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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2013年9月30日 (月)

Elvis CostelloとThe Rootsって本当に合うのかと思ったが,これがいけている。

Wise_up_ghost "Wise Up Ghost" Elvis Costell & the Roots(Blue Note)

私はThe Rootsがソウル界の人たちと共演したアルバムは押し並べて高く評価している。John Legend然り,Booker T. Jones然り,そしてBetty Wright然りである。The Rootsの?uestloveによるプロデュースは非常に適切,的確で,こうしたミュージシャン達の魅力をあぶり出していたと思う。しかし,今回はElvis Costelloである。ちょいと畑が違うだけにCostelloも結構好きな私としては若干の危惧もあったが,それは完全に杞憂に終わった。

そもそもこの人たちは,The Rootsがハウス・バンドを務める"Late Night with Jimmy Fallon"での共演で意気投合したらしいので,まぁ相性はよかったんだろうと思うが,これが想定外のよさなのである。ここではElvis CostelloがThe Roots寄りにソウル的な感じで歌っていて,ロック的な要素は希薄である。だが,The Rootsの面々の伴奏に乗って,これがしびれる出来なのだ。Costello,ある意味ではチャレンジャーであるが,見事に楽々クリアしてみせた。さすがだ。

私はDeluxe Editionをオーダーした自覚はなかったのだが,私のところに届いたのは15曲入りのDeluxe Editionであった。ジャケからしてまるでブックレットのような感じで,そこにCD盤が刺さっているような感じである。こういうのはあまり見たことがないが,そんなことはどうでもよく,ここでの音楽は新たな領域に取り組んだCostelloこそが最大の注目点であり,そして成果である。さすが,才能のある人は何でもできるのねぇと感心してしまうが,いいものはいいのである。

私はCostelloが結構好きとは言え,熱烈なファンとは言えないレベルである。もしこの作品を,Costelloの本流のファンが聞いたらどう思うのかについては非常に興味深い。Costello自身はBill Frisellとやったり,Burt Bacharachとやったりと,相当芸風は幅広いがそれでもやはりこれはびっくりさせられるだろうなぁ。通常盤の最後に入っているはずの12曲目"If I Could Believe"はまさにCostello節で,これでファンは溜飲を下げる思いをするのかもしれないなぁと思いつつ,私は本作での新しいCostelloを十分に楽しんだ。非常に優れたアルバムとして星★★★★☆

Personnel: Elvis Costello(vo, org, p, key, b, g, melodica), Kirk Douglas(g, vo), Ray Angry(key), James Poyster(key), Kamal Gray(key), Mark Kelley(b), Pino Palladino(b),  ?uestlove(ds), Frank Knucles(perc), Korey Riker(ts, bs), Chris Farr(sax), Matt Cappy(tp), Damon Bryson(sousaphone), Diane Birch(vo), La Marisoul(vo) & the Brent Fischer Orchestra

2013年9月29日 (日)

Fred HerschとJulian Lageのデュオ:う~む,悪くはないんだけど,没入できない...

Free_flying "Free Flying" Fred Hersch & Julian Lage(Palmetto)

このアルバムのリリースが告知された時から本作には並々ならぬ期待を寄せてきた私である。そしてようやくデリバリーされた本作を聞いたのだが,これが主題の通り,決して悪いとは思わないのだが,私としてはもっと上のレベルを期待しただけに,やや肩透かしを食らった気がしている。

冒頭の"Songs Without Words #4: Duet"は出だしの1曲としては上々の立ち上がりである。だが,この後が必ずしも,こちらの思っているように行かないのである。本作は9曲のうち7曲をHerschのオリジナルが占め,多くが誰かに捧げられている。ほとんどはミュージシャンだが,8曲目の"Gravity's Pull"が捧げられているMary Jo Salterという人は詩人だそうである。それはさておき,彼らがどういう意図を持ってそうしたオマージュを捧げたかはわからないが,正直言って,それがそもそもピンときていない。タイトル・トラックの"Free Flying"は何とEgberto Gismontiに捧げられているのだが,HerschとLageのどちらからもGismontiとの関係性は明確には浮かび上がってこない。それっぽいと言えばそれっぽいが,どうも彼らのイメージと違うんだよなぁ。

私としてはリズミックに攻められるよりも,もう少し美的な側面を強調して欲しかったなぁというのが正直なところである。もちろん,全編を聞いていれば,やっぱりこの二人はいいねぇと思わせる瞬間も沢山あるが,それでもリスナーは贅沢なのである。私としてはやはりコットンクラブで聞いたHerschの生のイメージが強過ぎたかもしれない。ということで星★★★★。

尚,この作品が録音されたのはNYCのPark Avenueにあるホテル,The Kitano内のJazz at Kitanoにおいてである。私もThe Kitanoのバーには行ったことがあるが,その頃は現在ほどライブを定期的にやっている感じではなかった。現在はほぼ毎日ブッキングされているようであるが,比較的地味なミュージシャンの出演が多く,穴場的な感覚もあるので,落ち着いて音楽を楽しむにはいいかもしれない。そういうところにこの二人が出ていたということがある意味羨ましい。HerschのホームグラウンドはVanguardのはずだが,Lageとのデュオってことでヴェニューを変えたってことかも知れない。

Recorded Live at Jazz at Kitano on February 14-16, 2013

Personnel: Fred Hersch(p), Julian Lage(g)

2013年9月28日 (土)

怒涛のようにCDが届く...

だが聞いている余裕がない...。

できるだけ早くFred Hersch & Julian Lageを聞くぞ~。Costello & the Rootsも聞きたいぞ~。ってことで,本日は開店休業モード。皆さん,すみません。

そう言えば,今日は「あまちゃん」の最終回だなぁ。あの音楽を毎日聞けないとおかしくなりそうだが,やっぱりDVD買うしかないな。それにしても第155回の宮本信子は素晴らしかった。ここのところ,毎回じ~んとしているぞ(爆)。最終回では泣くかもなぁ(笑)。

2013年9月27日 (金)

想定通りだったのだが,感動してしまった薬師丸ひろ子版「潮騒のメモリー」

「あまちゃん」も最終週となってしまったが,最近はカラオケで「潮騒のメモリー」を唸る私である(爆)。それぐらいこの曲,オヤジの琴線に触れるわけだが,ドラマの方では音痴ということになっていた薬師丸ひろ子演じる鈴鹿ひろ美がこの歌をどのように歌うのかが注目された。だが,薬師丸ひろ子がキャスティングされた段階から,多分こうなるだろうということは想定していたが,やっぱりである。

だが,その当たり前のシナリオにもかかわらず,この歌唱シーンを見て,ついつい感動してしまった私は本当の単純単細胞である。しかし,この映像を見れば,多くの人はわかるはずである。いや~,まじでTVの前でじ~んとしていた私である。では皆さんもご一緒に(笑)。

2013年9月25日 (水)

Stefano Bollani & Hamilton de Holanda:歌心と哀愁とテクニックと...

