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2015年おすすめ作

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2013年3月30日 (土)

Alex Sipiagin:メンツが凄いだけに期待値が高過ぎたかなぁ

Alex_sipiagin_overlooking_moments "Overlooking Moments" Alex Sipiagin(Criss Cross)

このメンツを見ただけで飛びつきたくなるジャズ・ファンも多いはずである。しかもここのところのAlex Sipiaginのアルバムは出来がいいし,一昨年Smallsで見たライブも素晴らしかったから,期待も高まろうというものである。

しかし,聞いてみると今ひとつピンとこない。演奏の質は高いと思うのだが,こちらの期待しているよりハード・ドライヴィングな感覚が不足しているように思えるのである。まぁ,毎度毎度ド派手に飛ばしまくるだけがミュージシャンの芸だとは思わないが,このメンツならではという感じが足りないのである。

今回の作品にはピアノもギターも入っていないので,ホーン陣としてはより自由度の高い演奏ができるだろうとこっちとしては思っていたわけだが,どちらかというと私が想定していた音よりはゆるい。このメンツであれば,もっとエッジの効いた演奏をしてもよさそうだが,ここではやや違うアプローチが取られている。ライナーにもSipiaginのコメントとして"I also tried to make the songs simpler harmonically."とあるから,いかにもNYC的という感じの音よりも,よりオーソドックスな曲作りを目指したというところではないかと思える。

そうは言いながら,Sipiaginは鋭いソロを聞かせているし,クリポタはクリポタで彼らしいフレージングを展開しているので,相応に楽しめるのは事実だが,前作"Destination Unknown"に感じられた燃え上がるような熱」が足りないことも認めなければならない。それがやや残念ではあるが,"Flash"なんてやっぱりいけているよなぁと思ってしまうということで,評価するにしてもアンビバレントな感覚が残ってしまう私である。ということで,星★★★☆。

次はまたイケイケ路線でやって欲しいねぇ。

Recorded on October 15, 2012

Personnel: Alex Sipiagin(tp, fl-h), Chris Potter(ts, ss), Scott Colley(b), Eric Harland(ds)

2013年3月29日 (金)

追悼:坂口良子

Photo_2 何に驚いたかって,坂口良子が亡くなったというニュースには本当にびっくりした。つい先だってTVに娘と出演しているのを見たような気がしていたところに,昨年,再婚したばかりというのは,何とも神はつれないことをすると思いたくなってしまった。

私の世代は坂口良子と言えば,「(新しい方の)サインはV」,そして何と言っても「池中玄太80キロ」が印象深いだろう。彼女は美女というよりも愛嬌のあるファニー・フェイスだと思うのだが,「池中玄太80キロ」はその魅力を如実に表していたし,そうした特性は映画「犬神家の一族」やその他の金田一シリーズでも発揮されていた。

1 最近は親子出演や再婚話ばかりが目立って,私の関心外の人と言ってもよかったのだが,あまりの突然の訃報には追悼の念を示さざるをえない。この写真を見れば,やっぱり可愛い人であった。それにしても57歳ってのは若過ぎる。

R.I.P.

George AdamsとECM?と思いがちだが,なかなかいいんだよねぇ。

Sound_suggestions "Sound Suggestions" George Adams(ECM)

大方のリスナーにとっては,George AdamsとECMの相性については「どうなんだろう?」と思うのは当たり前だと思う。かく言う私もそうである。ウィスキーをラッパ飲みしながらライブで演奏する野獣系テナー,George AdamsがECMのレーベル・カラーと合いそうだとはとても想定できない。しかしである。このアルバムを聞いていると,全然違和感がないことに驚かされる。

メンツからすれば,Adamsを除けばECM的なメンツであると言ってもよい。まぁ,もう一本のテナー,Heinz SauerもECM吹き込みが多いわけではないが,ドイツ出身だからECMと縁があっても不思議はない。だからこそAdamsが浮くわけだが,演奏においては個性を出すべきところは出しつつ,バックの面々との親和性には問題がないのである。個性という点では,特に4曲目の"Got Somethin' Good for You"はECMらしからぬ「ど」ブルーズで,しかもAdamsがよじれヴォーカルで歌ってしまうというところが凄い。よくEicherが許したものだと思えてしまう。こういう曲をこのメンツでやるのはどうかねぇというところはあるものの,実はこの演奏には笑えるのでついつい許してしまうのである。

Adamsが吹いていないと,途端にECM的になるのもおかしいが,最後の"A Spire"なんて,冒頭のWheelerのラッパだけ聞けば,ECMの音にしか聞こえないのである。そして,ここでのAdamsは抑制的なトーンで,ECMらしいクロージングに貢献するというところに,Adamsの「意外」な(笑)バランス感覚を感じる。つまり単なる野獣ではないということである。

いずれにしても,本作はECMレーベルにおいては異色の作品ということになるだろうが,それでも十分に楽しめる作品であることに間違いはない。星★★★★。

ところで,今回はiTunesで本作を聞いたのだが,引越しの際に箱詰めしたのはわかっているのだが,まだ現物が見つかっていない。う~む(苦笑)。

Recorded in May, 1979

Personnel: George Adams(ts, vo), Heinz Sauer(ts), Kenny Wheeler(tp, fl-h), Richard Beirach(p), Dave Holland(b), Jack DeJohnette(ds)

2013年3月28日 (木)

気絶するということ

酒の飲み過ぎで記憶を失うということはあるが,どうしてこうなったのかというのを理解できないという事象はあまりない。しかし,そういうことが起こってしまった。

そもそも家にどうやって辿り着いたかという記憶がない。そして気がついたら自分がどこで寝ているのかわからなかったのだが,何のことはない。家のトイレである。しかもトイレの地べたで寝ている自分に気がついたのが午前4時(最初はどこなのか把握できなかった...)。

スーツの上着は脱いでいたが,メガネがないので,何も見えない(私の裸眼視力は0.01である)。しかし,状況からすればトイレの中にあるはずだと思い,予備のメガネを使って確認したところ,これもトイレの奥の床面に落ちているではないか。一体私に何が起こったのか不明だが,トイレに入った瞬間気絶したって感じである。帰巣本能はちゃんと発揮されていたようだが,それにしてもここまでの気絶というのは我が人生においても記憶にない。

