2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

無料ブログはココログ

« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »

2013年2月27日 (水)

Rh Factorライブに参戦

主題の通りなのだが,夜も更けたので記事はまた改めて。それにしても眠い。

2013年2月26日 (火)

ほぼ下馬評通りだったオスカー:でも「アルゴ」の受賞は嬉しい。

第85回のアカデミー賞が発表になったが,ほとんどは下馬評どおりで,予想を覆したのは「ジャンゴ 繫がれざる者」のChristoph Waltzぐらいではないか。

その中で,今回,私が一番に推していたのは「アルゴ」なのだが,今回の予想レースの中で,どうしてBen Affleckが監督賞の候補にならなかったのかと思っている中,ハリウッドでもBen Affleck反省票,同情票が集まって「アルゴ」が作品賞を受賞したという話もあるのは事実だろう。しかし,私は「アルゴ」は映画としても非常によく出来た作品だと思っていたから,そんな裏事情がなくてもオスカーに値すると考えていた(記事はこちら)から,今回の受賞はマジで嬉しい。日本でヒットしたとは言えないこの映画を友人,知己に推薦しまくった私としては,よかった,よかったと言いたくなるような快挙である。

一方,私はAng Leeが「ライフ・オブ・パイ」で監督賞を受賞したことはさもありなんと言ってもいいのだが,それでも今回Ben Affleckが監督賞の候補にならなかったことにはいまだに大いに疑問を感じている(私の怒りの記事はこちら)から,作品賞の受賞で溜飲を下げたとは言え,やっぱり今回のノミネーションはおかしかったのではないかと思う。

今回,私は出張の道すがら,オスカーの行方に注目してきたが,まぁ落ち着くところに落ち着いているよなぁと思いつつ,最多部門でノミネートされた「リンカーン」が主演男優賞を除いてほとんど無視されたところに面白さすら感じてしまった。やっぱりSpielbergって嫌われているのねぇって感じだが,いずれにしても,今回は完全な勝者がいなかったところに,いろいろな映画を見に行こうって気にさせるセレクションであったから,それはそれでよかったんだろうと思う私である。

いずれにしても,「アルゴ」は日本では全然ヒットしなかったが,私は近年最高の映画だったと今でも思っているので,改めて「アルゴ」の作品賞受賞を喜びたいと思う。間もなくDVDもリリースされるので,見逃した人はレンタルでも購入でもこの映画を見るべきである。まじで面白いんだから...。

2013年2月25日 (月)

B級映画くささ炸裂:「アウトロー」

Jack_reacher 「アウトロー("Jack Reacher")」('12,米,Paramount)

監督:Christopher McQuarrie

出演:Tom Cruise,Rosamund Pike,Jai Courtney,Richard Jenkins,Werner Herzog,Robert Duvall

主題の通りである。Tom Cruise主演ということで,「ミッション・インポシブル」的な,もう少し派手な演出のある映画かと思ったら,思ったより地味,むしろB級映画的な感覚に満ちた映画である。

話は単純なものだが,あくまでもTom Cruiseをカッコよく見せればいいようになっているところが笑えるが,Cruiseがプロデューサーなんだからそれも当然か。とにかく,Tom Cruise演じるJack Reacherであるが,そんなに何でもわかって,かつ不死身な訳ないだろうと言ってしまえばその通りである。まぁそういう映画だと思えば腹も立たないが...。

逆に言えば,「その程度」の映画であるが,CruiseとJai Courtneyの格闘シーンを見ていると,カンフー映画の影響か?とも思えてしまうぐらい,ある意味ステレオタイプな表現を用いている。だが,映画としては小ぶりな感じがするので,多少の破綻があっても「B級」だと思えばまぁいいやと思えてしまうところが,この映画の得なところと言ってもよいかもしれない。

いつも言っていることだが,この程度の映画に130分という尺は過剰だと思う。B級映画なのだから95分ぐらいで終わらせればよいものを,冗長な感覚があることは否めない。脚本も相当怪しい。しかし,Werner Herzogの怪演もあって,まぁそれなりには楽しめたかなぁって感じである。まぁ,気楽に映画を見に行こうって場合にはいいだろうが,「映画を見に行くぞ~」と張り切って見るような映画では私にとってはなかったと言っておこう。星★★★。まぁ,そうした気持ちを満たすには「ゼロ・ダーク・サーティ」でも見に行く必要があるだろうなぁ。

ちなみに,Tom Cruiseは本作をシリーズ化する気もあるようだが,このB級路線を行くならば,徹底的にB級に徹してもらいたい。そうすれば,Charles Bronsonのような愛され方をすることもあるのではないか(笑)。

尚,私にとっての「アウトロー」と言えば,Clint Eastwoodの「アウトロー」の方になってしまうのだが,この邦題はそっちとごっちゃになってややこしいなぁ...。

2013年2月24日 (日)

さすがプロ・ショットは違う。ロシアの隕石写真。

やっぱり凄いわ。知り合いがFBで紹介していた,プロ・カメラマン,Marat Akhmetaleyev氏撮影の写真をアップしておこう。本人は核爆弾だと真剣に思ったそうである。確かになぁ。

1_2

2

入手は結構前だが,なかなかしびれるバラッド集

Abiah "Life as a Ballad" Abiah (Madoh Music)

入手したのは昨年だが,記事をアップできていなかった作品である。私は本作の主役であるAbiahという歌手については全く知らなったのだが,そんな私が購入に至ったのはRobert Glasper参加というポップにつられてのことであった。そしてこのアルバムを聞いてみて驚いたのが,全面的にタイトル通りと言ってよい優れたバラッド集になっていることであった。Robert Glasperと聞いて想像するような尖った感覚はなく,なぜGlasperがここに?と考えても不思議ではない。しかし,よくよく見てみると,このAbiahとRobert Glasperは従兄弟ということらしく,とすれば,これは麗しき家族愛に支えられた作品ということになる。

Abiahという人はなかなかの美声の持ち主だということはわかるが,それを支えるバックの面々も楚々とした演奏で主役を盛り立てている。私がこの作品に惹かれるのは,打ち込みでなく,生音によって演奏されたものであるとともに,例えばグラスを傾けながら夜に聞けば相当雰囲気を盛り上げるに違いないというサウンドにある。これは子供にわかる世界ではない(きっぱり)。というより,本作が素晴らしいと言う子供がいたらその方が怖いが,いずれにしても,昨年のMichael Kiwanukaの時におぼえた発見の喜びを改めて感じさせてくれるような作品である。

