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2015年おすすめ作

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2013年7月30日 (火)

演奏のレベルは高いが,既視感の強いChick Coreaの新作

Vigil "The Vigil" Chick Corea (Stretch)

実は私はこのアルバムを購入するべきかどうか非常に迷っていた。何せこのジャケットである。購買意欲をそそらないこと甚だしい。私は趣味の悪いジャケットが許せないクチなので,音楽が優れていようがなんだろうが,それだけで聞く気をなくすってことがないわけではない。しかし,これは某ショップで抱き合わせで手頃な価格だから購入したようなものだったが,やっぱりジャケはダメである。まぁ,それでも買ってきたのだからということで聞いてみた。

そうすると,冒頭の"Galaxy 32 Star 4"からしてなんだかElektric Bandの焼き直しのようなメロディ・ラインではないか。まぁ,このアルバムのリリースがアナウンスされた時から,楽器編成はElektric Bandと同じだということはわかっていたが,それにしてもかなり雰囲気が近い。とは言っても,キメについては若干ルースな感じもするし,Elektric Bandのようなスピード感にも欠けるが,いずれにしても既視感たっぷりの立ち上がりである。聞き進めていくと,ギターのCharles AlturaがFrank Gambaleに相当近いと感じさせるが,リズムのHadrien FeraudとMarcus GilmoreがElektric Bandからはだいぶ個性が違うかなぁと思わせる。そして,2曲目の"Planet Chia"が始まると,まごうことなきChick Coreaのピアノ・ソロからスタートである。フレーズをちょっとだけ聞いてもChickとわからせる個性は大したものだが,逆にそれも既視感を強めるのである。更に5曲目に至ってGayle Moranが登場すると,おぉっ,ポリドール時代のChick Coreaのソロ・アルバムのようではないか。

こんな調子なのだが,演奏のレベルは非常に高いので,ある意味安心感が強い。だが,比較的若手と看做される連中と新しいバンドを組んで,もっと冒険をしてもいいのではないかと思ってしまうところもあって,評価は若干微妙な部分が残存してしまうのである。そして,一番いいなぁと思えるのがStanley ClarkeとRavi Coltraneが客演した長尺の"Pledge for Peace"ではやはりちょっとなぁと思ってしまう。この演奏が非常にスリリングな感覚を持っているので,いっそこの編成でやればよかったのではないかとさえ思えてしまうが,逆に言えばこの曲の演奏がほかの曲から相当浮いている。だが,ジャズ本来の感覚に一番溢れているのはこの曲だと思えるのだ。

繰り返すが,演奏のレベルには文句はない。だが,私としてはもう少しはじける感覚が合ってもよかったのではないかと思う。そうしたところが若干の減点要素となり星★★★★。何だかちょっと惜しいような気がするねぇ。

ちなみにここで結構鋭いベースを聞かせるHadrien Feraudがこのバンドのツアーに参加していないのはなぜなんだろう?ここでの演奏がいいだけに解せないと思うのは私だけではないはずである。

Personnel: Chick Corea(p, key, synth), Tim Garland(ts, ss, b-cl, fl), Charles Altura(g), Hadrien Feraud(b), Marcus Gilmore(ds), Pernell Saturnino(perc), Gayle Moran Corea(vo), Stanley Clarke(b), Ravi Coltrane(ts)

2013年7月29日 (月)

Rolling Stonesの"Hyde Park Live"は4週間限定配信だそうである

Rolling_stones_hyde_park_live "Hyde Park Live" The Rolling Stones (iTunes)

昨今のStonesはRolling Stones Archiveでもブートレッグ・シリーズをリリースしているが,去る7/6と7/13に開催されたロンドン,ハイドパークでのライブが早くも7/22にはiTUnesストアで配信され始めたのには驚いた。4週間限定配信なんて言っているが,あとでまたリリースすんじゃないの?なんて斜に構えて言いたくもなるが,ここはやはりダウンロードせざるをえないというのがファンの弱いところである。

活動50周年というのも凄いが,この歳になってもロックしているこの人たちって何?と言いたくなるが,やってる曲は相変わらずなので,正直言って手垢モードと言えばその通りである。しかし,今回はMick Taylorをゲストに迎えたりして,相応の機軸を示してくるところは大したものである。正直言って録音としてはちゃんと聞けるレベルとは言え,完全無欠の最高音質とは言えないのは残念だが,ライブの雰囲気は確実に掴める。

アーカイブ音源は激安価格でダウンロードできるにもかかわらず,最近のStonesのライブ・チケットの高騰ぶりは正直言って常軌を逸していると言ってもよいので,次に彼らが日本に来たとしても,私は行くかどうかと言えばかなり疑問であるが,それでもこうした音源を通じて,彼らの活動をフォローできるというのはありがたい。Keithセットは渋いしねぇ。

そうは言いながら,やはりこれって手慣れたライブ・ショウだなぁって気がしないでもない。もちろん,ライブの場にいれば全然違うはずだということはわかっていても,昔のようなワクワク感は正直言ってないというのも事実である。それは私が歳を取ったこともあれば,彼らが年齢を重ねたということもあろう。その一方で演奏としては十分現役としての音楽だとは思うが,もう新しい何かを期待すべきではないのだろうなぁってことを強く感じさせられたライブであった。そういう点も含めて評価としては星★★★★ってところだろう。

Recorded Live at Hyde Park in London on July 6 & 13, 2013

Personnel: Mick Jagger(vo), Keith Richards(g, vo), Charlie Watts(ds), Ronnie Wood(g), Mick Taylor(g), Darryl Jones(b), Chuck Leavell(key), Bobby Keys(ts), Tim Ries(as), Bernard Fowler(vo), Lisa Fischer(vo)

2013年7月28日 (日)

追悼,J.J. Cale

J.J. Caleが現地時間の7/26に心臓発作で亡くなったそうである。J.J.は自身でもアルバムをリリースしていながら,やはりEric Claptonが彼の曲を取り上げたことによって,より多くの人間に認知された人であった。それも仕方ないかなぁと思わせるほど,彼の音楽は飾り気がなく,かつ渋い。それはClaptonとの共演盤"The Road to Escondido"でも変わるところがなかった。

私はアメリカン・ロック,中でもシンガー・ソング・ライター系の音楽に若い頃入れ込んでおり,今でもそうした音楽が好きである。よって,J.J. CaleのアルバムもLPでほとんど保有していたと言っても過言ではないのだが,当時の私は彼の音楽を理解するには若過ぎた。というよりちょっと背伸びをしながらアルバムを買っていたと言わざるをえない。今や手許(というより実家だが...)には数枚残して,あとは売ってしまったが,ClaptonがJ.J. Caleの音楽に何を求めていたのかというのはやはりもう少し歳を重ねないとわからなかったなぁと今にして思う私である。

私は彼のライブ盤(カーネギー・ホールとかでもやってたのねぇ...)を聞いてJ.J. Caleの音楽を偲ぶこととするが,皆さんのためにはCrossroad FestivalにおけるClaptonとの共演映像を貼り付けておこう。やはりどシブいオヤジであった。

R.I.P.