単なる飲み過ぎって話ではあるが,大いに反省した私である。まじでまずいよねぇ。

2013年3月27日 (水)

懐メロはまだまだ続く:優れたコンピレーションとはこういうのを言う。

Endless_love001 "Endless Love: 15 of Motown's Greatest Love Songs" Various Artists (Motown)

このアルバムには世話になったと思いつつ,これにも久しくお目に掛かっていなかったなぁと反省したくなる名コンピレーションである。

タイトル通り,Motownレーベルに吹き込まれたラブ・ソングのコンピレーションであるが,ややアーチストに偏りはあるし,新旧の取り合わせもどうかなぁと思わせつつ,完璧と思わせる選曲なのである。どこから聞いても飽きないし,何度聞いても飽きないというのはやはり曲の力ゆえだと思わざるをえない。正直言ってしまえば,Motownの中でも最も聞き易い曲がそろっているという感じであるから,まさしく万人向けなのである。

だが,今の時代に"Endless Love"を聞いても,"Being with You"を聞いても"I've Never Been to Me"を聞いてもいいものはいいのだと感じさせるし,まさにエバーグリーンと言うべき曲群の数々。これなら一生聞き続けられると思った私である。

  1. Diana Ross & Lionel Richie - Endless Love
  2. Billy Preston & Syreeta - With You I'm Born Again
  3. Diana Ross - Touch Me In the Morning
  4. Smokey Robinson - Being With You
  5. Smokey Robinson - Cruisin'
  6. Diana Ross - Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)
  7. Diana Ross - It's My Turn
  8. Charlene - I've Never Been To Me
  9. Diana Ross & the Supremes - Love Child
  10. Smokey Robinson & The Miracles - The Tears of a Clown
  11. El DeBarge with DeBarge - All This Love
  12. Commodores - Three Times a Lady
  13. Diana Ross & the Supremes - Someday We'll Be Together
  14. Stevie Wonder - I Was Made To Love Her
  15. Marvin Gaye & Tammi Terrell - Your're All I Need To Get By

この並び,この選曲に文句がある人がいれば会ってみたいものである(文句を言われても私は聞く耳を持たんが...)。甘過ぎと言われればその通りかもしれないが,ラブ・ソング集としてはまじで最高。星★★★★★以外にない。これぞレガシーである。

2013年3月26日 (火)

無茶苦茶面白かった「ジャンゴ 繋がれざる者」

Django_unchained 「ジャンゴ 繋がれざる者("Django Unchained")」('12,米,Columbia)

監督:Quentin Tarantino

出演:Jamie Foxx,Christoph Waltz,Leonardo DiCaprio,Kerry Washington,Samuel L. Jackson

今年のオスカーで助演男優賞と脚本賞を獲得した映画であるが,マカロニ・ウェスタンへのオマージュもたっぷりの大娯楽映画であった。これが何とも言えず面白い。

私はQuentin Tarantinoの映画は今まで縁遠くて全然見ていないのだが,(外部情報だけでも判断可能な)「キル・ビル」でも明らかなようにオマージュがはっきりしているのはわかっていたが,こういうかたちでやるのかと感心するやら,笑うやら,あるいは半ば呆れるやらで私は楽しんでしまった。そもそもテーマ・ソングが「続・荒野の用心棒」そのもので,私の年代の人間はまずそれだけで嬉しくなってしまうだろう。ついでにFranco Neroもキャメオ出演して笑わせてくれるしなぁ。気が利いているのである。

そのほかにも出演陣がDon Johnson,Bruce Dern,Don Stroud等,好き者が見れば懐かしい~と思ってしまう役者が登場しているのも嬉しいし,何よりTarantino自身まで登場して笑わせる。こういうセンスは映画好きでないとできないと言い切ってしまおう。

そうしたキャスティングの妙や様々な仕掛けも面白いが,何よりも2時間45分という尺をものともしないストーリー展開の巧みさがこの映画の最大の美点だろう。この映画を見る前は,これが脚本賞?なんて思っていた私だが,見終わってみれば,これなら納得の出来なのである。

表現はえぐい部分もあるし,ギャグかとも思えるような演出もあることは事実だが,振り返ってみれば,これは面白い。実に面白い映画であった。DiCaprioやJacksonのように日頃は悪役をやりそうにない役者が嬉々として悪役を演じているところも面白い。特にSamuel L. Jacksonはメイクを含めて大いに笑えてしまった。あらゆる点でのセンスのよさも含めて星★★★★★としてしまおう。

2013年3月25日 (月)

懐メロは続く...。本日はSwing Out Sisterである。

Kaleidoscope_world "Kaleidoscope World" Swing Out Sister(Fontana)

引越し後のCD整理の中で久々に私の前に現れたSwing Out Sisterである。私は結構な期間,Swing Out Sisterがアルバムをリリースするとすぐに買うという生活を続けていたのだが,それも"Somewhere Deep in the Night"あたりまでで,それ以降はフォローをやめてしまった。日本で人気が出過ぎたということもあったが,やはりマンネリズムを感じさせたのも事実である。

そんな彼らのアルバムでは"It's Better to Travel"と"Live at the Jazz Cafe"は引き続き一軍としてずっと聞いてきたが,それ以外はしまい込んだままずっと聞いていなかった。だが,今回,久しぶりに彼らの2ndである本作を聞いたわけだが,初めて本作を聞いた時の感覚が蘇ってきてしまった。私が本作の冒頭に収められた"You on My Mind"を聞いたのはTVのニュースのバックで流れていた時だったと記憶しているのだが,その時に,おぉっ,Fifth DemensionかBurt Bacharachみたいや!と思ったことだけは明快に覚えている。それは今聞いても全く同じだったのだが,このアルバムを改めて聞いてみると,いろいろな音楽の要素が組み込まれていて,雑多な感覚はありながら(そういう意味ではこのタイトルは名は体を表すって気がする),生のオーケストラを使ってどれだけの表現をするかが,本作の結構大きな狙いだったようにも思える。そのためにはJimmy Webbの力を借りる必要もあったのだろうと思えるが,"You on My Mind"なんて,彼らによるアレンジメントなのであるから,これはやっぱり確信犯なのである。

