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2013年2月12日 (火)

これは凄い!Wayne Shorter,間もなく80歳とは思えない...

Wayne_shorter "Without a Net" Wayne Shorter(Blue Note)

主題の繰り返しになるがこれは凄い!冒頭の"Orbits"からして異常なテンションで迫ってくる。そのテンションがまさしく半端ではないのである。

本作はWayne Shorterが40年以上ぶりにBlue Noteに吹き込んだリーダー作として話題になっているが,レーベル間の移動なんて正直言ってどうでもええわと言いたくなるような演奏だと言ってよい。Wayne Shorterにとってはそもそも,リーダー作が2005年の"Beyond the Sound Barrier"以来というのが間が空き過ぎだと言いたくなるのは私だけではないはずだが,その時間の経過を超越した世界がここにはあると言ってよいように思う。Shorterのバンドはメンツも固定されていることもあるだろうが,コンビネーションは更に深化し,Shorterが吹きたいように吹いても,バックのトリオは全然問題ないし,通常は理知的にさえ感じるBrian Bladeが激しく演奏を煽っていること自体がこのバンドの物凄さを感じさせる。一体何なんだ,これは...と思ってしまうリスナーも多いに違いない。

Wayne Shorterは1933年生まれである。今年の8月には80歳になるのである。ってことは私の母と同い年ってことになるが,私の母親も元気って言えば元気なもんだが,このShorterには絶対負ける(笑)。とにかく,昔と何がちゃうねんと言いたくなるぐらい,全く変わりがないのだ。どうやったらこんな歳の取り方をできるのかとまずは聞きたくなってしまう。もちろん,ジャニーズと仲良しだった森光子ではないが,自分よりはるかに若い優秀なメンツと付き合っていれば,ある程度は若さを保てるだろうが,それにしてもここで聞かれるWayne Shorterには「老い」というものが全く感じられないのは驚きを通り越して,畏怖さえ感じさせる。正直言って私は怖いと思った。

また,バンドのメンツも年寄りを相手にしているって感じがしない。つまり,これが昔の名前で出ています的なミュージシャンのバンドではなく,あくまでも現役のワーキング・バンドであることを如実に示していると言えるだろう。こんなバンドを率いるWayne Shorterはまさに怪物である。ありえない。

Wayne_shorter_quartet_with_orches_2 本作は全編,Shorterのオリジナルで占められているが,その中でも特異な響きを持つのが管楽器による室内楽的な感覚を覚えさせる"Pegasus"である。ここまで行くと,現代音楽的だと言ってもよい。この曲だけが録音場所が特定されていることからしても,これが特殊なものであると想像されるが,23分以上を占めるこの曲に対する感覚がこのアルバムに対する評価を変えてしまうおそれがあることは否定できない。雰囲気が明らかに違うのである。Brian BladeのFBページによれば,Shorterのクァルテットは写真のように直近でもオケとも共演しているようであるから,最近のShorterはそういう指向を示しているのかもしれないが,それでも好みは分かれると言っておこう。アンサンブルが抜けてクァルテットのパートになるとテンションはまたまた高まってくるが,それでもこの曲はかなり異色に響く。

しかしである。そんなことはどうでもいいと思わせるようなハイ・テンションの前に私は平伏すしかなかったと言わざるをえない。いろいろな音楽を聞いていても,これだけのテンションはなかなか感じられることは少ないはずなのである。3曲目で"Manteca"の引用を聞かせてお茶目なところもないわけではないが,弛緩するのは全編でそこだけだと言ってもよい。だから聞き終わるとどっと疲れると言っても過言ではないが,それでもいいのだ。それがいやなら聞くのをやめなはれというところである。全編にShorterらしさが横溢した傑作。星★★★★★。ここまでやるShorterはえぐい。まじでえぐいわ。

Personnel: Wayne Shorter(ts, ss), Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds) wiith the Imani Winds on "Pegasus"

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コメント

わたしも、こわいと思いました。えぐいともね。

ショーターだけでなく、その恐ろしさは、ブレイドとペレツにも乗り移ってた。
これって、blogにも書きましたが、シリアス、タイト、ダーク、ミステリアスな極みのようなアルバムなのですが。。。
小さな爆発をより大きな爆発の起爆剤みたいにして、シビアに挑みかかる襲いかかる感じに、馴れ合いとか許さない雰囲気をひしひし感じました。

でも、おっしゃっるように、奴フリーって、わけでもなく、非常に抽象的、ビターなサウンド。それでいて、美しさやストーリーを感じましたよね。
1聴にすげぇのは、少しジャズに親しんでるとわかると思うのですが、これをきちんと通して聴いてる人って、どのくらい居るんでしょう。

Suzuckさん,おはようございます。TBありがとうございます。返事が遅くなりました。今日は訳あって会社を休んでおります。

このShorterのアルバムはおっしゃる通り,「きちんと通して聴いてる人って、どのくらい居るんでしょう」と感じても仕方がないシリアスさがありますよねぇ。凄いけど疲れますもの。

それにしても凄い爺さんだと思わざるをえません。こちらからも追ってTBさせて頂きます。

1曲目から9曲目まで同じ「ミステリアスな雰囲気でかなり緊張感のあるxx曲目」と羅列して、実験的なアルバムコメントにしようと思いつつ、それはできませんでした(笑)。

何ともスゴいアルバムが出たものです。3月初めには入手していたのに、今になって、やっと聴けました。もう少し早く聴けばよかったです。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

このアルバム,あまりのテンションに「引く」人も多いのではないかと心配になってしまいますが,齢80にしてこの創造力は化けものと言ってもいいように思えます。

アルバム単位で言えば,おそらくは今年のベスト作に間違いなく名を連ねること間違いなしだと思うのですが,テンション高過ぎて,しょっちゅうは聞けないですよねぇ。まじで恐るべき老人です。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

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