられていて,ついつい懐かしくなって,音源をダウンロードしてしまったアルバムである。私はこの作品はLPで保有しているはずだが,実家に置いたままになっていると思う。CDには中古市場でとんでもない値段がついているが,ダウンロードなら安いものである。

そして,久々にこのアルバムを聞いて思ったのは,こんなにも演奏時間が短かったのかということである。あっという間に30分強の時間が過ぎていく。Cecil Taylorの音楽は,決して聞き易いものではないから敷居が高いのは当然だが,私も長年いろいろな音楽を聞いてきて,対応能力が増したのか,あるいは何でも受け入れるようになったのかは別にしても,今回の感じ方はやや意外であった。

Cecil Taylorと言えば,2012年にブルーノートでの公演が予定されていながらキャンセルになってしまい残念な思いをしたが,昨年来日して,田中泯との共演を果たしていたことは全然知らなかった。もはや80歳を過ぎて,なかなか来日が期待できないと思っていた割には,こういう情報を把握していなかったのはまさに痛恨である。

ライブの機会は逃したとしても,音源がなくなるわけではないということで気を取り直す以外にはないが,それでもここにはいかにもTaylorらしい音楽が詰まっていると言ってよいと思う。演奏時間の短さは,集中力の裏返しと考えれば,この程度でよかったのだと思える。これが"Air Above Mountains"になると,75分になってしまうので,こっちの体力も大変だってことになるが,このアルバムにはそうしたところがない。ピアノ・ソロだけに騒々しさはないが,それにしてもTaylorの叩き出す音数に圧倒される30分強である。星★★★★☆。やっぱり,Taylorのライブは一度は見ておきたいなぁとつくづく思わされた。

Recorded on May 29, 1973

Personnel: Cecil Taylor(p)

2014年1月19日 (日)

Tony Williamsそっくりで笑えるCindy Blackman

Cindy_blackman_someday "Someday..." Cindy Blackman (High Note)

今やCarlos Santana夫人となり,Cindy Blackman Santanaを名乗るCindy Blackmanであるが,このブログでは彼女のLifetimeトリビュート・アルバムを取り上げたことがあり(記事はこちら),その時にもTony Williamsからの影響は顕著だと書いた。そして,このアルバムは毎度おなじみ新橋のテナー・サックスの聖地,Bar D2で聞かせて頂いたものだが,スタンダードを大胆に翻案した音が面白くて,中古でゲットしてきたものである。未開封盤700円が3割引きセールで490円であるからお買い得であった(笑)。

Bar D2のマスターはこのアルバムはJ.D. Allenの参加ゆえにお持ちだとは思うが,J.D. Allenは結構このCindy Blackmanの作品に参加していて,本作はまだ20代(と言っても後半だが)の頃である。その後,2011年にJ.D. AllenはDownBeatのライジング・スターに選ばれているが,そういう意味では彼が認知度を高めたのは随分後になってからのことになると言ってよい。私にとってはJeremy PeltのクインテットにおけるJ.D. Allenが印象深いが,この頃からほとんどスタイル的には出来上がっているようにも思える。

それはさておきである。冒頭の"My Funny Valentine"を聞くと,腰を抜かすリスナーもいるのではないかと思えるほど,ハイブラウな感じに仕立てているが,そこで聞こえるCincy Blackmanのドラムスは,まさにTony Williamsのカーボン・コピーのようにさえ思えてしまう。影響もここまで明確に表れると笑みさえ浮かんでしまうが,それにしてもよく似ている。

アルバムとしても演奏のレベルもなかなか高くて,いいメンツだと思えるが,J.D. Allenに加えて,ピアノを弾いているCarlton Holmesもなかなか侮れない。こういう人がうようよしているのだから,やはりアメリカのジャズ界は奥が深いと言わざるをえない。これだけの実力があるのに,シーンに登場してこないのはジャズ界以外での活動が多いからかもしれないが,2010年にはリーダー・アルバムも発表しているようである。ちょっと興味あるなぁ。ただ,楽歴を見ていると,共演者が地味だけにやっぱり表に出てきづらいようにも思える。

ということで,毎度のことながら,お店で聞かせて頂いて,中古なら買ってもいいかなぁなんて思いつつ,お手頃価格で手に入れられてあぁ,よかった,よかったというアルバムである。星★★★★ぐらいはつけてもよいと思える佳作。ただねぇ,このジャケットは...(苦笑)。

Recorded on April 27, 2000

Personnel: Cindy Bl;ackman(ds), J.D. Allen(ts), Carlton Holmes(p, rhodes, key), George Mitchell(b)

2014年1月18日 (土)

今となっては貴重なBob Bergのスタンダード集

Another_standard "Another Standard" Bob Berg (Stretch)

このブログでも何度か書いてきたが,私はBob Bergのファンである。だからと言ってコンプリートを目指すとかいうことはないのだが,彼のハードボイルドと言って良いフレージングを聞いていると,大概の場合は私は参ってしまうのである。Milesのバンドでも,その後の活動でもそれは変わらない。Bob Bergは2002年に自動車事故であっさりこの世を去ってしまったが,やっぱり惜しい人を亡くしたと言いたい。

そのBob Bergが唯一残したスタンダード集であるが,これが一筋縄では行かない。"You and the Night and the Music"や"Just in Time"のような曲を,こんなに急速調でハードボイルドに仕立ててしまうところがまさに彼らしいと言うべきか。しかも"Michelle"なんかもやっているが,テーマは崩しようがなかったかもしれないとしても,ソロになるとやっぱりこうなっちゃのねぇという感じのBob Berg節の炸裂である。そうなると私のようなファンはウハウハ・モードになることは言うまでもない(きっぱり)。