上述の通り,「雑多な感覚」があって,それは「どこかで聞いたような」というデジャブ的な感覚をもたらす部分もあるのだが,それでも本作がポップで楽しいアルバムであることには間違いはない。上述の2枚には及ばないが,一時期飽きたと思わせた彼らの音楽を,もう一回聞いてみるかと思わせるぐらいの魅力は十分にあったと思う。ということで,同じ箱に一緒に保管していたその後の数枚のアルバムをリッピングした私である。星★★★★。こんなことをしていると,新譜に関する記事をアップすることがどんどん難しくなっていくが,まぁ,こういうのもありだろう。温故知新は決して悪いことではないのである。

参加ミュージシャンが多いので,パーソネルは省略。手抜きはいかんが,まぁいいだろう(笑)。いずれにしても,彼らのアルバムって日本で売れ過ぎたところもあり,中古で売りに出しても二束三文で買い叩かれるのがオチなので,売るという判断はしないだろうなぁ(爆)。

2013年3月24日 (日)

これも久しぶりに聞いたBrand Xの"XCommunication"

Brandx_xcommunication "XCommunication" Brand X(Ozone)

引越し後の片付けの中で,このアルバムも久しぶりに発見したので,早速リッピングがてら聞いてみた。これは再編Brand Xなので,Phil Collinsは入っていないものの,John GoodsallとPercy Jonesを2トップとして,ドラムスにDick Katzの息子のFrank Katzを迎えたトリオ編成での演奏である。まぁ,GoodsallとJonesがいればBrand Xとしての音楽は成立すると思うが,これがまた想定以上にヘヴィなサウンドとなっていて,ポピュラリティの確保という観点ではちょっと難しいと感じさせるアルバムである。

私はBrand Xの音楽は高く評価しているし,このブログでも幾度となく取り上げてきたが,その最高傑作が"Livestock"であるという私の確信には揺るぎはない(記事はこちら)。そのライブ作と「足」という点でかぶっている本作はGoodsall,Jonesとしても"Livestock"を無視できないのかなぁなんて思わせるが,ハイブラウ度で言うと,こっちの方が上かもしれない。逆にそれが聞き辛さという感じを生んでいる気がしないでもなく,だからこそ,私がこの作品にそれほどのこだわりを持ってきていない理由と言える。正直言って聞いていて疲れるのである。

その疲労感をもたらすのが,演奏の質という点と,ある意味での曲の「面白みのなさ」に起因しているように私には思えるのだが,それでも所謂ハード・フュージョン好きにとってはこのサウンドはストライク・ゾーンだろうと思わせるような演奏である。だが,ハード一辺倒だけではやはり厳しい。実は久々にこのアルバムを聞いて,一番いいんじゃないかと思ったのはアコースティック・ギターの多重録音で演じられる"Healing Dream"だということが,このバンドの限界を示しているようにも思えるのである。特にこのアルバムに顕著だと思えるのは歌心の欠如と言ってもよいだろう。やはり聞いている方としてもスリルだけではやっていけないのである。もう少しメロディアスな瞬間を作り出せれば,私としてももっとこのアルバムを聞いてもよいと思ったに違いないが,それがないだけにやはり評価が上がらないというのが正直なところである。

まぁ,それでもBrand Xらしいと言えばその通りであるし,たまに聞くと「お~っ,そうだよねぇ」と思わせる部分はちゃんとあるから評価が難しいのである。まぁ私としてはBrand X好きということもあり,☆ひとつオマケして星★★★☆とするが,やっぱり星★★★かなぁ(爆)。

Personnel: John Goodsall(g), Percy Jones(b, key), Frank Katz(ds)

2013年3月23日 (土)

本日は...

昨日,私は大阪に出張していたのだが,仕事がはねた後,「元関西人」の私(2歳から高校卒業までは尼崎で過ごしたので,実はバリバリの関西人なのだが,関西を離れて30有余年,関西弁はかなり怪しくなっている)は,昔から馴染みの焼き肉屋を訪れて,飲み過ぎ,食い過ぎで帰りの新幹線の記憶なしって状態であった。

ということで,昨夜,記事をアップすべくPCの電源を立ち上げたまではいいが,その後が続かず撃沈。ということで,今日は(今日「も」,が正しい?)お休みである。

東京の桜は早くも満開を迎えたということだが,私は二日酔いを抱えながら,友人の結婚式にこれから出陣ある。快晴に恵まれたのは本人たちの人徳だろうなぁ。いずれにしてもめでたい限りである。

2013年3月22日 (金)

10年振り(!)のDavid Bowieの新作が素晴らしい

The_next_day "The Next Day" David Bowie (Columbia)

巷ですこぶる評判のよいDavid Bowieの新作であるが,そうした評価にも大きくうなずける,これは傑作と言ってよい作品だと思う。

私にとっては,Bowieについては本作とのつながりも語られる所謂「ベルリン3部作」が関心の中心であり,アルバムとして手許にあるのはそれらの3作と"Ziggy Stardust"及びベスト盤ぐらいだから,決して彼のよい聞き手とは言えない。そんな私であるから,直近の作品は全然買っていないので,彼の音楽がどうなっているかさえもほとんど把握していなかったから,いきなりこの作品について真っ当に評価する資格があるかというと甚だ疑問ではあるが,それはさておきということにしよう('爆)。

このアルバムが優れていると思えるのは,曲のクォリティもそうなのだが,アルバムとしての構成としての緩急が非常に優れたバランスで提示されていることである。そして,曲の端々にロックとしてのサウンドが強く感じられることも魅力を増幅させている。これも巷で言われるように,本作は"Heroes"にも比肩しうるロック・アルバムとしての魅力を兼ね備えたものであり,これはBowieのファンでなくても,ロック好きであれば「聞かねばならない」アルバムだと感じる。Bowieが"Heroes"のカヴァー・アートをベースに本作のジャケットを制作したことは,本人も"Heroes"への意識があったのかと思わせる要素ではあるが,そうだとしても本盤が"Heroes"を凌駕するとまでは言わずとも,これほどいいとは想定していなかったというのが正直なところである。そうした意味で,私はBowieに詫びを入れなければならない。David Bowie,66歳とは思えぬロック魂としか言いようがない。