2013年7月27日 (土)

中年以上はしんみりしてしまうであろう「アンコール!!」

Photo 「アンコール!!("Song for Marion")」('12,英/独)

監督:Paul Andrew Williams

出演:Terence Stamp, Vanessa Redgrave,  Gemma Arterton

先日,平日に会社が休みだった時に映画をはしごしたのだが,「ワイルド・スピード EURO MISSION」の前に見たのが映画である。記事にするのが遅くなってしまったのは,その後の出張やら飲酒続きのせいであるが,我ながらはしごするにしても,脈絡のなさ過ぎるチョイスである。

それはさておき,これはマレーシア出張中に飛行機で見た「カルテット 人生のオペラハウス」とも相通じるところがある映画である。「カルテット」も英国作品であったが,これも英独合作である。確かにハリウッドでは作られそうにないかなぁとも思えるが,こういう映画や「愛,アムール」が作られるというところが欧州らしいなぁと思ってしまう。

これは老人のコーラス・グループ"The OAP'Z(年金ズ)"がポップやロック・チューンを歌うというところが非常に楽しい映画である。B52'sの"Love Shack"まで出てくるのには笑ってしまったが,そうした笑いの裏でマジで泣かせてくれたのがVanessa Redgraveが歌う"True Colors"であった。ただでさえ,加齢により涙腺がゆるんでいる私だが,この歌のシーンでは大泣きしてしまったではないか。ラスト近くのTerernce StampによるBilly Joelの"Lullaby (Goodnight My Angel)"も予想通りとは言え,泣かせる出来であった。

ストーリーや人物造形等はある意味ステレオタイプだと言えばその通りかもしれない。だが,そこに老人コーラス+ポップ,ロックの有名曲というスパイスを加えるだけで,実に味わい深く,楽しく,そして泣ける映画になるのだから,これは企画の勝利である。Terence Stampと言えば,昔なら「コレクター」,近年なら「イギリスから来た男」が印象深い役者であるが,ここでは頑固オヤジ転じて,Vanessa Redgraveに捧げて歌ってしまうという役柄をいかにもそれっぽく演じていいるところも印象深い。私の知り合いにアメリカ人の頑固なオッサンがいるが,それに相通ずる頑固さを感じられて,笑っていた私である。

いずれにしても,こうした映画は「カルテット」同様,若い人たちには大して受けないだろうが,私のような年齢層,そして音楽が好きな人間なら確実に楽しめ,そして泣かせてもらえる佳作である。それにしても"True Colors"である。昔からいい曲だと思っていたが,泣かされたのは今回が初めてであった。星★★★★。しかし,このタイトルはどうなのかねぇ。私は原題の"Song for Marion"の方がストレートでずっといいと思うなぁ。

2013年7月26日 (金)

久しぶりにちゃんと音楽について書こう:Metro Live at コットンクラブ。好きです,Metro!

Metro_2 ここのところ出張続きで,全然音楽関係の記事が書けていないという自覚の中で,7/24にMetroのライブに参戦することはわかっていたので,帰宅してから記事を書こうと思っていた。しかし,ライブ前,ライブ中に飲み過ぎて,家に帰ったら即死状態だったので,記事をアップするのが遅れてしまった(言い訳)。

ってことで,今日は7/24のMetroのライブ・レポートである。Metroは1994年にファースト・アルバムがLipstickレーベルに吹き込まれて,その後断続的に活動を続けてきた人たちである。そもそも,メンツとしては今や「Fourplayの」と言った方がいいであろうChuck Loebと,ユーティリティ・キーボード・プレイヤー(笑)であるMitchel Forman,そしてドイツ出身のドラマーのWolfgang Haffnerがレギュラーとするバンドのはずである。しかし,私は今回のバンドとしての初来日に当たって,コットンクラブがChuck Loeb and Metro with special guest Eric Marienthalなんて書いているところからして集客に不安を感じていたのだ。そもそもMetroなんて言って,知ってる人間の方が少ないだろうと思っていたし,だからこそ「Fourplayの」Chuck Loebを前面に出さなければ無理と考えたか,更にはそれだけでは足りず,Eric Marienthalまで呼んできたって感じなのだ。

この予想は正直言って当たりだった。コットンクラブに到着したら,どう見てもセカンド・セットを待っている客が少ない。クリポタの時もFred Herschの時も決して多いとは思わなかったが,それどころではないのだ。最終的にセカンドの席は4割ぐらいしか埋まっていなかっただろう。それがMetroというバンドの限界だと言えばその通りだが,これが聞き逃すには惜しいバンドだよなぁと聞きながら思っていた私である。

演奏した曲はMetroのレパートリーもあれば,Marienthalをフィーチャーした"In a Sentimental Mood",更にはChuck Loebの新作からの曲ありということだったが,Chuck Loebの新曲がまるでFourplayじゃと思ったのは私だけではないとしても,これはフュージョン系の演奏としてはタイトでかつ破綻がない演奏で相当楽しんでしまった私である。誰が優れているっていうのではなく,バンドとしてプロフェッショナリズムを感じさせるものだったというのが正直な感想である。

Chuck Loebは時差ボケなのよ~とか言っていたが,演奏は極めてタイト,かつ客は少なくてもしっかりと聴衆を楽しませる演奏を行っていたと思う。私は以前,NYCに出張した時にIridiumにChuck Loebのバンドが出ていた時も見に行った記憶があるが,その時も集客ははかばかしくなかった。だが,客席でWill Leeがネェちゃんたちをはべらしていたこと「だけ」は鮮烈に記憶に残っている(爆)。結局,Chuck Loebは今やFourplayのメンツとは言え,決してメジャーな人ではないのである。だが,そうしたポジションにあっても,プロとしての矜持を捨てていないところが本当に素晴らしい。

Cceb001 今回も全員,お疲れ気味だったとは思うが,サイン会までプロに徹していたのは強調しておきたい。7,800円というチャージはちょっとなぁと思うが,聞き逃すのはフュージョン好きならばまずいだろうと言っておこう。ということで,今回はMetroのCDを全て持ちこんだ私だったが,こういう物好きがいるということもわかったはずである。Mitchには"Why don't you visit Japan as frequently as possible?"と言っておいた私である。ということで,サイン付き戦利品(彼らの1stアルバム。なかなかないんだよねぇとMitchが言っていた。それとMarienthalのサイン付きCCEBのアルバム。)の写真もアップしておこう。やっぱりいいバンドだと思う。特にHaffnerのドラムスは過小評価していた私が悪いと思ってしまった。また,6弦ベースのEduardo "Bijoux" Barbosaもいい仕事をしていたと付け加えておきたい。みんなで彼らのライブを見に行って欲しいものである。

Live at コットンクラブ on July 24, 2ndセット

Personnel: Chuck Loeb (g), Eric Marienthal (as), Mitchel Forman (key), Eduardo "Bijoux" Barbosa (b), Wolfgang Haffner (ds)

2013年7月25日 (木)

今日はMetroのライブについて書こうと思っていたが...

