ど,ど,どシブいコンピレーション。まじで「ど」がつくわ。
"Swiss Radio Days Jazz Live Trio Series Vol. 32" Sahib Shihab / Art Farmer / Clifford Jordan (TCB)
先日,同じシリーズのStan Getzの演奏をここでも紹介したばかりだが,同じく新橋のテナー・サックスの聖地Bar D2のマスターに聞かせてもらって,これも即発注したCDである。Stan Getz盤と異なり,ここでは主役が3人である。録音時期はバラバラではあるが,無茶苦茶渋い。そもそもSahib Shihab,Art Farmer,そしてClifford Jordanという組み合わせは普通では思いつかない,というか渋過ぎである。
このアルバムはそうした渋い面々が,Jazz Live Trioなるおそらくはスイスのバンドをバックにワンホーンで演奏した音源を集めたものだが,それにしても渋い。やっぱり渋過ぎる。
Art FarmerとClifford Jordanはわからないわけではないが,Sahib Shihabはやっぱり渋いだろう。バリトン・サックスのワンホーンっていうのが私が痺れるパターンなのだが,バックのピアノがおそらくはRhodesというのもたまらん。これがバリトン好き,Rhodes好きにはたまらないのである。
そして演奏だが,どこを切っても渋い。しつこいようだが,全面的に渋い。バラッドをやっても,ブルージーにやってもどうやっても渋いものは渋いのだ。それ以外の表現は今のところ,私にはない。私の表現力の乏しさもあろうが,この音源を聞いて頂ければわかってもらえるはずだと強弁したい。Sahib Shihabの演奏にやられて,Art Farmerのリリカルな演奏で平常心に戻り(悪い意味ではない)ながら,再度Clifford Jordanでトリップするという演奏のバランスも素晴らしいコンピレーションである。これははっきり言って子どもにはわからない世界である。いいのだ。オジさんだけが喜んでいればと言い切りたくなるマジで渋い世界である。この渋さだけで満点をつけるつもりはないが,これはやっぱり心あるオジさんに聞いて欲しいということで星★★★★☆。だが,この音源がブルーノート等の昔の音源ばかりが聞こえてくる昨今の飲み屋のBGMとして掛かることはないだろう。これを聞けるところ,それがBar D2なんだよねぇ。ということで,マスターにまた感謝。
それにしても訳のわからない記事を書いてしまったが,いいものはいいってことで。
Recorded on January 17, 1990(5-7), on October 30, 1971(1-2), and on November 12, 1977(3-4)
Personnel: Sahib Shihab(bs), Art Farmer(fl-h), Clifford Jordan(ts), Klaus Koenig(p), Peter Frei(b), Peter Schmdlin(ds, 1-4) and Alex Bally(ds, 5-7)
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