Stefano_bollani "O Que Sera" Stefano Bollani & Hamilton de Holanda(ECM)

私が結構なECM好きであることはこのブログでも書いてきたが,ここのところ,新譜はそこそこゲットしていても,記事にするのが非常に遅くなりがちである。最近はレーベルからのリリース枚数が多過ぎて,なかなかついていけないというのも正直なところではあるが,それでもやはり私のブログへの取り組みが,以前ほどの「絶対書かねば」感が減少していること,そして,引越し以来通勤時間が短くなったため,音楽を聞く時間そのものが減っていることも影響していると言えるだろう。端的に言えば,デリバリーされるCD群を十分にフォローしきれていないのである。だが,通勤時間が短くなった部分,自宅のPCで聞く時間はそこそこ増えているものの,家人の手前,自分の部屋にこもりっきりになってもいられず,なかなか難しいのである(苦笑)。そうした影響もあり,このアルバムも記事にするのに随分時間が掛かってしまった。

このアルバムの冒頭の数音を聞いて,ECM好きのリスナーなら「おぉっ!」と膝を乗り出すはずである。この美的なサウンド,これだけでつかみはOKである。その後に展開される音楽には優れたテクニックに裏打ちされながらも,美感と哀愁,更にはスピード感も同時に実現していてしびれてしまう。これはライブの模様を本来は放送音源として録音したものを,Bollaniが買い取ってECMに売り込んだというのが真相ではないかと思われる。だが,Bollaniがそうしたくなるのもわかるという納得の好ライブである。

こうした音楽の感覚ってどこかで聞いた覚えがあるという既視感があり,よくよく考えてみると,かつてChick CoreaがPaco De Luciaと共演した"Touchstone"の冒頭の2曲での共演ぶりを想起させるものだと感じた。あちらはスパニッシュ・テイストだったが,それをブラジリアン・テイストに置き換えれば,結構似た感覚になるかもしれないなぁと思ってしまった。もちろん,Pacoはギター,Holandaはバンドリンという違いはあるが,テクニシャン同士のピアノと弦楽器という組合せがそういう感覚を私に覚えさせた。もちろん,やっている音楽そのものは全然違うのだが,このアルバムを聞いた後,"Touchstone"を聞いてみると,やっぱりそう言う感じであった。まぁ,これは私個人の直観的なものもあるので,それが正しいというわけではないが,ちょっと面白かった。

それにしても,バンドリンという楽器はブラジル版のマンドリンであり,早弾きには適さない形状のようにも思えるが,よくもまぁこんな感じで弾けるもんだと感心し続けた一枚である。だが,私の心を捉えたのはそうしたテクニックよりも,冒頭の"Beatriz"の出だしから感じられた美感の方である。やはりこれはいいと思う。ということで,ライブならではのお遊び感覚もあり,痺れるという感じではないが,これはこれで十分に楽しめるアルバム。それにしても,Bollani,多才である。星★★★★☆。

Recorded Live in Antwerp on August 17, 2012

Personnel: Stefano Bollani(p), Hamilton de Holanda(bandolin)

2013年9月24日 (火)

「サイド・エフェクト」:惜しい,あまりに惜しいSteven Soderberghの映画界引退

Side_effects 「サイド・エフェクト("Side Effects")」('13,米)

監督:Steven Soderbergh

出演:Jude Law, Rooney Mara, Channing Tatum, Catherine Zeta-Jones

日本では宮崎駿の長編映画からの引退ばかりが話題になっているが,それはそれで惜しいとしても,洋画好きの立場から言えば,Steven Soderberghの映画界からの引退の方がはるかに重大なニュースである。まだ50歳のSoderberghがなぜこれからという時期に引退しなければならないのかの真相は本人のみぞ知るというところだろうが,引退は「惜しい」という思いを強くさせたのが,現在公開中のこの映画である。

Steven Soderberghという人は多作の人で,私も全部見ているわけではなく,前回見たのは「コンテイジョン」で,その後2本日本で公開されているものの,それらも見ていない。だが,私が見た映画はどれもよく出来たものだったと言ってよいと思う。そうした感覚は本作でも健在である。この静かに,かつじわじわとサスペンスを盛り上げるタッチは,凡百の監督には無理という感じである。ある意味での「静けさ」は「コンテイジョン」でも私が感じたものであるが,私としてははるかに「サイド・エフェクト」の方を支持したい。

あまり細かいことを書くとネタバレになってしまうので,ストーリーについては記述を避けるが,なるほど,そういうことかぁという展開である。それを破綻なく見せるのは,Soderberghの演出力とScott Z. Burnsの脚本に依存するところ大である。このBurnsという人,本当にいろいろな映画の脚本を手掛けているが,昔で言えば,William GoldmanやStirling Silliphantの絶頂期のような,見事な仕事ぶりである。次作は新生「猿の惑星」シリーズ第2弾らしいから,こちらへの期待も高まると言っておこう。

そしてSoderberghであるが,本当にこれを最後にしてしまうのかと言いたくなるようないい仕事である。派手派手しい部分は何もないこの映画のサスペンスを維持したことはちゃんと評価しなければならない。「そんなのあり?」という話ではあるが,フィクションの世界の中でちゃんと落とし前をつけた作品である。大作って感じの映画ではなく,これは確実に愛すべき小品ということで,私としてはSoderbergh作品としては「イギリスから来た男」みたいに評価したい映画であった。星★★★★☆。Soderberghが翻意し,また映画の世界に戻ってくることを期待しよう。

2013年9月23日 (月)

まぁ,はっきり言ってしょうもないのだが,妙に懐かしい「怒りの荒野」

Image_2

「怒りの荒野("I Giorini Dell'ira")」('67,伊/独)

監督:Tonino Varerii

出演:Giuliano Gemma, Lee Van Cleef, Walter Rilla, Lucas Ammann

私は西部劇好きだが,マカロニ・ウエスタンについてはSergio Leoneの作品以外は真面目に見たことはほとんどないと言ってよい。ただ,昔はTVでもよく放送していたから,全然見たことがないわけではなく,この作品も昔TVで見たはずである。記憶に残っていたのは「ガンマンの心得10カ条」ぐらいであろう。それを今回,久しぶりにDVDで見た(未見のまま放っておいて,買ったこともほとんど忘れていた)わけであるが,Wikipediaで見てみると,この10カ条,なかなか含蓄に富んでいるとも言える。

