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2013年1月31日 (木)

年末年始の新譜枯れが終わって...

記事のアップを2日間サボってしまった。今年に入って,記事のアップに結構苦労しており,これまでのような毎日更新ができないような状態である。その一つの原因が,年末年始で新譜のリリースが滞っていたことが挙げられる。先日,Jose JamesやAaron Nevilleの記事をアップしたものの,今月の新譜カテゴリーの記事は4枚に留まっているし,そのうち1枚はKeith Jarrettの旧譜リリースである。

だが,そうした冬枯れもようやく終了し,怒涛のようにCDが我が家にデリバリーされていて,今度はちゃんと聞いている余裕がないという本末転倒な話になっている。今のところ,まだ記事にできていないものにはMilesのブートレッグ・シリーズ第2弾,クリポタ,Jeremy Pelt,ハリケーン・サンディ被災者救援のベネフィット・ライブ・アルバム,Brad Mehldau参加のPetra Haden等である。これからもまだまだ来るので,こりゃあ大変だって感じであるが,追って記事はアップしていきたいと思う。

2013年1月28日 (月)

Jose Jamesの次はAaron Nevilleのブルーノート第一作

Aaron_nevilee "My True Story" Aaron Neville(Blue Note)

昨日のJose Jamesに続いてBlue Noteレーベルからの作品である。本日はAaron Nevilleだが,この人の声って素晴らしいとは思いつつ,アルバム一枚通して聴くには実は私には辛い感じの人だとまずは告白してしまおう。何となく胸焼けしてしまうような感じと言えばいいだろうか。だから彼が参加したアルバムで言うと,Linda Ronstadtの"Cry Like a Rainstorm"ぐらいの登場の仕方が私には適切な感じなのである。そういう意味で,Joe Henryがプロデュースした前作"I Know I've Been Changed"も悪くはないと思いつつ,のめり込めないままでいた私である。

だが,今回は違う。彼の声も歌いっぷりも全然苦にならないのである。これは選曲の勝利かなぁって気もするが,Aaron Nevilleのルーツとしてのドゥーワップの名曲群を中心に揃えており,それが何ともいい感じの仕上がりなのである。Doanld Fagenの"Nightfly"でもおなじみ"Ruby Baby"が入っていたり,私にはRy Cooderで初めて聞いた"Gypsy Woman"があったり,Rickie Lee Jonesも歌った"Under the Boardwalk"もありと結構嬉しい選曲がある。加えてびっくりするのが"Be My Baby"であるが,これがAaron Nevilleにジャスト・フィットである。全然合いそうになのに,完璧に合っているということの驚きもあるが,心ときめくような歌いっぷりなのである。これはいいわ。私にとってはオリジナルのバージョンよりも,カヴァー・ヴァージョンでの馴染みのあるものと言ってもよいが,それでもいいのである。優れた曲は不滅である。

こうした作品のプロデュースを,現Blue Noteの社長であるDon Wasが担うことはわからないわけではないが,そこにKeith Richardsが絡むっていうのが実は信じ難くも新鮮である。ついでにKeith Richardsはギターで全面参加だしねぇ(
大して目立ってないのが奥ゆかしい)。更にKeith以外の伴奏陣もこれなら間違いないっていう鉄壁の布陣と言っていいだろう。

いずれにしても,多くのリスナーのノスタルジーをくすぐりつつ,甘酸っぱい思いさえ感じさせるこのアルバムはある一定以上の年齢層の多くの人が楽しめるはずである。収録時間も38分そこそこっていうのが潔い。今まで私はAaron Nevelleを苦手としてきたが,この路線なら100%OKである。コンテンポラリーな音楽シーンにおいての影響力とかそんな要素は皆無だが,素直に音楽を楽しめばよいと思わせてくれるナイス・アルバム。星★★★★☆。

Personnel: Aaron Neville(vo), Keith Richards(g), Greg Leisz(g), Tony Sherr(b), George G. Recel(ds), Benmont Tench(key), Art Nevelle(org), Lenny Pickett(ts), Bobby Jay(vo), Eugene Pitt(vo), Dickie Harmon(vo), Earle Smith, Jr.(vo), David Johnson(vo)

2013年1月27日 (日)

こりゃええわ。Jose Jamesのブルーノート移籍作品

Jose_james "No Beginning No End" Jose James (Blue Note)

私はJose Jamesの最初のリーダー作である"The Dreamer"も保有しているのだが,ここ暫く聞いていないし,そもそも何処かにあることはわかっていても,行方が不明である(爆)。だが,同作については正直言ってしまうとピンとこなかったという感覚が残っている。それは私がジャズ・ヴォーカルの熱心なリスナーでないことも影響したかもしれないが,魅力をちゃんと理解できていない。だから,その後のアルバムには手を出してこなかったが,今回はRobert Glasper等が参加ということもあり,期待を込めての購入となったが,これが予想を上回る素晴らしさである。

詳細のクレジットは記載されていないが,Special Thanksとされているのが参加しているミュージシャンだと思えばいいだろう。そこにはGlasperのほかに,Pino Palladino(プロデューサー兼務)やChris Daveの名がある。GlasperとDave,そしてPalladinoとDaveもバンド・メイトということもあり,この辺りのミュージシャンのシンジケートで成立している音楽だと言ってもよいだろう。そうした音楽のフィット感が私には極めて高いことが,私の評価の高さに通じていることは間違いない。ある意味,Glasperの"Black Radio"への評価と同様のものがあると言ってもよい。 

ここに収められた音楽は,決してジャズ・ヴォーカルの範疇に留まるものではない。むしろソウル色が濃いと言った方がよいのだが,Jose Jamesの声や唱法がそれにバッチリはまっているのである。ここでの歌唱や演奏には熱狂はなく,淡々として落ち着いたものであることをどう捉えるかによって評価は分かれるかもしれないが,私には非常に心地よいものとなった。ちゃんと評価するためにはもう少し歌詞を咀嚼する必要もあろうし,Robert Glasperのやっていることと何が違うのかということもできるのだが,ちょいと甘いとしても私は本作に星★★★★★を与えられると思う。ゲスト・ヴォーカルのHindi ZharaとEmily Kingがこれまた魅力的で,このアルバムへの貢献度大であることも大きな要素である。

いやいや,それにしても気持ち良い。何回でも繰り返し聞ける音楽である。Jose Jamesに対する評価が私の中で大きく転換したと言っておこう。

2013年1月26日 (土)

本日はお休みです。

雑事に追われて,記事を書いている余裕なく,本日はお休みです。酒量を減らせばいいだけって話も...。

2013年1月25日 (金)

Patti Smith教入信! 慈愛とパワーと。

Patti_smith_live Patti Smithが来日することはわかっていたのだが,出張日程とのバッティングの可能性があったため,実はチケットの購入を見送っていた。しかし,日程的に問題がないとわかって慌ててチケットを購入したのが先週のことである。席はオーチャード・ホールの2階の3列目だから全然問題なし。客層はさすがに私よりは若い人が多いが,30代〜40代が中心だろうか?