また飲み過ぎて,記事を書けず。でもCotton Clubでの彼らのライブは非常によかったので,追ってレポートさせて頂く。聴衆が少ないのが残念なぐらいの,一切手抜きなしの好ライブであったとまずは言っておきたい。

2013年7月24日 (水)

今日もお休みです。

広島から名古屋へ移動し、一仕事終わらせようやく帰京。名古屋では危うく新幹線に乗り損なうところだったが、ぎりぎりセーフ。駆け込み乗車は危険ですと言われたのは私です(爆)。あ〜疲れた。ということで今日も記事を書けず...。

2013年7月23日 (火)

出張につき...

日曜日から仕事で広島に来ている。だが、何が仕事かわからないぐらい、広島で飲みまくっているので、記事なんか書けるわけないって感じである。眠い 。

2013年7月21日 (日)

Ben Wattで涼む

Ben_watt_2 "Summer into Winter" Ben Watt with Robert Wyatt(Cherry Red)

このブログにはあまり記事をアップしていないのだが,私はEverything But the Girlの相当なファンである。Tracy ThornとBen Watt夫妻のバンドなんだから,そりゃ好きで当たり前だという感じだ。彼らがEBTGとして活動する前にリリースされたBen Wattのアルバムでは何と言っても"North Marine Drive"ってことになるだろうが,本作はそれに先立ってリリースされたEP(オリジナルは12インチのミニ・アルバム)である。現在は,"North Marine Drive"のボートラとして収録されていて,手に入りやすくなっている音源だが,私が保有しているのはCD版のEPである。

正直なところ,私は"North Marine Drive"も結構好きだが,どっちが好きかと問われれば,こっちだと言うと思う。思わず甘酸っぱい思いがこみ上げるようなこの音楽を聞いていれば,50歳を過ぎたオヤジでも胸キュン(死語!)になってしまうのである。かつ,この涼やかな感じというのは暑い日が続く夏にはちょうどよい清涼剤のような効果がある。"North Marine Drive"もボサノバ的な響きを持つネオアコ・ミュージックだったわけだが,私がこのアルバムに惹かれるのはボサノバ・テイストがむしろ希薄だからかもしれない。ボサノバはブラジルの人たちに勝てるわけはないのだという思いが私の中にはあるからだと思うが,Ben Wattのヘタウマな歌も,私はこちらの曲群の方がずっとしっくりくるのである。

まぁ,Robert Wyattが入っているのは冒頭の"Walter & John"と最後の"A Girl in Winter"だけだと思うが,この二人がどういう経緯で共演に至ったかは全く謎だが,この時,Ben Wattはまだティーンエイジャーである。それにしては書く曲が素晴らし過ぎやしないかとついつい思ってしまう私である。いずれにしてもわずか15分余りの音源だが,その15分余りに関しては涼しげな気分に浸れるナイスなEPである。久しぶりに聞いたが,これはいいねぇ。星★★★★★。

Recorded in December 1981

Personnel: Ben Watt(vo, g, p), Robert Wyatt(p, vo)

2013年7月20日 (土)

中古でゲットしたElla Fitzgeraldのライブ盤が楽しい。

Perfect_match "A Perfect Match" Ella Fitzgerald & the Count Basie Orchestra(Pablo Today)

先日,ショップに行った時に仕入れた中古盤である。私は正直なところ,ジャズ・ヴォーカルの熱心な聞き手ではないが,Sarah Vaughan,Anita O'Day,そしてこのEllaぐらいは何枚かは保有している。そのElla Fitzgeraldの後期のアルバムと言ってよい1979年,モントルー・ジャズ・フェスティバルにおけるライブ盤はCount Basie Orchestraとの共演ということもあって,相当楽しいアルバムとなっている。この頃になるとEllaは昔の凄みというのはなくなっていた頃だと思うが,それでもまだまだ還暦ちょっと過ぎたぐらいのところなので,元気に歌っている。

このアルバムが楽しいのはBasieバンドがバックについているからなのは当然だが,御大が登場するのは最後の一曲だけとは言え,やはりスイングするという感覚が強烈に感じられるところが非常によい。こうして聞くと,同じBasieバンドとやってもSarahとは随分感じが違うなぁと思わされるが,Sarahが芸術なら,こちらはライブということもあって,リラックス感もありながら,エンタテインメントって感じが強い。でもいいのだ。どっちもジャズ・ヴォーカルの王道。どっちが好きとは言えない,ではなくどっちも好きなのだ。

ということで,このアルバムに関しては,大物と大物が共演して,聴衆が楽しんでいるのだからそれでよしというのが正しい評価だろう。小難しいことを言っても始まらない。まぁ,ちょっとやり過ぎではないのかと思わせる部分もあるが,それを含めて楽しめばよいアルバム。と言っても,結構このアルバム,売ってないんだよねぇ。私は手に入っただけラッキーで,かつ大いに楽しんだと言っておく。星★★★★。

Recorded Live at the Montreux Jazz Festival on July 12, 1979

Personnel: Ella Fitzgerald(vo), Paul Smith(p), Keter Betts(b), Micky Roker(ds) with the Count Basie Orchestra

2013年7月19日 (金)

出張中に見た映画(13/6~7編):最終回は「カルテット 人生のオペラハウス」。非常に後味の良い映画である。

Quartet 「カルテット 人生のオペラハウス("Quartet")」('12,英,BBC Films)

監督:Dustin Hoffman

出演:Maggie Smith, Tom Courtenay, Billy Connolly, Pauline Collins

前回のマレーシア出張の最後に見た映画がこれである。これが非常に後味の良い映画で,こういう映画をさっさとチョイスしなかった自分の審美眼を呪いたくなった。

この映画の登場人物はほとんどが老人である。そして音楽を演奏してきた経験のある老人のための老人ホームの話であるから,若い人々に共感を得ること自体は難しいかもしれない。しかし,私のように中年真っただ中から,初老へと転じていかんとする年齢の人間にとっては,身につまされる部分もあれば,非常に共感できてしまうところもあるのである。この映画の評価はやはり見る側の年齢層によって大きく変わるはずである。

もちろん,ストーリーに驚きはない。予定調和と言えばその通りである。しかし,名優Dustin Hoffmanが70歳を過ぎて結構な時間を経過したタイミングで,自分の初監督作に本作を選んだことが妙に納得できる,あるいは理解できると思ってしまう。

私からすれば,この映画はそうした人間のこれまでの人生観だけでなく,これからの人生観も踏まえて見られるべきものであるように思える。だからこそ,私には共感度が強いのである。そのことには誰からも文句をつけられるべきものではないと開き直っておこう。

実のところ,この映画は歌手の話でありながら主役の4人が実際に歌っている姿はこの映画の中では描かれていない。しかし,逆にそれが潔いと私には思えるのである。この4人は役者として立派な仕事をしているからそれでいいのだ。そこに,吹替えを被せるなんてのは野暮中の野暮であることはDustin Hoffmanにとっては当たり前の話だったってことである。そうした潔さも私にとってはいいと思えてしまった。とにかく,私はこの映画を見ながら,何度も「ナイスな映画だ」とひとりごちていたのだから,それをもしCAに聞かれていたら,私は単なる変なオヤジであるが,それぐらいこの映画を楽しんでいたということである。