  • 教訓の一 決して他人にものを頼むな。
  • 教訓の二 決して他人を信用するな。
  • 教訓の三 決して銃と標的の間に立つな。
  • 教訓の四 パンチは弾と同じだ。最初の一発で勝負が決まる。
  • 教訓の五 傷を負わせたら殺せ。見逃せば自分が殺される。
  • 教訓の六 危険な時ほどよく狙え。
  • 教訓の七 縄を解く前には武器を取り上げろ。
  • 教訓の八 相手には必要な弾しか渡すな。
  • 教訓の九 挑戦されたら逃げるな。全てを失う事になる。
  • 教訓の十 殺しは覚えたらやめられない。

まぁ,映画として見れば,正直言って,Leone作品のような切れ味はなく,B級映画と言えばその通りである。しかし,Giuliano Genmmaの冒頭の情けなさから,嫌な感じへの転換を経て,ラストにはやっぱりこうなるよねぇといういかにものシナリオではありながら,ちゃんと筋は通してあるところは認めたいと思う。しかも,善人がほとんど出てこないという徹底ぶり。それを強調するLee Van Cleefの「ワル」ぶりが渋いねぇ。馬で引きずられるシーンは何とも情けないが,それ以外はカッコいいオッサンぶりを示している。特典映像のGemmaの証言によれば,相当の大酒飲みで,それがキャラにも影響を与えていたらしいが,演技がまともなら許す(と言っても,B級はB級であるが...)。

だが,映画として冗長感があるのは間違いない事実で,イタリア本国版の115分は長過ぎるように感じた。アメリカ公開版は95分らしいが,どこをどうカットしたかはわからないが,それぐらいで十分だろうと思わせる作品。まぁ,そこそこ楽しんでしまったのでの,大甘で星★★★☆。

2013年9月22日 (日)

Moutin Factory Quintet:驚きはないが,レベルの高い演奏が楽しめる佳作

Moutin_factory_quintet "Lucky People" Moutin Factory Quintet(Plus Loin Music)

これまではMoutin Reunion Quartet名義でアルバムをリリースしてきたMoutin兄弟が新たに編成を拡大して発表した新作である。そもそもこれまでがなんでReunionで,新しいバンドがFactoryなのかはさっぱりわからないが,この人たちのアルバムはいつもクォリティが高くて,失望させられることがない。私の中では,フランス人の演じるジャズはその癖のようなものが,どうも肌に合わないことが多いのだが,この人たちの演奏はそういう要素が希薄であることもポイントを高くしている理由と言えるかもしれない。こういう演奏ならば,現在のNYCで演奏されていると言ってもそれほど違和感がないように思える。まぁ,現在,Francois Moutinは活動拠点をNYCに置いているようだからそういう要素は十分あり得るが...。

前作の"Soul Dancers"ではWeather Report色濃厚なところを聞かせた彼らだが,今回は"Relativity"にWR的なところを感じないわけではないが,前作とは違って,そうした要素は抑制されているように感じる。だが,彼ららしいスリリングさは健在で,これはなかなか楽しめるアルバムである。

リーダーのMoutin兄弟に留まらず,参加しているメンバー全員が相当の腕の持ち主であると思わせる演奏の数々と言ってよい。Moutin兄弟の書くオリジナルもなかなか魅力的である。しかしながら,その一方で,「これは凄いや!」って感覚までは与えられないというのも事実であり,正直言って驚きはないというのが実感である。まぁ,音楽はどこまで突き抜ければいいのかと考えだしたらキリがないが,今一歩のハイブラウさがあってもよかったように思える。例えば,冒頭の"Lucky People"に若干聞かれるEmmanuel Codjiaの暴れっぷりを拡大しても,面白い演奏になったのではないだろうか。

但し,上述の通り,演奏としては十分楽しめるし,メンバーの実力も発揮されているので,購入しても決して損はしないと言える佳作。私にとってはあまり馴染みのないミュージシャンではあるが,世界は広いねぇ。いつも通り兄弟デュオで演じる偉人シリーズは今回はOrnette Colemanがお題であるが,これも十分に楽しめるものであった。星★★★★。

Recorded between May and June, 2013

Personnel: Francois Moutin(b), Louis Moutin(ds), Emmanuel Codjia(g), Thomas Enhco(p), Christophe Monniot(as, sopranino)

2013年9月20日 (金)

買ってしまった「潮騒のメモリー」

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「潮騒のメモリー」 天野春子(小泉今日子) (BMGビクター)

私は遅れてきた「あまちゃん」ウォッチャーであるが,この番組からは能年玲奈,橋本愛(彼女が「貞子3D」で貞子を演じていたというのも今更ながら強烈な事実。あの憂いを帯びた表情は貞子にピッタリかも...)の二人はブレイク確実というのは当然で,ついでに若き日の天野春子を演じた有村架純もかなりいい線いくだろう。だが,それにも増して,小泉今日子の「歌手としての」再ブレイクを実現したことからしても,この番組は記憶に留めるべきである。

それにしてもここでアイドル的歌唱をアラフィフの小泉今日子が展開するのがすごい!それだけで彼女のアイドル時代を知るおっさんは感動である。何も変わっていないって感じなのである。

そして,よくよく見ると笑える歌詞である。この歌詞をあのメロディ・ラインとアレンジにのせて,そして小泉今日子が歌うというところがますますよい。「三途の川のマーメイド」ってなんやねんと思わせるそのバックではコーラス隊が"Sanzu River~"と合の手を入れているのを聞くと,やはり笑える。

いよいよ来週は「あまちゃん」も最終週である。どのような結末を迎えるかも楽しみではあるが,多くの「あまちゃん」ウォッチャーは,その後,朝,昼,あるいは夜に毎日見ていたものがなくなることによる喪失感を覚えること確実と思わせる。そうした喪失感を埋めるためにはこのCDを聞いているか,そのうち出るであろうDVD/Blu-Rayを買うしかないな(笑)。でも高いんだよねぇ...。

2013年9月19日 (木)

John Legendかくあるべしと思わせる新作

John_legend "Love in the Future(Deluxe Edition)" John Legend (Columbia)

私にとって,John Legendという人は期待を裏切ることのほとんどない人である。私にとっての唯一の失敗作はダンス路線に舵を切った"Evolver"ではあるが,それ以外は本当にいい作品ばかりである。前作はThe Rootsとの共演作であったが,それからも結構時間が経過している。待望の一作である。