ここではRandy BreckerやMike Sternも参加しているが,原則Bob Bergのワンホーンというのも嬉しいところだが,共演者であるDavid KikoskiやGary Novakの貢献度が高い。KikoskiはBob Bergとの共演は結構していたようだからわかるが,一般にはフュージョン系ドラマーと思われがちなGary Novakがいけているドラミングを聞かせるのは大したものである。ちなみに,Mike Stern参加のBob Bergオリジナル"No Trouble"はもろにBerg~Stern Bandのようで,浮いていると言えば浮いているが,このコンビ好きにはたまらない出来。国内盤にはStern参加の"It Could Happen to You"がボートラで入っているようだが,私のは輸入盤なので未聴。

選曲にもアレンジにもこだわりが表れ,なかなかいい出来のスタンダード集ということで,改めて評価したいと思う。星★★★★。やっぱりBob Berg,惜しい人である。

Personnel: Bob Berg(ts,ss), David Kikoski(p), Ed Howard(b), Gary Novak(ds), Randy Brecker(tp, fl-h), Mike Stern(g)

2014年1月17日 (金)

非常に面白いAl Di MeolaのBeatles集

All_your_life "All Your Life" Al Di Meola(Valiana)

去年の秋口にリリースされたアルバムである。私にとってはAl Di Meolaは決して嫌いなギタリストではないし,しかもBeatles集ということであれば,もっと早く購入していてもよかったかもしれない作品であるが,ついつい手が出ないままになっていたものを,年が明けてようやく購入したもの。

Beatlesの作品集というのは実はミュージシャンにとっては相当チャレンジングなものではないかと私は思っている。なぜなら,多くの人が原曲を知っていて,そのイメージを壊せば,なんじゃそりゃ?と言われる一方,個性を打ち出せなければ,こんなものなら誰でもできるという指摘を受けかねないからである。だから,1曲だけを取り上げるというのであればまだしも,単一のミュージシャンが全てBeatlesの曲で固めたアルバムを作るのはかなり大変なことであり,そういう理由から,コンピレーション的な取り組みが多くなっているように感じられる。だからこそ,このアルバムも実は聞くまではちょっと不安があったことは正直に告白しておこう。

だが,このアルバムを聞いて,正直私はAl Di Meolaを見直したと言いたい。原曲のよさはちゃんと残しながら,演奏にはAl Di Meolaの個性が表れているからである。その中には「くずし」の美学も感じさせる。例えば,"Michelle"なんて,サビまで聞けば確かに"Michelle"だが,そこまではほんまに"Michelle"かと思わせるような感じなのだ。そしてフレージングは,誰がどう聞いてもDi Meolaなのだから,これは面白い。私は長年のBeatlesのファンでもあるが,この演奏ならば納得できると思わせるものであった。"Eleanor Rigby"のストリングスなんて,まんまじゃないかという声もあろうが,全体を通して聞けば,これはよく頑張って作ったと思う。そして,へぇ~,こういう風にやるんだと思わされたがゆえに,ついついギターでコピーをしたくなってしまった作品である。そういう思いも含めて星★★★★☆としてしまおう。

もっと色ものかと思っていた自分を反省。ごめんね,Di Meola(笑)。

Recorded in May and November, 2012 and February 2013

Personnel: Al Di Meola(g, perc), Hernan Romero(clap)

2014年1月16日 (木)

本日はお休みです。

新年早々出張続きである。出張には飲み会が付いてくるってことで,帰りは遅いし,酔っ払ってるしで,記事を書くのは無理!ってことで,今日はお休みです。いきなりサボりぐせが出てるようでは先が思いやられる...。

2014年1月15日 (水)

非常に面白かったDiego Barber / Hugo Cipresの双頭作

411 "411" Diego Barber / Hugo Cipres (Origin)

ショップをうろついていたら,激安で売っていたのでメンツにつられて購入した作品である。Diego Barberと言えば,Mark Turnerらを擁するFlyをバックにデビュー作をリリースしていたはずだが,私は購入に至っていない。それに続く第2作もメンツ的には魅力的だったのだが,なんで買わなかったのかはよくわかっていない。まぁ,興味の対象外だったか,そこまでフォローする財力に乏しかったってことであろう(笑)。

そんな私がこのアルバムを購入したのは,完全に値段である。昨年5月リリースの本作が何と500円(税抜き)である。ありがたや,ありがたや。と言うか,この値段なら失敗してもまぁ仕方がないと諦めもつく。しかもバックにはSeamus BlakeにAri Hornigの名前があるのだから,ついつい手が伸びようというものである。

それでもってこのアルバムだが,Diego Barberがギターとベースというのはわかるが,コ・リーダーのHugo Cipresと言う人はDesktop担当となっているので,まぁエレクトリックなサウンドになるのだろうということはある程度想像できたのだが,これが私の予想を越えて面白いのである。エレクトリック・ミニマルと言うべきか,あるいはテクノ・ジャズと言うべきかという感じなのである。ある意味,NYCのロウワー・イーストサイドのクラブで聞こえてきそうな音と言えばいいだろうか。最後の曲には"East Side Story"なんてタイトルがついているから,あながちそうした感覚もはずれていないかもしれない。Seamus BlakeはここでテナーとEWIを吹いているが,サウンド的には彼がBoris KozrovとやっているMalfunction Alibiに近い感じと思えばいいと思う。Ari Hoenigは激しく煽るというよりも,音楽にフィットした感じで抑制されながらも,ちゃんと手数は出している。