決定的名作とは言わないが,これを劇場で見ていたら,見終わった後に極めていい気分で席を立つことができたであろうと言いたい佳作である。星★★★★。

2013年7月18日 (木)

ここまでいくと笑える「ワイルドスピード EURO MISSION」

Fast_furious_6 「ワイルド・スピード EURO MISSION ("Fast& Furious 6")」(米,'13,Universal)

監督:Justin Lin

出演:Vin Diesel, Paul Walker, Dwayne Johnson, Jordana Brewster, Michell Rodriguez

先日,会社の創立記念日で平日が休みとなったので,見に行ったうちの一本がこれである。私は前作も見に行っている(記事はこちら)が,その記事の主題には「ここまでいくと痛快」と書いている。そして今回が「ここまでいくと笑える」では私のボキャブラリーの貧困さ加減を明らかにするようなものだが,本当なのだから仕方がないのである。

前作でも壊しまくるという感覚はあったが,今回はそれに輪をかけている。戦車で車を潰しまくるのだから,これはやはり笑うしかない。だが,このシリーズの面白いところは,そうした破壊の快感に加えて,ストーリーの連続性をシリーズとして保とうとしていることだろう。今回も前作からの継続したキャスティングが中心であり,ちゃんと前作にも今回の予告みたいな内容があったから,なるほどねぇって感じである。ポスターにはファイナル・ステージがどうのこうのと書いているが,今回がファイナルではないことはちゃんと本作を見ていればわかるのだ。今回も次作について,ちゃんと予告コンテンツが入っていて,今回,私が一番驚いたのはそれだったかもしれない。なんと,次作にはJason Stathamが登場することがはっきりしたからである。Jason Stathamと言えば出世作は「トランスポーター」であるから,映画の種類としては「ワイルド・スピード」シリーズと親和性がないわけではないが,これはますます楽しみになってきた。男臭さ炸裂モードである。

それはさておき,今回の作品,ちょっと無理のある展開もあるが,マンガ的な無茶苦茶さの中では,そうしたことが瑣末にさえ思えてしまうところが,このシリーズのよいところと言ってしまおう。私は映画については結構いろいろな理屈をこねて,文句を言うことが多いが,そんな私にさえ,このシリーズは「まぁいいか」と言わせてしまう部分があるのだ。結局好きなだけじゃんと言われれば反論の余地なしだが,このスピード感,あるいは疾走感というのは結構重要な要素だと思えるのである。冒頭からストリート・レーシング・モードであり,なんでそうなっていたのかが明らかになれば,「なんじゃそりゃ~」とも言いたくなるが,「まぁいいか」なのである。Dwayne Johnsonの肉体派バトル・シーンもあるしねぇ(笑)。

今回は更に激しくも大がかりなアクション・シーン満載であるが,ここまできたら,次も激しく,あるいは更に激しくやってくれいと言いたくなる私である(笑)。星★★★☆。ちなみに,次作は舞台に東京が加わるらしい。ほんまに東京でこんな映画のロケをできんのかいなと余計な心配をしたくなるが,とにかくVin Diesel対Jason Stathamのバトルが楽しみである。

2013年7月17日 (水)

ネットを徘徊していて見つけたJoni Mitchellの素晴らしいライブ音源

Joni_mitchell_fez本日で私はまた年齢をひとつ重ねた。John Coltrane,あるいはBilly Holidayの命日と,私の誕生日が一緒というのは因果なものであるが,当然のことながら,私は彼らのような音楽的な才能に恵まれていないから聞く方に一生懸命なわけだ(笑)。

これまでの私の音楽鑑賞人生の中で,Joni Mithcellのライブを見ることができなかった(いや,本来はまだできていないと言うべきか...)ことは一大痛恨事である。83年の来日も見逃したし,94年の東大寺でのライブも見られなかった。彼女がライブ活動をほとんど行わない現状においては,今後も彼女のライブに接する機会はもうないと思うと,やはり無理してでも見に行かなければならなかった。だが,94年はさておき,83年はまだJoniの魅力に気がつく前だったということもあり,これは仕方がないかもしれないが,それでも残念は残念である。

そうした状況を補うためには,映像やら,様々な音源やらでそれをカバーするしかないので,彼女のライブDVDは結構保有している。そんな私がネットを徘徊していて出会ったのが本日紹介する音源である。この音源は1995年11月6日にNYCのThe FezというクラブにJoniがサプライズ出演した時の模様を収めたものだが,Brian Bladeだけをバックにしたとは思えないぐらい充実したサウンドである。95年11月と言えば,"Turbulent Indigo"リリースから約1年後というタイミングになるが,やはりそこからの曲が多いとは言え,彼女のレパートリーが満遍なく収められており,ファンにはたまらない音源である。

そもそもこの時のライブは当日の朝に本決まりになり,ラジオでの告知しか行われなかったらしいが,客席にはCarly Simon,Eric Andersen,Victoria Williams,Natalie MerchantやChrissie Hyndeもいたらしいから,一応彼らには事前に情報が流れていたのであろう。当日,あまりに強烈にやんやの喝采を浴びせるChrissie Hyndeに対し,Carly Simonが文句をつけ,二人の間で一触即発になったとかいう話(というより,Carlyはむっとして途中で帰ってしまったようだが...)もあるが,そんなことはどうでもいいと思わせるような歌唱,演奏の数々である。この音源はブートCDとしても世の中に出回っているが,そんなものを買わなくても,ダウンロードできてしまうのがブート音源のいいところである(爆)。

Joni_2 しかし,これはまじで最高である。この場にいられた200名ぐらいのオーディエンスに対し,私は強烈なジェラシーを感じざるをえないが,この時から20年近くの時間が経過しても,音楽としての感動は不変に違いない。それほど素晴らしい音源である。皆さんも見つけたらダウンロードしましょう(笑)。その一方で,時の経過はJoniの容姿にも間違いなく影響を及ぼしていることにはちょっとショックを受けている私である。それは不可避のことではあるが,Joni Mitchell.comに見られる彼女の近影を見ると,さすがに彼女も老けたと痛感させられる(ということは私は更なるオッサン化が進んでいるということだが...)が,それでも彼女が作り上げてきた音楽的な業績には何も変わるところはない。ライブも新作も無理かもしれないが,これからも少しでも音楽界に影響を及ぼし続けて欲しいと思わざるをえない。

2013年7月16日 (火)

FM:懐かしくもよく出来たコンピレーションである。

Fm001 "FM: The Original Movie Soundtrack" Various Artists (MCA→Culture Factory)

久々にショップに出掛ける機会があって,見つけてしまったのがこのアルバムの再発CDである。96KHz,24ビット・リマスターの紙ジャケ盤である。だが,私にとっては正直そんなことはどうでもよい。私はLPでこのアルバムは保有しているので今更買い直すこともなかったのだが,ここに収められた曲群には私のような中年は強烈なノスタルジーを感じるはずである。それこそ70年代のヒット曲が全く出し惜しみなしで収められているのが嬉しいアルバムだが,自分でアメリカン・ロックのコンピレーションを作ったとしても,まさしくこんな感じになるのではないかというミュージシャン,そして曲ばかりが収められている。