おそらくは多くのリスナーが私と同じような感慨を抱いているものと思うが,これは多少気が早いとしても,本年のロック・アルバムの中でも間違いなく屈指の作品として評価されて然るべきものである。私が購入したのは3曲のボーナス・トラックが入ったデラックス・エディションだが,それがなければ,終曲は"Heat"だったということになるが,それはそれで感慨深いエンディングだとしても,デラックス・エディションの終曲である"I'll Take You There"が無茶苦茶カッコいいので,どちらがいいとも言い切れない。しかし,いずれにしても,本作が傑作だという評価については揺らぐものではないと思う。誠に素晴らしい。星★★★★★。

ただ,このジャケットはねぇ...。私にはいいセンスだとは思えんが(苦笑)。

Personnel: David Bowie(vo, g, key), Gerry Leonard(g), David Torn(g), Earl Slick(g), Tony Visconti(g, b, recorder), Henry Hey(p), Gail Ann Dorsey(b, vo), Tony Levin(b), Zachary Alford(ds, perc), Sterling Campbell(ds, perc), Alex Alexander(perc), Janis Pendarvis(vo), Steve Elson(bs, contra b-cl), Antoine Silverman, Maxim Moston, Hiroko Taniguchi, Anja Wood(strings)

2013年3月20日 (水)

Esperanza Spalding@オーチャード・ホール

Esperanza_spalding

会社の同僚が行けなくなったとのことで,急遽参戦したEsperanza Spaldingのライブである。彼女は今年のグラミーも受賞して,ジャズ界では確固たる地位を築きつつあるが,私は彼女の"Radio Music Society"を評価しつつも,まだ伸びしろがあるのではないかという感じでいた(記事はこちら)。ということで,ライブではどんな感じなのだろうかということでオーチャード・ホールに駆けつけた私である。

結論から言えば,Esperanza Spalding,いい声をしている。そしてベースのグルーブ感が素晴らしく,この両方を兼ね備えているというところが,彼女を稀有な存在にしているように感じられる。特にエレクトリック・ベースが私には魅力的に聞こえた。アコースティックも非常にうまいのだが,心地よいグルーブ感を生み出していたのは間違いなくエレクトリックであった。上の写真は今回のものではないが,こういう雰囲気なのである。

そんな彼女であるが,音楽に関しては完全に大人向けの音楽である。決して熱くはならず,クールなファンクを聞かせる。それでいて,ちゃんとグルーブするところはグルーブしていて,納得のできるクォリティだと思う。その一方で,ライブに特有の熱さを求める類のオーディエンスにとっては,彼女たちの音楽の「熱くならない」感覚に不満におぼえるのではないかと,ライブを観戦しながら漠然と思っていた私である。

とにかく大人の音楽だと言いきっても問題はないと思うが,Esperanzaの実力も見事なものなら,彼女を支えるバック・バンドの面々も大したものである。今回のライブは何と12ピースのバンドによる演奏だったが,ホーン陣の実力にも驚かされた私である。Esperanzaのメンバー紹介は曲にかぶさってのもので,非常に聞きとりにくいのだが,アルトを吹いていた女性(多分Tia Fullerという人)はフィーチャーされる機会も多かったが,歌心のあるところを聞かせたし,ラッパのIgmar Thomas(多分)も優れたロング・ソロを聞かせて盛り上げたのは立派。出番の少ないその他のホーン陣もちゃんとしたソロを取れることは十分にわかった。また,バッキング・ヴォーカルのChris Turnerのスイートな歌いっぷりもいいアクセントになっていた。これがグラミーを取るミュージシャンのバックというものだと言えばそれまでだが,それにしても粒ぞろいのメンツである。私が非常に魅力を感じたJef Lee Johnsonが亡くなってしまったのは残念だったが,今回参加のギタリストも目立たないながら,きっちりと仕事をこなしていた。やはりレベルが高いのである。

本編最後の"Radio Song"で聴衆に歌わせるという演出はどこでも共通のようだが,日本ではちょっと厳しいものがあったように思う。もちろん,オーディエンスの中には頑張っている人もいたが,シャイな日本人,特に今回のライブのように比較的年齢層の高いオーディエンスにはやや辛い演出であった。

Esperanzaspaldinginsingapore

そういう点は置いておいて,聴衆としては満足して帰路についたと言ってよい心地よいライブであったと思う。できればクラブで見たいところだが,Esperanza Spaldingは本国でもホール公演が普通なのだから,まぁそれはないものねだりってことだろう。今回のライブの写真ではないが,ほぼ同じセットのシンガポールでのライブの写真も貼り付けておこう。Esperanzaは日本での方がはるかに恰好はスタイリッシュであったが...(笑)。

2013年3月19日 (火)

出てくる,出てくる,久しく見なかった(?)CD群の中で...

Photo "Boys, Be Ambitious" 井上敬三(domo→AMJ)

今回の引越しを通じて,手持ちのCDを整理する機会に恵まれたと言ってもいいかもしれない。これがなければ,一体どこにあるのかわからないままのCDも結構な数に上るような気がする。これもそんな一枚と言ってもよいかもしれない。

本作はベテラン・フリー奏者,井上敬三を渡辺香津美がプロデュースした作品であるが,永らく廃盤になっていたものが一度だけ再発されたものだが,それももはや廃盤らしい。まぁ,今にして思えば,フリー・ジャズ奏者のアルバムとして構えて聞くと,随分とポップな印象はあるし,当時のニュー・ウェーブ的音づくりと言ってもよいものであるから,ジャズ側のリスナーにとっては物足りず,ロック側のリスナーにとっては何じゃそりゃ?という感じになるようなアルバムという印象を与えたとしてもそれは仕方がないことかもしれない。