正直なところ,これが本当にジャズなのかと問われれば,「否」と言ってしまうが,それでもこれは面白い。"All In"に聞かれるようなファンク的なサウンドにはついつい乗ってしまった私であるし,"Poncho"に聞かれるようなミニマル的なサウンドも心地よい。決してノイジーにならず,淡々としているところがまさにテクノ,あるいはアンビエント・ミュージックである。乞う言う音楽ってのは定常的に聞きたいのではなく,たま~に何の気なしにプレイバックしたくなるタイプの音楽だと言ってよいと思う。とにかく心地よく身体を揺らしてくれるのである。星★★★★。こういうのを拾いものと言う(笑)。

Recorded in October, 2011

Personnel: Diego Barber(g, b), Hugo Cipres(desktop), Seamus Blake(ts, EWI), Johannes Weidenmueller(b), Ari Hoenig(ds)

2014年1月14日 (火)

遂に完結,逢坂剛のイベリア・シリーズ。

Photo 「さらばスペインの日々」 逢坂剛(講談社)

第1作「イベリアの雷鳴」以来,長年に渡って継続してきたこのイベリア・シリーズも遂にこの第7作を以って完結である。執筆期間は約15年,逢坂のエピローグによれば,ページ数にして約4,000,原稿用紙にすれば約8,000枚だそうである。これだけでもご苦労様と言いたくなるような大作であった。

私はこのシリーズを第1作から全て単行本で読んできた。つまり,出版されるごとにすぐに入手してきたのだが,振り返ればシリーズ中の作品には出来,不出来はあったものの,ここまで付き合わせてくれた逢坂剛には感謝したい。

このシリーズは史実とフィクションをうまく重ねて書かれていることが最大の特長だと思うが,私がこの長いシリーズに途中で脱落することなく付き合えたのは,本シリーズに出てくる人物の魅力的な造形にあったと言ってもよいと思う。だから,2~3年に一度出版されるこのシリーズにおいて,あの人物はどうなるのか,今度はどうなるのかと思わせるところが魅力だったと思う。前作では聯合通信記者,尾形正義の露出を高めてシリーズとしてのメリハリをつけたが,その段階で,私はその次作としての本書がシリーズ最終作であると思っていたが,予想通りとは言え,このシリーズが終わってしまうことにはやや寂しさも感じてしまう。

正直言って,私としては本書の出来は決してほめられたものではないと思っている。これだけの長編だったのであるから,最終作としての「潔い」決着のつけ方が必要であったように思える。心情的には,本作のエンディングにはこれはこれで別に文句はないとしても,もう少し本来のスパイ小説としての「厳しさ」を持たせてもよかったのではないかと思えるというのも正直な感想である。そう思っている私にはこの小説の後半はあまりに甘いだろうと言いたくなるのも仕方がない。

だが,ここではそうした点には全て目をつぶり,約15年に渡ってこのシリーズが,私を楽しませてくれたことに感謝したいと思う。私がシリーズ物の書物で,これだけ次作のリリースを待ち続けたという経験はほとんどない。それぐらい魅力的なシリーズだったとして,私は甘いことを承知で,このイベリア・シリーズ全体に対して星★★★★★を謹呈したいと思う。私が本作に登場する北都昭平,ヴァジニア・クレイトン,そして尾形正義という主要キャスト名や,それを支える魅力的な脇役を忘れたことがなかったということだけでも稀有である。最後に逢坂が書いている架空の登場人物のイメージも,なるほどねぇと思わせるに十分であった。

ということで,逢坂剛はそのうち,改めてスペイン関連の書籍をものにするだろうが,我々読者はしばらくこのイベリア・シリーズの呪縛から逃れられないであろうことを念頭に,更に優れた本を書いて欲しいものである。

2014年1月13日 (月)

イタリアのお金持ち,Nicolosiグループが今回招いたのはDennis Chambers!

Groove_and_more "Groove and More" Dennis Chambers(Soul Trade)

このブログでもNicolosi一家によるグループNovecentoがプロデュースしたアルバムは何度か取り上げている。Billy Cobham然り,Deodato然りである。彼らはその他にもBilly PrestonやStanley Jordanのアルバムも制作しており,都度,豪華なゲストを迎えて,ナイスなグルーブ感を持つアルバムをリリースしてきた。今回,彼らが招いたのがDennis Chambersである。そして,ゲストとしてクレジットされているのがPatti Austin,Scott Henderson,Stanley Jordan,Brian Auger,Jeff Berlin,そしてOsibisaのGregg Kofi Brownとあっては,食指も動くというものである。

出てくる音楽は,まぁ予定調和と言ってしまえばその通りだし,Dennis Chambersならばこれぐらい行けるでしょうって感じの演奏であるが,難しいことは考えず,この心地よいグルーブに身を委ねればいいのではないかと思える。曲も全てが最高というわけではないが,こっちもどうこう言うのは野暮である。こうした音楽には理屈は不要。なので,Dennis Chambersのドラミングとゲスト並びにNovecentoの演奏を楽しめばいいということである。意外だったのは2曲目でゲスト参加のStanley Jordanがタッピングではなかったこと。まぁ,あの奏法はパッと見は凄いんだけど,飽きられるのも早いからなぁ。ちなみに,Patti Austinは全然目立ってない(笑)。