全編に渡ってバラッド集なので,Abiahという人の本質を本作だけで捉えることは難しいかもしれないが,私にとっては十分に楽しめる作品であった。また,38分に満たない収録時間も繰り返し聞くにも適切であり,リピートでプレイバックしても全然問題ないだろうと思えるナイスな作品。ということで星★★★★☆には十分値する作品だと言っておこう。

参加ミュージシャンについては記述はあれども,詳細のクレジットがないが,ピアノ,ギター,アコースティック・ベース,ドラムスを基調としたシンプルな伴奏についても評価しておきたい。世の中の動きに疲れを感じるオジさんには癒しの気分さえ感じさせる好唱,好演集である。

Personnel: Abiah(vo), Robert Glasper(p), Marvin Sewell(g), Ulysses Owens, Jr.(ds), Keith Wirry(b) with David Rosenthal, John Shannon, Chris Eddleton

2013年2月23日 (土)

摩訶不思議なワイン,MAGMA

Magma 私は決してワイン通ということはないのだが,何だかんだ言って,濃厚なワインを買ってきては飲む機会が多い。正直なところ,コスト・パフォーマンスとアルコール度数(笑)優先だし,ワインのアロマがどうの,タンニンがどうのということを語る資格があるとは思っていない。そんな私でも月に1回ワイン・テイスティングの会に参加させて頂いていて,毎度毎度いろいろなワインを試させて頂き,へぇ~とかなることが多いのも事実である。

昨夜,そのワイン会があって,そのテーマがシチリア産のワイン,その目玉が"MAGMA"ということであったのだが,上述のように,私は全然ワイン通ではないので,毎度のことながら,何ですか,それは?って感じだった。しかし,これが飲んでみて驚きというか,今まで飲んできたワインと全然違う。このMAGMA,「単一畑の厳選されたネレッロ・マスカレーゼから造られる(超自然派)ワイン」だそうであるが,香りも味も私の経験値を越えていた。しかも時間が経つと,味の変化が極めて明確。ついつい早飲みの私が時間を掛けてしまったではないか。それにしてもびっくりした。世の中,こういうワインもあるんだねぇ...。

大体,私はバカの一つ覚えでCabernet SauvignonかSyrahかZinfandelを好む傾向があるが,そんな私でも普通のワインとの違いがわかるぐらい,超個性的なワインであった。このワインの作り手であるFrank Cornelissenはグラッパやオリーブ・オイルも作っているようなので,そっちも凄く関心あるなぁ。いずれにしても大変勉強になりました。

2013年2月22日 (金)

森山威男の"Hush-A-Bye"が遂に再発された

Hushabye "Hush-A-Bye" 森山威男クァルテット~向井滋春(Union/テイチク)

ずっと廃盤状態が続き,市場でも高値がついていた本作がリイシューされたことは実にめでたい。このアルバムが出た頃は,ちょうど私がジャズを聞き始めた頃と重なっていると思うが,そうした中でジャケの印象だけが残っていて,音として聞いたのは後にジャズ喫茶でのことではなかっただろうか。当時の私はまだまだ初心者であったから,そもそも日本のジャズよりも,所謂モダン・ジャズの名盤やフュージョンのアルバムを聞いていた頃であったし,それほど興味を持っていなかったのも事実である。だが,後になってこのアルバムを聞いて,その演奏能力の高さや熱さには驚かされたものである。しかし,その頃,このアルバムを買おうと思っても,高嶺の花だったというのも事実であるが,ここに来てようやくという感じである。これはめでたい。実にめでたい。

私はそうは言っても,何だかんだと言って森山威男のアルバムを保有していて,彼の演じるジャズの熱さというものに強いシンパシーを感じてきた。そして,このアルバムをこうして改めて聞いてみて,そのシンパシーが更に強まることを自覚してしまった。冒頭の"Sunrise"からして熱い。暑苦しいと言ってもいいぐらいである。正直なところ,McCoy TynerかBilly Harperかってぐらい熱い。そして,この曲を聞いて,びっくりしてしまうのが小田切一巳のテナーである。これが素晴らしいのである。タイトル・トラックのようなスタンダードでも,板橋文夫オリジナルのこの曲においても,小田切の実力がいかんなく発揮されていると感じるのはきっと私だけではあるまい。こんな素晴らしいテナー奏者がいたということに今更ながら驚くが,彼がわずか31歳で亡くなってしまったのはまさに惜しいと思わざるをえない。逆に言えば,命を削るようなフレージングだと言ってもよいのだが...。

もちろん,このアルバムは小田切だけでなく,リーダー森山も,ピアノの板橋も激演なのだが,それに加えて向井滋春のエッジの効いたトロンボーンが加わることで,演奏が更に強烈なものになったと思える。

そして面白いなぁと思ったというか,私だけがそう思っているのかもしれないが,私は"Sunrise"におけるドラムス・ソロを聞いていて,Deep Purpleの"Made in Japan"中の"The Mule"におけるIan Paiceのドラムス・ソロを思い出していたのである。何となく似ているのだ。森山はジャズ・ドラマーではあるが,そのエネルギーはハード・ロック・ドラマーに匹敵することには疑いはない。そうだとしても,ドラムスの歌わせ方までロック的な部分もあるのではないかと思ってしまったのである。本作はそんな森山のエネルギー全開,燃えたぎる演奏を聞かせる傑作。

いずれにしても,私はこのアルバムが再発されたことを素直に喜びたい。そして,このアルバムはこの飛行機の翼のジャケでないと感じが出ないと思っていたので,これで再発されたことはやはりめでたい。ありがちって言ってしまえば,そういうジャケであるが,若い頃のすり込みもあるとは言え,何となく印象に残る写真なのである。

そうした様々な要素も含めて,かつこの音源をより多くの人に聞いてもらいたいという思いも込めて星★★★★★としてしまおう。騙されたと思って聞いてみて欲しいものである。それにしても,特に冒頭2曲の小田切一巳。く~っとなること確実な演奏である。