この人の魅力は,曲の素晴らしさというところに行きつくと思うが,こちらがソウル/R&Bに期待する音がちゃんと出てくるところがポイントが高い。心の琴線をくすぐるメロディをよくもまぁ次から次へと繰り出せるものである。今回私が購入したのは4曲多いDeluxe Editionであるが,ファンはDeluxe Editionを買うべきだと強く推奨したい。それは最後に入っている2曲である"Aim High"と"For the First Time"が見逃すにはあまりにいい曲だからである。もちろん,本編に入っている曲も押し並べて出来はよいが,それに加えて,こういう曲を入れてこられるとまいったと言うしかないのである。

今回のアルバムは,Columbiaレーベルからの1st,2ndと同一制作陣によるもののようだから,私のようにそれらのアルバムが好きな私のようなリスナーには間違いないのである。攻撃的なところはないし,目新しさもないかもしれないが,John Legendという歌手の歌唱を素直に楽しめばよいアルバム。やっぱり,John Legendはこうでなければならないのだ。星★★★★★。やはりこの人は期待を裏切らない。

尚,いつものように,この人のCDはクレジットの文字が小さ過ぎて,読み取ることはほとんど不可能なので,今回は記載は省略。曲のよさを認識してもらうために,John Legendが"Live on Letterman"で披露した本作所収の"All of Me"のライブ映像を貼り付けておこう。最高である。これが嫌い?だったらJohn Legendとは縁はない(笑)。

2013年9月18日 (水)

やっと入手したChico Freemanの"Beyond the Rain"

Chico_freeman "Beyond the Rain" Chico Freeman(Contemporary)

毎度おなじみ新橋のテナーの聖地,Bar D2のマスターのブログでも取り上げられているアルバムだが,私はお店でこれを聞かせてもらって,結構しびれてしまっていたので,何とか入手できないものか,ネットや中古盤屋等で機会がある毎に探していた。しかし,ネットではバカ高い値付けはされているし,中古盤屋でもとんとお目に掛かれないのである。CDはOriginal Jazz Classicsのシリーズでリリースされているので,当時は相当安い値段で出ていたはずだが,さすがに売れなかったのか,その後廃盤状態が続いているから多少の価格アップは仕方ないとしても,さすがに20,000円を越える密林マーケットプレイスのプライシングは異常,eBay等でも60ドルを越えているので,これは地道に探すしかないと思っていた。そこに某オークション・サイトで本作が出ているのを発見,即ビッドしたのだが,叩きあいになることもなく,簡単にゲットである。送料込みで\2,280だったから,これはいい買い物であった。

このアルバムが吹き込まれたのは1977年だが,1970年代後半がChico Freemanにとっては最もよかった時期であることは,"Outside Within"や"Spirit Sensitive"等のIndia Navigation盤もそうした時期に吹き込まれていることからも明らかだと思う。"Outside Within"についてはかなり昔にこのブログでも記事にしている(こちら)が,そこでも「どこへ行ったかChico Freeman」なんて失礼な書き方をしているものの,昔ほどの活躍はしていないという意識があったというのは事実である。

そのFreemanがContemporaryレーベルに吹き込んだのがこのアルバムだが,ContemporaryレーベルというのはChico Freemanのようなミュージシャン(まだヤング・ライオンズとか呼ばれる前である)に吹き込みのチャンスを与える進取の精神があったということになると思う。そうした意味でレーベル・オーナーであったLester Koenigは見る目を持った人だった。

それはさておき,このアルバムであるが,私にとって何がよかったのかというと,Chico Freemanのフレージングだろうか。何がどうとは言えないのだが,いいねぇと思ってしまうのである。もちろん,本作にはElvin Jonesがドラムスを叩いているというプラスの要素もあるが,こんな音を分離させなくてもいいだろうと思いつつ,Elvinの叩きっぷりがわかるという点でもこのCDはポイントが高いのである。

Chico Freemanという人は,基本はコンベンショナルなのだが,そこにスパイスとしてややフリーなアプローチが加わるって感じの人だと思うが,ある意味,若干の取っつきにくさを持つミュージシャンなのが,アルバムが爆発的に売れない原因だとは思う。だが,Hamiet Bluiettのようなミュージシャンも好きな私にはジャスト・フィットなのだ。いずれにしても,本作を含めてこの頃のChico Freemanの音源は非常に優れたものであるだけに,入手困難というのはもったいないという感覚が強い。本作について言えば,フルートで演じるタイトル・トラックには今イチ感はあるが,それ以外はこれっていいよねぇと思わせる快演揃いである。こういう作品の入手が難しいってことこそ問題だと思うが,まぁ,このジャケだけに購買意欲はそそらないか(笑)。

いずれにしても,当時のChico Freemanの好調ぶりを実証するような作品である。星★★★★☆。

Recorded on June 21, 22 & 23, 1977

Personnel: Chico Freeman(ts, fl), Hilton Ruiz(p), Junieeh Booth(b), Elvin Jones(ds), Jumma Santos(perc)

2013年9月17日 (火)

Ry Cooder,35年振りのライブ盤は昔からのファンも納得の素晴らしい出来!

Ry_cooder_live "Live" Ry Cooder & Corridos Famosos(Nonesuch)

近年のRy Cooderの音楽は,私が彼の音楽を聞いていた頃の感じが戻ってきていて,そして,出来もいいアルバムを連発していることから,今回,35年振りに"Show Time"以来のライブ盤が出るということで大いに期待していたのだが,そのレパートリーを見てまたまた嬉しくなってしまった。まさに私が好きな彼の初期のレパートリー群までが再演されているからである。

元来,Ry Cooderという人はアメリカ音楽のみならず,世界のさまざまな音楽を取り入れながら,その魅力をあぶり出していった人だが,私自身はやはりアメリカン・ルーツ・ミュージック的なタイプの音楽が最も好きである。ここではまさにそうした音楽の再演と言ってよいかたちで演奏されていて,これはやはり嬉しい。そして,やはり年齢とともに,Ry Cooderの声の質はかなり変わったが,音楽そのものはちゃんと時間が経過しても,クォリティが下がっていないのである。そして,彼のギターの腕は健在である。あの太いスライド音が聞こえてくると,おぉっ,Ry Cooderだ!と言いたくなってしまうのである。

本作は録音から2年ぐらい経過しているが,十分現役感を醸し出していることが長年のファンとしては何よりも嬉しいのである。そして往年の名コンビ,Flaco Jimenezまで登場すると,70年代にタイム・スリップしてしまう。そして彼らが演奏するのが"Show Time"にも入っていた"Do Re Mi"なのだから何をかいわんやである。Ry Cooderの音楽とは渋さと楽しさが共存したものだったが,まさにその感じである。