いずれにしても,Novecentoがプロデュースするアルバムのグルーブはいつでも大体において心地よいので,それに身を委ねることにすればいい。悪く言えば,毒にも薬にもならないということになるのだが,それでいいのである。過剰な期待を掛けずに気楽に楽しめばよいという作品。星★★★。

Personnel: Dennis Chambers(ds), Scott Henderson(g), Brian Auger(org), Jeff Berlin(b), Patti Austin(vo), Stanley Jordan(g), Gregg Kofi Brown(vo), Dora Nicolosi(vo), Lino Nicolosi(g, perc prog), Rossana Nicolosi(b), Pino Nicolosi(key, org, synth), Melissa Aldana(ts), Bob Crystal(ts, fl),

2014年1月12日 (日)

Avishai Cohen:クラシカルな響きにはまる

Almah "Almah" Avishai Cohen(Parlophone)

ブログのお知り合いの皆さんの評価も高いAvishai Cohenのアルバムである。私にとってのAvishai Cohenと言えば,Chick Corea Originでの活動やBrad Mehldauのゲスト参加がある"Adama"ぐらいのアルバムが記憶に残る程度であり,決して熱心な聞き手ではない。また,最近,イスラエルのミュージシャンのアルバムが話題になることがあるものの,ショップで試聴しても私への音楽的なフィット感は実は今イチって感じなので,真っ当に購入したことはない。だから,このアルバムもスルーしていたのだが,どうにも気になってきたので,年明けにショップで購入したもの。値段が結構安かった(ネットより安かった)のは嬉しかった。

そして,このアルバムを聞いて驚いたのは,その室内楽的な美しさと言ってよい。ある意味,クラシカルに響く演奏の中で,美しい旋律がひと際耳に残る。そして,スタンダード"A Child is Born"が何の違和感もなく含まれているところに,このアルバムのよさが表れていると思える。更にそこに組み込まれた"Arab Medley"は何を意味するのか?ユダヤとアラブの対立が根深い中で,ユダヤ人としてのAvishai Cohenが示した和平への祈りなのかとも思いたくなる演奏である。まぁ,ほかの曲とやや性格が異なるかなぁと思わせないわけではないが,それでも違和感はないものとなっている。

いずれにしても,全編に渡って静かに美しさを放つ曲が揃っているが,ややテンポの上がる"Shlosre"でさえ,美的な感覚を横溢させていることが,私の知り合いの皆さんに評価される理由だろうと思った次第である。ECMレーベルが持つような美学とは性格が異なるが,こうした美感もまた捨て難い。最後の曲に入っている歌はどうなのかねぇと思わせないわけではないが,意外と枯れた感じの声(Stingみたいと言えばいいだろうか)が結構フィットしていて,これはこれでいいかなぁなんて思ってしまった。Virgil Donatiのようなハードな音楽を聞いた後には,清涼剤のような役割さえ果たしてくれるナイスな作品であった。私にとっては,さすがにここまで目配りできないなぁというタイプの音楽であるが,さすがお知り合いの皆さんの洞察の鋭さを改めて思い知らされたアルバムである。尚,本作は昨年11月のリリースなので,本来,今年の新譜として扱うには問題があるかもしれないが,まだ2カ月程度なので,ここは新譜扱いとさせて頂く。

ということで,モダン・ジャズ原理主義者には向かないだろうが,バックの弦の美しさを堪能するだけでも満足できるアルバム。クラシック好きにも受け入れやすいだろう。星★★★★☆。

Recorded on June 2-9, 2013 & September 4-5, 2012

Personnel: Avishai Cohen(b, vo), Nitai Hershkovits(p), Ofri Nehemya(ds), Cordelia Hagmann(vln), Amit Landau(vla), Noam Haimovitz Weinschel(vla), Yael Sapira(cello), Yoram Lachish(oboe, english horn), Amir Bresler(ds), Keren Tannenbaum(vln), Galia Hai(vla)

2014年1月11日 (土)

今年最初のライブはKrystian Zimerman。

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今年最初のライブ(コンサート)は,Krystian Zimermanによるベートーベン後期ピアノ・ソナタの演奏@武蔵野市民文化会館であった。そもそもこのリサイタルは昨年11月の予定だったものが,Zimermanの腰痛でリスケされたもの。

別にZimermanのファンでもない私だが,チケット価格が手頃だったこともあるし,ベートーベンのピアノ曲って生で聴いたこともないなぁなんて程度のゆる〜い理由である。それでもこの日に備えて,Schiffの演奏で予習して行ったのだが,どうもKrystian Zimermanの演奏がピンとこない。悪い演奏だとは思わないのだが,痺れないのである。また,Schiffの演奏をベースにすると,Zimermanの演奏の方がベートーベンらしいのかもしれないが,私にはSchiffの方がはるかに魅力的に聞こえてしまった。

これは,私がベートーベンのピアノ曲の良い聞き手でないことによるところが大きいとは思うが,演奏の間,ずっと居心地の悪さを感じていた私である。やはり,私はベートーベンとは相性が悪いのか?でもなぁ,シンフォニーや弦四は問題ないんだけどなぁ...。Schiffの演奏は好きだったしなぁ...。

ってことで何が言いたいのかさっぱりわからなくなってしまったが,Krystian Zimermanは昨年末からずっと今回のレパートリーで日本各地で公演しているのだから,もう少し鋭さなり,成熟なりを示しても良いように思えるのだが,普通に流れ過ぎているように感じていた私である。聴衆の反応に熱狂がなかったのは,単に聴衆がおとなしいだけなのか,私と同じように感じていたかは全く謎である(笑)。

Live at 武蔵野市民文化会館大ホール on January 10, 2014

Krystian Zimerman (p)

2014年1月10日 (金)

Virgil Donati:これは完全にロックだ!

