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2013年4月 8日 (月)

Brad Mehldauの楽歴を振り返る:その5は豪華メンツによるバラッド・アルバム

American_dreams "American Dreams" Charlie Haden(Verve)

1か月ぶりでのこのシリーズである。これまでは90年代前半のアルバムについて書いてきたが,本作はメジャー・デビュー後しばらくしてからの2002年吹き込みのアルバムなので,ジャズ界でMehldauの名声が確立してからの作品である。

本作はCharlie HadenがMichael Brecker,Brad MehldauにBrian Bladeという豪華なメンツを迎え,オーケストラも従えて演奏したバラッド・アルバムであり,非常にゴージャスなつくりになっている。こんなアルバムをわずか4日間で作ってしまうこの人たち,やはり只者ではない。Brad MehldauとCharlie Hadenというのはなかなか結びつきそうにないようで,Lee Konitzを加えた3人でライブ盤をBlue Noteレーベルに2枚残しているし,後にはECMにPaul Motianを加えたクァルテットでもライブを吹き込んでいる。更にはHadenの奥方Ruth Cameronのアルバムや娘のPetura Hadenのアルバムにも客演しているから,意外に付き合いは深いのかもしれない。

それはさておき,本作は非常に穏やかで心にしみるアルバムである。ムーディなだけではない。ここにもDon Sebesky作"Bittersweet"が収められているが,まさにビター・スイートなサウンドと言ってもよい。また,選曲がいいのである。このメンツで"Travels"や"It Might Be You"というのも凄いが,その他も泣かせる曲が揃っている。終盤のVince Mendozaの"Sotto Voce"やDave Grusin作による"Love Like Ours"なんて,まさにとどめを刺すかのような素晴らしい美メロで,うっとりさせられてしまう。Ornette Colemanの"Bird Food"だけが趣を異にしているが,それはそれでよしとしよう(なんでやねん?)。

このアルバムの主役はHaden,そしてゲストその1がBreckerというのはその通りであるが,Brad Mehldauも楚々としたピアノ・ソロを聞かせてゲストその2にしては見事な客演ぶりである。こういう演奏を聞いていると,本当に何でもできてしまう人だと思わざるをえないが,そのレベルも尋常ではない。Mehldau自身のアルバムとは違うかもしれないが,それでもこれはMehldauの多才さの一面を捉えた演奏群ということができるだろう。本当にオール・ラウンドな人だと思わざるをえない。そしてBreckerだが,彼自身にも"Nearness of You"というバラッド・アルバムがあるが,私としてはこっちの方がいいと思えるぐらいの出来である。

そうしたミュージシャンシップが相俟って,出来上がった素晴らしいアルバム。やっぱりColemanは浮いているのが惜しいようにも思え,星★★★★☆。それでもこのアルバムが嫌いだって人はそうはいないだろうと思わせる。

蛇足ながら,本作の国内盤にはボーナス・トラックとしてLeonard Bernstein作"Some Other Time"が収録されているが,このメンツでこの曲をやって悪いはずがないだろうというところ。なぜこれがボーナス・トラック扱いなのか全くの謎である。ちゃんとストリングスも入っているし,なんだかもったいない気もする。

Recorded between May 14 and 17, 2002

Personnel: Charlie Haden(b), Michael Brecker(ts), Brad Mehldau(p), Brian Blade(ds) with Strings Orchestra

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コメント

 文を読んだだけでも美しい音が想像出来てしまうアルバムですね。
4月になり、仕事の配置転換で、少し生活にゆとりのある時間が持てそうです。
新緑の季節、豊かな音楽に触れたいです。
楽歴シリーズ楽しみにしています。

ひまわりさん,続けてこんばんは。このシリーズ,次に何を選ぶか,また悩むんですよねぇ。期待せずにお待ち下さい。また近いうちに書きたいと思います。

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