Recorded on February 27, 1978

Personnel:森山威男(ds),小田切一巳(ts, ss),板橋文夫(p),望月英明(b) with 向井滋春(tb)

2013年2月21日 (木)

買ってしまったPeter Brötzmannキュレーションによるライブ5枚組

Long_story_short "Long Story Short" Peter Brötzmann et al.(Trost)

2011年にPeter Brötzmannがキュレーターとなって主催したライブ・シリーズの実況盤5枚組がリリースされた。正直言ってメンツは相当濃い。しかも収録時間は6時間を越えている。ということで,一体いつ聞くんじゃ?と思いつつ,早速iPodにリッピングした私である。しかし,こんな音楽を本当に通勤途上で聞くのかねぇ(笑)。

内容については追って記述としたいが,第1回は2011年3月11日の録音である。この日は日本人が決して忘れられない日であるが,それから毎月11日,4カ月連続で開催されたのがこのライブ・シリーズである。Disc 4には"Concert for Fukushima"というのも収録されており,その辺りも興味深いところではある。加えて日本からも多数のミュージシャンが参加しており,それも興味津々ではある。

それにしても,繰り返しにはなるが一体いつ聞くんだろうねぇ...(苦笑)。長い目で見て下さいね(爆)。

2013年2月20日 (水)

さぼり癖を回避するためには何がいいのかってことでEarl Klugh(苦笑)。

Finger_paintings "Finger Paintings" Earl Klugh (Blue Note)

最近,ブログの記事のアップをしない日がこれまで以上に増えていることは自覚しているのだが,書く体力がなくなってきたのも事実なら,書かなければ!という義務感のような気持ちがなくなりつつあるのも事実である。もちろん,これまでも書いているように,私はプロのライターではないので,余裕のある時に書けばいいのだという思いもありながら,書くことによって自分のアイデンティティを維持しようとしてきたのも一方で事実である。それが今年になって,自分の中でも変化が生じて,無理をしなくてもいいのではないかと思うようになってきたのも事実である。だったら,自分のペースに合わせて書けばいいのだということで,頭を使わずに書ける(聞ける)音楽をチョイスすることにした。それがEarl Klughである。

本作が出た頃,1977年という時代においてはフュージョン,あるいはまだクロスオーバーと言われた音楽が世の中で認知され始めた頃ではないかと思うが,Dave Grusinは渡辺貞夫との共演もあって,いろいろ話題になってきたのがこの当時だろう。そのGrusinがLarry Rosenと組んでGrusin Rosen Production,略してGRPを立ち上げたのもこの当時のことのはずである。そんなGrusinが新人発掘の一環として世に問うた一人がEarl Klughであった。クロスオーバー,あるいはフュージョンの中でLee Rietenour然り,Larry Carlton然りで,ギタリストが非常に重要な位置づけにあったのは間違いないが,彼らがエレクトリック・ギターを中心にそのアイデンティティを発揮した中で,Earl Klughはガット・ギター専門ということで異彩を放っていたし,それが新鮮だったと思っているのは私だけではなかろう。だが,芸風に限界があって,その後はアルバムはリリースしながらも徐々に「昔の名前で...」的になっていったのもこの人の限界なのは仕方がない。作曲能力はまだしも,編曲能力に乏しいのがこの人の実力とするべきである。

だが,スタッフに恵まれれば,ちゃんとしたアルバムを作れるということを実証したのが本作だろう。これに限らず,70年代であればEarl Klughというミュージシャンは相応の地位を確保していたのは事実であり,その代表作と言ってよいのが本作だと思う。本作においては少なくともムード・ミュージック的な感覚はなく,ちゃんとクロスオーバーしていると思えるところがいいし,後にAl Jarreauがカバーする"This Time"を初演したのも記憶に残る理由だろう。でも私が本当に好きなのはOrleansのカバーである"Dance with Me"だが。これなら今でも相当真似できるぐらい好きだったと告白しておこう。

今にして思えば時代の徒花であったと言ってしまえばその通りだが,本作が結構気に入っていた自分がいるのも事実なのだ。今から35年以上前の高校生だった私には刺激ではなく,ちょっと違う世界を求めたい時期もあったってことである(恥)。そうした思いも含めて星★★★★。人に言うのは恥ずかしくても,そういう音楽や書物は誰にでも存在するはずだってことで...(開き直り)。いずれにしてもその頃はSteve GaddとHarvey Masonのドラミングを聞いても違いがわからなかった私でも,今ではこれは絶対Gaddだとわかってしまうようになったところに時の流れを感じてしまうねぇ(苦笑)。

Personnel: Earl Klugh(g), Lee Ritenour(g), Dave Grusin(key, perc), Anthony Jackson(b), Louis Johnson(b), Harvey Mason(ds), Steve Gadd(ds), Ralph McDonald(perc), Steve Forman(perc) and Others

2013年2月18日 (月)

出張中に見た映画(2013/2月編):その2は私の苦手なホラー映画"Sinister"

Sinister "Sinister" ('12,米,Summit)

監督:Scott Derrickson

出演:Ethan Hawke,Juliet Rylance,Fred Dalton Thompson,James Ransone

マレーシア出張中に見た映画の2本目はホラー映画である。本作はまだ日本で公開されていないが,2013年5月に公開予定とIMDbには書いてある。日本未公開作を見られるのも機内エンタテインメントのいいところであるが,基本的にホラー映画を見ない私のような人間が見る映画ではなかった。私はサスペンスフルな映画は好きでも,ホラー映画のカテゴリーに入るものを自発的に見に行くことはまずないのだが,この映画がここまでのホラーとは思わず見てしまって,失敗したと思ってしまった。映画としてどうのこうのというよりも,この手の映画が面白いと思えないからである。だったら途中で辞めればいいじゃんという話もあるが,それができないのも「性」ってやつである。

この映画においてもビデオが相応の役割を果たすところが「リング」っぽくも思わせるが,スプラッター的な描写が少なく,じわじわと恐怖感を盛り上げるところはまぁ許せるっていう感じである。しかし,内容としては「なんでそうなるの」的な疑問が残らないわけでもない。いずれにしても,Ethan Hawkeという役者は,私は「テイキング・ライブス」以来ではないかと思うが,癖があるよなぁってのが正直なところであり,この映画へのキャスティングも納得がいくところではあるが,それでもねぇ...。やっぱり私は肝っ玉が小さいこともあるが,ホラーはあまり好きになれないのである。

いずれにしても,飛行機の中で見るには不適切極まりないという感じの映画であり,キャリアももう少し映画を選べよと言いたくなってしまうような作品である。これだったら当初の予定通り「マネーボール」を見ときゃよかったと深く反省した私である。気まぐれでもこの映画をチョイスしたのは自己責任であるが,好き嫌いは別にして星★★★ぐらいとしてもよいとは思う。しかし,私のような人間にはどうもいけませんわ(苦笑)。

2013年2月17日 (日)

Questのパリでのライブ突如現る。

Quset_live_in_paris "Quest Live in Paris 2010" Quest (Vaju Prod.)