Virgil_donati "In This Life" Virgil Donati(Gildon Music)

先日,Virgil Donati入りの渡辺香津美の"Spinning Globe"を取り上げたばかりだが,そこでもタイトなドラミングを聞かせたVirgil Donatiのアルバムを,ブログのお知り合いの910さんが取り上げられていたこともあり,実は香津美盤と一緒に発注したのが本作である。私はVirgil Donatiというドラマーについては香津美盤を除けばほとんど耳にしたことがなかったはずだが,よくよくブログの記事を振り返ってみればUncle Moe's Space Ranchの第2作で1曲だけ叩いていた。逆に言えば,この人についてはその程度しか知らないのである。よって,この人の音楽を聞くのであれば,香津美盤が基準になるわけだが,ここに収められた音楽は,香津美盤よりはるかに激しく,はるかにロックである。もちろん,ハード・フュージョンというカテゴライズも可能であろうが,とんでもない(わけのわからない?)変拍子も飛び出し,私にとってはプログレッシブ・ロック的な感覚も強い。とにかくこれは激しい。

全編に渡って,ここまでやらなくてもって感じのハードな演奏が続くが,ある意味,ハードロック的な爽快感さえおぼえてしまうリスナーもいるのではないだろうか。逆に言えば「よくぞここまで」ということもできるわけだが,一本調子と言えばその通りである。中盤に置かれたクラシカルな響きの(換言すればプログレ的な)"Pradaise Lost"や"The Fall of Dreams"のような曲では,若干のチェンジ・オブ・ペースは図られるが,基本的には勢いで押し通すタイプの音楽と言ってよいと思う。もちろん,プログレ的なサウンドも,ここにも参加しているAlex Machacekと並んで,Virgil DonatiがUKのツアーに参加していることからも想定可能ではあるわけだが,基本はテクニカル・ハード・プログレ・フュージョン(長っ!)なのである。

私としてはそうは言っても,やはりこれはロックだよなぁって言わざるをえない。まぁ,私はロックも好きなので,こういうサウンドでも全然問題ないのだが,もしこれをジャズだと思って聞いてしまえば,おそらくは違和感なり,嫌悪感を抱くリスナーがいても不思議ではない。よって,このアルバムを購入するのであれば,この記事に書いたようなサウンドであることをよく認識して頂く必要があるだろう。

いやいや,それにしてもやかましいわ。それもまた爽快なのだが。ということで星★★★★.

Personnel: Virgil Donati(ds, key), Marco Sfogli(g), Irwin Thomas(g), Bret Garsed(g), Alex Machacek(g), Rafael Moreira(g), Simon Hosford(g), Alex Argento(key), Rusian Sirota(key), Dennis Hamm(key), Jeff Babko(key), Doug Shreeve(b), Evan Marien(b), Anthony Crawford(b), Tom Kennedy(b), Artyom Manukyan(cello), Paul Sherman(oboe, english horn),

2014年1月 8日 (水)

待望!随分入手に苦労したOndřej Štveráček(Ondrej Stveracek)の新作

The_form001 "The Form" Ondřej Štveráček Quartet(New Port Line)

「ジャズ界のおんどれ君(笑)」ことOndřej Štveráčekと言って反応するのは,相当の好き者と言えると思うが,この人の既リリースのアルバムを聞いて,この人こそチェコを代表するテナー奏者に違いないと思っている人は私だけではないはずだ。このブログでも彼の2作を既に取り上げて,私も相当熱くなっていた(記事はこちらこちら)。そんなOndřej Štveráčekが新譜をリリースしたことはネット上で判明していたのだが,情報がなかなか見つからない。ネットのCD販売サイトも見つからない。ということで,私は本作をリリースしたNew Port Lineレーベルに直接コンタクトし,何とかCDを入手できないのか直談判をしていた。返信してきたのはなんと本作のプロデューサーであるPetr Marekその人であった。その後もいろいろとコミュニケーションを図っていたのだが,なかなか決済手段がみつからないということで,私が思っていたよりは時間が掛かってしまったが,年明けになってようやくCDがデリバリーされた。

今回はクァルテット名義となっているが,トランペット/フリューゲル・ホーンともう1本のテナーがゲスト参加しているので,2管,3管の編成の曲も含まれている。Ondřej Štveráčekのファンとしては,彼のワンホーンが最も好ましいとしても,こういう編成だとどうなるのかというのも興味深いところであるが,いやいややはりこの人はいけている。コルトレーン的なサウンド,新主流派的なサウンド,あるいはネオ・ハード・バップ的なサウンドのミクスチャーという感じで,ジャズに「熱」を求めるリスナーの期待には十分応えられるはずである。