ライブならではの演奏の荒っぽさもあるが,そういうところにコズメティクスを施さず出してくるところもRy Cooderらしいと言うべきか。こういうライブの場にいたかったなぁなんて思うのはきっと私だけではないだろう。次回,Ry Cooderが来日した際には絶対ライブに行こうと決意した私である。

こうした音楽が,現代においてどういう意味があるのかなんて言い出したら,私は何も言い返せないが,単純にGood Old Musicと呼べばよい。私にとってはそれで十分だ。こういうアルバムを出してくれただけで星★★★★★である。たまらん。いつまで経っても,この手の音楽が私は好きなのだ。

本当にいいことを実証するために,Nonesuchのサイトで公開されている"Lord Tell Me Why"の音源を貼り付けておこう。

Recorded Live at the Great American Music Hall on August 31 & September 1, 2011

Personnel: Ry Cooder(vo, g), Terry Evans(vo), Arnold McCuller(vo), Juliette Commagere(vo), Joachim Cooder(vo), Robert Francis(b), Flaco Jimenez(accor), with "La Banda Juvenil" : Edgar Castro(perc), Everardo Rodriguez(b-ds), Pablo Molina(sousaphone), Carlos "Carlitos" Gonzalez(tp), Arturo Gallardo(cl, as, bass-sax), Julian Diaz(tp), Abel Guerra(tb), Alonso Chavez(alto horn), Gilberto Carbajal(tp), Willie Jimenez(cl)

2013年9月16日 (月)

身体がこういう音楽を求めることもある:Serkin Plays 武満

Peter_serkin001 "Plays the Music of Toru Takemitsu" Peter Serkin(RCA Red Seal)

私にはストレスがかかったり,肉体的にきつくなると聞きたくなる音楽がある。それはハード・ロックの時もあれば,70年代Milesの時もあるが,何となく心理的に落ち着かない時によく聞くのがこれである。

そもそも私はPeter Serkinの弾く現代音楽のピアノ曲が好きで,海外出張の時は,それが入ったiPodを持って行くという嘘のような本当の話がある。その中でも最もプレイバック頻度が高いのがこの武満徹作品集である。

まわりの人に,現代音楽って何が面白いのよって聞かれても,全然理論的な説明など出来ない私であるが,別に説明できなくたっていいのである(きっぱり)。私にとっては,これがいろいろな意味でセラピーのような役目を果たしてくれているのだから,人からどうこう言われる筋合いはない。私にとってはこの音楽を聞いていると,なぜか非常に落ち着くのだから,それでいいのだ(バカボンのパパかっ!)。

もちろん,聞いていて高揚するような音楽でもなければ,楽しいと思える音楽でもない。音楽としてはアブストラクトそのものである。だが,例えば,石庭で雨音を聞いているような感覚と言えばいいだろうか。それは決して雑音にはならないし,不快感ももたらさない。この音楽を聞いていると,ある意味環境と同化してしまう部分があるという意味では,誤解を恐れずに言えば,私にとってはアンビエント・ミュージックの一種と言ってもよいのである。

では例えば,同じ武満の曲を弾いたものならば,高橋アキの演奏でもいいではないかと言われればそれは違うのである。高橋アキの演奏も優れたものだとは思うが,私の感覚にフィットするのは,どうしてもこちらのPeter Serkinの方である。好みの問題と言われればその通りだが,おそらく決定的なのは音色の違いだろう。私の身体がSerkinのタッチ/音色を求めるということだと思う。もちろん,この音楽を毎日聞くわけではないが,人生において,ないと困るのがこのアルバムということなのだ。録音は長い期間に渡っているのだが,アルバムとしての一貫性に何ら乱れがないのも素晴らしいことである。

ということで,いろいろな機会でこの作品には世話になっているが,今回のバタバタの間にもやはりついつい聞きたくなってしまったのであった。星★★★★★。だが,決して万人にお薦めできるタイプの音楽ではないので念のため。

Recorded in 1978, 81, 94 & 96

Personnel: Peter Serkin(p)

2013年9月15日 (日)

赤裸々な話満載の「安部公房とわたし」

Photo 「安部公房とわたし」 山口果林(講談社)

私にとってのアクシデントであった親族の病状は,当初よりははるかに改善し,心配も薄れたということで,通常の記事のモードにできるだけ戻していきたい。

これはブログのお知り合いのkenさんが取り上げられていて,非常に興味深いと思って手に取った本である。私のブログのプロフィールにも書いてあるが,私の好きな作家の筆頭に位置づけられるのは実は安部公房であり,私は老後の楽しみのために,大枚はたいて「安部公房全集」全30巻を購入してあるのである。

その安部公房と山口果林の関係については,この本を読むまでは知らなかったが,山口果林と言えば,私の年代で言えば「繭子ひとり」である。いまの「あまちゃん」とは全く違うタイプのNHKの連続テレビ小説であったはずである。そうした彼女がなぜ安部公房スタジオなのか?と不思議に思っていたことはあるが,本書を読んでそうだったのねぇと思わせる。確かにスタジオの主宰者と役者という関係性はあったとしても,普通には結びつかないところがあるように思えるのだが,事実は小説よりも奇なりって感じだろう。そもそも「繭子ひとり」出演中には既に安部公房とできていたってのも凄い話である。

この本を読んでいると,おいおい,そこまで書いていいのかと思える部分もあるが,それでも私の知らない安部公房の一面がヴィヴィッドに捉えられていて非常に面白かった。こうした赤裸々な話については,不快感を催す読者がいることも事実だろうが,山口果林の人生において安部公房の果たした部分を強く感じさせることこそが私にとっては興味深いのである。安部公房は他界する前,ノーベル文学賞最有力と言われていながら,受賞することなく亡くなってしまったのはもったいないことではあったが,新潮社の担当者がノーベル賞受賞までは本妻である安部真知と離婚するなと言っていたというエピソード等,今の時代では嘘のような話である。ここまで離婚が当たり前の時代が来ると,安部公房は想像していたのだろうかなんて思ってしまう。

いずれにしても,読み物としては非常に面白く,安部公房のファンであれば,読んでおくべき本だろうと思う。もちろん,山口果林はプロの作家ではないが,この本には単なる暴露話を越えた魅力があると思う。おかしな言い方であるが,さすが,昔,原稿書きに安部公房のアドバイスや推敲を受けた人はそれだけでも違うわってことにしておこう。私が相当の安部公房のファンということもあり,ついつい点も甘くなり星★★★★☆。

尚,全くの余談だが,私の手許には安部公房が私の通っていた大学に講演で来た時にもらったサイン付きの「方舟さくら丸」があるのだが,それが私の書籍としての家宝の一つであることは言うまでもない。「方舟さくら丸」が出版されたのは1984年11月だから,あれは私が卒業するちょっと前だったってことだな。今更ながら懐かしいねぇ。

それにしても,山口果林は髪の毛は白くなっても,今でも魅力的な女性だと思うが,若い頃はなかなか可愛かったんだねぇなんてついつい思ってしまった私である。

2013年9月14日 (土)

クリティカルな状態は脱したものの...