Dave LiebmanのFacebookページやWebサイトに情報がアップされていたのだが,QuestがパリのSunsideに2010年3月に出演した時のライブ音源がリリースされている。これがダウンロードだけなのか,CDとしても発売されるのかはわからないが,今のところはダウンロード情報しか見当たらないので,取り急ぎダウンロードだけしてしまった私である。8曲で約1時間45分という結構なボリュームである。

まだ音は聞けていないが,取り急ぎ情報だけ。尚,1曲だけRick Margitzaがテナーで客演している。今から聞くのが楽しみだねぇ。ついでに言っておくと,彼らは今週,NYCのBirdlandに出演とのこと。行きたいなぁ...。

2013年2月16日 (土)

出張中に見た映画(2013/2月編):その1回目は「のぼうの城」

Photo 「のぼうの城」('11,東宝)

監督:犬童一心,樋口真嗣

出演:野村萬斎,佐藤浩市,榮倉奈々,成宮寛貴,山口智充,上地雄輔

マレーシア出張時に機内エンタテインメントで見た映画の1本目がこの作品である。私は何だかんだ言って,時代劇が好きなことはこのブログでも書いているが,この作品も劇場へ見に行こうかなぁと思いつつ果たせなかったので,ちょうどええわということでのチョイスである。

そもそも天下統一を目指す豊臣秀吉方2万人の大軍を指揮した石田三成の水攻めに,わずか500人の兵で対抗する成田長親という話だが,実は兵力+αがあるではないかというのは野暮だからやめておこう。まぁ,ストーリーとしては一体どうやってと思って見ていれば,相応に楽しめるものではあるが,その一方で,何だか重みがないんだよなぁと思わせる映画である。とにかくアクションも表現も軽量級って感じなのだ。決定的に痛いのが完全にミス・キャストと言わざるをえない上地雄輔。上地に石田三成を演じさせること自体に無理があることは火を見るより明らかである。そして,いかにもCGで作りました的な水攻めシーンも盛り上がらない要因の一つである。

まぁ,野村萬斎,佐藤浩市は相応に演じているので,樋口真嗣が撮った「隠し砦の三悪人」のリメイク(とんでもない駄作,記事はこちら)のようにずっこける感覚はないが,それでもやはりこれは軽過ぎる。気楽に見るにはいいと言えばいいのだが,時代劇好きとしては星★★☆が精一杯。

2013年2月15日 (金)

強烈なロシアの隕石映像...

これに自分が遭遇したとしたら,かなり怖い...。

最近,記事のアップが停滞気味...

先週のマレーシア出張もあって,まともに音楽を聞いているとは言えない中,記事のアップも停滞というか,私も以前ほどの記事を書くことに対するストイックさがなくなってきたなぁと感じる今日この頃である。

結局,昨日の通勤時間も,アルバム単位で音楽を聴くことはなく,iPodをシャッフルしていたのだが,たまにはこういう聞き方もいいねぇなんて思ってしまった。一聴してわかるものと,そうでないものがあって,前者はやはり何らかの愛着があるものが多いのである。例えばアルバムで言えばDonnie Frittsの"Prone to Lean"は私もすかさず反応したが,後者はこれなんだっけ?とiPodで情報を確認している始末である。なんだっけ?までいかなくても,例えば,これはJames Carrだよなぁと思いつつ確認しているのだから,いい加減なものである。

まぁ,そういう聞き方も楽しいのだが...。ということで,今日もいい加減な記事になってしまった(笑)。

2013年2月14日 (木)

壮絶!パリでのクリポタ〜アリホニのデュオ音源

Chris_potter_ari_hoenig とある筋から入手した音源があまりに強烈だったので,取り上げられずにはいられない。それはクリポタことChris Potterと,アリホニことAri HoenigのデュオによるパリのSunsideにおけるライブ音源である。

サックスとドラムスのデュオと言えば,私の場合,馬鹿の一つ覚えのように"Interstellar Space"ってことになってしまうが,ここでの演奏は"Interstellar Space"のようなフリーなアプローチに基づくものではない。しかし,展開されているのはまさに凄まじいばかりの鬼のようなクリポタのフレージングと,それを激しく煽りながらヴィヴィッドに反応するアリホニのドラミングである。

音源は1st,2ndをフルに収録しているが,(おそらくは)オーディエンス録音とは思えぬリアルな感覚で思わずウハウハになってしまった私である。特に2ndはさらに音が良くなっていて,細かいニュアンスまで聞き取れるレベルになっているのが凄い。Sunsideと言えば私がDave Liebmanを聞きに行ったライブ・ハウスであるが,あそこの前方に位置すれば,いい音でも録れそうだが,それにしてもこれはよく録音できている。

曲は有名ジャズ・オリジナルが中心であるが,"Airegin"のような曲変拍子でやってしまうのが彼ららしい。そうした中でも最も強烈だったのが2ndで演奏されるOrnette Coleman作の"Blues Connotation"である。ハイ・スピードで展開されるここでのクリポタの演奏を聞いてしまえば,悶絶すること必至という激烈な演奏と言ってよい。私がこの演奏を生で見ていたら,悶絶を通り越して,死に至っていたのではないかと思わせるほどの強烈さである。

また面白いのが,クリポタがピアノを弾くだけでなく,ピアノとサックスとのユニゾンまで聞かせているところであるが,クリポタ,ピアノも結構まともに弾いているではないか。何でもできるのねぇ。

いずれにしてもこの音源を聞いていて,心底パリのオーディエンスにジェラシーを感じてしまった私である。世の中にはエグい音源があるものだと思わざるをえない。せっかくなので,YouTubeにアップされていたこの演奏の前日の演奏(曲は"The Wheel")の模様(相当無遠慮に撮影されていて笑える)を貼り付けておこう。これだって相当に強烈。ひょえ~~~(笑)。

Recorded Live at Sunside, Paris on August 24, 2011

Personnel: Chris Potter(ts, fl, p), Ari Hoenig(ds)

2013年2月13日 (水)

本日は...

