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2013年1月15日 (火)

Keith Jarrettの異色作ついに再発さる

Hymns_spheres "Hymns / Spheres"  Keith Jarrett (ECM)

LPで2枚組としてリリースされたものの,CD化された際には大幅カットの1枚ものとなっていた本作がようやくオリジナル・フォーマットでリリースされたのが昨年の12月のことであった。本作はKeithがパイプ・オルガンを弾いているということもあって,私はこれまでずっと本作には手を出さずに(かつ耳を貸さずに)きたのだが,今回購入,初鑑賞となった。

私は教会音楽も好きだし,バッハをはじめとするオルガン音楽は結構好きである。バッハなら「シューブラー・コラール」,Simon Prestonのイギリスのオルガン音楽のCDも昔はよく聞いたものだ。だから,オルガンだからと言って無条件に拒絶することは決してないのだが,それがKeithとなるとやや抵抗があったのは事実である(かつ,昔はKeith嫌いだったという事実...)。だが今回,初めて聴いてみて案外すんなりと受け入れることができた。特に冒頭の"Hymn of Remembrance" の美しさに,これはいけると思った私だが,徐々にトーンは現代音楽的な要素を増していく。世の中ではメシアン的とも評されることの多い本作だが,いずれにしてもジャズ的な要素は極めて希薄であり,一般のジャズ・ファンにはややハードルが高いだろう。

だが,現代音楽的な響きは最近のKeithのソロ・ピアノにも感じられるのであって,そうした演奏に抵抗がないならば,十分鑑賞にはたえるものと思える。そうした中で,誤解や批判を承知で言ってしまうと,このアルバムを聞いていて,何だかプログレを聞いているみたいだと感じる瞬間があったと告白しておこう。あくまでも感覚的なものなのだが,そう感じたものは仕方がない。例えばYesのRick Wakemanはアルバム"Going for the One"でオルガンを結構多用したが,そこでの感覚に近いように思えたのである。KeithとWakemanでは水と油みたいなものだが,クラシック的な要素や現代音楽の吸収のような部分で若干の接点があるのではないかなどとアホな妄想をしてしまった私である。まぁオルガンの響きが近いだけって話もあるが...。

話がとんでもない方向へ向いてしまったが,それでも本作が異色作であることには間違いなく,その辺りが本作が辿ったその後の道程を生み出したことも,ある意味自然のようにも思える。いずれにしても本作をしてKeithの代表作などと言うつもりはないが,こうした活動になぜKeithが取り組んだかということを考えると興味深い気がする。ということで,評価は簡単ではないが,私はこういうKeithも決して嫌いではない。カテゴリーを考えず,純粋音楽として星★★★☆ぐらいとしておこう。でもやっぱりKeithにはピアノの方が似合っていると思うのは私だけではあるまい。

Recorded in September 1976

Personnel: Keith Jarrett (org)

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コメント

このアルバム、キース・ジャレットの幾多のリーダー作からすると、ちょっと異端だし、やや地味な感じもします。ただ、ゆったりと動きつつの音の変化に身を任せると、何だか不思議と音楽の中に溶け込めそうな感じがあることはあって、やはり不思議だというほかないんですが。

LPは持ってなかったので、全貌を聴いたのははじめてですけど、最初からこのフォーマットで出してくれていればなあ、とちょっとうらめしかったりもします。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

パイプ・オルガンということもあって,ついつい身構えてしまっていた私ですが,おっしゃる通り,「身を任せると、何だか不思議と音楽の中に溶け込めそう」な音楽だと思いました。私としてはこれはこれでありだなと思いました。

私は短縮版のCDを買っていませんでしたから,最初からこのフォーマットで聞けたのはラッキーだったかもしれません。特に冒頭の"Hymn of Remembrance"をカットしちゃ,このアルバムはより難しくなってしまうでしょうから...。それぐらい冒頭の響きが美しかったと思います。

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一度CDで出たときには大幅にカットされたキース・ジャレットがパイプ・オルガンを弾いてるアルバムが完全な形で再発されたそうで、blog仲間の記事でしりました。 そういえば、このアルバム何十年も聴いていない。 確か当時はバルヒャなんかも聴いていたからあまり関心...... [続きを読む]

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