日頃から極めて健康な人が突然倒れるというのは,今までにも経験がないわけではない。だが,それが自分の身内ということになると,落ち着いてはいられない。そうしたことが起こってしまい,私はKendrick Scott Oracleのライブを聞き逃したわけだが,こればかりは仕方がなかった。

状態は小康というか,改善に向かっているとは言え,まだまだ予断を許さない状況の中,仕事はそこそこで切り上げたものの,音楽を真剣に聞く気にもならないということで,今日も音楽系の記事を書くことは無理である。

ということで,今日も開店休業みたいなものだが,明日にはもう少し落ち着きを取り戻していたいものである。正直言って音楽シーズンの到来でCDがどんどんたまってきていて,気は焦っていても,優先順位は上がる訳もなく,まぁじっくり構えていこうと思う。

2013年9月12日 (木)

アクシデント発生...

本日はKendrick Scott Oracleのライブに参戦するため,コットンクラブまで行って,開演を待つ間,ワインでいい調子になっていたのだが,そこへ突然家人から電話が...。

やんごとない理由により,ライブを聞くことなく,その場を去らざるをえなくなった私である。こればかりは仕方がないという理由ゆえ,記事の更新が状況によっては滞る可能性があるので,読者の皆さまはご承知置き下さい。詳しくは追ってご報告します。

遅くなったが,Marcus Millerライブ参戦記

中国に出張する前にビルボード東京でのMarcus Millerのライブを観に行ったのだが,彼がリーダーだからと言って,そこまでベースを弾き倒さなくてもいいのではないかと思わせるほどの弾きっぷりであったのには,ある意味笑えた。

現在のMarcusのバンドというのは,比較的若手のメンバーを揃えていて,新人育成をしているかのような印象も与えるが,今回のバンドでびっくりしたのがサックスのAlex Hanであった。まじでレベルが高い。Kenny Garrett的と言ってもよいかもしれないが,相当の実力者という感じがした。少なくともこのバンドの中では,リーダー以外ではピカイチの存在感を発揮していた。

それにしても,強烈なファンクを感じさせるスラッピング・ショーって感じだったが,まじでよくやるわ。しかも演奏はほとんど2時間近くに及ぶという大サービスぶり。その後,サイン会までやってるんだから,随分帰りが遅くなった聴衆も多かったことだろう(私は出張前だったのでさっさと帰宅)。

ということで,雰囲気をつかむならYouTubeにアップされているJava Jazz Festivalの映像がいいだろう。まさにこんな感じってことで。来日メンバーとはキーボードだけが違うが,本質的には何も変わらない(笑)。

Live at Billboard Live Tokyo on September 3, 2nd Set

Personnel: Marcus Miller(b, b-cl, key, vo), Alex Han(as),  Lee Hogans(tp),  Brett Williams(key), Adam Agati(g), Louis Cato(ds)

2013年9月11日 (水)

ようやく帰国...。

中国でのきつい出張が終了し,ようやく帰国した。帰国当日はさすがに何もやる気が起こらず,記事のアップができなかったのもまぁ仕方ない。今回はイベント出展での立ち仕事で,フィジカルにも結構きつかった上に,いつものように夜の部は白酒漬けで,アルコール耐性がどんなに強くてもおかしくなるというパターンをたどった私だったからである。

そんな出張で,毎度楽しみなのは機内エンタテインメントでの映画だが,今回往路は「華麗なるギャツビー」,復路が「オブリビオン」の2本であった。北京便は大体3時間ぐらいのフライトであるから往復2本が限界ではあるが,前回は吹替オンリーだった後者が字幕になっていたのはよかった。

映画の吹替えに恨みがあるわけではないとしても,アニメーションならばさておき,本質的に映画はオリジナル言語で楽しむべきだと思っている私なので,先日の欧州線での旅行時には,見ることを放棄した「オブリビオン」だった。だが,今回は字幕版になっていたのは,私と同じような人間がいて,JALに文句が出たのかもなぁとついつい思ってしまった。ただ,今回,フライト時間が短いため,エンド・ロールの途中でシートベルト着用サインが点灯してしまい,最後まで見られなかったのが最前列座席の辛いところである。

映画については追って記事にしようと思うが,欧州線で見た映画についても結局記事を書いていないので,本当に記事にするかどうかは怪しいものだ...。

しかし,帰国したのが月曜日とは言え,帰りの北京~羽田便,あんなに空いていては採算厳しいだろうなぁ。まぁ,月曜日に帰国するビジネス客は少数派だろうが,逆ルートの月曜日の羽田~北京はそこそこの搭乗率だろうからバーターみたいなものか。

2013年9月 9日 (月)

Dave Holland Prismの新作が強烈で燃える!

Image"Prism" Dave Holland (Dare 2)

今回の北京出張の主目的は、現地で開催されるイベントへの出展だったのだが、イベントも無事終了し、ホテルの部屋に帰って本作を聞いた。

このバンドの演奏はすでに私はブート音源で聞いており、その時もすこぶるカッコいいバンドだったと思っていた(記事はこちら)ので、正式なアルバムの発売を心待ちにしていた。そしてついにリリースされたこの音源はまさに期待を裏切らないどころか、それを凌駕する出来だったことに私は嬉しくなってしまった。

このバンドはメンツを見れば、やわな音楽をやるとは思えないが、冒頭の"The Watcher"からいきなりのぶちかましである。Hollandは間もなく67歳になるはずだが、衰えるどころか、これまでよりもさらに激しい音楽をやっていることに驚かされる。ここでの演奏を聞いているとまるでロッカーのようなのだ。これはメンバーによって生み出されたシナジーだと言ってもいいかもしれないが、それにしてもである。これは凄い。正直なところ、初めて聞いた時のインパクトが維持されているし、前述の音源を聞いた時の興奮が蘇ると言うべきだろう。

本作を聞いてハイブラウでスリリングという表現しか思いつかないところに、私のボキャブラリーの貧困さを感じざるを得ないが、本当にそうなのだから仕方ない。私にとっては今年のベスト作候補に入ってくるとさえ思ってしまう充実作である。これは是非ライブを見てみたい。ライブでは1曲あたりの演奏時間も長くなり、さらに燃えること必定である。喜んで星★★★★★としたくなる充実作。