本日はクリポタとアリホニのエグいライブ・デュオ音源について書こうと思っていたが,果たせず。それは明日以降ということで...。ということで本日はお休みです。

2013年2月12日 (火)

これは凄い!Wayne Shorter,間もなく80歳とは思えない...

Wayne_shorter "Without a Net" Wayne Shorter(Blue Note)

主題の繰り返しになるがこれは凄い!冒頭の"Orbits"からして異常なテンションで迫ってくる。そのテンションがまさしく半端ではないのである。

本作はWayne Shorterが40年以上ぶりにBlue Noteに吹き込んだリーダー作として話題になっているが,レーベル間の移動なんて正直言ってどうでもええわと言いたくなるような演奏だと言ってよい。Wayne Shorterにとってはそもそも,リーダー作が2005年の"Beyond the Sound Barrier"以来というのが間が空き過ぎだと言いたくなるのは私だけではないはずだが,その時間の経過を超越した世界がここにはあると言ってよいように思う。Shorterのバンドはメンツも固定されていることもあるだろうが,コンビネーションは更に深化し,Shorterが吹きたいように吹いても,バックのトリオは全然問題ないし,通常は理知的にさえ感じるBrian Bladeが激しく演奏を煽っていること自体がこのバンドの物凄さを感じさせる。一体何なんだ,これは...と思ってしまうリスナーも多いに違いない。

Wayne Shorterは1933年生まれである。今年の8月には80歳になるのである。ってことは私の母と同い年ってことになるが,私の母親も元気って言えば元気なもんだが,このShorterには絶対負ける(笑)。とにかく,昔と何がちゃうねんと言いたくなるぐらい,全く変わりがないのだ。どうやったらこんな歳の取り方をできるのかとまずは聞きたくなってしまう。もちろん,ジャニーズと仲良しだった森光子ではないが,自分よりはるかに若い優秀なメンツと付き合っていれば,ある程度は若さを保てるだろうが,それにしてもここで聞かれるWayne Shorterには「老い」というものが全く感じられないのは驚きを通り越して,畏怖さえ感じさせる。正直言って私は怖いと思った。

また,バンドのメンツも年寄りを相手にしているって感じがしない。つまり,これが昔の名前で出ています的なミュージシャンのバンドではなく,あくまでも現役のワーキング・バンドであることを如実に示していると言えるだろう。こんなバンドを率いるWayne Shorterはまさに怪物である。ありえない。

Wayne_shorter_quartet_with_orches_2 本作は全編,Shorterのオリジナルで占められているが,その中でも特異な響きを持つのが管楽器による室内楽的な感覚を覚えさせる"Pegasus"である。ここまで行くと,現代音楽的だと言ってもよい。この曲だけが録音場所が特定されていることからしても,これが特殊なものであると想像されるが,23分以上を占めるこの曲に対する感覚がこのアルバムに対する評価を変えてしまうおそれがあることは否定できない。雰囲気が明らかに違うのである。Brian BladeのFBページによれば,Shorterのクァルテットは写真のように直近でもオケとも共演しているようであるから,最近のShorterはそういう指向を示しているのかもしれないが,それでも好みは分かれると言っておこう。アンサンブルが抜けてクァルテットのパートになるとテンションはまたまた高まってくるが,それでもこの曲はかなり異色に響く。

しかしである。そんなことはどうでもいいと思わせるようなハイ・テンションの前に私は平伏すしかなかったと言わざるをえない。いろいろな音楽を聞いていても,これだけのテンションはなかなか感じられることは少ないはずなのである。3曲目で"Manteca"の引用を聞かせてお茶目なところもないわけではないが,弛緩するのは全編でそこだけだと言ってもよい。だから聞き終わるとどっと疲れると言っても過言ではないが,それでもいいのだ。それがいやなら聞くのをやめなはれというところである。全編にShorterらしさが横溢した傑作。星★★★★★。ここまでやるShorterはえぐい。まじでえぐいわ。

Personnel: Wayne Shorter(ts, ss), Danilo Perez(p), John Patitucci(b), Brian Blade(ds) wiith the Imani Winds on "Pegasus"

2013年2月11日 (月)

出張中に見た映画(2013年2月編):取りまとめ

マレーシアってのは近いようで遠い国である。行きは7.5時間ぐらい,帰りだって6.5時間ぐらいはかかるのである。であるから,映画だって見ようと思えば結構見られる。ということで,今回見た映画は次の4本。

①「のぼうの城」
②「Sinister (日本未公開)」
③「アウトレイジ ビヨンド」
④「96時間 リベンジ("Taken 2")」

昨年暮れのカナダ旅行の際に見た映画のうち,まだ3本についても記事をアップできていないが,こちらについてもそのうち記事をアップすることにしよう。②はEthan Hawke主演のホラー映画だったのだが,私は正直ホラー映画って好きではないので,チョイスを間違えたって感じだったのはご愛嬌。「アウトレイジ」シリーズはたけしはまだまだ作る気と見た。いずれにしてもキャスティングがうまいねぇ,と思った私である。

2013年2月10日 (日)

またまたコレクターはつらいよ(15):Petra Haden盤での素晴らしき"Calling You"

Petra_hadenpetra_haden_petra_goes_t "Petra Goes to the Movies" Petra Haden (Anti)

マレーシアから帰国したばかりで,バテバテ状態のため,ちゃんと音楽を聞いていないので,ちょいとストックしておいた記事をアップである。

Charlie Hadenの娘,Petra Hadenの多重録音によるほぼアカペラ・アルバムである。ほぼというのが曲者で,迎えたゲストが父Charlie(1曲),Bill Frisell(2曲),そしてBrad Mehldauが1曲だけ参加である。Brad Mehldauのコンプリートを目指す以上,こういうのも購入しなければならないというのがつらいが,それはそれとして,このアルバム,なかなか面白い。

