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2013年4月 4日 (木)

"The Vanguard Date"再発記念,"Oceans in the Sky"って,なんでやねん(爆)。

Oceans_in_the_sky "Oceans in the Sky" Steve Kuhn(OWL)

巷の中古盤屋ではとんでもない値段で流通していたOwl Time Lineレーベルの"The Vanguard Date"がSunnysideから再発されたのは非常にめでたいニュースである。あの"Life's Magic"と同じタイミングのライブなのだから悪いはずはないのだが,いかんせん無茶苦茶な価格で売られていたので,手も出なかった。それを再発するSunnysideレーベルをほめなければなるまい。

と,ここまで書いておいて,それだったら"The Vanguard Date"について書けよと言われそうだが,それはまた別の機会に譲るとして,今日はどうしても"Oceans in the Sky"の気分だったのである。このアルバムはメンツがメンツだけに,これも悪いはずはないと思わせるものだが,Steve Kuhnのこの当時のアルバムにしては選曲が「まとも」である(爆)。

ECMレーベルでのSteve Kuhnは,どうしても美的感覚優先みたいな感じがしないわけではないが,それでもあの世界にはまれば,それが一番いいと感じさせるようなピアノを弾く人である。だって,アルバム・タイトルが"Trance"だの"Ecstasy"であるからまぁそう思われても仕方がない。だが,後のキャリアも含めて考えてみれば,Kuhnという人は,美的なセンスを感じさせつつ,ちゃんとスタンダードだって弾きこなせることは誰が聞いたって明らかだろう。

そんなKuhnの歌心が本作にはきっちり捉えられていると思うが,そうは言っても,多くのリスナーやファンが,冒頭の"The Island"を即受け入れ可能かと言えば,それもちょっと違うような気がする。だが,ここでの演奏は我々の期待以上に優れた成果を出しているようにも思える。ジャズマン・オリジナルを弾いても,KuhnやRomanoのオリジナルを弾いても,どちらも耳をそば立たせるだけの魅力がある演奏群である。

このアルバムが成功していると思えるのは,日頃は自己主張の強いVitousが,ちゃんと伴奏をしていることにあるのではないか。それによりトリオとしてのバランスが崩れることなく,Kuhnの魅力が十分捉えられたようにも思える。Vitousには悪いが,彼が前面に出てきてろくなことはない。これぐらいの演奏をするのが正しいのだ。逆にこんな演奏を可能にしたプロデューサーが偉いと言い切ってしまおう。Kuhnのアルバムの中でも,優れた方に入れて間違いない快作。それにしてもタイトル・トラック,いいねぇ。甘いのを承知で星★★★★★としてしまおう。

Recorded on September 20 & 21, 1989

Personnel: Steve Kuhn(p), Miroslav Vitous(b), Aldo Romano(ds)

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