だが,今聞いても,そんなに古臭い感じがしないのは認めてもよいだろうし,これはこれでへぇ~って感じのアルバムである。渡辺香津美にまたこういう感じでやってというのは無理かもしれないが,本当にいろいろな音楽を吸収していた人だと感じさせる一枚である。私は確かこのアルバムは中古でゲットしたはずだが,なんで買おうと思ったのかは今となっては定かではない。そうは言っても,このアルバムの存在(あるいは保有していたこと)なんてすっかり忘れていたのだから,今回,久々に発見して,気が向いて聞く気になっただけでも本作にとっては幸福なことであったと言っておこう。評価としては星★★★ぐらいで十分とは思うが。

Recorded in October, 1983 & January, 1984

Personnel:井上敬三(as, cl, vo),渡辺香津美(g, g-synth, b, synth, vo, 琵琶), 橋本一子(p),川端民生(b, effect), 仙波清彦(ds, perc),渡辺智誉(cl),長原滋樹(cl),田中正敏(b-cl)

2013年3月18日 (月)

遅くなったがTribal Techは強烈であった...

Tribal_tech_at_blue_note_3

Tribal TechがBlue Noteに出ると聞いて,やはりこれは聞いておかないと次はいつになるかわからないと思っていた私である。東京公演も1度っきりということで,彼らのポジションあるいはポピュラリティはその程度なのかもなぁと思いつつ,客入りを心配しながらブルーノートに向かった私である。私が行ったのはセカンド・セットであったが,先日のRoy Hargroveほどではないとしても,結構聴衆は入っていたように思う。アルバムが出たのも久しぶりなら,来日するのも久しぶりだったのだろう。彼らの音楽への渇望感を抱いていたのは私だけではないということである。

実を言うと,私は彼らの来日公演というのは見たことがなくて,私が生のTribal Techを見たのはNYCのミッドタウンにあったLone Star Roadhouseというライブ・ハウスだったはずである。時は私が在米中の1991年のことであったが,その時からハイパー・フュージョンという感じの演奏であった。それから20年以上経過して,Scott Hendersonは還暦が近いというのに,全然変わらないというか,見た目は老けたが,音楽はその時以上にぶっ飛んでいるような感覚をおぼえた私である。Kirk Kovingtonなんて太っちょの爺さん然としているが,叩くリズムは強烈で,このおっさんは一体どうなっているのかって感じであった。当日のセット・リストはBlue Noteのサイトによれば,下記の通りであるが,とにかく最初から最後までいけいけモードのぶちかましハード・フュージョンであり,私としては満足度の高い演奏だった。単純に燃えるってやつである。

1. Nite Club
2. Signal Path
3. Anthem
4. Got Faith 'n Phat
5. Palm Moon Plaza
6. Boat Gig
7. Foreign Affairs
8. Face First
9. The Big Wave

Tribal_tech001 ちなみに,ライブ終了後にサイン会に突入したわけだが,Scott Kinseyに対して,私の同僚にして,屈指のサラリーマン・サックス奏者である「こやぎ」さんのことで話をしたのだが,共演歴があるだけにちゃんと覚えていたのは大したものである。Kinseyもそうだが,ちゃんと覚えられている「こやぎ」さん,恐るべし(笑)。尚,最新作の"X"も持っていったのだが,Hendersonのサインがなぜか入っておらず,Willisが2回サインしている。なんでやねん。ということで,Hendersonのサイン入りのこっちのアルバムの写真をアップしておこう。

2013年3月8日@ブルーノート東京,2ndセット

Personnel: Scott Henderson(g), Scott Kinsey(key), Gary Willis(b), Kirk Kovington(ds)

2013年3月17日 (日)

骨太にして,シリアス,でもよくできている「ゼロ・ダーク・サーティ」

Zerodarkthirty 「ゼロ・ダーク・サーティ("Zero Dark Thirty")」('12,米,Columbia)

監督:Kathryn Bigelow

出演:Jessica Chastain,Jason Clarke,Joel Edgerton,Mark Strong,Jennifer Ehle

引越しの片付けもままならない状態なので,映画を見ても記事をアップできていなかったのだが,数週間前に見たのがこの映画である。オスカーでは音響効果賞だけに終わったが,一時期はもっとも下馬評が高かったのはこの映画だったと言っても過言ではないだろう。それにも十分うなずける秀作ではあるが,いかんせん重い映画である。

監督のKathryn Bigelowはオスカーを受賞した「ハート・ロッカー」でも骨太な演出を見せたが,今回はオサマ・ビン・ラディン討伐作戦というテーマがテーマだけに,これまた輪をかけて骨太である。タッチはドキュメンタリー的な部分も感じさせ,うそ臭さがないところが素晴らしい。だからこそ高い評価を受けるのも大いにうなずけるのだが,「ハート・ロッカー」といい,本作と言い,この人が描く映画はテーマが重過ぎて,見終わるとどっと疲れるというのが正直なところ。作品賞を取った「アルゴ」はもう少しエンタテインメント的な要素があったが,本作もそういう見方ができないことはないとしても,よりシリアスなだけに好き嫌いがわかれるところがあるようにも思える。

だが,ストーリーは事実ベースなのだから,結末はわかっているとしても,2時間37分という尺が全く苦にならず,見終えることができたことは大したものである。

「アルゴ」にしても本作にしても,米国人のヒロイズムを刺激しているという批判はあろうし,米国では本作が選挙前のプロパガンダだという論争もあった。だが,そんな論争が的外れであることは映画が実証している。これが政治的な意図で作られたものかどうかは,見た人間が判断すればいい話だが,私にとっては良質な映画という感覚しかない。討伐作戦のシーンがやや間延びした印象があったが,おそらくは相当忠実に描いた結果だと思える。

いずれにしても,私にはこの作品は見る価値のある映画だと思えたと強く言っておきたい。星★★★★☆。でも日本では興行的にはちょっと厳しいかもなぁ。

2013年3月16日 (土)

今週末で片づけを完了せねば...