Petra_haden_psycho 本作はPetra Hadenが新旧の映画音楽を歌ったものだが,曲のセレクションがへぇーと思わせるようなものもあって,それが面白い。脈絡がないと言えばその通りだが,取り上げられているのは「理由なき反抗」,「タクシー・ドライバー」,「暴力脱獄」,「ニュー・シネマ・パラダイス」,「荒野の用心棒」,「サイコ」,「ゴールドフィンガー」,「8 1/2」,「トッツィー」,「スーパーマン」,「マイ・ボディガード」,「シェフとギャルソン,リストランテの夜」,「バグダッド・カフェ」,「ソーシャル・ネットワーク」,「コードネームはファルコン」である。分裂症的チョイスとも言えるが,更に輪を掛けるのが選曲に合わせるかたちで,ジャケやライナーを飾るPetra Haden自身による映画のキャラへのなり切り(コスプレ)ぶりである。これがポイントが高い。とにかくこれが笑えるのだ。これが面白過ぎて肝腎の音楽への関心が高まらないってことにならないかと余計な心配をしてしまう私である

Petra_haden_fistful001 音楽はほぼアカペラということもあってかなりクセは強い。映画に関心がなければ,リスナーにはややハードルが高いと思わせる部分がある。それでもこれらの音楽をどう料理するのかを考え,かつオリジナルを知っていると面白さは増すと思う。だが,正直なところ,Petra Hadenには申し訳ないが,彼女がアカペラでやった曲よりも,ゲストの伴奏で歌った曲の方が私にとってははるかに味わい深いものであったし,彼女の声の魅力を感じさせるものだったように思える。

ここでBrad Mehldauが客演したのは「バグダッド・カフェ」から"Calling You"であるが,元が素晴らしいこの曲を支えるMehldauの伴奏が美しい。私はここでのMehldauのソロにKeith Jarrett的な響きを感じているのだが,やはりMehldauが成熟度を増すとKeithのようになっていくと予想させるに十分な演奏のように思えた。

この1曲だけのために本作を買うのは私のような物好きだけかもしれないが,Mehldauファンにとっては必聴の好演と言える。アルバムとしては星★★★☆ぐらいのものだが,この曲と父やFrisellの伴奏付きの歌唱なら満点と言ってもよい。

Personnel: Petra Haden(vo), Brad Mehldau(p), Bill Frisell(g), Charlie Haden(b)

2013年2月 9日 (土)

仕事は終わった。あとは帰るだけ。

たった3泊(機中泊入れると4泊)の出張であったが,結構濃い~出張であった。正直言って,かなり疲弊したが,それでも間違いなくまた来ざるをえないであろうと思わせるぐらいの成果はあったのではないかと思う。

この記事がアップされる頃には私は機上の人となっているはずだが,今回は春節にぶつかってしまい,民族大移動的な空港はごった返しているし,春節に合わせて一時帰国する日本人駐在員も多いようである。そのため,飛行機の座席のアップグレードはほぼ不可能と思われるので,こうなったらずっと起きていて仕事をするか,映画を見るかのどちらかである。本来であれば,間違いなく後者なのだが,できるだけ早くレポートを仕上げなければならない立場としては,仕事も考えなければなるまい。

いずれにしても,夜行便での帰国ってのはきついが,帰国したら日本が三連休だったというのはせめてもの救いである。

ということで,順調に行けば,次は日本から。

2013年2月 8日 (金)

KL発,高所恐怖症の人は絶対だめな写真(笑)

Photo_3 これって耐えられる?私は高所恐怖症ってわけではないにもかかわらず,正直足がすくみました。高いビルより絶対怖い...。

2013年2月 7日 (木)

KLレポートは今日は無理ですわ。

規則正しく投稿しようと思ってもダメなものはダメであった。単なる飲み過ぎってやつだが(爆)。また明日以降...。

2013年2月 6日 (水)

KL最初の夜

Image初日は移動だけなので,取り敢えずありがちな風景写真をアップ。これだけ見ると,ある意味非常に無機的にも思えるが,見事なランドマークであることには間違いないなぁ。とにかく立派な都会であった。続きはまた改めて。

それにしても暑いですわ。おっさんには堪えます~。

2013年2月 5日 (火)

本日よりマレーシア出張

私は仕事で海外に出る機会が普通の人よりは多い方だと思うが,ここのところはほとんど国内の仕事に専念していて,実はほぼ1年振りの海外出張である。

今回の目的地はマレーシアであるが,私にとっては初めての訪問となる。東南アジアと言えば,私はインドネシアは両手に余るほどの結構な回数行っているのだが,おそらく気候的にはマレーシアもインドネシアも似たようなものであろう。現地の天気予報を見れば,最高気温は32℃ってっところも私の記憶にあるジャカルタの気温と同じである。

真冬の日本から熱帯の国に向かうというのは実は非常に辛いのだが,アメリカでは同じ国内なのに気温30℃のフロリダから-10℃のNYCに移動したこともあるから,それに比べればましだと思えば問題ないと思っておこう。でもあの現地に到着した時のむ~っとした感じ(私の場合はジャカルタ仕様)は行ってみないとわからないんだよなぁ。まぁ,それでも見分を広められると思って行ってきたいと思う。

現地に到着するまでの約8時間のフライトで見られる映画は頑張って3本だが,順当に行って2本かなぁ。ということで,久しぶりに出張中に見た映画シリーズの復活も近い?現地からもレポートできればと思っている。

ということで行ってきます~(と言ってもこの記事を書いている段階ではまだ飛んでません)。

2013年2月 4日 (月)

久しぶりのコレクターはつらいよ(14)

Love_songs "Love Songs" Anne Sofie Von Otter & Brad Mehldau(Naive)

久しぶりのこのシリーズである。私はBrad Mehldauのファンであり,コンプリートを目指す人間であるから,Brad Mehldauが参加しているとわかれば,大概の音源については無条件に購入することにしているが,時として見逃しが発生する場合もある。これもそんな音源の一つである。クラシック系の声楽家とMehldauが演奏するのはRenee Flemmingに続いてこれが2作目であるが,本作にジャズ・ピアニストとしてのMehldauの姿を期待すれば,梯子をはずされること必定という演奏である。私は雑食系音楽鑑賞人であるから,こういうのも全然問題ないのだが,それでもこれがMehldauファンとしてはこれが彼の演奏する音楽の本質だとは決して思っていない。よって,私も本作は輸入盤を保有していても聞くことは滅多にないというのが正直なところである。

