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2014年1月 4日 (土)

今年3枚目のアルバムはGil Evans。

Where_flamingos_fly001 "Where Flamingos Fly" Gil Evans(Artist House→A&M)

正月早々に聞くにはちょっとヘヴィーかなぁと思いつつ,暫く聞いていなかったこのアルバムを取り出してみた。思えば,このアルバムもArtist HouseレーベルからLPがリリースされたものの,同レーベルがなくなってしまって,その後A&Mが引き継いでCDがリリースされたが,今ではアホみたいな値段がついてしまっている。そもそも中古盤屋で見掛けることも滅多にないものになっているのがある意味Gil Evansらしい(苦笑)。

Gil Evansがある程度の商業的な成功を収めたのは,Monday Night Orchestraのこれまた今や亡きSweet Basilにおける演奏をキング・レコードが次々とリリースした頃だと思うが,それ以外は,本当にアルバムもお蔵入りの憂き目にあったりしていたというのが実態であり,本作も71年に録音されていながら,市場に初めて出たのは確か10年後だったはずである。そして,改めてこの音楽を聞いてみて,これは売れるタイプの音楽ではない。だが,このようなアルバムがリリースされなかったことの方が不健康と言いたくなるほど,クリエイティブな響きに溢れていた。振り返れば,"Priestess"だってお蔵入りしていたし,パブリック・シアターのライブだって,当時のトリオ・レコードがリリースしなければ,どうなっていたかわからないのである。それがGil Evansの宿命なのかもしれないが,それにしても本当に優れた音楽を作る人であった。

私はMonday Night Orchestraがキング・レコードからリリースされる前の1983年に,彼らの生をNYCで見ることができたのだが,その頃はまだリハーサル・バンド的な色合いも濃厚で,Lew Soloffがリフの指示を出していたのがいまだに記憶に残っているし,メンツは今でも全部覚えているぐらい興奮した(余談だが,体調がすぐれず,1セットで帰ってしまったDavid Sanbornの隣で吹いていたのがNelson Rangellで,まるでSanbornのカーボン・コピーのような音を出していたのが今でも思い出される)。3セット全て粘ったのも懐かしいが,Sweet Basilもほとんど満席だったはずである。ようやくGil Evansが表舞台に出る時が来たという感じだったが,その時にはGil Evansは既に70歳を過ぎていたのである。それにしてはやっている音楽が極めて若々しかったのが印象的であったが,その5年後に亡くなってしまったのはつくづく残念であった。

とやや回顧的な書きっぷりになってしまったが,このアルバム,やはりハイブラウである。本作が出た当時はFlora PurimとAirtoの参加が話題になったものだが,彼らもGil Evansの音楽の一部として機能しているだけである。いずれにしても,鑑賞音楽としては相当敷居が高いと言ってもいいかもしれないが,それでもここに聞かれるスリリングな響きは大したものである。特に本作ではHoward Johnsonのバリトンの活躍ぶりが著しい。そして,このアルバムをプロデュースしているのが,The Bandの諸作でもお馴染みのJohn Simonというのは意外と言えば意外であるが,"Priestess"もJohn Simonのプロデュースによるものであったから,才人は才人同士で理解し合っているということを感じざるをえない。

Where_flamings_fly_lp いずれにしても,なかなか本作は入手が難しいかもしれないが,見つけたら即買いをお薦めしたくなるようなGil Evansの傑作盤の一つである。星★★★★★。ついでに本作のLPのカヴァー写真もアップしておこう。LPは実家に置いたままのはずだなぁ(爆)。

Recorded in 1971

Personnel: Gil Evans(p, el-p, tuck-p), Billy Harper(ts, chimes), Haward Johnson(bs, tuba, fl-h), Trevor Koehler(ss, bs), John Coles(tp), Stan Shafran(tp), Hannibal Peterson(tp), Jimmy Knepper(tb), Joe Beck(g, mandolin), Bruce Johnson(g), Herb Bushler(el-b), Richard Davis(b), Bill Quinze(el-b), Don Preston(synth), Phil Davis(synth), Lenny White(ds), Bruce Ditmas(ds), Sue Evans(perc, marimba), Airto Moreira(vo, perc), Flora Purim(vo, perc),

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