そして始まったライブだが何とシンプルなステージなことか。飾りっ気全くなし。またそれがいいのだが。ライブの前半は最新作"Banga"からの曲が中心。冒頭は"April Fool"だったと思う。どちらかと言えばソフトな曲調が続き,聴衆に手を振るPattiの姿を見て,アイドルみたいだと思っていたのは私だけではないだろう。だが,そんな雰囲気が一変したのは東日本大震災の鎮魂曲とでも言うべき"Fuji-san"あたりからか。もはやスピリチュアルなものさえ感じさせて,感動的な歌唱であった。更にAmy Winehouseに捧げた"This Is the Girl"も泣かせる歌いっぷりだったが,このあたりには私はPatti Smithによる慈愛のような感覚をおぼえていたのであった。

そこからLennie Kayeを中心とするハードな(本人曰く)ガレージ・ロックのセットをはさんで,ライブの模様は更に変化を示す。そこからはベスト盤"Land"に収められたPatti Smithの有名曲の連続となり,歌唱,演奏は激しさを増していき,まさにパンクのゴッドマザーとしての面目躍如である。ある意味超リベラルなパワーをまざまざと感じさせたのであった。"Rock'n Roll Nigger"だ,"People Have the Power"だ,"Gloria"だと本当にこの人は現在66歳なのかと思わせるような激しさではないか,アンコールの後,ギターをフィードバックさせたままでステージを去るのもカッコよ過ぎである。

誤解を恐れずに言えば,これはもはや宗教的なものを感じてしまった。正直言って,私も感動してしまっていて,Patti Smithを教祖とする宗教があるなら即入信致します!って感じであったのである。今までだってファンだったが,そのレベルが上がってしまった。

オーチャード・ホールを埋めた聴衆も特に後半はPattiの歌唱に興奮の坩堝に叩き込まれたってところだと思うが,その激しさを支えていたのはLennie Kayeを筆頭とするバック・バンドである。特にLenny Kayeのギター・フレーズは美しさと激しさを両立させた素晴らしいものであったことは付け加えておかねばなるまい。前半は若干ベースがブースター効き過ぎって感じだったのは惜しいが,後半には改善されたから文句は言うまい。

いずれにしても,こんな素晴らしいライブに接する機会が日本であと5回あるのだ。名古屋,金沢,大阪,広島,福岡の皆さんは見逃すこと,聞き逃すことなかれ。特に広島にはPatti Smithは特別な思いを持って訪れるという話も伝わっている。広島でのライブは更に熱いものとなること必定と思う。私だってもう一度行けるものなら行きたいぐらいである。それぐらい感動した。最高のライブだったと言ってしまおう

今一度,Patti Smithの音楽を詩も咀嚼しながら聴き直すことを決意した私である。

2013年1月24日 (木)

ようやくアップ。QuestのMilesトリビュート作

Quest "Circular Dreaming: Quest Plays the Music of Miles' 60s" Quest(Enja)

さすがに本作がリリースされてから時間が経ち過ぎて,新譜と呼ぶのは憚られるが,それでもリリースされてすぐに入手していた私であり,元来Questのファンと言ってよい私にとっては嬉しい作品である。

今回彼らが取り組むのはMiles Davisの60年代のクインテットの作品が中心である。それもWayne Shoter作がメインであり,基本はフリー一歩手前のモーダルな演奏ということになるから,それこそMilesの薫陶を受けたDave Liebmanにとってはその音楽性を考えても,これはジャスト・フィットと呼んでいい作品集になることは間違いないところである。ということで,Liebmanには全く不安はなしであり,あとはバンドとしてのバランスの問題ってことになる。

そして,聞いてみれば,やはりこれは演奏としてはいいよねぇと思わせるものである。演奏はスリリングにして強烈であり,それだけなら文句はない。但し,いろいろな方がおっしゃっている音の今イチ感というのは,そもそもこのアルバムがMP3音源のリリースを優先するためのものだったのではないのかとうがった見方もしたくなるところである。

しかし,そうした点を差し引いても,Liebman,あるいはこのバンドらしい感覚が横溢していて,決して聞き易いサウンドとはなっていないが,ハイブラウなジャズだよねぇと言いたくなるような出来である。驚きはないし,予定調和的だと言ってしまえばその通りだが,これだけやってくれれば,私には嬉しい作品であるし,十分に楽しめた。正直なところもう半星つけてもいいが,星★★★★ってところにしておこう。尚,日本盤ボーナス・トラックはLiebmanとBeirachのデュオによるライブ音源。

いずれにしてもやっぱり好きです,このバンド。日本には...来ないだろうなぁ(笑)。

Recorded in February 2011

Personnel: Dave Liebman(ts, ss), Richie Beirach(p), Ron McClure(b), Billy Hart(ds)

2013年1月22日 (火)

Brad Mehldauの楽歴を振り返る:その3 ~アンサンブル重視のノネットの一員として~

Anthony_wilson "Anthony Wilson" Anthony Wilson (MAMA Records)

Brad Mehldauの楽歴を振り返るシリーズの第3弾は,彼としては異色と言ってよいノネット編成のアルバムである。リーダーのAnthony Wilsonは今でこそDiana Krallのバックのギタリストとしての方が有名かもしれないが,元々はバンド・リーダー,Gerald Wilsonの息子として作編曲にもその才能を発揮していた人である。1995年にはMonkコンペティションの作曲部門で優勝しているしねぇ。そのWilsonがデビュー作としてリリースしたのが本作。

ホーンに参加しているメンツには,ビッグバンド系の音源でよく見る人たちが顔を揃えているが,その中ではBrad Mehldauだけがやや異色な感覚が強い。そもそもAnthony WilsonとBrad Mehldauの関係はよくわからないところだが,このアルバムが吹き込まれた頃には既にワーナーからリーダー作もリリースしていたMehldauが,なぜこうした作品に参加したのかは非常に興味深い。ここではアンサンブル重視の演奏とも言える中で,比較的楚々とした演奏に徹しているMehldauだが,ソロ・パートでは結構軽快なフレージングを聞かせている。いずれにしても,何でも器用にこなすものだと思わせるが,だからと言ってMehldau目当てにして買うと,そのキャリアにおける本作の異色感が際立つと言ってもいいかもしれない。まぁ,高校時代などにはビッグバンドでの演奏経験もあるようであるから,こういうのもありなのかなぁって感じだが,彼の楽歴を振り返っても,プロになってからはこういう編成はこれ一枚限りのはずである。

アルバム全体を通して聞いてみれば,ハイライトはBennie Wallaceが一曲だけ参加した"Southern Generation"になるのだろうが,全体を通しても良質なアンサンブルを聞くことができて,特にこうした演奏を好むリスナーには相応に評価されるものと思う。Wilsonに関して言えば,作編曲のみならず,ギタリストとしてもいけているところを感じさせる。だが,Brad Mehldauの演奏だけを考えれば,彼の個性が十分に発露できる編成ではないが,"Do Nothin' till You Hear from Me"のイントロやバッキングなんてさすがと思わせる演奏となっているのは立派である。

だとしても本作はMehldauのキャリアでは変わっている方の部類に入るであろうから,この記事で関心を持って頂いたとしても,購入する場合にはそうした点に留意する必要がある。私のような追っ掛けには必須アイテムだが,単純にMehldau目当てで購入するようなものではないと思える。そうは言っても演奏自体は悪くないので星★★★★には値する。よって,本作はMehldau云々に左右されず聞くのが本来の姿だろう。

それにしても,Wilsonのオリジナルが「カラオケ」だの「パチンコ」だってのはどういうことなのやら...。

Recorded on February 26 & 27, 1997

Personnel: Anthony Wilson(g), Carl Sanders(tp, fl-h), Ira Nepus(tb), Louis Taylor(as, ss, ts, cl), Peter Christlieb(ts, b-cl), Jack Nimitz(bs, b-cl), Brad Mehldau(p), Danton Boller(b), Willie Jones III(ds), Bennie Wallace(ts)

2013年1月21日 (月)

私にとってはYellowjacketsと言えばこれが一番

Yellowjackets "Four Corners" Yellowjackets(MCA)

今も現役で活動を続けるYellowjacketsであるが,私は正直言って,Bob Mintzerが得意ではないので,彼が加入してからのYellowjacketsの音楽にのめり込めない感覚を持っている。それは90年代のGRPレーベル時代からそうなのだが,その一方で,私にとってはYellowjacketsのアルバムとして最もいけていると思わせるのがこのアルバムである(と言って全部聞いているわけではないが...)。