このアルバムが出た当時はSteely Danの当時の新曲としてタイトル・トラックが収められていることが話題になったはずだが,今やそれも昔のことである。"FM"そのものはいろいろなところで聞けるようになっているから,音源としての珍しさは全然なくなった。加えてLinda Ronstadtのライブ音源も当時は珍しいものだったはずである。

しかし,ここで声を大にして言わなければならないのは,ここに収められた曲の組合せである。アメリカ音楽に愛着をおぼえる人間にとってはこれこそ最高である。正確に言えばForeignerは英米混成,Queenはブリティッシュだが,そんなことはどうでもよい。70年代後半のFMならば絶対にエアプレイされていたであろう曲の連続には,ノスタルジーを通り越して,私にとっては今でも歌えてしまうという決定的な力があるのである。まじで最高である。下記のトラック・リストを見てもらえば私の言うこともわかってもらえるだろう。文句あります?(笑)

Disc 1
1. FM (Steely Dan)
2. Night Moves (Bob Seger)
3. Fly Like An Eagle (Steve Miller Band)
4. Cold As Ice (Foreigner)
5. Breakdown (Tom Petty and the Heartbreakers)
6. Bad Man (Randy Meisner)
7. Life In The Fast Lane (Eagles)
8. Do It Again (Steely Dan)
9. Lido Shuffle (Boz Scaggs)
10. More Than A Feeling (Boston)

Disc 2
1. Tumbling Dice (Linda Ronstadt)
2. Poor Poor Pitiful Me (Linda Ronstadt)
3. Livingston Saturday Night (Jimmy Buffett)
4. There's A Place In The World For A Gambler (Dan Fogelberg)
5. Just The Way You Are (Billy Joel)
6. It Keeps You Runnin' (The Doobie Brothers)
7. Our Smiling Face (James Taylor)
8. Life's Been Good (Joe Walsh)
9. We Will Rock You (Queen)
10. FM - Reprise (Steely Dan)

この並びを見れば,当たり前のことだが星★★★★★しかないのである。最高にいけてるコンピレーションである。いかに私がこの時代のこうした音楽を愛していたかを改めて感じさせてくれた。そしてそれは凄く嬉しかったと恥ずかしげもなく告白してしまおう。

2013年7月15日 (月)

「真夏の方程式」:ガリレオは好きだが,やっぱりこれは無理があるかなぁ。

Photo 「真夏の方程式」('13,東宝)

監督:西谷弘

出演:福山雅治,吉高由里子,北村一輝,杏,風吹ジュン,前田吟,白竜,塩見三省

TVドラマをほとんど見ない私が,例外的に見ていたのが先日まで放送していた「ガリレオ」シリーズである。東野圭吾の小説も何だかんだで読んでしまうこととも関係があるかもしれないが,まぁそこそこ楽しんで見ていたクチである。TVのシリーズが終わるのと前後して,この映画の公開というのも,フジも商売っ気たっぷり過ぎるなぁと思いつつ,ついつい劇場に行ってしまった私である。

私は本作の原作も読んでいて,記事もアップしている(記事はこちら)が,そこでストーリーについては文句も言っているし,「ドラマ化を意識したようなあざとさ」についても指摘しているが,今回の映画化もやはりってところではある。しかも子供が絡んでいるしねぇ。原作に関する記憶は希薄だが,記事を見返す限り,ストーリー展開の中には同時パラレル型ストーリー展開(湯川側と警視庁側)があったはずである。しかし,今回の映像化の中では,完全に湯川側に軸足が置かれていて,吉高由里子演じる岸谷刑事の捜査シーン等もないわけではないとしても,ちょいと端折り過ぎだろうと思わせる。結局は福山雅治演じる湯川学がこの映画の明確な主役であって,ここでは吉高由里子あるいはその他の警察関係者は脇役に過ぎないのである。

その一方で,本作への登場人物として脇を固める役者陣は目立たないながらも総じて好演であり,その中でも一番味を出しているのが白竜かもしれない。ありがちな設定ではあるが,メイクもうまく使っていい感じである。

いずれにしても,ここに出てくる登場人物が抱える「秘密」はちょっと度を越していると思わせるが,それは映画の責任ではなく,原作の責任である。だが,やはりこの福山雅治の目立たせ方は私には行き過ぎだと思えた。この映画のスターは福山なのだから,それはそれでいいのだろうが,映画には全体のストーリーテリングがあって,その上で役者をどう当てはめるかということも考慮する必要があるはずだが,そこが私にはちょっと不満であった。私が「ガリレオ」シリーズ好きでも,これはちょっとやり過ぎだと思えたのである。

また,映画化するのであれば,もう少し予算をかけて撮って欲しいと思ったのは私だけではないだろう。水中シーンと地方ロケだけで予算が使われていて,ほかはTVドラマの延長線ではないかという嫌みの一つも言いたくなる。水中シーンも同じような演出続きで正直飽きる。これは監督の芸のなさを証明したようなものである。

ということで,この映画を酷評しようとは思わないが,私としてはもっと映画的な興奮を与えて欲しかったと思う。「容疑者Xの献身」も大して予算が掛かっていたとは思わないが,あれには堤真一の怪演というものがあった。今回はそうした意味でも映画としては淡々とし過ぎだったように思える。ということで星★★★。

2013年7月14日 (日)

賛否両論渦巻くDaft Punkの新作だが,私にはOK!,って言うよりかなり好き。

Daft_punk "Random Access Memories" Daft Punk(Sony)

Daft Punkの音楽に関して,私は関心があったわけではない。今まで彼らの音楽に接したのはTVのコマーシャルか映画"Tron Legacy"の音楽を通してぐらいであって,縁深いとは決して言えないミュージシャンたちである。そんな彼らのアルバムをなぜ聞く気になったのかと言えば,これが70~80年代のディスコ・ミュージックへのオマージュ的なものだという情報をゲットしたからである。参加しているミュージシャンにもそういう部分は感じられるし,生音での演奏が中心ということにも潔さを感じさせる。

このアルバム,賛否両論があるようだが,海外での評価が高いのに対し,国内の批評家の評価はそこまで高くないように見える。評価そのものは,彼らの音楽に何を期待するのかによって全く違ってくるように思えるので,そうした賛否はあっても別に不思議ではない。だが,私のように彼らの音楽との接点が薄い人間にとってはここでの音楽を聞かされれれば,「へぇ~,そうだったんだ~」ぐらいには感じてしまうのである。しかもここに参加しているミュージシャン達を見れば,「おぉ~,そう来るか~」という反応をしてしまうのが,こうした音楽と同時代を過ごした人間の反応に違いないはずである。ということで,私は間違いなく「賛」の立場を取りたいと思う。