しかし,ジャケを見ているだけでも強面な人たちだなぁと思うが,やっている音楽も相当強力である。私としてはワンホーンでやったライブ盤の熱さが最も好きではあるが,ここでの演奏もチェコのジャズ・ミュージシャンの質の高さを示すに十分なものとなっている。現在では,チェコのネット・サイトでこのCDは買えるようになっているから,ご関心のある方はそちらでどうぞってところだが,私としてはあくまでも副産物ではあるが,プロデューサーのPetr Marekと直接メールでコミュニケーションできたのはよかったと思っている。彼には,Ondřej Štveráčekによる日本でのライブを待望している人間がいると伝えたところ,Ondřej Štveráčekにも伝えてくれるそうである。ついでに余計なお世話かもしれないが,来日するならチェコ大使館にスポンサーシップの申し入れもした方がいいなんてことも伝えておいたが,実現の暁には好き者は全員集合ってことで(笑)。ということで,入手できた嬉しさ含めて星★★★★☆。

Recorded on July 23 & 24, 2012

Personnel: Ondřej Štveráček(ts), Brian Charette(p), Tomas "Kasten" Baros(b), Marian Sevcik(ds), Osian ROberts(ts), Miroslav Hloucal(tp, fl-h)

2014年1月 7日 (火)

渡辺香津美のオッサン・トリオは年齢不詳音楽(笑)。

Spinning_globe "Spinning Globe" 渡辺香津美(Warner Music Japan)

年末年始の休暇も今日で終わりである。社会復帰不能モード炸裂中であるが,仕事は待ってくれない(笑)。それよか仕事の前に,ブログの記事を通常モードに戻さねば(爆)。

ということで,今年最初にデリバリーされたCDのうちの1枚である。リリースは昨年12月なので,これを2014年になって新譜として取り上げることに抵抗がないわけではないが,まだリリース後1カ月程度しか経過していないことを考えれば,まぁよしとしよう。

渡辺香津美の音楽は多岐に渡るので,私としては全部追いかけるというようなことはしていない。基本的にエレクトリック編成しか買っていないと言ってもよく,最後に買ったのはMo'Bop Bandだったはずである。Mo'Bop Bandも3枚目になるともういいかなぁなんて思わされたことも,その後,私が渡辺香津美の音楽からやや距離を置いた理由かもしれない。昨年のLee Ritenourとのライブを見逃したのは惜しかったが,それでも昔のコロムビア時代の"Kazumi Box"所収音源や,"Mobo","Spice of Life"だって好きなことには変わりはない。今回は"Spice of Life"での共演も懐かしいJeff Berlinとの共演ということもあり,久々の香津美盤の購入である。

それにしても,ここに収められた演奏だけを聞いて,この人たちの年齢を当てろと言われても難しいのではないかと思えるほど,年齢不詳の音楽をやっている。香津美とBerlinは還暦,若そうに見えるVirgil Donatiですら55歳なのである。これにはまじで驚くが,魂さえあればロック心は減衰しないということを身を以って実証したって気がする。しかし,そうは言っても,所謂イケイケのハード・フュージョンってわけではなく,その辺には年齢相応って感じがないわけではない。ただ,ライブだと相当やってしまうんだろうなぁと思わせる演奏も含まれていて,昨年のこのバンドのライブを見ておけばよかったかなぁなんて考えてしまった。

曲はいかにも香津美作のタイトル・トラックから,なかなかいけている曲が並んでいるが,ドラマー,Virgil Donatiの書いた3曲が各々に個性的で,この人,作曲家としても侮れないということを示している。ということで,これは私が最近聞いたフュージョン系のアルバムの中では,かなりいい出来だったと言ってもいいもののように思える。但し,"I Will"はもう少し仕掛けがあってもよかったかなぁって思わせるのがちょっと惜しいが。それでも新年のご祝儀込みで星★★★★☆としよう。

ところで,Jeff Berlinと言えば,Scott Henderson,Dennis Chambersとのトリオも生で見てみたかったなぁ。当時のライブ情報のフォロー不足露呈...。その分,昨年はTribal Techを見たからいいけど(苦笑)。

Recorded in September 2013

Personnel: 渡辺香津美(g),Jeff Berlin(b),Virgil Donati(ds)

旅先から戻ったばかりなので...。

旅先から東京に戻ってきたのだが,東京は冷え込んでいるとの話がある一方,旅先では朝の最低気温が氷点下6℃だったこともあり,東京では全く寒さを感じなかった私である。

しかしながら,東京に帰ったばかりなので,ちゃんと記事を書く余裕がない。私は本日まで休みを取っているので,旅行中の昨日届いたCDについては後刻記事をアップすることにしよう。ということで今日も暫しのお休み状態,悪しからず。

2014年1月 6日 (月)

今日はお休みです。

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現在、正月休みの最後に家族で旅行中のため、本日はお休みです。ちなみに今日泊まっているのはこんなところ。

2014年1月 5日 (日)

今年最初に聞いたポップ・アルバムはArt Garfunkel。

Breakaway "Breakaway" Art Garfunkel(Columbia)

正月休みも間もなく終了であるが,のんびりしているようで,何かと慌ただしい休み中にはやはりくつろぎを求めてしまうのが人情である。そんな時,ジャズやクラシック以外で何を聞こうかなぁなんて考えていると,ハード・ロックやヘビメタって感じではないので,そういう時にしっくりくるのはArt Garfunkelだなってことで,本作である。