このアルバムは正直言って,かなりハイブラウな曲や演奏が多い。Yellowjacketsは決してポップなバンドだとは思わないが,これはハイブラウさは相当なレベルである。冒頭の"Out of Town"からしてWeather Report的なテイストによるコンテンポラリーなジャズ・サウンドだし,それに続く"Wildlife"ではワールド・ミュージック的な響きを聞かせているところも後のZawinul的な感覚である。最初からがこんな感じなので,決してこれはスムーズ・ジャズではないし,私にとっては聞き流すことが難しいクォリティを持っていると思う。全編がそういった感覚を持っていて,これはかなりカッコいい音楽だと言えると思う。

その一方で"Mile High"のようなこの時代には受けがよかったであろうと思わせるサウンドもあるにはあって,一瞬,Rippingtonsか!?と言いたくなってしまうのもご愛嬌というところである。彼らとしては本音はハイブラウに徹したいと思っていたのかもしれないが,セールスを考えれば,こういう曲も入れざるをえないという判断が働くのも仕方ないだろう。ましてやWeather Reportに勝てるわけではないから,差別化が必要なのだ。ということで,アルバム後半は比較的スムーズな曲調も増えてくるのは事実だが,それでも軟弱というところまではいかない。そうは言っても"Out of Town"がやや突出した響きを持っているのは事実だが...。

繰り返すが,私はBob Mintzer加入後のどのアルバムよりもこのアルバムの方がいいと思っている。それは実のところ,"Out of Town"がそう思わせるのかもしれないし,単に私の好みというところもあるが,リリースから25年ぐらい経過してもそんなに古臭さを感じさせないところは非常にいいと思う。私個人としては結局このバンドにはBob MintzerよりもMark Russoの方が合っていたと思うのだが,そのRussoはこういう方向性は違っていると感じていたのかもしれない。

いずれにしても,久しぶりに聞いてもこのアルバムはやはり好きだった。質のよいフュージョン・ミュージックとして星★★★★。

Personnel: Russell Ferrante(key), Jimmy Haslip(b, vo), Marc Russo(as, ss), William Kennedy(ds, perc), Alex Acuna(perc, vo), Bill Gable(cello, perc, vo), Brenda Russell(vo), Diana Acuna(vo)

2013年1月20日 (日)

今,改めて「サウンド・オブ・ミュージック」のサントラを聴く

Thesoundofmusic40thanniversary "The Sound of Music" Original Motion Picture Soundtrack(SonyBMG)

昨年末にカナダへ旅行した時に現地のホリデイ・シーズンということもあって,TVで「サウンド・オブ・ミュージック」を放映していて,この映画が好きな私はついつい見てしまったのだが,しょっちゅう入るCMにイライラさせられて,結局はiPadに格納してある映像で見直したのであった。

このブログにも何度か書いたが,私の人生で最も繰り返し見た映画はこの映画である。劇場でも何度も見たが,最も見たのはレーザー・ディスクでだろう。それこそ,一時期は毎週のように見ていたから,セリフもシーンもほとんど頭に入ってしまっているぐらいなのだ。ということで,私はこの映画のサウンドトラックを大昔に買って,それもそれこそ繰り返し繰り返し聞いていた。だが,ここのところはサウンドトラックを聴く機会はほとんどなかったのだが,昨年末の映画再見を機に,久しぶりに聞きたくなってしまったので,急遽ダウンロードしたのであった。

今回,私がダウンロードしたのは2005年の映画公開40周年記念盤で,オリジナルに加えて,長尺版の演奏,歌唱やオリジナルには未収録の音楽が含まれている。本当に久しぶりにこれを聞いたのだが,やっぱり完全におぼえている。初めて見たのが中学生の時で,それから40年近く経っているのだが,本当にすり込まれているのである。本当に好きだったということを改めて感じてしまった私である(今でも好きだが...)。

追加されているバージョンは長尺版に加え,トラップ大佐の邸宅で開かれたパーティにおける舞踏音楽等も含まれていて,これまた郷愁を誘うものであった。このサウンドトラックを聴いていて,どの曲も思い出深いなぁと感じつつ,やはり"Climb Every Mountain"は感動的な曲だと思ってしまった。特に修道院長を演じるPeggy Woodによる独唱シーン(実際の歌唱はMargery McKay)はiPadで映画を見ていて思わず涙してしまうぐらいだったし,ラスト・シーンにおいて再びこれが合唱されると,私は必ず涙を流すことになっているという条件反射が繰り返されてしまった。

やはりこの映画は家族向けに作られているとしても,曲もいいよねぇと思わせてくれるところが素晴らしい。こういう映画に純粋に感動していた私も昔は無垢だったねぇなんて,往時をしのぶわけだが,それでも私の人生において大きな位置を占める映画の音楽を改めて聞いても,やはりよかったというお話である。この音楽に関しては私には採点は不能というか,私の人生の一部であり,映画や音楽が好きでよかったと思わせてくれるものである。そして,甚だ余談であるが,今回久しぶりに映画を見直して,以前なら泣かなかったようなシーンでも涙した私は自分が歳を取ったとつくづく感じたのであった。私はただでさえ涙もろい人間だが,加齢によりそれに拍車がかかっている。まぁ,それはそれでいいんだけど(苦笑)。

ということで,再来年には映画公開50周年ということになるが,その時にはまた記念イベントでも開催されるんだろうなぁ。

2013年1月19日 (土)

"Whiite Rock":何だか寒いのでこんなアルバムを...

White_rock "White Rock" Rick Wakeman(A&M)

さすがに冬も真っ盛りって感じで,東京でも非常に寒い日が続いているが,そういう時には暖かくなるような音楽を聴いてもいいのだが,今日は季節ものである。それもかなりのイロもの(笑)。

本作はRick Wakemanが1976年のインスブルック冬季五輪の記録映画である同名映画のサウンドトラックとしてリリースしたものである。私は大昔,Rick Wakemanに入れ込んでいた時期もあるのだが,正直言ってソロ・アルバムって面白いものは数えるほどしかない。基本的には彼はYesのキーボード・プレイヤーとしてが最もアイデンティティを発揮するのであって,自我が前に出過ぎるとろくなことはないというのが実態である。そもそもRick Wakemanは濫作過ぎて,彼のアルバムをフォローする気にもないし,不可能と言ってもよい。そんな彼のソロ・アルバムにおける最高傑作は「ヘンリー8世の6人の妻」であることは間違いない事実であろうが,私がその次に評価しているのが本作である。

これにしたってロック的な快感を得られるかと言えば,それはおそらく違うだろう。これはあくまでもサウンドトラックとして楽しむべきものなのだが,それでも中にはきらりと光るフレージングを感じさせる部分もある。その一方で,Moogのサウンドだったり,その他のキーボードだったりが今となっては古臭さを感じさせるのも事実だが,本作はサウンドよりもメロディ・ラインを楽しめばいいように思える。

私は映像は見たことがないが,これならそこそこ映像とも合うのではないかと思わせるような鍵盤音楽という感じである。繰り返すが,今となっては相当古臭く響く部分もあるのは事実だが,ロック的な部分も多分にあって,これはこれで楽しめるアルバムだと思う。いずれにしても私がいまだに保有するRick Wakemanのアルバムはこれと「ヘンリー8世」だけなのである。ということで,本作に対する私の評価をご理解願えればと思うが,いずれにしてもちょいと仰々しいというのが本音である。まぁ,評価としてはそれでも星★★★☆ぐらいあげてもいいと思うのだが...(笑)。

それにしても,インスブルック冬季五輪で活躍した日本人って誰だったかなぁ。札幌の日の丸飛行隊のイメージが強過ぎて,インスブルックは記憶にあまり残っていない。Wikipediaで見てみたら,同大会では日本は6位以内の入賞者さえゼロという惨敗だったみたいだから,記憶に残っていなくても当然か。これはまさに札幌の燃え尽き症候群だったのかもしれないなぁ(甚だ余談)。

Personnel: Rick Wakeman(key), Tony Fernandez(ds, perc) with St Paul's Cathedral Choir

2013年1月18日 (金)

やっぱりPatti Smithのライブに行くことにした私...