なぜこの音楽に私が惹かれるのか?もちろん,先達に対するオマージュがピタッとはまっているという点もあるが,それに加えてここに収められた曲のよさ,そして,それを支える演奏のグルーブが心地よいからである。私はこの音楽を聞いてからというものの,ジョギングのBGMはほぼこれで通している。もちろん,これが私の嗜好に最高にマッチした音楽だとは言えないのだが,新しさと懐かしさを同居させたサウンドとしては非常に心地よく響くのである。特にランを活性化させるにはちょうどよいところが,ダンス・ミュージックとして優れているところを示していると思う。これはプレイバックをするタイミングを間違えなければ,あらゆる場面にフィットしてしまうようにさえ思えるナイスな作品。ついつい星も甘くなり星★★★★☆。

それにしても,Nile RogersやGiorgio Moroderはわかるとしても,Paul Williamsまで担ぎ出してしまうのだから,凄いや。しかも全然違和感なし。全く感心してしまった私である。

Personnel: Daft Punk(vo, synth, key, guitar), Panda Bear(vo), Julian Casablancas(vo, g), Todd Edwards(vo), DJ Falcon(synth), Chilly Gonzales(p, key), Giorgio Moroder(voice), Nile Rodgers(g), Paul Williams(vo), Pharrell Williams(vo), Greg Leisz(steel-g), Chris Caswell(key), Paul Jackson, Jr.(g), Nathan East(b), James Genus(b), John "J.R." Robinson(ds), Omar Hakim(ds), Quinn(perc), Thomas Bloch(key)

2013年7月13日 (土)

クリポタ入りとは言え,微妙なトルコ人ピアニスト作

Burak_bedikyan

"Circle of Life" Burak Bedikyan (Steeple Chase Lookout)

リーダーの名前を聞くのはこれが初めてのことである。情報によればトルコ出身の人らしいが,そんなことよりも私がこのアルバムを購入したのはそのメンツゆえである。まずはクリポタのワンホーンというのが気になる。それにドラムスはビルスチュだしなぁ。やはり聞きたくなるメンツである。

アルバムは1曲を除いて,リーダーのオリジナルで固められているのだが,実のところこれが評価の分かれ目になったと言わざるをえないのだ。冒頭のいかにもMonk的な"First Steps"に始まり,それこそ手を替え品を替えという感じで,いろいろなタイプの曲が収められている。フリーもあれば,スインガーもありという具合で,一言で言えば捉えどころがない。とにかくいろいろできまっせと言っているかのごとくで鼻につく。そして,リーダーの書くオリジナルも,どこかで聞いたことがあるような「既視感」が強いため,あまり魅力を感じられないのである。結局最後まで聞けば,唯一のカヴァー曲であるBeatlesの"Here, There And Everywhere"が曲としては一番いけていることは明白であり,私はリーダーの作曲能力に強い疑問を感じざるをえなかった。

だが,演奏そのものはこのメンツであるから相応のレベルは保っているし,クリポタはフリーも含めて,何を吹いてもうまいねぇと思わせるのだが,結局はそこどまりなのである。この3人を迎えることによる決定的な効果を生み出すのには成功していない。これはリーダーの力不足によるところ大だと思えるが,やはりもう少し曲作りには注力して欲しいものである。ということで,新人のデビュー作としてはまぁまぁの出来と言ってもよいが,このメンツなら当たり前だろうということもあり,点も辛くなり星★★★。

Recorded on April 2 & 3, 2012

Personnel: Burak Bedikyan (p), Chris Potter (ts), Peter Washington (b), Bill Stewart (ds)

2013年7月12日 (金)

出張中に見た映画(13/6~7編):4本目はストーリーに瑕疵はあるが,結構な拾いものだった"The Call"

The_call "The Call" ('13, 米, Sony/Tristar)

監督:Brad Anderson

出演:Halle Berry, Abigail Breslin, Morris Chestnut, Michael Eklund

出張中に見た4本目は復路での1本目である。結構バテバテの出張だったにもかかわらず,復路に2本見ている私って何?って気もするが,まぁそれはさておきである。本作は日本未公開作ではあるが,ストーリーに難点はあるものの,映画としてはそこそこの出来の拾いものと言ってよい作品であった。少なくとも往路で見た3本よりははるかにましだと思っていながら見ていた私である。

テーマは誘拐事件と,それに関わる911のオペレーターというものである。その中で,犯人像は正直言ってよくわからない部分があって,そこはちょいと首をかしげていた私だが,Halle Berryの人物の造形がはっきりしているので,それで相殺されていたってところだろう。

誘拐事件の追跡劇の中で,悪意はなくとも,ついつい余計なことをしてしまう一般市民が描かれているというのもリアリティという点ではよかったのではないかと思う。その中でHalle Berryであるが,相変わらずこの人は綺麗だなぁと思いながら見ていたが,その美貌はいまだ健在であった。この映画ではキャラクターとしての強弱を演じる必要があったが,どちらかというと「強」が勝ってしまうのは映画の性格上仕方ないが,まぁ適切なキャスティングだと思えてしまう。

ケチをつけようと思えば,この映画にはいくらでもケチのつけようはある。特にLAPDがどんくさ過ぎないかと思わせるのも難点だし,誘拐される少女役のAbigail Breslinも今イチ魅力に欠ける(少なくとも私の趣味ではない)。そして,この結末はどうなのよと思わせるが,まぁよかろう。往路の3本に比べれば相対的には面白く見られた方だと思う。それが,ボックス・オフィスの成績にも表れていると言ってもよいだろう。製作費を米国公開1週で回収しているのだから,プロデューサーとしてはウハウハである。ということで,その程度には受け入れられる映画と考えてよいだろう。往路との相対評価もあって,やや甘いが星★★★☆としておこう。

それにしても,この映画の制作会社にはWWE Filmsという会社が含まれていたが,ロゴからするとプロレスのWWEである。エンタテインメントということでは共通項もあるが,何だか凄いことになっているなぁと思ってしまった私である。

2013年7月11日 (木)

中年音楽狂,撃沈す...

猛暑の中,名古屋へ出張し,現地の気候に当たったわけではないのだが,体調を崩してしまった。現地での飲み過ぎも影響していることは間違いないが,珍しくも虚脱感に襲われた私である。

一日休養したら,体調はほぼ回復したが,ここのところ出張続き(+飲み会続き)だっただけに,疲労も蓄積していたということであろう。暫くはおとなしくなんて思っていても,きっとそうはいかないだろうが,まずは体力の回復を図りたい。ということで,本日は開店休業。

2013年7月10日 (水)

これぞECMみたいなメンツ,そして演奏。

La_notte "La Notte" Ketil Bjørnstad (ECM)

Ketil Bjørnstadの音楽と言えば静謐を絵で書いたような感じというか、淡い色使いの水彩画のような趣がある。ECMレーベルだから許されるようなものだが,ジャズ的な要素は希薄な場合が多く,ある意味,この人でしか成り立たないという演奏をする人である。その印象はどのアルバムを聞いても変わらないので,音楽性としては極めて一貫性を保った人だと言ってよい。

そのBjørnstadが新たにECMからリリースしたアルバムはなんとライブ盤である。ここでチェロがDavid Darlingなら,全てがECMからリーダー作を発表している面々ということになり,国際色豊かなオールスターズ的なメンツである。ここでチェロを弾いているAnja Lechnerだって,ECMには双頭リーダー作のような作品もあるから,Darlingならずともこれはやはり凄いメンツということには違いない。少なくとも日本では再現不能だろう。