そういう音源に関して,私は国内盤にボーナス・トラックが1曲収録されているということを先日知って,慌てて発注してしまったのであった。その曲はディスク2の最後に収められた"Folks Who Live on the Hill"であるが,この1曲のためだけに本作の国内盤を買うのは辛いと思いつつ,これはもうどうしようもないのである。もはや後戻りできないのだ。

私はコンプリートを目指すと言っても,一般的なコンプリート・コレクターの概念からすれば,かなりいい加減なものであることは自分でもよくわかっている。世の中のコンプリート・コレクターというのは世界中の様々なジャケまで蒐集していることからすれば,私は「音源」のコンプリートを目指しているだけだから,既発音源を収めたコンピレーションはもとより,帯付きという差別化要因のある日本盤すらまともに買っていないというのが実態なのだ。だから,フォローもついつい甘くなるのは仕方ない話で,本作が国内盤でリリースされたことすら知らなかったし,そこに1曲ボーナス・トラックが入っていることも全然認知していなかったのである。

そんな私にとってでさえ,本作は聞く機会も少ないし,敢えて1曲のために本当に買うのかという逡巡がなかったわけではないのだが,やっぱり買ってしまった。正直なところ,たった1曲のために既に保有している2枚組を買い足すというのはさすがに辛かった。それもファイヴァリット・アルバムならまだしも,プレイバック頻度が極めて低い作品なのだ。

だが,Brad Mehldau,そしてAnne Sofie Von Otterのために言っておけば,このアルバムは予想よりも聞き易い作品に仕上がっていて,それほどハードルが高いというものではない。もちろん,どういうカテゴリーに当てはめればいいのかは困るのだが,それでも歌のうまい歌手と優れたピアニストのコラボと思って聞けば,相応に楽しめるものとなっていると思う。正直なところ,本作はVon Otterのファンからの方が評判が悪い(特にMehldauにブツブツ言っている輩が多い)ようだが,クラシック原理主義者からすれば当然そういうことにはなるかもしれないとしても,それほど目くじら立てるほどのことはないし,もっと素直に楽しめばいいのにねぇと皮肉も言いたくなってしまう私である。彼らがMehldauは非難しつつ,Von Otterには何も言わないのは,Von Otterのミュージシャンとしてのチャレンジ精神を否定していることに気がついていないとしか言いようがないのだ。

話が横にそれてしまったが,私はこのアルバムの意外なよさというのは評価しているので,1曲のために改めて2枚組を買わなければならなかったという事実は別として,もう少し多くの人に聞いてもらってもいいように思う。Von Otterのメゾ・ソプラノも,Mehldauのピアノも美しい。さすがディスク1の7曲はカーネギー・ホールからの委嘱に基づくものというクォリティを持っていると思う。

Recorded in June, 2010

Personnel: Anne Sofie Von Otter(vo), Brad Mehldau(p)

2013年2月 3日 (日)

映像美が素晴らしい「ライフ・オブ・パイ」

Life_of_pi 「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」('12,米/台,Fox)

監督:Ang Lee

出演:Suraj Sharma, Irrfan Khan, Adil Hussain, Tabu, Rafe Spall, Gerald Depardieu

オスカー11部門にノミネートされている映画で,特に米国における世評が高い思わせるこの作品を週末に見てきた。この映画は見ようによってはその解釈が非常に難しい映画ではあるのだが,そうしたことを忘れさせてしまうのが映像の美しさであろう。私はこの映画を2Dで見たのだが,これなら3Dで見てもよいと思わせるような映像が満載である。おそらくはこの美しさが更に増すように,演出が施されているに違いないと思わせるぐらいなのである。

ストーリー展開としては非常にゆったりしたテンポと言ってもよいが,それでもこの映画にはこの程度が適していると感じさせる作品である。だが,美しさの真骨頂はトラとの漂流が始まってからの数々のシーンにあるのであり,前半の展開はそこへ至る長いプレリュードだと考えてもよいだろう。

これを寓話あるいはメタファーと考えるかは個人の解釈の問題であり,シナリオにもそうした展開が準備されてはいるが,そんな難しいことを考えなくても,映画としては十分に楽しめるものである。この作品には「驚愕のラスト」という表現がよく用いられているようではあるが,実は映像的な驚きはそこにはない。むしろ,終盤にはギミックを排して,ストーリーで勝負しようとしているところにこの映画の優れたところがある。考え始めると,いかようにでも解釈可能であるという部分を残していることが,ある意味では映画の余韻を強めているのだと思う。

そうした意味では映像的な美しさだけでなく,どう考えようかなぁという意識を持ちながら劇場を後にした私である。そして何よりもこの映画を魅力的にしたのはトラだろう。CGを駆使したものとは思うが,これはまさに見事としか言いようがないものであった。

但し,私がこの映画に心底感動したかと言えば,必ずしもそうではない。これは映画に何を求めるかというところによっても違うと思うが,単なる好き嫌いの問題と言ってもよい。また,美感を打ち出すための映像演出に,若干のわざとらしさを感じたのも事実である。しかし,それでも高い評価をして然るべき映画だということには異論はない。私個人としては,敢えて3Dでこの映画を再見しようとは思わないが,これからこの映画を見ようという方には3Dをお勧めしたくなるような,そういう映像である。決して浅はかなファンタジーのような内容ではないし,併せて信仰ということについても考えさせられることもあって,子供には難しい映画であることは間違いない。正直言って,お子様連れで行くような映画でないということは心して劇場に足を運ぶべきである。星★★★★☆。

2013年2月 2日 (土)

イケイケ感は希薄だが,よく出来ているクリポタの新作

Chris_potter_the_siren "The Sirens" Chris Potter(ECM)