まだ引越し後の荷物が片づかない状態のため,音楽も聞けない。この週末である程度目途をつけないと本当にまずい。ということで,CDの山と格闘中の私である。あとはある程度,本やLPの処分も必須だろうなぁ(辛いけど...)。

2013年3月15日 (金)

今日も音楽は聞いてません

新譜は届いている。しかし,聞く暇全くなしというのは実に悲しいねぇ。明日もきっとダメだが,コンクラーベにあやかって,週末にはなんとか復活の「のろし」をあげたいものである。

ちなみに,Enrico PeiranunziがPaul Motianが亡くなる前に吹き込んだライブとか,My Bloody Valentineの22年振りの新譜とか,いろいろあるんだが...。

2013年3月14日 (木)

送別会やら出張やら...

年度末というのは誰しもが多忙だと思うが、私も同様である。それに引越しも重なり、ブログ運営に支障が出ている。

この状態を脱するにはもう少し時間がかかりそうだが、こればかりは致し方ないってことで、今日も開店休業。正直きついですわ。

2013年3月12日 (火)

引越し作業の中で行方不明のCDを発見

Those_were_the_days 引越し後の荷ほどきに挑んでいる私だが,一軍(笑)のCDの格納は終わったものの,二軍,三軍は新居でも置き場に困るような状態である。これをどう収納していこうか,これから考えなければならず,頭が痛い限りである。しかし,これも悪いことばかりではない。これまでどうしても見つからなかった行方不明盤と久々の再会である。例えば,Creamの音源を集成した4枚組ボックスなんて,ずっと見つからずイライラしていたのをようやく発見である。またどこに消えるかわからないので,これはさっさとリッピングしておいた方がよかろう。そのほかにもこんなもん持ってたのかぁなんてのも結構あった(かなりの数なので書き切れない)

今回,父の遺品のCDラックを実家から送ってもらい,多少は収納能力は上がったが,それでもまだ全然足りていない。それらの対応はこれから考えるとしても,やはりそろそろ売却も考えた方がよさそうである。特に三軍なんておそらくもう聞くことはないだろうから,さっさとリッピングして売るに限るとようやく考え始めた私である。

ただ,売ってから後悔することは多々あるので,売却の際はよくよく考えるべきであろうし,加えてCDで買い直してしまったLP群の売却も考えなければならない。いずれにしても,引越したら引越したで悩みは尽きない私である。

2013年3月11日 (月)

引っ越しは完了したものの...

長年(約16年半)住み慣れた場所から,新居へ引っ越した。いろいろバタバタ続きの引っ越し作業であったが,何とか搬入は完了したものの,うずたかく積まれた段ボールを前に,言葉を失っている私である。

今日は会社を休んで,部屋の整理を行うつもりではあるが,一体いつになれば,まともな生活になるかは謎である。いずれにしても,ネットは開通したので,ブログを書く環境は整った。ぼちぼちまたやっていきたいと思う。とにかく,CDの整理をさっさとせねば。しかし,段ボールにして15箱以上,しかも私は収納効率を上げるために,プラケースをはずしているのにである。一体何枚あるのやら...

2013年3月 9日 (土)

Tribal Tech参戦記はまた改めて,並びにお知らせ

昨日,ブルーノート東京にてTribal Techの2ndセットを見てきた。彼らのライブを見るのは私にとっては22年振り(!)のことだが,変わらないというか,更に強烈さが増していたように思える。

詳しくは改めて書くことにするが,楽しかったわぁ。

ところで,私は今週末,引っ越しを控えており,現住所でのネット環境本日なくなるので,記事のアップは引っ越し後ということで,暫くアップが滞る可能性ありである。ご了承願いたい。

2013年3月 8日 (金)

Brad Mehldauの楽歴を振り返る:その4 ~Fresh Soundから出たピアノ・トリオ~

When_i_fall_in_love "When I Fall in Love" Mehldau~Rossy Trio(Fresh Sound New Talent)

久々のこのシリーズである。新譜もたまってはいるのだが,リッピングしている暇もないというのが実態なのだ。だからMehldauか?と言っては彼に失礼だが,まぁ私の気まぐれってことで...。

このアルバムが録音されたのはBrad Mehldauがワーナーからメジャー・デビューする前のことであるが,ここに収められた曲のいくつかが,"Introducing"や"The Art of the Trio, Vol.1"で再演されているので,そうしたアルバムのプロトタイプと言ってもよい作品である。

冒頭の"Anthropology"から若さ溢れるとも言うべき快演である。このスピード感は昨今のMehldauには希薄になっているようなところもあるが,今から20年前の演奏なのだから,彼もまだ若かったということである。凄い勢いである。しかし,一聴すれば,このピアニストが注目すべきピアニストだということはわかるだろうという演奏である。2曲のオリジナルもなかなかいいしねぇ。

この頃のMehldauはまだ新人の域を脱していないし,Joshua Redmanと吹き込む前である。だが,この段階で,ライブ盤とは言え,かつコ・リーダー作とは言え、ほぼ彼のリーダー作と言ってよい作品の吹き込み機会を与えるFresh Soundの慧眼には頭が下がる。前にも書いたが,私がMehldauにはまったのは"The Art of the Trio,Vol.1"でのことであったが,それ以前から既に実力は発揮していたということを如実に示す充実作である。

後の演奏のようなコクや深みというものはここにはないかもしれない。しかし,急速調からバラッドまで何でも見事に弾きこなす様を見せつけられれば,「注目の新人現る!」って叫びたくなってしまうこと必定である。それは(これも前に書いたが)私のNYC在住中に,まだティーン・エイジャーだったChristian McBrideの生演奏に触れて大騒ぎをしたのと同じ感覚だったと確信させる演奏群である。レベル高っ!と思わずうならされる快作。ちょいと甘めの星★★★★☆。だが,正直なところ私は"Introducing"よりこっちの方がいいのではないかと思っているぐらいなのである。

Recorded Live at La Cova Del Drac, Barcelona on October 9 & 10, 1993

Personnel: Brad Mehldau(p), Mario Rossy(b), Jordi Rossy(ds)

2013年3月 7日 (木)

結構まとも(?)なPharoah Sandersが聞けるAlex Blake盤

Alex_blake "Now Is the Time: Live at the Knitting Factory" Alex Blake (Bubble Core)