Recorded on August 9 & 10, 2012

Personnel: Dave Holland(b), Kevin Eubanks(g), Craig Taborn(p, key), Eric Harland(ds)

2013年9月 8日 (日)

中年音楽狂 in 北京(その3)

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本日は現地3日目に食したものについて。仕事で結構バテバテの中、食べに行ったのが西安(昔の都、長安である)の料理だった。西安と言えば餃子が有名なのだが、今回は羊料理の数々であった。写真は羊肉の炭火焼だったが、皮のクリスピーさ抜群、しかも味はどこまでも羊って感じで堪能した。

堪能ついでに白酒をまたも飲んでしまったが、初日で懲りていたので、それほどは飲まなかったが、二次会が結構きつかった。ということでどよ〜んとした感じで土曜日は仕事をしていた私である。イベントは日曜日が最終日、月曜日午前にこちらのオフィスで打合せをして後は帰るだけである。それにしても立ちっ放しなので足がパンパン。正直きつい。

2013年9月 7日 (土)

「スター・トレック」新シリーズ第2作は次もあるぞと思わせる。

Star_trek

「スター・トレック イントゥ・ダークネス("Star Trek: Into Darkness")」('13,米,Columbia)

監督:J.J. Abrams

出演:Chris Pine, Zachary Quinto, Benedict Camberbutch, Karl Urban, Simon Pegg

週末に見に行った映画に関して,北京で記事を書いてるのも変な感じだが,まぁいいや(笑)。

このスター・トレックの新シリーズの第1作が公開された2009年から4年振りの第2作である。前作は私は機内エンタテインメントで見た(記事はこちら)が,やはりこういう映画は大画面で見たいということで,見に行ったものである。さすがに機内エンタテインメントの小さい画面で見るのとは大違いである(苦笑)。だが,今回の出張での機内エンタテインメントで見られることがわかっていれば,劇場に足を運んだかどうか...。だが,劇場には劇場のよさがあるってことでよしとしよう。

正直言って,この映画はBenedict Camberbutchの悪役ぶりによって,ポイントが上がっていると思うが,スポックを演じるZachary Quintoの活躍ぶりも目覚ましい。スポックの大アクション・シーンなんていうのが古くからの「宇宙大作戦」ファンにとっては何とも珍しく感じられるが,これが新機軸ってところだろう。

この映画,私としては冒頭のシークェンスって本当に必要なのかとか感じないわけではないが,なかなか面白く見られるつくりになっているのは「スター・ウォーズ」の新作の監督にも決まっているJ.J. Abramsの手腕と言ってもいいと思う。

ストーリーとしてはこれまでにもおなじみのカーンをCamberbutchが演じているわけだが、これがマジで強い。これ以上はネタバレになるので書かないが、いずれにしても本シリーズが続きそうなことを感じさせるようなストーリーであった。いずれにしてもこのクォリティならば、まぁいいだろうと思わせるが、それにしてもカーンはやっぱり強過ぎである。ドラクエかFFのボスキャラか!?と思っていた私である。星★★★★。

2013年9月 6日 (金)

中年音楽狂 in 北京(その2)

Image_3

出張2日目は昼の仕事でヘロヘロになった私だが、夜は現地の知人と食事に出掛けた。本日は火鍋である。昼間はまだまだ暑い北京だが、夜になると一気にクールダウンし、心地よい夜気の中、食事場所である鼎鼎香に出掛けた。この店の雰囲気は極めて欧米的で、BGMはスムーズ・ジャズ・ステーションのごときであった。値段はこの国にしては決して安い訳ではないが、これならデート・コースにも使えるよな〜って感じのアンビエンスであった。

Image_4

食べ物は火鍋専門だけに鍋オンリーみたいな感じだが、ラム肉、牛肉ともに非常にうまいのだが、それに加えてキノコ類がうまかったのが印象的である。料理の写真は添付の通りなのだが、これだけでも肉の鮮度がよさそうなのはわかりそうなものなのに加えて、更にゴマだれがうまい。アイスクリームみたいになっているのをときほぐすのだが、妙な甘みを排して、ゴマの風味がストレートに伝わる感じの味であった。こりゃあ美味いや。

私は初日に白酒の飲み過ぎで人事不省に陥っただけに、本日はビールだけにしたのはよかったが、それでも3人でも食べきれない量であったのはやや残念だったが、十分に堪能したのでよしとしよう。ということで、初日がひどかっただけに2日目はさっさと寝ることにしよう。さて、明日は何を食するのか?"Tomorrow is another day."なので、それは考えずに寝てしまおうと思う私である。

2013年9月 5日 (木)

中年音楽狂 in 北京

久しぶりに中国にやってきた。前回からもう2年も経過してしまったが、前回の出張中は、日本国内案件にリモートで対応していたようなもので、ほとほと疲れた記憶しかないが、今回はどうなるだろうか。

まだまだ猛暑が続く日本に比べれば、気温も30度に達していないし、涼しいものである。今回は来週月曜日までの滞在であるが、気候自体は多分安定的なものと予想している。ただ、今回は土日も仕事なので、どこへ行くとかいうことは一切ないが、その代わり食生活が中華料理三昧となり、酒量も増えるので、体力的には結構きついのがこれまでの中国出張の常であった。おそらく今回も大差はないだろう。ってことで、ここ暫くは中年音楽狂 in 北京ってことになるだろう。

こちらに滞在中もMarcus Millerのライブ参戦記やDave Hollandの新譜についても書ければ書きたいと思うが、ちょっと厳しいだろうなぁ(笑)。

2013年9月 4日 (水)

Enrico Pieranunziライブ参戦記

Enrico_and_i 昨日,Enrico Pieranunziのライブでの戦利品についての記事をアップしたが,今日は演奏について書くことにしよう。

何せPieranunziの来日は2004年以来のことである。Enrico Pieranunziは十分日本においてもポピュラリティを確保したピアニストだと思っている私にとっては「かくも長き不在」ということにしかならないだけに,まさに待望の再来日である。そして,バックがなんとLarry GrenadierとJeff BallardというBrad Mehldauトリオの面々なのだから,やはり私は異常に期待値が高まっていた。

そして,冒頭から「く~っ」を連発するような美メロの連続に,私を含む聴衆はメロメロになったはずである。完全に期待通りなのだ。そして,Grenadier~Ballardとの相性もよかったと思う。Pieranunziは1曲ごとにGrenadierに譜面を渡していたところからすると,ほとんど初共演なのではないかと思わせたが,その割にコンビネーションもバランスもよく,GrenadierとBallardにもちゃんとソロ・スペースも割き,彼らもナイスなソロで応えるという本当にいいライブであった。私はこれなら,このメンツですぐにレコーディングしてもいいぐらいだとさえ思っていた。

