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2013年10月 7日 (月)

Carla Bleyの新作がなぜECMからなのか?それは聞けばわかるはず...。

Carla_bley_trios "Trios" Carla Bley / Andy Sheppard / Steve Swallow (ECM)

普段はECMの傍系レーベルWatt/XtraWattからアルバムをリリースしているCarla Bleyが本家のECMからアルバムを出すとは思っていなかったが,出てくるサウンドを聞いていると,むべなるかなという感じの音であった。

私はCarla Bleyについて,彼女の"Heavy Heart"をこのブログにアップした時に次のように書いている。「Carla Bleyというミュージシャンは,イメージ的に取っつきにくいところがあって,結構多くの人にとって敷居が高いミュージシャンとなっていないだろうか。少なくとも私にとっては"Jazz Composers Orchestra"や"Escalator Over the Hill",更にはCharlie HadenとのLiberation Music Orchestraのイメージが強過ぎて,ついつい敬遠しがちなミュージシャンとなってしまった。」

だが,それって結局は私の思い込みで,見た目からも感じさせる(笑)女闘士だとかいうイメージは実はとうの昔に払拭されていて,彼女の目指していたのは(フリー・ジャズという意味ではなく)より自由な音楽活動であったように思える。彼女の奏でる音楽はいろいろなタイプがあって,ある意味では捉えどころがないと言ってもよいのだが,このアルバムを聞いていると,成熟を重ねたミュージシャンが行きついた境地のようなものを感じると言っては言い過ぎだろうか。女性の年齢をばらすのは失礼を承知で,Carla Bleyは今年既に77歳となっているのだから,落ち着き感が出てきてもそれは当たり前ではあるが,ここではある程度予想される美しさ,静謐さに加え,Monk的な響きを持つブルージーな感覚さえもそこはかとなく生み出しているのが大変素晴らしい。

ここで演奏されている曲は,"Les Trois Lagons (D'Après Henri Matisse)"の1曲を除いて,既発の曲のはずである。今,こうしたレパートリーに取り組むことにも,レトロスペクティブな意味合いもあるだろうが,それよりも何よりも非常に強く感じるのがCarla Bleyのピアノの美しさである。そしてそれを増幅させたのがAndy Sheppardであり,彼の貢献度は極めて大である。フレージング,音色ともにジャスト・フィットである。Steve Swallowも出過ぎることなく,適切な演奏ぶりで,こういう演奏にエレクトリック・ベース?という声もこれなら上がらんだろうというものとなっていて,とにかくこの三者のバランスが非常にいいのである。

これこそ予想を上回る素晴らしさ。まさにManfred Eicherマジックか?と言いたくなるような逸品である。なぜECMからのリリースなのかは本作を聞けばすぐにわかるというものである。星★★★★☆。

そう言えば,この前にSteve Swallowのリーダー作も出ていたのに,まだ聞いてない(爆)。さっさと聞かねば。

Recorded in April 2012

Personnel: Carla Bley(p), Andy Sheppard(ts, ss), Steve Swallow(el-b)

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コメント

過去の演奏と比べながらだともっと楽しめそうな気がするので、いずれ機会があったら同じ曲の元の録音と聴き比べをやってみたいです。

でも、ここだけの演奏を聴いても、満足感の高いものでした。ECMらしくもあり、彼女らのペースでもあり、絶妙なバランスです。

TBさせていただきます。

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
このアルバムいろいろな要素が絶妙ですが、ECMこのところずいぶんアルバムだしますね。

閣下、、
愛機、って、可愛がってますか?
我が家にも、箱入り愛機があるんですぜ。。

それは、、さておき、、
時にスペイシーで時間がとまったようにも思えるようなピタリと気持ちの重なる息の合った三位一体。
硬質で陰影あるカーラのピアノ、、確かに、ジェントルで洒脱なサックスAndy Sheppardの功績は大きいですね。

トラバありがとでした。とばします!
って、キャロル集もってましたっけ??

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

ここでは再演曲が多いですが,ドラムスやホーンが分厚くなるとどうなるんでしょうねぇ。非常に興味深いですよね。私もちょっと聞いてみたい気が。でもその余裕が時間的にも,財務的にもないのが残念です。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

おっしゃる通り,ここのところのECMのリリース・ラッシュにはこちらがついていくのが大変です。全部を買っているわけではないのですが,それでも結構きついですよねぇ。ちなみに私はTownerのトリオ盤を心待ちにしているのですが,まだデリバリーされていません。早く来て欲しいです。

Suzuckさん,おはようございます。TBありがとうございます。

「箱入りの愛機」って何ですか?気になります。

それはさておき,このアルバム,非常によかったです。凛としたCarlaのピアノとそれを支えるSheppardのサックス,そして寄り添うようなSwallowって感じですね。

穏やかでありながら,奥の深い音楽でした。

こんばんは。ブログで取り上げるだろうなって思ったアルバムはヒトの記事を読まない。エイキョーされるとね、と思って。記事を投稿して、トシヤ氏の記事をみたら、まるで同じ印象なので、楽しくなりました。アイヒャーの存在感、ですよね。カーラが自身のレーベル以上に美しく、可愛く響き、その浮遊感に魅了されました。

kenさん,こんばんは。

確かにそういうところありますよねぇ。私も別にパクったわけではないのに,非常に表現が似ていたって記憶がありますから。感じ方も,嗜好が同じだと似てくる部分もあるのではないかと思います。

kenさんの記事を拝見しましたが,確かにトーンは近いものがありますよね。でも,ある意味,そう感じて当然の演奏だったって気もします。

コメント&TBありがとうございます。こういう作品を聴くにつけ、Manfred Eicherのプロデューサーのしての力量に唸らされてしまいますね。年末に改めてご紹介頂いたおかげでこの傑作を聴き逃さずにすみました。当方からもTBさせて下さい。

1irvingplaceさん,こんばんは。TBありがとうございます。

私も本作はブログのお知り合いの記事をきっかけに購入したようなものでした。Eicherというのはつくづく素晴らしいプロデューサーで,ミュージシャンの個性を引き出す術を知っているという点では本当に感心させられます。

本作も本当にCarla Bley?って言いたくなるような穏やかな作品だったと思います。

Carla Bleyはほぼ全部、ECMもほとんど聴かない身にとって、なぜこのアルバムを買って聴こうと思ったか、自分でも???な部分があるんですが。。
でもこの作品は聴いて良かったと思える良い作品でした。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございます。

Carla Bleyって聞かずにおけば,そのままになってしまう可能性が高い人だと思っていますが,やはりそれはパブリック・イメージが...ってところによるんでしょうねぇ。しかし,私は本作を聞いて,完全にイメージが変わりました。ほかの作品でもそれはわかっていたはずなんですが,思い込みはいかんですね(苦笑)。

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