クリポタことChris PotterがECMからリーダー作をリリースするという情報が流れた時,意外に感じた人は多いだろう。もちろん,今までだってDave HollandやPaul MotianのECMレーベルのアルバムには参加しているから全く無縁だったということではない。だが,クリポタがブイブイと変態的なフレージングを連発する音楽と,ECMレーベルのカラーが一致するのかというと期待はすれども不安に感じるリスナーも多いはずである。しかも今回はニュー・バンドによるレコーディングであるから,益々期待半分,不安半分みたいな気持になってしまう。

だが,今回のバンド,急造というわけではない。私の手許にはここでのレコーディング・メンバーからCraig Tabornだけを抜いたクァルテットで2011年2月にVillage Vanguardに出演した時のブート音源があって,本作に入っているレパートリーも既に演奏しているのである。本作のレコーディングが同年9月であるから,徐々に熟成していったであろうことは想像に難くない。そして,ここでの演奏は非常にバンドとしてのバランスもよいし,曲のメリハリもしっかりしていて飽きることはない。しかし,冒頭は静かな立ち上がりを示し,あぁ,やっぱりECMかなぁなんて思わせるが,あっという間にクリポタ・ワールドに突入してしまうので,全く心配がないのである。そしてやっぱり変拍子である。正直言ってECMレーベルの作品でないと言われても,これなら別に不思議には感じないだろう。

その一方で,"Lift"で感じられるようなイケイケな感覚は希薄なのも事実であり,熱っぽさについてはやや控えめかなぁと思わせる。Eric Harlandも無茶苦茶は叩いていないし,全体的としては落ち着いたトーンに聞こえるものだと思う。しかし,そうした中でも繰り出されるクリポタのフレージングは十分切れている。"Dawn (With Her Rosy Fingers)"のようなバラッド表現の中でも,クリポタのフレージングはかなり鋭い。イケイケなクリポタはもちろん好きだが,こうした抑制した中に鋭さを示すクリポタも素晴らしい。一方,バスクラで奏でられるタイトル・トラックは相当渋いが,"Dawn"~"The Sirens"という曲の並びが「静」~「静」のような感じになってしまっているのは,ややリスナーに集中を強いるって感じだろう。ここが多分一つの関門になるのではないかと思わせる部分があるのは否定できない。

また,どうなんだろうかと思うのはTabornとVirellesのダブル鍵盤奏者である。私としてはこの編成に効果がないとは言わないまでも,必然性をあまり感じさせないのである。そのあたりは惜しいかなぁって気もするが,あまり難しいことを言わなければ十分楽しめる。ただ単に我々のクリポタへの期待値が高過ぎるのかもしれない。それでも,クリポタ・ファンには全然問題ない作品であるとともに,このバンドのデビュー作としては十分合格だろう。

ということで,これは甘いという指摘を受けるのを覚悟しつつ星★★★★☆。これはより多くの人にクリポタに接してもらいたいという思いも込めたものである。でも,全国に何人のクリポタ・ファンがいるかはわからないとしても,私を含むそうしたファンには本当に嬉しい新作である。

尚,余談だが,このアルバムには"Kalypso"というタイトルの曲があって,確かにカリプソっぽいが,本家カリプソは"Calypso"である。タイトルからも感じられるが,どうやったってクリポタがやっても,Rollinsのようなカリプソにはなりませんでしたって感じであった(笑)。まぁ,当たり前だが。

Recorded in September 2011

Personnel: Chris Potter(ts, ss, b-cl), Craig Taborn(p), David Virelles(prepared-p, celeste, harmonium), Larry Grenadier(b), Eric Harland(ds)

2013年2月 1日 (金)

Steve Smith & Vital Information: エンタテインメント系ハード・フュージョンって感じである。あぁ楽しかった。

Steve_smith ブログのお知り合いから,最近はライブの友となりつつあるイタリア・ジャズの女神さまのお誘いで,Steve Smith & Vital Informationのライブ(@コットンクラブ)に参戦してきた。Steveと言えば元Journeyってことになるが,その後はSteps Ahead,Vital Tech Tones,そして自身のVital Informationとフュージョン畑での活躍が目立つ。だが,正直に言えばVital Informationってのはいいメンツを揃えながら,私にはCDは大して面白くない印象が強い。だから,今回は女神さまのお誘いとは言え,若干の危惧がなかったわけではない。しかもセカンド・セットでも客入りが悪い。ほぼ半分しか埋まっていないのだ。

だが,そんな入りの悪さも,私の危惧も,一音出た段階で即解消である。私の知るVital Informationのイメージと全く異なるハード・フュージョン,かつ変拍子炸裂である。しかもリーダーの叩き出すリズムは超タイト,ユニゾンはキメキメ。私はあまりのやりっぷりに思わず笑ってしまったのであった。

聴衆が多くなかろうと,全く手を抜かない彼らはまさにプロであるが,そんな聴衆たちを盛り上げる術も知ったエンタテイナーでもある。SteveはJourney,キーボードのTom CosterはSantana出身ということも,そのエンタテインメント性に影響しているとは思うがとにかく楽しいライブであった。こういうのを見ると本当に得した気になると言ってよい。誘ってもらってラッキーだと思った私である。

尚,甚だ余談ではあるが,Tom Costerは一歩間違えればヤクザみたいなとも,胡散臭い坊さんとも言えそうな風体で,どこを見ているかわからない方向に首を向けながらキーボードを弾いていたのが面白かった。あれは絶対会場のネェちゃんを値踏みしていたに違いないと感じていたのはきっと私だけではあるまい。だが,繰り出すフレージングがあまりにカッコよく,いけてる爺さんだと思ってしまった。

Steve_smith001 ということで,彼らのDVD付きライブCDを買ってしまったのは言うまでもない。そちらについてはまた改めてとするが,戦利品としてのサイン入りCDの写真もアップしてしまおう。ベースのBrowneがいなかったのが惜しいが,このぐちゃぐちゃ感ではもう一人分サインが入ってはますますわけがわからない(爆)。ついでにSteveと記念写真をパチリ,更にメンバーとも会話というまさにこの世の憂さも忘れられそうな楽しい一時であった。マジで女神さまに感謝である。余裕がある人は見に行っても損はしないと思うなぁ。

Personnel: Steve Smith(ds, perc, vo), Tom Coster(key, accor), Vinny Valentino(g, vo), Baron Browne(b, vo)

« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »

Amazon検索

2016年おすすめ作

2016年おすすめ作(本)