Art Garfunkelのアルバムなら,大概のものはこういう気分にフィットするはずであるが,今回は"Angel Clair"に次ぐソロ第2作をチョイスしてみた。私はこのアルバムの中では冒頭のStevie Wonder作"I Believe (When I Fall in Love It Will Be Forever)"が最高だと思っているが,Gallagher & Lyleの書いたタイトル・トラックも相当好きである。Gallagher & Lyleは"A Heart in New York"も書いているので,Artとは相性がいいのだと思いたくなる。Stephen Bishop作の2曲(特に最後に収められた"The Same Old Tears On A New Background"が素晴らしい)もArtにピッタリで,まさにこのあたりは選曲の妙と言いたくなる。だが,Jobim作の「三月の水」でのArtの歌いっぷりはどうかなぁって気もするし,S&Gとしての復活作"My Little Town"もいい曲なのだが,惜しむらくはこのアルバムの中ではほかの曲からはちょいと浮いている気がする。この曲はPaul Simonの"Still Crazy after All These Years"にはフィットしていたが,このアルバムではそうはいかなかった。そうした点を気にしなければ,このアルバムは極上のポップ・アルバムと言ってよいと思うが,"My Little Town"には目をつぶっても,やはり「三月の水」はいけていない(苦笑)。

だが,いいアルバムであることは間違いない。歌手としてのArt Garfunkelは後に自身のベスト・アルバムに"The Singer"というタイトルをつけたわけだが,ここでも「歌手」としての矜持を感じさせる作品だといってよいように思う。もちろん,私は"Angel Clair"や"Scissors Cut"の方が優れた作品だと思うが,この作品もそれに次ぐ作品だとは思う。しつこいようだが,それだけに「三月の水」が惜しいのだ。何だかもったいないねぇと思わせるが,心地よく時間を過ごせるアルバムであることには間違いない。星★★★★。

尚,参加ミュージシャン多数なので,パーソネル情報は今回は省略。

2014年1月 4日 (土)

今年3枚目のアルバムはGil Evans。

Where_flamingos_fly001 "Where Flamingos Fly" Gil Evans(Artist House→A&M)

正月早々に聞くにはちょっとヘヴィーかなぁと思いつつ,暫く聞いていなかったこのアルバムを取り出してみた。思えば,このアルバムもArtist HouseレーベルからLPがリリースされたものの,同レーベルがなくなってしまって,その後A&Mが引き継いでCDがリリースされたが,今ではアホみたいな値段がついてしまっている。そもそも中古盤屋で見掛けることも滅多にないものになっているのがある意味Gil Evansらしい(苦笑)。

Gil Evansがある程度の商業的な成功を収めたのは,Monday Night Orchestraのこれまた今や亡きSweet Basilにおける演奏をキング・レコードが次々とリリースした頃だと思うが,それ以外は,本当にアルバムもお蔵入りの憂き目にあったりしていたというのが実態であり,本作も71年に録音されていながら,市場に初めて出たのは確か10年後だったはずである。そして,改めてこの音楽を聞いてみて,これは売れるタイプの音楽ではない。だが,このようなアルバムがリリースされなかったことの方が不健康と言いたくなるほど,クリエイティブな響きに溢れていた。振り返れば,"Priestess"だってお蔵入りしていたし,パブリック・シアターのライブだって,当時のトリオ・レコードがリリースしなければ,どうなっていたかわからないのである。それがGil Evansの宿命なのかもしれないが,それにしても本当に優れた音楽を作る人であった。

私はMonday Night Orchestraがキング・レコードからリリースされる前の1983年に,彼らの生をNYCで見ることができたのだが,その頃はまだリハーサル・バンド的な色合いも濃厚で,Lew Soloffがリフの指示を出していたのがいまだに記憶に残っているし,メンツは今でも全部覚えているぐらい興奮した(余談だが,体調がすぐれず,1セットで帰ってしまったDavid Sanbornの隣で吹いていたのがNelson Rangellで,まるでSanbornのカーボン・コピーのような音を出していたのが今でも思い出される)。3セット全て粘ったのも懐かしいが,Sweet Basilもほとんど満席だったはずである。ようやくGil Evansが表舞台に出る時が来たという感じだったが,その時にはGil Evansは既に70歳を過ぎていたのである。それにしてはやっている音楽が極めて若々しかったのが印象的であったが,その5年後に亡くなってしまったのはつくづく残念であった。

とやや回顧的な書きっぷりになってしまったが,このアルバム,やはりハイブラウである。本作が出た当時はFlora PurimとAirtoの参加が話題になったものだが,彼らもGil Evansの音楽の一部として機能しているだけである。いずれにしても,鑑賞音楽としては相当敷居が高いと言ってもいいかもしれないが,それでもここに聞かれるスリリングな響きは大したものである。特に本作ではHoward Johnsonのバリトンの活躍ぶりが著しい。そして,このアルバムをプロデュースしているのが,The Bandの諸作でもお馴染みのJohn Simonというのは意外と言えば意外であるが,"Priestess"もJohn Simonのプロデュースによるものであったから,才人は才人同士で理解し合っているということを感じざるをえない。

Where_flamings_fly_lp いずれにしても,なかなか本作は入手が難しいかもしれないが,見つけたら即買いをお薦めしたくなるようなGil Evansの傑作盤の一つである。星★★★★★。ついでに本作のLPのカヴァー写真もアップしておこう。LPは実家に置いたままのはずだなぁ(爆)。