で,ここでの演奏だが,これが実によい。ライブらしいダイナミズムと,Bjørnstadらしい静謐さと美しさが混じり合って,まさに静と動の絶妙なバランスを生み出している。まさに一本の映画を見るかのごときストーリー性が強く感じられる演奏と言える。この音楽を聞いて,こんなのジャズじゃねぇよという文句も原理主義者たちからは聞こえてきそうだが,私はそんな雑音には"So what?"と言い返すだろう。開き直りにも思えるかもしれないが,この美学を理解できないことの方がはるかに不幸なのだ。ECMレーベルの音楽を愛するのであれば,必聴,必須。そうでなくとも音楽の美的感覚とは何かを理解したいのであれば聞いて絶対損はない。繰り返すが,これはよい。共演者の貢献度も高く,私が知るKetil Bjørnstadのアルバムの中でも最も評価したいアルバムである。Arild Andersenのベースの増幅音が好きになれないという欠点がないわけではないが,あまりの心地よさ,ECMっぽさについつい星も甘くなり星★★★★★。

Recorded on July 21, 2010

Personnel: Ketil Bjørnstad(p),Andy Sheppard(ts, ss), Anja Lechner(cello), Eivind Aarset(g, electronics), Arild Andersen(b), Marilyn Mazur(ds, perc)

2013年7月 9日 (火)

祝11月来日,ってことでBoz Scaggsの新譜を聞いた:こりゃ渋い。

Boz_scaggs_memphis "Memphis" Boz Scaggs (429 Records)

昨年The Dukes of September Rhythm Revueの一員として来日し,楽しいショーを見せてくれたBoz Scaggsであるが,今年の11月には単独で来日ということで,早速チケットはオーダーしたのだが,その前に,やはり新譜は聞いておかねばということでの購入である。

Boz Scaggsと言えば,我々の世代には"Silk Degrees"か"Middle Man"ということで,AOR的なサウンドを期待する向きもあろうが,この人のルーツには間違いなくソウル・ミュージックがあるということは昨年のライブでも,前述の作品の後にリリースされたアルバムを聞いてもわかっていたことである。だから,今回,BozがWillie Mitchellが保有するRoyal Recording Studiosでレコーディングしたと聞けば,こういうトーンになるだろうなぁというのはある程度想像はついたのだが,それにしてもこれは渋い,渋過ぎる。

今回のアルバムはバックを務めた面々からすると,もう少しハードなサウンドであってもよさそうには思えるが,むしろそうしたサウンドとは対極にある落ち着いたアルバムであり,Bozの歌のうまさが見事に引き出されていると言ってよいように思う。Ray Parker, Jr.がこんなバッキングをするなんて予想外と言ってもよいのだが,そうした意味ではプロデュースを行ったSteve Jordanはよくわかっている。ということで,歌よし,演奏よしのアルバムであり,評価としては星★★★★☆に十分値すると言える作品となった。特にKeb' Mo'のスライドが聞ける"Dry Spell"のカッコよさが私にはしびれるサウンドであった。

The Dukes of September Rhythm Revueでも枯れていないところを十分に示したBozであったが,この作品により,まだまだ現役としていけているところを改めて実証したことには敬意を表したい。いいねぇ...。

だが,11月のライブではどうなんだろうということも考えたくなる私である。もちろん,このアルバムをリリースしたことによるライブ・ツアーであるはずなので,このアルバムに収められた曲の演奏も結構行われるだろうが,聴衆の期待は彼の以前のヒット曲であろう。そうした意味ではどういうバンドを連れてくるかによるが,Michael Landauを逸早くバックに採用したBozのことである。きっと間違いなくいい演奏を聞かせてくれると今から期待したい。

Personnel: Boz Scaggs(vo, g), Steve Jordan(ds, perc, vo), Ray Parker, Jr.(g), Willie Weeks(b), Keb' Mo'(slide dobro), Rick Vito(g), Charles Hodges(org), Jim Co(p, key), Lester Snell(key), Spooner Oldham(p, el-p, org), Jack Ashford(vib), Charles Musselwhite(hca), David Hungate(b), Sannon Forrest(ds), Monet Owens(vo), Clatoven Richardon(vo), Jessie Munson(vln), Beth Luscome(vla), Wen-Yih Yu(vln), Barrie Cooper(vln), Jennifer Puckett(vla), Mark Wallace(cello), Jonathan Kirkscey(cello), Ben Couley(tp), Jim Horn(bs), Jack Hale(tb), Lonnie McMillan(ts)

2013年7月 8日 (月)

原作同様沈鬱な雰囲気に満ちた「さよなら渓谷」:だがこの真木よう子は素晴らしい

Photo_3 「さよなら渓谷」('13,ファントム・フィルム)

監督:大森立嗣

出演:真木よう子,大西信満,大森南朋,鶴田真由,鈴木杏,井浦新

私が作家,吉田修一のファンであることはこのブログでも書いてきたが,この作品の原作にはやや辛い評価をしている(記事はこちら)。こうした作品が映画化されること自体驚きだが,「横道世之介」の次の映画化作品がこれっていうのはギャップが激し過ぎるだろうと言いたくなってしまう。

Photo_5 原作同様に非常に重苦しい映画である。そして救いがない。これは本当に厳しい映画である。だが,それをリアリティを持たせて撮った監督,共同脚本の大森立嗣は絶対ほめなければならないが,それを実現に導いたのは真木よう子の素晴らしい演技である。彼女の演技は「ゆれる」でも,演技はさておき,その憂いに満ちた表情を私は絶賛したのだが(記事はこちら),ここでもその表情の素晴らしさは健在,かつ演技はずっとよくなっていると思う。

こういう映画であるから,これが物凄い動員を実現すること自体は考えにくいが,心理ドラマとして,見逃すには惜しい作品である。昨今のハリウッド映画では絶対考えられないような映画として,私はより多くの人にこの映画を見て頂ければと思う。ラスト・シーンもいろいろな解釈を可能にしていて,考えさせられるという点でも珍しい。ただ,R+15になるのも仕方がないと思えるほど,描写的に家庭内で観ることはお勧めできないので,これはやはり劇場で見るべき映画だと言っておこう。但し,ちょっと大森南朋の人物造形にはケチをつけたくなる部分もあるので,星★★★★☆とするが,日本映画の力を示したという意味では非常に重要な作品だと思う。モスクワ映画祭のコンペティション部門で審査員特別賞を受賞したのもある意味当然と言いたくなる作品。

2013年7月 7日 (日)

出張中に見た映画(13/6~7編):その3は東野圭吾原作「プラチナデータ」

Photo_2 「プラチナデータ」('13,東宝)

監督:大友啓史

出演:二宮和也,豊川悦司,鈴木保奈美,杏,生瀬勝久,水原希子

往路の3本目として見た映画である。私は何だかんだと言いながら,東野圭吾の本って読んでいたりするが,本作はスキップしていたので内容は承知していない。だが,ほとんどTVドラマを見ない私がTVで「ガリレオ」はほぼ毎週見ていたのだから,結局は東野圭吾自体は好きなんだろうと思う。