Patti_smith 間もなくPatti Smithの来日公演が始まるが,どうしようと悩んでいても仕方ないので,やっぱり行くことにした。ライブの模様のご報告は追ってということにするが,その前に予習せねば。最新作"Banga"はもちろんのこと,ベスト盤"Land"で復習しておくことにしよう。しかし,オーチャードってのがちょいとなぁ。Patti Smithには合わないような気が...。まぁ,それでも来日への気分を盛り上げるため,彼女の著作である"Just Kids"の豪華本を発注してしまった私。アホだなぁと思いつつ,結構安く(と言っても書籍としてはかなり高いが)手に入るのでいいのである。だってサイン入りLimited Editionだもんね。

Just_kids_4 ちなみに,彼女のWebサイトには次のようなメッセージが...。ありがたいことである。ということで,みんなで行こう!凄い人だけにやっぱり楽しみだよねぇ。

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親愛なる日本の同志とファンへ

あの日以来。。。
2011年3月11日パティスミスとバンドメンバー全員が日本の皆の事が心からひと時も離れる事はありませんでした。
その日から二年目にあたる2013年1月、漸く震災の祈りを込め宮城県仙台市から悲願の日本公演を行う事ができます。
日本公演は仙台レンサ/東京AX/東京オーチャードホール/名古屋クワトロ/金沢8ホール/大阪なんばはっち/広島クワトロそしてラストは福岡ドラムロゴスです。
この全てのコンサート会場で募金箱を設置します。
この度の震災では沢山の将来への希望にあふれた子供たちが大切な母親や父親または両親を失いました。
募金が確実に届く為そして目に見える形になる様に福島県福島市の児童養護施設 青葉学園に直接渡します。
パティの児童養護施設への訪問も考えています。

http://www.kosodate-web.com/aobagakuen/
それぞれのコンサート会場では一口¥250円で寄付ができ番号札を渡します。(お一人何口でもどうぞ!パティスミスからの世界で一つだけのロックな貴方へのギフトをゲットする確率倍増です)
パティスミスからのサイン入りカスタムメイドのドラムヘッドは各都市のコンサート会場で違う物でありパティ自ずから造った世界で一つのアートワークの日本へのギフトが完成しました。
このギフトの当選者はコンサート終了までにお伝えします。
パティスミスとバンドメンバーからのパンクの愛にあふれた震災で親を亡くした子供たちへの支援のサポートを一緒に力になってください。
震災で壊れた建物の修理や子供たちが楽しみにしている砂場遊びの為の土壌汚染処理などになんらかのサポートになる寄付を通してギフトを貴方にも。。
日本公演でのこのドネーションという試みにサポートと賛同をよろしくお願いします。

念願の日本公演でより多くの同志達に逢える事を楽しみにそしてロックな愛を人々に分け与える事を胸に 
"People have the Power "

愛を込めて

パティスミスとバンドより

2013年1月17日 (木)

静岡にて食したもの

Photo_3 昨日に続いて,静岡ネタである。今回の静岡出張中に食したものについて書いておこう。出張の同行者が地元の人から情報をゲットしてくれていて,訪れたのが「乃だや」さん。後で調べてみたら,結構有名な店である。私は出張先では原則としてローカルな食べ物と,ローカルな酒をいただくことにしているが,昨日はまず静岡おでんからスタートである。

Photo 静岡おでんは「牛スジ等を煮込んだ黒い汁とサバやカツオなどの削り節と青海苔粉を使用するダシ粉のトッピングが特徴で,汁はやや甘口」ということになるらしいが,「乃だや」さんでは煮込んだ具材を味噌につけて供するというものであったが,味噌の甘みとダシ粉の風味が相俟って,普通のおでんとは違う味を楽しむことができるというもの。どれもうまかったのだが,私はその中でも柔らかさ加減と味の具合が絶品の味噌かけ大根が特に好きであった。牛スジもよかったが,この大根は絶品であった。ちなみに,大根はほかの具材とは別に煮込むのが静岡流だそうである。

Photo_2 おでんはおでんでうまいのはもちろんだが,その他の料理も大変おいしかった。その中で,地元の日本酒にベスト・マッチだと思ったのがまぐろのつんつん和えである。「つんつん和え」と聞いても何のこっちゃということで,ご主人にそれって何ですかとお聞きしたところ,静岡名物わさび漬けでまぐろを和えたものということである。なんで「つんつん」なのかと言うと,ワサビでつ~んとするからだそうである。私の場合,わさび漬けと言うとバカの一つ覚えのように,かまぼこと一緒にいただくのが主であり,何かと和えるというのは想定もしていなかったのだが,これはまじで最高である。ちょいと辛口の酒に合うことこの上なしなのだ。ということで,ここにどの程度醤油を加えて和えるかがカギになるだろうが,作るのは簡単そうなので,近々挑んでみたいと思う。ご主人曰く,この料理にはまぐろは脂の少ない赤身がいいそうである。早く作りた~い(笑)。

ということで,現地到着が遅かったので,お店には閉店まで1時間半ほどお邪魔しただけだったが,また行きたくなるナイスなお店であった。ご主人も気さくな方で,ついつい私のお喋りの量も増えてしまった。いずれにしても,大変おいしかった。ごちそうさまでした。

2013年1月16日 (水)

本日出張中。

現在,私は出張で静岡滞在中である。しかも最初に茨城県某所に出向いたあと,翌日朝一番の仕事に備えるために静岡にやって来るというまさに行ったり来たりモードである。基本的に私にとっては静岡は日帰り圏なので,宿泊そのものが珍しいのだが,今回はローカル・フードも食べられたし,それなりの役得は得られた。

食については改めて書くかもしれないが,今回,笑ってしまったのが地元の天気予報であった。これほど語りが事務的というか,感情が感じられないのも珍しい。あいにくナレーターが誰とは認識できなかったが,当地のチャンネルは5,「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」の後の天気予報である。アナウンサーが芸能人化する中,この事務的な響きはある意味潔くさえも感じられ,実はほとんど感動していた私である。これぞアナウンサーのあるべき姿とは言わないが,本当に新鮮であった。

こんなことに感動するのも,ローカルのうまいもの,うまい酒をいただいてええ感じになっている結果ではあるが,それでもこの天気予報にはついつい笑ってしまった私である。いろいろなことを踏まえれば,これなら静岡移住もOKよって言っておこう(ほんまか?!)。

2013年1月15日 (火)

Keith Jarrettの異色作ついに再発さる

Hymns_spheres "Hymns / Spheres"  Keith Jarrett (ECM)

LPで2枚組としてリリースされたものの,CD化された際には大幅カットの1枚ものとなっていた本作がようやくオリジナル・フォーマットでリリースされたのが昨年の12月のことであった。本作はKeithがパイプ・オルガンを弾いているということもあって,私はこれまでずっと本作には手を出さずに(かつ耳を貸さずに)きたのだが,今回購入,初鑑賞となった。

私は教会音楽も好きだし,バッハをはじめとするオルガン音楽は結構好きである。バッハなら「シューブラー・コラール」,Simon Prestonのイギリスのオルガン音楽のCDも昔はよく聞いたものだ。だから,オルガンだからと言って無条件に拒絶することは決してないのだが,それがKeithとなるとやや抵抗があったのは事実である(かつ,昔はKeith嫌いだったという事実...)。だが今回,初めて聴いてみて案外すんなりと受け入れることができた。特に冒頭の"Hymn of Remembrance" の美しさに,これはいけると思った私だが,徐々にトーンは現代音楽的な要素を増していく。世の中ではメシアン的とも評されることの多い本作だが,いずれにしてもジャズ的な要素は極めて希薄であり,一般のジャズ・ファンにはややハードルが高いだろう。

