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2013年6月 8日 (土)

チョン・キョンファの東京文化会館でのリサイタルを振り返る

1 私の亡くなった父はモーツァルトとヴァイオリン音楽の好きな人であった。父のお気に入りのヴァイオリニストはViktoria Mullovaだったので,私も遺品として彼女のCDを受け継いでいる。MullovaはMullovaで嫌いではないのだが,私の中でのヴァイオリニストというと,チョン・キョンファ(鄭 京和,Kyung-Wha Chung)となってしまうのである。彼女は暫く一線から退いていたようだが,めでたく復活,そして今回の来日とあっては,やはり聞いてみたい。前回日本でリサイタルをやったのは15年前ということだから,次があるとも言い切れない。だったら,もっとさっさとチケット買っておけよというのに,実は彼女の来日を知ったのは5月になってからというのだからいい加減なものである。それでいろいろチケットを探していたのだが,チケット買いそびれの割には17列センターというナイスなポジションのチケットが残っていた。12,000円は痛かったが,えぇい,ままよということでの購入である。

そして今回の会場は上野の東京文化会館。私が「文化」に最後に行ったのは何の時だったか?もしかすると,学生時代,楽器の搬入のバイトで行って以来ということはないはずだが,いずれにしても,相当久々の「文化」となった。

そして,会社が引けた後,喜び勇んで上野に向かったわけだが,何とも年齢層の高い聴衆である。中年ど真ん中の私が若輩者に見えるようなご高齢者のかたまりにはびっくりしてしまったが,昨年,Lupuを見た時はここまでではなかったはずである。今回主催が都民劇場ということも影響しているかもしれないが,とにかく平均年齢は非常に高かったと思う。

そもそもチョン・キョンファと言っても,若い人たちは名前ぐらいしか知らないんだろうなぁと思えば,この聴衆の年齢層も理解できないことはないが,私の場合は彼女の弾くコンチェルトにしろ,ソナタにしろ,何とも言えぬテンション,緊張感があって本当に好きなのだ。今回はプログラムの関係で「シャコンヌ」が聞けなかったのは残念だが,それはなくとも,彼女らしい緊張感は感じられる演奏だったと思う。少なくとも第二部は。

ちょっとふっくらしたかなぁという印象のチョン・キョンファであったが,見た目は結構若々しい。今回も上の写真のようなショート・カットに,白いドレスでの登場である。冒頭のモーツァルトのソナタは軽く小手調べみたいな感じで,どうもピンとこなかったが,2曲目のブラームスになって,美しい響きを聞かせて印象は好転。そして休憩をはさんでやったシマノフスキーが彼女らしいテンションを感じさせてそうそう,これこれと思わせた。やはり彼女はこうでなくてはならない。そしてプログラム最後はフランクで締めたわけだが,もともとが美しくもダイナミズムも感じさせる曲で,これも素晴らしい演奏であった。そしてアンコールが2曲。

全体を通して聞けば,満足度は高かった。特に第二部,特にシマノフスキーが私にとっては一番よかったかなぁってところだが,ただ,今回のリサイタルでは「痺れるような感覚」,「締め上げられるような感覚」はやや薄く,これが彼女の成熟なのかなぁなんて思っていた私である。女性の年齢を書くのは失礼だが,彼女も還暦をとうに過ぎているわけで,そんなテンションの高い演奏を求めてはいけないのかもしれないが,それでも十分に彼女の技は楽しむことができたと思う。演奏を開始する前の集中力を高めようとする姿も凛凛しかった。

ついでにと言ってはなんだが,ピアノのKevin Kennerの見事な伴奏についてもちゃんと評価しなければならない。さすが第11回ショパン・コンクール2位(このときは1位なしだったので,最高位)だけのことはあると思わせた。

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