本盤は毎度おなじみ新橋のテナーの聖地「Bar D2」で聞かせて頂いて,その場で発注したものである。その主因はPharoah Sandersに決まっている(笑)。Bar D2で聞いたPharoah Sandersで何と言っても印象深いのはFranklin Kiermyerの"Solomon's Daughter"である(記事はこちら)であるが,それに比べると随分と印象が違う。

そもそもAlex Blakeという人について,私の記憶に最初にインプットされたのは渡辺香津美の"Lonesome Cat"であったはずだが,そこではエレクトリック・ベースを主にしていたと思う。だが,ここではアコースティック主体である。1曲はエレクトリックのソロで"With a Little Help from My Friend"をファンク的に聞かせているのが元々の私のイメージだったとすれば,ほかはむしろコンベンショナルなイメージすらある。だが,リズムは単純な4ビートというわけではなく,随分バリエーションに富んでいるのも特徴。

そうした伴奏に乗って演奏するPharoahが,Kiermyer盤ほどの咆哮って感じではなく,比較的真っ当な(笑)演奏を展開しているのが意外なぐらいであるが,これを聞くと,コンベンショナルな展開でも全然問題のないサックス奏者であったことがわかってしまう。冒頭の"On the Spot"なんて,最初の5音は"Giant Steps"そのものなのだが,そうした中でも印象に残るソロを聞かせていて,そこには闘士って感じはないのである。Alex Blakeを立てたのかとも思いたくなるが,だからと言って激しくないかと言えば,全然そんなことはなくて,やっぱりPharoahはPahroahねぇって思いたくなるような吹奏である。ついでにピアノを弾いているのはJohn Hicksだから,この二人が揃えばまぁこうなるわねってところである。

Pharoahのことばかり書いているが,Alex Blakeもちゃんとプッシュしていて,熱いジャズの典型的なスタイルを聞くことができるが,惜しいのはベースの増幅された音であろう。それを差し引いても星★★★★には値するとは思うが,私はこういうベース音が苦手なのである。尚,余談だが,クレジットにはChris Hunterのアルトが記載されているが,これは多分オーバーダビングと思われる。このメンツにChris Hunterってのはギャップあり過ぎである(笑)。

Knitting Factoryと言えば,本作が録音された頃はHouston Street界隈にあったが,ちょっと尖ったミュージシャンがよく出演していた。私は在米中に確かJohn Lurieだか誰かを聞きに一度行ったきりだが,現在もブルックリンやその他の場所で継続している。今でも同じ感じなのかなぁ(遠い目...)。

Recorded Live at the Knitting Factory on December 6, 1999

Personnel: Alex Blake(b), Pharoah Sanders(ts), John Hicks(p), Victor Jones(ds), Neil Clark(perc), Chris Hunter(as)

2013年3月 5日 (火)

誰が弾いてもRalph Townerだとわかってしまうのは凄い。

Man_in_the_moon "Man in the Moon" Randall Avers(Clear Note)

私は長年に渡ってRalph Townerのファンであることはこのブログにも何度も書いてきた。私がギターを弾くということは別にしても,Townerのギター・プレイは常に独特の感慨を私にもたらしてくれるのである。しかし,今回は他人が弾いたTowner曲集である。これまでも私は福田進一がアルバムの中でTownerの曲を弾いたことがあるのを聞いたことはあるが,アルバム1枚Townerで固めたっていうのはこれが初めてではないだろうか。その場合,どういうことになるのか?そこが私が本作を買った興味の中心であったことは否めない。正直言ってしまえばTownerのギター曲であれば,本人が弾くのが一番に決まっているのだが,それでもTownerの曲集と聞いてはついつい反応してしまったのである。

Randall Aversという人についてはよく知らないが,Web上の情報によればTownerを相当研究しているということらしい。その上で,Townerが本作において"Madeleine Variations"を書き下ろしていることを考えれば,本人公認の研究者ってことになるだろう。しかも録音はオスロのRainbow Studioである。こだわってるねぇ。

本作を聞いていて思うのは,ここでギターを弾いているのがTownerでなくとも,ちょっと聞いただけでTownerの音楽だとわかってしまう曲の個性だと言ってよい。奏者は違ってもTownerらしさがひしひしと感じられるのである。こうした感覚は(Townerのアルバムでは当たり前でも),改めて他人が弾いたTownerの曲を聞いて感じられたものであって,それが非常に新鮮だったと思える。そういう意味では本作は成功であるが,でもやっぱり本人が弾けばいいじゃん,あるいはカヴァー集はカヴァー集だよねぇという冷たい言い方も可能な,非常に微妙な作品でもある。

だが,Ralph Townerというミュージシャンの作曲家としての側面に改めてスポットライトを当てたのだとすれば,それはそれで間違いなくこのアルバムの功績として認めなければならない。ということで,絶対に甘いと思いつつ星★★★★☆をつけてしまおう。聞いてみれば,薬にはなっても毒にはならないことはおわかり頂けるはずである(笑)。やっぱり私はRalph Townerが好きなのである。

Personnel: Randall Avers(g)

2013年3月 4日 (月)

出張中に見た映画(2013/2月編):その3はたけしである。

Photo 「アウトレイジ ビヨンド」('12,Warner Brothers)

監督:北野武

出演:ビートたけし,三浦友和,西田敏行,加瀬亮,松重豊,小日向文世,中野英雄,高橋克典

随分と時間が経ってしまったが,マレーシア出張からの帰路で見た映画の1本目である。マレーシアからの帰りは夜行便,かつ春節を控えて満席状態の中,本当は寝たいところであったが,映画を見続けた私である。そういう状態の中では多少刺激も必要ということで選んだのがこの映画。

私は北野武作品というのを実はまともに見たことがない。しかし,コメディアンとしてのビートたけしは本当に面白いと思っていて,それならもっと見ていてもよさそうなものなのだが,世の中でどれほど高く評価されていようとも,今までははっきり言って縁遠かったというのが実態である。