だが,現代音楽的な響きは最近のKeithのソロ・ピアノにも感じられるのであって,そうした演奏に抵抗がないならば,十分鑑賞にはたえるものと思える。そうした中で,誤解や批判を承知で言ってしまうと,このアルバムを聞いていて,何だかプログレを聞いているみたいだと感じる瞬間があったと告白しておこう。あくまでも感覚的なものなのだが,そう感じたものは仕方がない。例えばYesのRick Wakemanはアルバム"Going for the One"でオルガンを結構多用したが,そこでの感覚に近いように思えたのである。KeithとWakemanでは水と油みたいなものだが,クラシック的な要素や現代音楽の吸収のような部分で若干の接点があるのではないかなどとアホな妄想をしてしまった私である。まぁオルガンの響きが近いだけって話もあるが...。

話がとんでもない方向へ向いてしまったが,それでも本作が異色作であることには間違いなく,その辺りが本作が辿ったその後の道程を生み出したことも,ある意味自然のようにも思える。いずれにしても本作をしてKeithの代表作などと言うつもりはないが,こうした活動になぜKeithが取り組んだかということを考えると興味深い気がする。ということで,評価は簡単ではないが,私はこういうKeithも決して嫌いではない。カテゴリーを考えず,純粋音楽として星★★★☆ぐらいとしておこう。でもやっぱりKeithにはピアノの方が似合っていると思うのは私だけではあるまい。

Recorded in September 1976

Personnel: Keith Jarrett (org)

2013年1月14日 (月)

ここのところ,音楽をまともに聞いていないのでまたまた旅の途中で見た映画:その3

Photo 「赤穂城断絶」('78,東映)

監督:深作欣二

出演:萬屋錦之介,千葉真一,渡瀬恒彦,三田佳子,西郷輝彦,金子信雄,三船敏郎

主題の通りである。世の中三連休,私も休みではあるのだが,なかなか音楽を聴いている余裕がなく(これにはいろいろわけがあるのだが,追って明らかにしていきたい),本日もまた,旅の途中で見た映画シリーズとなった。3本目は懐かしの「赤穂城断絶」である。私が旅に出たのが12月ということもあったのだろうが,この映画,お馴染み「赤穂浪士」の話である。そうでなければ,機内エンタテインメントでこうした映画がかかることはなかろう。錦之介が大石内蔵助,金子信雄が吉良上野介を演じ,キラ星のごときスターたちがストーリーを彩るというのは予定調和と言ってしまえばその通りであるが,まぁ,それはそれでいいのである。

だが,この映画をやや異色なものにしているのが,近藤正臣と原田美枝子が演じる橋本平左衛門夫婦の話であろう。これで,一気に単なるチャンバラ映画とは違うものになったと言ってもよい。詳細はネタバレになるので書かないが,正直なところ,陰鬱な気分にさえなる逸話だと言ってもよい。お馴染みの話だけに,脚本にも工夫を加える必要があったということだろうが,これによりチャンバラの持つ「スカッと」感は犠牲になった。だが,その一方で千葉真一演じる不破数右衛門対渡瀬恒彦演じる小林平八郎の対決でアクション的なところも織り込んであって,やはりチャンバラ好きな私にとってはこういう方が楽しめるものだったと言ってよい。いずれにしても,私の年代の人間にとっては出ている役者陣も馴染み深いし,星★★★☆ぐらいにはしておきたい。結局居眠りもすることなく見通したのだから,それなりに面白かったのである。

だが,この映画で最もカッコよかったのは誰かと言えば,間違いなく三船敏郎であろう。完全にゲスト出演的な位置づけでしかなく,花を持たされている感も強いが,それでも三船演じる土屋主税は実際の討ち入りの際に,「赤穂浪士による吉良邸討ち入りが始まると、浪士たちからの申し状を聞き入れ、吉良家には加勢しないことを約束。逆に塀に沿って灯りを掲げ、その下には射手を侍らせ、堀を越えてくる者があれば誰であろうとも射て落とせと命じている」という逸話があるそうだから,映画でもまんまその通りのシナリオで三船の登場である。それが様になっていることこの上なく,さすが三船とつくづく思ってしまった私である。一瞬で目を引き付ける魅力が三船にはあったことを痛感させられる役回りであった。これを三船が出ている見て往年の黒澤作品を見たくなってしまった私であった。

もちろん,主役の錦之介は相応に大石を演じているが,私には彼の芝居はちょっとアクが強いかなぁって気がするのはご愛嬌。 

2013年1月13日 (日)

旅の途中で見た映画:その2

Image

「ローマ法王の休日("Habemus Papam")」('11,伊/仏)

監督:Nanni Moretti

出演:Michel Piccoli, Nanni Moretti, Jerzy Stuhr, Renato Scalpa

昨年の旅の途中で見た映画の二本目は欧州映画である。この映画は日本経済新聞の金曜夕刊シネマ万華鏡で最高点の5つ星を獲得していたものの,見るチャンスに恵まれなかったので結構期待して2本目にチョイスしたものである。結果としては相応に楽しめたというのが実態だが,好き嫌いは分かれそうだなという感覚だった。なんせテーマがローマ法王(正確には教皇)を選ぶ「コンクラーヴェ」である。カトリックに関係なければどうでもいい話だからである。だが,私は常に鞄にロザリオをしのばせる人間である。キリスト教的文化や思想には相応の理解をしているつもりなので,私にとってはそうなのか〜っていう感覚が強かった。

実際のコンクラーヴェはどうなのかはよくわからないが,そういうこともあるかなぁって気がしてしまう映画であった。何せ全世界のカトリック教徒のトップに位置し,とんでもない権威を持つのだから,この映画におけるMichel Piccoliのような気分になっても仕方がない部分もあろうと思わせる。逆に言えば権力欲プンプンの何処かの国の政治家にはこの映画なんてわかるまいと思ってしまったのだ。

映画としてはわけのわからないシーンもあって,全面的には首肯できない部分もあるから,5つ星に相当するとは言い切れないが,それでもこうした映画が撮られるのがヨーロッパらしいと思わせる。かつ,この映画のエンディングがアメリカ映画ならこうはならないだろうというものなのが珍しい。そんな要素も含めて,私は星★★★★ぐらいにしてもいいと思えた。シリアスさとコメディ的なものをうまく組み合わせているとも言えるのだが,これは宗教感の異なる日本ではちょっと難しかったのかなと考えざるをえない。

2013年1月12日 (土)

今回のオスカー・ノミネーションについて思う。

先日,今年のアカデミー賞の候補作が発表されたが,作品賞はまぁ下馬評通りと言えると思うが,「アルゴ」を高く評価する私としては,Ben Affleckが監督賞にノミネートされなかったのはどうにも納得がいかない。これまた評価の高かった「ゼロ・ダーク・サーティ」を撮ったKathryn Bigelowは「ハート・ロッカー」で受賞済みだからまぁ今回はいいかって感じがしないでもないが,Ben Affleckの落選はちょっと可哀想な気がする。Affleckは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」で脚本賞を取ってはいるが,今回は作品の出来がよかっただけにノミネートぐらいはして欲しかった。

一方,演技陣は全部作品を見ているわけではないし,これから日本公開という作品も多いので何とも言えない部分はあるが,予想通りAnne Hathawayが「レ・ミゼラブル」でめでたく助演女優賞にノミネートである。私としてはHathawayの受賞は固いと思うが,助演男優賞はBen Affleckが監督賞候補からはずれただけに,「アルゴ」のAlan Arkinに是非とも取って欲しいと思う。ただ彼も「リトル・ミス・サンシャイン」で受賞済みだけにその辺がどうかというところか。

ちょっと面白そうなのが主演男優賞。世評では「リンカーン」のDaniel Day-Lewisで決まりみたいになっているが,Hugh Jackmanが「レ・ミゼラブル」での歌いっぷりをどう評価されるか。Jackmanには,その出演作の系譜からするとオスカーのチャンスはなかなかなさそうなことを考えれば,心情的にはJackmanを応援したくなっている私である。でもちょっと厳しいかな〜。