Recorded in 1971

Personnel: Gil Evans(p, el-p, tuck-p), Billy Harper(ts, chimes), Haward Johnson(bs, tuba, fl-h), Trevor Koehler(ss, bs), John Coles(tp), Stan Shafran(tp), Hannibal Peterson(tp), Jimmy Knepper(tb), Joe Beck(g, mandolin), Bruce Johnson(g), Herb Bushler(el-b), Richard Davis(b), Bill Quinze(el-b), Don Preston(synth), Phil Davis(synth), Lenny White(ds), Bruce Ditmas(ds), Sue Evans(perc, marimba), Airto Moreira(vo, perc), Flora Purim(vo, perc),

2014年1月 3日 (金)

今年の2枚目はAzymuthにしてみた。

Azymuth "Águia Não Come Môsca" Azymuth (Atlantic)

今年のプレイバックの2枚目に選んだのが本作である。Kenny Wheeler入りのAzimuthってバンドもあるのでややこしいが,やってる音楽は全く違う(笑)。こちらは心地よいことこの上ない音楽であり,新春を飾るにはちょうどいいって感じである。

私はそもそもブラジル音楽も好きだが,Azymuthというバンドは,シリアスになり過ぎることなく,ブラジル音楽のよさも活かした演奏をする人たちだと思う。この人たちの音楽は「クロスオーバー・イレブン」のテーマ音楽に選ばれたことによって,認知度が結構高まったことは間違いないだろうが,今,こうして聞いてみても心地よさは不変である。件の曲は"Vôo Sobre O Horizonte(Fly over the Horizon)"であるが,本作所収の同曲と,"Light as a Feather"の同曲とどちらがいいかって話もあるが,私にとってはどちらも捨て難い印象を持つものであるが,こちらの方が原初的な魅力があり,後者は洗練度が増しているという考え方が可能だと思う。でも,やっぱり両方いいですわ~。

惜しくもJosé Reberto Bertramiは2012年に亡くなってしまったので,このグルーブの本当の意味での再現はできないということになるわけだが,それでもこうした人々の記憶に残る音源を残してくれたのはよかったと思う。まぁ,このジャケだけは何とかならんかったかと言いたくもなるが,それでも音楽としての魅力は不変である。正月にリラックスしながら聞くには最適なものであった。星★。

Personnel: José Reberto Bertrami (key, vo), Alexandre Malheiros (b, g, vo), Ivan Miguel (Mamão) (ds, perc, vo), with Paulo Moura (ss), Ariovaldo (perc), Nenem (perc), Doutor (perc), Jorginho (perc), Angela (vo), Marcio Lott (vo), Paraná (vo)

2014年1月 2日 (木)

Art Farmer:今年最初にプレイバックした音楽

Art_farmer_the_summer_knows "The Summer Knows" Art Farmer(East Wind)

お正月は家族が集っている時間なので,そういう環境下で音楽を聞くこと自体は極めて難しいのだが,間隙をぬって今年最初にプレイバックした音楽が本作である。元旦からお節料理と酒漬けでまったりした時間に,刺激的な音楽はとても聞けないので,ソフトな音を求めて何にしようかなぁと思って,目に付いてしまった。

本作は日本のEast Windレーベルが,制作能力の高さを示したものとして有名だが,演奏も優れていれば,選曲もナイスで,リラックスした感覚で聞けるのが最高である。やはりArt Farmerのソフトなフリューゲル・ホーンの音色は心を落ち着かせてくれる。裏を返せば,刺激に乏しいとも言えるが,人生,刺激を求めてばかりでは疲れてしまう。ということで,聞いていて,我ながらナイスなチョイスであったと思ってしまった。

振り返れば,昨年,ここでピアノを弾いているCedar Waltonが亡くなり,ここでのメンバー全員が亡くなってしまったことになるが,それでもレガシーとしてこういう演奏が残るということに,ミュージシャンという職業に羨望を感じざるをえない。いまから約40年近く前の演奏であるが,今聞いてもその魅力には全く衰えがない。いい演奏は不滅だということである。

私はこのアルバムをLPの時代から愛聴してきたが,その当時はA面ばかり聞いていたような気がするが,今回,改めて聞き直してみると,B面に相当する4曲目以降の演奏も結構よかったなぁと思える。CDの時代になって,LP時代と音楽の聞き方が変わったと思えるが,アルバムの聞き方に偏りがなくなるという点ではそれはそれでよかったように思う。もちろん,LP片面聞きというジャズ喫茶的な聞き方のよさも認めつつではあるが,いずれにしても,この演奏は全編を通して本当に好きである。それでも前半3曲の方が好きなことには一切変わりはないが(笑)。ということで,年始のご祝儀込みで星★★★★★としてしまおう。最近は記事を書くこともなくなった「中年音楽狂が一肌ぬぐシリーズ」が継続していたら,そのうち紹介したであろうこと必定のアルバム。いいねぇ...。

Recorded on May 12 & 13, 1976

Personnel: Art Farmer(fl-h), Cedar Walton(p), Sam Jones(b), Billy Higgins(ds)

2014年1月 1日 (水)

あけましておめでとうございます。

2014newyearspacecovers_2 皆さん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

今年の抱負と言ったものは特にないですが,今年もできるだけ多くの音楽を聞き,出来るだけ多くの映画を見たいといういつも通りの願望だけはあります。

しかし,これまでも述べてきたように,生活環境の変化に伴って,音楽の聞き方そのものに変化が生じているため,このブログの記事の書き方にも若干変化が生じてくるかもしれません。それでも,出来る限りは記事の更新を続けたいと思いますので,引き続きよろしくお願い致します。

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