そして今回見たこの映画,監督だけでなく,脚本,編集までやってしまうというのはたけしも大したものだと思った。映画としてはちょいと行き過ぎではないのかと思わせるシーンもあるが,結構面白く見られた。まぁ,これだけのヴァイオレンス映画を機内エンタテインメントでやっていいんかい?と思ってしまうのも事実だが,それはよしとしておこう。帰国後,前作の「アウトレイジ」をレンタルしてしまったことを考えれば,実は何だかんだ言いながら,結構好きなんじゃんと思っている私である。星★★★☆。

尚,ポスターには「全員悪人 完結。」とあるが,もう一本撮ってもいいように話ができていると考えるのは私だけではないだろう。まぁ,完結編必須ではないが...(笑)。

2013年3月 3日 (日)

今日も記事を書けなかった。

最近,諸事情あって,いろいろやらなければならないことが多く,その結果,落ち着いて音楽を聞くような状況にはなく,結局記事も書けないという日が多くなっている

これも3月中旬を過ぎれば,多少落ち着くはずなのだが,それまでは記事の更新が滞ることも考えられるが,どうかご了承願いたい。理由は身辺が落ち着いてから書きたいと思っている(思わせぶり?)。

2013年3月 2日 (土)

Roy Hargrove & the Rh Factor: Robert Glasper Experimentの源流はここだったのかもなぁ。

Roy_hargrove_at_blue_note_2 記事にするのが遅れたが,先日参戦したThe Rh Factorの観戦記である。今回もイタリア・ジャズの女神さまにお付き合い頂いてのライブであったが,完全なるファンクであった。Roy Hargroveと言えば,オーセンティックなジャズだってちゃんと演奏できるのは誰もがわかっているが,Hargroveがファンク?って感じるリスナーも多いはずである。だが,私は今回,ライブ参戦に先立って,Rh Factorのアルバムを聞いて予習していたのだが,これがかなりカッコよかったのである。食わず嫌いで大失敗だったという最たる事例だが,ライブにおいても,そのファンクぶりは変わらず,スイートなところはスイートにって感じで,非常に盛り上がったライブであった。

そもそも,昨今のライブ・ハウスがフルハウスになること自体珍しくなっているが,私が行った2/26の2ndセットはおそらくはフルハウス,しかも1stがずれ込んで開演が遅れるという珍しいパターンであった。それは1stも盛り上がったことの証左であろう。そして,2ndは演奏時間はアンコール込みで,何と約1時間45分に及ぶというもので,正直疲れたというのも実感だが,Hargrove以下,バンドのメンバーもノリノリで,面白いライブであった。感覚としては,Chuck Brownのライブを見た時にも匹敵する感じかなぁ。なんせ,Blue Noteのサイトに載っているセットリストによれば,2ndは16曲もやっている。突然"Actual Proof"もやっちゃうし...。

バンド・メンバーも実力十分で,弟のBrian Hargroveも何曲かソロを取っていたが,なかなかいけているのでびっくりしていた私である。加えてヴォーカルのRenee Neufvilleの声がこのバンドに非常にフィットしていて,しっくりきたのもよかった。歌もうまいし,大したものである。

このバンドを聞いていて思ったのは,Robert Glasper Experimentがやるよりもずっと前に,同じような取り組みをHargroveはしていたのだなぁということである。しかもレベルが高かった。本当に無知とは恐ろしいと思ったが,やっぱり黒人にはファンクの血が流れていると感じた一夜である。そもそもアルトを吹いていたBruce Williamsなんて,Count Basie Orchestraにも参加しているのだから,そういうものなのだと思う。

それにしても,Hargroveの衣装,ラップそしてダンス(?),どれも結構笑えた。私の体調がもう少しよければもっと私もノリノリになれたのだが,いかんせん疲労蓄積で100%楽しむというところまで行けなかったのは自業自得。それでも十分楽しめたのは誘って下さった女神さまのせい?ということで,ある意味心地よい疲労感が残ったライブであった。さぁ,次はTriabal Techじゃ~!

Roy Hargrove(tp, fl-h, key, vo), Bobby Sparks(key, org), Renee Neufville(vo, key), Keith Anderson(bs), Bruce Williams(as, fl), Brian Hargrove(key), Todd Parsnow(g), Lenny Stallworth(b), Jason "JT" Thomas(ds, vo)

2013年3月 1日 (金)

記事の更新がままならない中,Milesのフィルモア・ブートの話

Complete_friday001 "Complete Friday Miles at Fillmore" Miles Davis (So What!)

最近,記事の更新がままならず,私としてもいかんなぁと思いつつ,これだけ宴席やライブが重なるとちょっと厳しい。そうした中で,先日Roy Hargrove率いるThe Rh Factorのライブに先立ってゲットしてきたのが本ブートレッグである。先に出た「水曜日」,「土曜日」同様,オルタネート・ミックスを含む2枚組デラックス・エディションでの入手。

"Miles at Fillmore"はTeo Maceroの絶妙な編集が施された演奏であることは周知の通りであるが,その編集前のテイクがブートレッグとして出回っていることも,これまた広く知られたことであり,「木曜日」を除いて世の中に出回っている。今回の"Complete"シリーズにおいてはその目玉は「木曜日」のリリースなのだが,なかなかじらすようにリリースがされない。そうした中で,今まで出ているシリーズの中では最も評価が高い「金曜日」が発売になった。いずれにしても買うつもりではいたが,先日,新橋のテナー・サックスの聖地「Bar D2」で既に聞かせてもらっていたのだが,これが強烈極まりなかった。もとからマスター音源と言ってもいいクォリティを持つブートだったが,更に音がよくなっているように感じられる。各楽器のニュアンスが聞き取れるだけでなく,ミキシングのバランスも調整されているように聞こえるのだ。

昨今のブート音源のクォリティには驚かされるが,このフィルモアについてはもうこれが決定版と言ってよいだろう。いずれにしてもフィルモア・ブート地獄も残すところ「木曜日」だけとなったが,今から待ち遠しいと思っているのはきっと私だけではあるまい。しかし,これに留まらず次から次へと出てくるので,行き着くところはやはり地獄なのだが(笑)。

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