今回は「リンカーン」の12部門ノミネートが最多だが,今年については一作の一人勝ちというより,受賞作がばらける可能性が高いように思える。いずれにしてもその前哨戦となるゴールデン・グローブの結果が非常に気になるところである。

いずれにしても私は作品賞,助演男優賞と脚色賞は「アルゴ」にしたいところ。エンタテインメントとしての映画の質からしてもそれぐらい私の評価は高い。ちょっと肩入れし過ぎ?いずれにしても,これから公開の作品についてもちゃんとフォローしたいと思うので,2/24の授賞式までには見解も変わっているかもしれないが(笑),でも頑張れ「アルゴ」なのである。

2013年1月11日 (金)

"ECM: A Cultural Archaeology":ECMファンはマストの書籍

Ecm_2 "ECM: A Cultural Archaeology" Okwui Enwezor / Markus Mueller

ブログのお知り合いの工藤さんがご紹介されていて,私も早速発注したものがようやくデリバリーされた。この書物は現在,ミュンヘンの近代美術館であるHaus der Kunstで開催されている同名の展覧会のカタログとして発行されているものと思われるが,写真やデータなどを満載して,ECMレーベルのファンならば,必携の書物と言ってよいだろう。私が入手したのは工藤さんの情報に基づいて英語版であるが,デリバリーされた時はでかい箱に入ってきたので何事かと思ったのだが,確かにこれは重いし,分厚い。そして美しい。

Ecm_echibit_2 Haus der Kunstではこの展覧会が2月まで開催されているようだが,付随してコンサート・シリーズも開催されていて,行ってみたいなぁと思わせるものが並んでいる。いずれにしてもこれは時間をかけて眺めているだけでも幸せになれそうな書物である。

Ecm_exhibit ついでにHaus der KunstのWebサイトに展覧会の模様の写真もアップされていたので,そちらもついでに貼り付けてしまおう。おしゃれな感じだよなぁ。

2013年1月10日 (木)

行方不明だった「パラダイス・ロスト」を発見

Photo 「パラダイス・ロスト」 柳広治(角川書店)

買ったはずだと思いつつ,現物が全然見つからなかったのだが,枕元をひっくり返したらあった,あった。ということで,いかに日頃からだらしない生活を送っているかがバレバレである。ともあれ,柳広治の「ジョーカー・ゲーム」シリーズも第3作となったが,今回もいかにもこのシリーズらしい短中編が集められており,相応に楽しめる。

だが,毎度毎度同じような「D機関」の紹介的な表現が出てきたり,このシリーズを読んでいる読者にとっては「そんなもん,わかっとるわ!」と言いたくなってしまうのはやや印象が悪い。このシリーズは「はぁ~,そう来ますか」というような一種のひねりを含んだストーリーが楽しいのだが,それもややこの第3作では薄れてきた印象がある。

安心して読めるし,一編が手頃な長さなので,読むのは風呂場でも通勤電車でもOKという便利な書物ではある。そうした点を考慮したとしても,もうそろそろ打ち止めでもいいかもなぁなんて思わせるような出来である。もちろん,ストーリーはいかようにでも展開できるだろうし,本来の主役たる結城中佐の登場シーンやエピソードを増やせば,まだまだシリーズは続けられるものと思えるが,そろそろ長編に挑んでもいいのではないかと感じる一方,この長さゆえのよさというところも感じていて,う~む,微妙だ。

エンタテインメントとしては十分楽しめるが,「ジョーカー・ゲーム」ほどのインパクトは感じられなかったというのが正直なところであり,星★★★☆。いずれにしても,何らかの新機軸は必要になっているように思えた一作。

2013年1月 9日 (水)

Brad Mehldauの楽歴を振り返る:その2 ~Jesse Davisのサイドマンとして~

Jesse_davis "Young at Art" Jesse Davis(Concord)

「Brad Mehldauの楽歴を振り返る」シリーズの第2回は彼の比較的初期のサイドマンとしての吹き込みである。Mehldauのプロとしての初レコーディングはChristopher Hollydayの"Natural Moment"(こちらについては既に記事をアップ済み)であるが,それが91年1月の録音であるから,それからほぼ2年後の演奏である。その間にはPeter Bernstein,Grant Stewartのアルバムへの参加もあるが,ここでは2年間での変化に注目して聞いてみた。

リーダーのJesse Davisというのはあまり目立たないというか,典型的なバップ・プレイヤーゆえに,今の時代に訴求するのは必ずしも容易ではないように思える。だが,このアルバムでもわかる通り,アルト・プレイヤーとしての実力はかなりのものであり,Concordレーベルに結構な枚数のアルバムを吹き込んでいるのも宜なるかなって感じである。だが,Concordを離れてからのレコーディング・キャリアは必ずしも順風満帆とは言えないところに,彼の難しさが現れているように思える。それでもSmalls Liveからもアルバムは出しているし,現役で活動は続けているようである。

それはさておき,ここでのBrad Mehldauはどうか。アルバムそのものがバップ・フレイヴァーが強いものであり,Mehldauは「それなり」に弾いているという感覚である。ただ,この段階で傾聴に値するピアノを聞かせているかと言えば,必ずしもそうとも言えない。聞いていて耳がそばだたないという感じなのだ。もちろん,水準はクリアするプレイぶりではあるが,やはりまだ明確なアイデンティティのようなものは感じられない。そうした中で"I Love Paris"におけるピアノ・ソロなどにはその実力の片鱗や両手弾きの萌芽が感じられるのも事実である。こういうピアノを生で聞いていたら,おそらく注目すべき新人ということになっていたはずである。それは私がまだ10代だったChristian McBrideを初めて見た(聞いた)時の感覚に近いものになっていたのではないかと思う。だが,その一方でソロはいいのだが,コンピングには生硬さも感じさせて,まだまだこの段階では才能を完全に開花させてはいないってところか。もちろん,吹き込み当時,まだ22歳の若手なんだから,完全なプレイをされても困ってしまうが...(苦笑)。

ここにPeter Bernsteinのギターが加わらず,Jesse Davisのワンホーンであったら,もう少し印象も違っていたかもしれないが,こういうコンベンショナルなタイプの音楽はMehldauのその後の音楽的な方向性を考えると,必ずしも合っていないように思えるのは仕方ないが,いずれにしてもまだまだ修行中というところを感じさせる演奏である。スタンダードはさておき,Jesse Davisの書くオリジナルが悪くはないとしても,あまり印象に残らないということもあって,私のこのアルバムのプレイバック率は相当低いのだが,久しぶりに聞いてみてもやはり印象は曖昧なままである。改めて聞いても星★★★ってところが精一杯。いずれにしてもまだまだ若いねぇ。

Recorded on March 24 & 25, 1993 

Personnel: Jesse Davis(as), Brad Mehldau(p), Dwayne Burno(b), Leon Parker(ds), Ted Klum(ds)

2013年1月 7日 (月)

Herbie Hancock Dance Singles:仕事に復帰を控えてグルーミーな私にはこの程度の軽さが必要ね(笑)。

Dance_singles "Dance Singles" Herbie Hancock (CBS Sony)

長い休みも遂に終わり。いよいよ仕事に復帰を控えた私だが,気分は全然臨戦態勢になっていない。ということで,頭はモヤモヤ,気分はグルーミーなまるで日曜夜の「サザエさん」を見ている小学生のようだが,こういう時には気軽に聞ける音楽に限るということで,中古で拾ってきたHerbie Hancockのダンス・チューン的なシングルを集成したコンピレーション・アルバムである。

冒頭こそ"Rock It"で,Hip Hop的なノリも示すが,その後はブラコン路線と言ってもよい曲が並んでいて,これは軽い。シングル・エディットなので,肝腎のHerbieのソロがカットされていたりして,ジャズ的な観点で捉えれば,そりゃいくらなんでも...って声が上がっても仕方なかろう。しかし,Herbieの全方位的な音楽性を考えれば,こういうのもありかなぁなんて思いつつ,気楽にノッてりゃいいじゃんというところである。