だが,これはダメである。近未来なんて舞台設定をしながら,全然近未来的な描写は出てこないし,作りが中途半端なのである。そして,あまりにも冗長な二宮和也の逃亡シーンや,失笑せざるをえない無茶苦茶なストーリーもあって,シナリオの駄目さ加減ばかりが鼻につく。そもそも二宮和也,芝居が下手過ぎだろう。確かに難しい役柄であるが,どうせならもっと嫌らしく演じて欲しいものである。最初はその嫌らしさが結構出ているが,段々おかしくなってくるのがこれも中途半端。ジャニーズだから仕方ないけどねぇ。

ということで,この映画も出来としては全然駄目で,私は全く楽しめなかった。星★☆。監督の大友啓史は「るろうに剣心」ではなかなかいい仕事振りだと思えたが,この映画は全く見るところなしである。ということで,今回の出張の往路で選んだ3本は全てはずれというのは私の選択の誤りの結果であり,大いに反省してしまった。

ちなみに,私の娘はこの映画を劇場に見に行ったようだが,どう思っていたんだろうと別の意味で関心が湧いてしまった。

2013年7月 6日 (土)

梅雨明けだそうである。

関東甲信地方が梅雨明けだそうである。今年は梅雨入りも早かったが,梅雨明けも早い。平年より15日も早いっていうのだから尋常ではない。

まぁ,梅雨でじめじめしているよりはいいとしても,私のような週末ランナーにとっては厳しい時期になったと言わなければならない。そもそも体重を落とすために始めたジョギングであるが,冬に一時期サボっていたとは言え,5月以降はできる限り再び土日に走るようにしている。しかし,最近は距離も頻度も以前よりは落ちているのも事実で,以前なら土日で25キロぐらい走っていたが,現在は週1回で7~8キロ行けばいいぐらいである。暑い中のランニングはきついのである。

今日も外気温が33度近くある中,かつひどい二日酔いの中,行くかどうか迷うところだが,ここでめげていてはもう一段の体重減は難しくなるので,今日は更に時間と距離を抑えて走ることにしよう。しかし,どう見ても暑そうなんだよなぁ...。

2013年7月 5日 (金)

出張中に見た映画(13/6~7編):その2はまたもBruce Willis

Die_hard 「ダイ・ハード/ラスト・デイ("A Good Day to Die Hard")」('13,米,Fox)

監督:John Moore

出演:Bruce Willis, Jai Courtney, Sebastian Koch, Mary Elisabeth Winstead, Yulia Snigr

出張中に見た映画はまたもBruce Willisである。しかも「ダイ・ハード」シリーズ5本目である。私は前作も機内エンタテインメントで見ている(記事はこちら)が,Bruce Willisの毛髪の量に比例して,作品としてつまらなくなるというのは,Willisがもう歳だということにも関係するかもしれない。

いずれにしても,カー・アクション等はぶっ壊せばいいと思っているのではないかと思えるほどの大量破壊ぶりであるが,全然爽快感がない。火薬も大量使用だがそれがどうした!って感じである。アクションは派手に見せかけているが,面白くないのである。結局,この映画の決定的な欠陥はストーリーのつまらなさである。昔のこのシリーズはもっと面白かったはずだが,4作目にしろ,本作にしろ,Willis扮するJohn McClaneの娘や息子を出してくるところで,もはやネタが尽きてきたという感じである。そして,悪役がこれまたつまらない。これでは映画が盛り上がらないこと甚だしい。こういう映画は悪役をいかに魅力的に描けるかが成功の鍵だが,これでは全くダメである。

ということで1本目の「G.I.ジョー」同様のくだらなさで,最後には完全に辟易としていた私である。退屈しのぎにはなっても,全然記憶にも残らない駄作。星★☆で十分。

2013年7月 4日 (木)

出張中に見た映画(13/6~7編):1本目は「G.I.ジョー」の第2作

Gi_joe 「G.I.ジョー バック2リベンジ("G.I. Joe Retaliation")」('13,米,Paramount)

監督:Jon M. Chu

出演:Dwayne Johnson, Adrianna Palicki, D. J. Cotrona, Byung-hun Lee, Channing Tatum, Bruce Willis

今回のマレーシア出張では結局5本(往路3本,復路2本)の映画を見た。つくづく私も好き者である。その中で1本目に選んだのがこの映画である。実は本作の第1作も機内エンタテインメントとして見たのだが,あまりのアホくささにレビューも書かなかったというのが事実である。だったら,これもやめとけばいいじゃんと思いつつ,Bruce Willisの登板で多少は変わるかと思ったのだが,やっぱりバカバカしい映画であった。

G.I. Joeと言えば,私にとっては人形である。子供の頃,友だちで結構集めているのがいたなぁなんて遠い目になってしまうが,所詮はアクション・フィギュアから転じたマンガ的な世界である。このありえない展開には笑ってしまうしかない。あまりのストーリの無茶苦茶さ加減に半ば呆れてしまったわけだが,ここまで荒唐無稽だと怒る気も失せるってところか。

この映画,明らかに3Dでの上映を意識したあざとい映像もあって,それを見ているだけでも私としては冷めた目で見ていたのだが,まぁ機内エンタテインメントであるから,暇つぶしとしてはよしとしよう。でも絶対金を出して見たいとは思わない映画だとは言い切っておく。プロレス好きな私にとってはDwayne Johnson(The Rock)は相変わらずのカッコよさではあるが,物量作戦ばかりが目立つこの映画は星★☆で十分。Bruce Willisも仕事を選んだ方がいいだろうねぇ。よくやるわ。

2013年7月 3日 (水)

帰国しました。

毎度の二泊四日のマレーシア出張から無事帰国した。夜行便での帰国は体力的にきついって言うならば、飛行機で寝ればいいだろうと言われるが、自分の映画好きもあって結局帰路も2本見てしまった。今回は往復で5本。報告はまた改めてとするが、一番よかったのは「カルテット! 人生のオペラハウス」であった。今年の最高作に推したくなるぐらい私は好き。我ながら甘いが、年齢を重ねてしまったからこそ好きってこともあるってことで。

2013年7月 2日 (火)

これより帰国。

現在,帰国便に乗るため,KLIA(クアラルンプール国際空港)へ向かう道すがらである。今回も結構疲れたが,夜行便でのフライトがまた疲れに輪をかける。まぁ,今日は映画も見ずに寝て帰るかって気分である。往路で3本見たから十分だが(笑)。ということで次は日本から,「出張中に見た映画」シリーズかな。

2013年7月 1日 (月)

またまたKL出張中。

Image またもKLにやってきた。これで3ヶ月連続になるが,まだまだこれからもこなければならない案件がある。8月末までに最低でもあと1回は来るになるだろう。その後も案件の推移次第では何度も訪れなければならない。

マレーシアは近いようで,フライトは7時間かかるので決して近いとは言えないが,せっかくのビジネスの機会である。私としてはいくらでもOKってところだ。と言いつつ今日はこんなところで食事をしていて食べすぎました(笑)。

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