今回のセットではアンコール含めて全9曲だったと思う("Everything I Love",完全即興の6曲目,そしてアンコールの"Hot House"以外はPieranunziのオリジナルのはず)が,その完全即興でやった6曲目は正直言って全くいけていなかったため,私を含む聴衆の頭の上をクエスチョン・マークが飛び交っていたようにさえ感じる。だが,それを除けば大変素晴らしい演奏であった。まぁ,Pieranunziは時にハードな演奏や,フリー的な演奏さえすることがあるから,こういう曲が入るかもしれないなぁと予想はしていたが,この1曲だけは正直言って蛇足だったと思う。だが,その後のアンコール前の曲としてやった"Castle of Solitude"はまさに哀愁度炸裂,強力なメロディ・ラインを聞かせて,私はここでまた「く~っ」となっていたわけである。

今回は比較的日本の聴衆に受けるような演奏にしていたのかもしれないが,それにしても大したピアニストである。にもかかわらず,こんな素晴らしいメンツによるこんな素晴らしいライブに集まった聴衆が,キャパの半分ぐらいというのはあまりにももったいない。私はPieranunziはもっと人気があるのだろうと思っていたのだが,あの客の入りはあまりに寂しい。ライブハウスは不況ということか?それとも私の愛する音楽はマイナーなのか?それとも日本のジャズ・ファンには審美眼がないのか?特にコットンクラブではそういうことが多いなぁ。クリポタ,Fred Hersch,Metroのどれもがフルハウスにならない。そして今回のPieranunziトリオ然りである。本当にもったいない。

それはさておき,先日のMike Sternとの2ショットに続き,またもPieranunziと私の2ショットである。顔の角度からして,今回はモザイク必要なしということで,そのままアップである。いかにもイタリア人の英語って感じのPieranunziだったが,人当たりは本当にナイスなおっさんであった。

Live at Cotton Club on Septermber 2, 2013, 2ndセット

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2013年9月 3日 (火)

本日の収穫:Enrico Pieranunzi編

Enrico_pieranunzi_002 Enrico Pieranunziが久々に日本に来る(何と9年振りだそうだ)ということで,ファンとしては行かねばならん。しかもリズムはMehldauトリオのGrenadierとBallardということで,大いに期待して足を運び,そして大いに満足して帰ってきた私である。瑕疵もあることにはあったが,まぁ許す。詳しくは改めてのご報告とするが,今日の収穫はこれ。

IDAオリジナル盤(下)は中古市場でも高く売れるだけに,サインをしてもらうかどうか迷ったが,私が生きている限りは売るつもりはないんだからまぁいいやってことで。これ以外にもPieranunziのサインをゲットし,何とトータルで5枚。私も本当の好き者である。

それにしても,ライブの場に"Live in Japan"のような奇声を上げるアホ客がいなくてよかった~。

2013年9月 2日 (月)

Jeff Lorber Fusionはいつでも安心して聞ける。

Jeff_lorber_fusion_hacienda "Hacienda" Jeff Lorber Fusion (Heads Up)

Jeff Lorberが"Now Is the Time"を2010年にリリースしてJeff Lorber Fusion(JLF)を復活させて,早くも第3作がリリースされた。その名も"Hacienda"であるが,「農園」とか「牧場」という意味のこのタイトルにLorberがどういう意味を込めたかはよくわからないが,この手の音楽においては抜群の安定感を誇るこのバンドのアルバムだけに期待も膨らむ。そして,こちらの期待に見事に応える相変わらずナイスな作品をリリースしてきた彼らには,やはり「安心印」を授けたくなるような出来である。

現在のJLFの正式なメンバーはLorber,Marienthal,Haslipというかなり強力なメンツなわけだが,それを支えるドラムスはほとんどの曲でVinnie Colaiutaが叩いているということで,安定感が増すのも当たり前である。彼らの音楽のよいところは,凡百のスムーズ・ジャズに流れることなく,決めるところは決め,ムーディに行くところはムーディに行くというバランスのよさにある。冒頭の"Corinaldo"等は,おそらく意図的にColaiutaが激しく叩いているし,Larry Koonseという渋い人選をした2曲目"Solar Wind"のユニゾンもフュージョン好きにはたまらないものである。そして4曲目の"The Steppe"のムーディなサウンドを聞けば,私の言わんとしていることが理解して頂けるはずである。

そして,それらに挟まれているのが,今回のアルバムのおそらくは目玉であるJean-Luc Pontyをゲストに迎えたFrank Zappa作の"King Kong"であるが,これはそれほど驚きはなかったものの,やはりナイスな演奏である。5曲目のタイトル・トラック"Hacienda"はこれこそまさにドライビング・ミュージックという感じで,フリーウェイを快調に飛ばしたくなる音楽である(もちろん,日本の首都高だっていいんだが,これはやっぱりUS101向きだな)。

6曲目の"Fab Gear"と7曲目の"Raptor"は緩めのファンク調で心地よいグルーブを生み出し,8曲目"Everlast"でゆるいグルーブ転じて,ソロ交換で賑々しく盛り上げるところも芸を感じる。やっぱりいいねぇ。全体がそんな感じなのである。タイトさとルースさをうまい具合に混ぜて,結局一枚聞かせてしまうのが彼らの技なのだと思う。まぁ,このメンツであれば,これぐらい当たり前だろうって話もあるが,がっくりくるフュージョン・アルバムも多い中で,彼らのクォリティの維持能力はやはり認めなければならないと思う。贔屓し過ぎだろうか...?いずれにしても,いつもの彼らのアルバムと同様の評価として星★である。何もこれを上回らなくてもいいのだ。平均点が高いことが彼らの美徳である。

贔屓ついでに言っておけば,もうそろそろ来日しても罰は当たらないと思うけどねぇ(苦笑)。

Personnel: Jeff Lorber(key, g), Eric Marienthal(as, ss), Jimmy Haslip(b), Jean-Luc Ponty(vln), Larry Koonse(g), Paul Jackson, Jr.(g), Michael Thompson(g), Vinnie Colaiuta(ds), Dave Weckl(ds), Gary Novak(ds), Lenny Castro(perc), David Mann(sax, brass, fl), Ed Mann(marimba)

2013年9月 1日 (日)

今日はお休みです。

来週から中国に出張しなければならないため,その他の案件をこなすのに精一杯な上に,疲労の蓄積もあり,ちゃんと記事を書けない状態である。

こういう時に限って,ライブが重なり,更に状態が厳しくなるという悪循環。ということで,本日はお休みです。でも月曜日のEnrico Pieranunziのライブ@コットンクラブは楽しみだなぁ。

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