それにしても,本作に収められているアルバム群というのはジャズ・フィールドからはかなりの確率で無視されるもので,私も"Future Shock"と"Sunlight"を除けば,ちゃんと聞いたことがないから,今,こうしてコンピレーションで聞いてみると,「へぇ~,こんなことまでやってたのねぇ」となってしまうような音源も多々あって,思わず苦笑してしまう部分もある。だが,前述の通り,堅苦しい雰囲気で聞くようなものではないので,これはこれでいいだろうという感じである。一番笑ってしまったのが"Sound System"に収録されていたらしい"Hard Rock"(笑)である。これこそ,"Rock It"の二匹目のドジョウ狙いも露骨なナンバーである。さすがにここまでいくとやり過ぎだろうと思いつつ,あまりの露骨さ加減に実は受けていた私であった。

というようなこともあり,ここでの演奏がジャズ・ミュージシャンとしてのHerbie Hancockの魅力を示すものだとは思わないが,妙な懐かしさを感じさせるところもあって,結構楽しんでしまった私である。ということで,採点するような音楽ではないということで,ここはあくまでも気楽に聞き流した私である。Herbieの本当のグルーブを楽しむなら「洪水」を聞いた方がいいに決まっているが,まぁ,これも私の気まぐれってことで。

参加ミュージシャンが多いので,パーソネルも省略という完全手抜きモードだが,その程度の対応で十分なアルバムである(笑)。これで仕事をする気になるかというと大いに疑問だが,まぁ軽く行きましょう(爆)。

2013年1月 6日 (日)

今年最初の映画は「レ・ミゼラブル」:泣いた!

Les_miserables 「レ・ミゼラブル("Les Miserables")」('12,英,Universal)

監督:Tom Hooper 

出演:Hugh Jackman,Russell Crowe,Anne Hathaway,Amanda Seyfried,Samantha Barks

今年は劇場で24本以上映画を見るぞ~という年頭の目標がある中,今年最初の映画に選んだのが「レ・ミゼラブル」である。これはユーゴーの原作「ああ無情」でもミュージカルの舞台でも著名なテーマであるが,本作はミュージカルを映画化したものである。まず,その点で引っ掛かりをおぼえてはこの映画については否定的にならざるをえないが,私のように,人生で最も繰り返し見た映画が「サウンド・オブ・ミュージック」という人間には全然問題ない。だが,全編に渡ってほぼ歌だけで,セリフ回しがほとんどないというのには若干驚いたが,現代におけるオペラだと思えばそれでよい。

テーマがテーマであるし,泣かせてもらえるだろうという期待のもとに劇場に行った私だが,いやはや何ともよく泣かせてもらった。エンド・ロールは涙を乾かすためにあったと言っても過言ではない。泣けてきて,体まで震えたというのは久しぶりであった。それぐらい単純に感動できる映画である。

見どころはいくつもある。だが,私を最も泣かせたのはSamantha Barks演じるÉponineによる"On My Own"の絶唱である。劇場内でも嗚咽がもれていたが,私もほぼ同様の反応を示してしまったこれぞ泣ける「名唱」であった。ロンドンの本家ミュージカルで同役をこなしてきたことはあると思わせる素晴らしい感情表現ぶりで,これで泣かずに,何で泣くと思ってしまった私である。一般的にはAnne Hathawayの素晴らしい演技,歌唱の方が話題になるだろうが,より私の琴線を刺激したのはこの"On My Own"の方だと言っても過言ではない。

だが,一方のAnne Hathawayも凄い。体重をそぎ落として,絶唱する"I Dreamed a Dream"はまさに心を揺さぶるものであり,おそらくはオスカーにおいては助演女優賞にノミネート確実,かつ受賞も有力と思わせる一世一代の演技,歌唱と言ってもよい。彼女がこれほど歌える人だと思わなかったが,これは本当に素晴らしい。これが「ダークナイト・ライジング」においてキャット・ウーマンを演じたHathawayと同じ人だということ自体が信じ難いのである。

歌えるということで言えば,Hugh JackmanもRussell Croweも大したものだと言わざるをえないが,一芸に秀でるものは二芸,三芸も持つということか。とにかく,彼らがここまで歌うとは想定していないだけに,これが全編音楽劇だとわかると,本当に驚かされる。

もちろん,映画的に言えば,もう少し映像らしいダイナミズムがあってもいいように思えないこともないが,そんなことはどうでもいいと言いたくなるような感動作。一方,これを見れば,次は舞台を見たくなってしまうのではないかという,新たなメディア・ミックスのようなものさえ感じさせる。私は舞台版は見たことはないが,映像がこうなら,舞台はどうなるのかと実は関心を抱いてしまったのだから,同様に感じる人がいても不思議はない。今年には帝国劇場で新演出版の上演が決まっているだけに,そうしたメディア・ミックス的狙いを感じると言っては身も蓋もないが,でもちょっと見てみたいと思ってしまっている私である。まさにプロデューサーの狙い通りの反応を示しているようだが,まぁ,それも許されるような映画だったのだ。

ともあれ,劇場で涙を流すことに私はカタルシスを感じるとこのブログでも書いてきたが,そうした経験を心おきなくさせてもらえたということで,新年早々,気持ちよく劇場を去ることができた。こういう映画に素直に感動するという心を忘れたくないと思う。最後に繰り返すが,Samantha Barksの"On My Own"である。これで泣かずに,何で泣く!この歌に対する評価もあって,甘いの承知で星★★★★★。但し,これもオスカーにはノミネートされるだろうが,私としてはオスカーには「アルゴ」を推したいところ...(笑)。

2013年1月 5日 (土)

今年一発目の新譜情報:Sam Rivers盤が素晴らしい

Sam_rivers "Reunion: Live in New York" Sam Rivers / Dave Holland / Barry Altschul (PI Recordings)

今年はどの程度新譜を購入するのか予想ができないところであるが,基本的にこの時期はリリースがスローな時期なので,これはっ...というアルバムに出会うことはあまり多いとは思えない。だが,新年早々に仕入れてきたアルバムが非常に素晴らしい出来で嬉しくなってしまった私である。 

その作品は2011年にこの世を去ったSam Riversが,2007年に行った演奏のライブ・レコーディングである。本盤の実際のリリースは昨年の秋口のようなので,最新盤ということではないが,全然これまで情報が引っ掛かってこなかったこともあり,ここでは新譜扱いとさせて頂くこととする。本作は2007年にコロンビア大学の学生が運営するFMステーション,WKCR主催で行われた"Sam Rivers Festival"での演奏の模様だそうだが,学生が運営するFM局があって,しかもそれが主催しているのが"Sam Rivers Festival"ってのはコマーシャリズムからこれほど乖離したものもないわと思わせるものと言ってもいいかもしれない。だが,こうしたイベントそのものが開催されること自体が非常に素晴らしいことであるし,ここで演奏した3人も,聴衆の期待に十分応えた演奏を繰り広げている。ここでの演奏はおそらく完全即興と思われるが,ここまで緊密なコンビネーションを成し得たこと自体が素晴らしい。ここでの演奏を聞いて,この3人が一堂に会するのが25年振り以上のことだったと信じられようか。

Sam Rivers,Dave Holland,Barry Altschulの3人と言えば,私が思い出すのはECMレーベルにおける"Conference of Birds"であるが,そこにはAnthony Braxtonが加わっていたから,このトリオってわけではない。そのアルバムも久しく聞いていないが,そちらはCircle - Chick Corea+Sam Riversなわけで,まぁ録音時期からしても,Braxtonがいることからしても,フリーになるよなぁって感じだが,ここでの演奏はフリーというよりも,前衛と伝統がうまくミックスしたバランスの取れた演奏と言えると思う。Sam Riversは印象としてはよりフリーなアプローチを取りそうな感覚があるが,ここでの演奏はフリー的な展開は見せつつも,調性の枠から完全に逸脱しているわけではないところに,何とも言えないスリルを生み出しているわけである。まぁ,Milesが初来日時にSam Riversを連れてきているわけで,そうしたところからもコンベンショナルな部分も兼ね備えたミュージシャンという評価も成り立つから,そうした演奏が聞けるのは当然だとしても,これは予想以上に素晴らしい演奏群である。

そして驚いてしまうのが,Sam Riversの弾くピアノが意外にもいけているということであり,更にはフルートの音色もなかなか素晴らしいものがあるという点である。そして,そこにDave Hollandのベースが相俟ってこの手の演奏が好きな人間にはたまらない出来になっていると言えると思う。Barry Altschulって人は実は私はよくわからないドラマーであるが,それでもバンドとしてのバランスを維持するには十分な仕事ぶりである。

これが私が今年最初に仕入れた複数のアルバムの一つだったわけだが,それがこういう素晴らしい演奏だと,今年も春から縁起がいいわいとでも言いたくなってしまう。決してくつろぎを与えるような音楽ではないが,ジャズの持つ即興音楽としてのスリルを見事に切り出して見せたことにこの3人のミュージシャンの高い創造性を感じざるをえない。万人受けはせずとも,見逃すにはあまりに惜しい傑作。星★★★★★。いや~,これはよい。

Recorded Live at Miller Theater at Columbia University on May 25, 2007

Personnel: Sam Rivers(ts, ss, fl, p), Dave Holland(b), Barry Altschul(ds)

2013年1月 4日 (金)

旅の途中で見た映画:その1

2 「エクスペンダブルズ2("The Expendables 2")」('12,米,Lions Gate 

監督:Simon West

出演:Sylvester Stallone, Jason Statham, Jet Li, Dolph Lundgren, Jean-Claude Van Damme, Bruce Willis, Arnold Schwarzenegger, Chuck Norris

先日,カナダに旅行した際に見た機内エンタテインメントに関して順次記事をアップしていきたい。先日も書いた通り,今回は往復で6本の映画を見たわけだが,私には珍しく,邦画が半分を占めた。それぞれに言いたいことがあるので,1本ずつ改めて書くことにしたい。1本目は「エクスペンダブルズ2」である。

私はこの前作をこのブログで酷評した(記事はこちら)ので,正直言って期待値ゼロだったのだが,機内での1本目ということもあり,何も考えずに飲んだくれながら,あるいは食事をしながらでも見られる映画ということでのチョイスであった。だが,これが予想に反して,前作よりもはるかにまともで,笑いながら見られたのは意外であった。

もちろん,この手の映画であるから,いくらでも瑕疵は指摘できるが,そういう野暮なことはやめておこう。例えば,Chuck Norrisに花を持たせ過ぎだろうとか,Jet Liはその後どこへ行ったとか,言おうと思えば言える。また,Jason Stathamが今回はやや活躍度が低いなど,彼のファンにとってはどうかなぁと思わせる部分もある。だが,Jean-Claude Van Dammeの憎らしさもあって,私としては何も考えずに見られる1本目の選択としてはまずまずだったかなぁなんて思っている。あまりの無茶苦茶さゆえに逆に笑える要素が多かったのもよかった。だからと言って,高く評価するつもりはないが,星★★★ぐらいはつけてもよかろうって感じである。前作の星★に比べれば,まじではるかにまし。

2013年1月 3日 (木)

年始の目標に従い,Brad Mehldauの楽歴を振り返る

Introducing_brad_mehldau "Introducing Brad Mehldau" Brad Mehldau(Warner Brothers)

年初の記事にて目標に掲げたこともあり,早速Brad Mehldauのアルバムを聴き直すシリーズに取り組んでみたい。本来であれば,レコーディング順に従って記事にするのが正しい世界だろうが,そこは順不同で対応することをご了承頂きたい。まずはBrad Mehldauのメジャー・レーベルにおける初リーダー作である本作である。私がBrad Mehldauの魅力に開眼したのは"The Art of the Trio, Volume 1"なので,そちらから始めてもよいのだが,やはりここはメジャー・デビュー作からということにした。ということで,このアルバムは後追いで聞いたものであることが,本作に関して多少印象を弱めている部分があることは否めないのだが,それでも優れた出来であることは間違いない。

そもそも,本作がリリースされるまで,Fresh SoundにJorge Rossyたちとアルバムを吹き込んではいたものの,サイドマンとしての活動でしか知られていなかったはずのBrad Mehldauにいきなりリーダー作のチャンスを与えたWarner Brothersの英断には拍手しなければならないが,それだけの実力を評価されてのことであることはここに収められた演奏からも明らかである。編成は典型的ピアノ・トリオだが,出てくる音はいきなりスタンダードの"It Might as Well Be Spring"を変拍子で演奏し,甘さを追求したピアノ・トリオでないことを感じさせるに十分なオープニングである。

本作は2つのリズム・セクションから構成され,アルバムの前半は"The Art of the Trio"シリーズを支えるLarry GrenadierとJorge Rossyのコンビが,後半は"Moodswing"期のJoshua Redman Quartetのバンド・メイツ,Chritian McBrideとBrian Bladeが支えるという布陣である。今やビッグネームと言ってよい特に後者のリズムであるが,このアルバムがリリースされた頃はそこそこ認知はされていたとしても,現在のような世評には至っていない頃だと言ってもよいし,Grenadier~Rossyのコンビもその頃は「誰っ?」という感じだったように思える。しかし,ここでの演奏を聞けば,Mehldauのみならず,リズム・セクションの実力も極めて高いことは明らかである。

Brad Mehldauは本作がレコーディングされた際にはまだ24歳であったが,とてもその年齢とは思えないような優れた表現力を示していることは驚くべきことである。特に"Prelude to a Kiss"等を聞いて,その年齢を言い当てることは難しかったように思える。もちろん,冒頭から変拍子を使うことで,才気が先走っているように感じさせる部分が感じられなくもないところであるが,それはまぁ若気の至りってことにしておこう。いずれにしても,新人のメジャー・デビュー作としては上々の出来であり,この段階から将来を嘱望されるピアニストの地位を確立していたと思わせる立派な出来。

後にライブのレパートリーとなる曲も既に演奏しており,作曲能力も非凡なところを示しているところは本当に大したものである。後の"Art of the Trio"シリーズを仕切るMatt Piersonのプロデューサーとしての手腕も認められようが,やはりこの実力,当時から半端ではなかったことを強く感じさせる出来である。後の音源を知っているだけに,まだまだ伸びしろがあったことは明らかだが,リアルタイムで聞いていたら,もっとショックを受けていたかも知らない。"From This Moment On"等は後のMehldauなら違ったアプローチで更に優れた演奏を聞かせるはずだというような部分もあり,星★★★★としておこう。私としては本作では"Prelude to a Kiss"が一番好き。とにかく,バラード表現が年齢不詳なのだ(笑)。

Recorded on March 13 and April 3, 1995

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Christian McBride(b), Jorge Rossy(ds), Brian Blade(ds)

2013年1月 1日 (火)

あけましておめでとうございます。

皆さん,あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
昨年はブログの更新に穴があくことが結構増えてしまいましたが,今年はもっと気楽にやっていくようにするかもしれません。そんなブログですが,今年もよろしくお願いします。
一年の計は元旦にありですので,今年の目標をいくつか...。

  1. Brad Mehldau関連アルバムをちゃんと聞き直し,できるだけブログの記事としてアップし,アーカイブ化する
  2. 映画を劇場で24本以上見る
  3. もう少しちゃんとギターの練習をする
  4. 体重を60キロ台に落とす

一番可能性が高いのは①で,それ以外は結構ハードルが高いかなと思いつつ,あくまでも目標ということで。あとは昨年以上の本数のライブ参戦もこなしたいなぁ。まぁ,気楽にやっていきたいと思いますので,よろしくお付き合い下さい。

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