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2013年1月 9日 (水)

Brad Mehldauの楽歴を振り返る:その2 ~Jesse Davisのサイドマンとして~

Jesse_davis "Young at Art" Jesse Davis(Concord)

「Brad Mehldauの楽歴を振り返る」シリーズの第2回は彼の比較的初期のサイドマンとしての吹き込みである。Mehldauのプロとしての初レコーディングはChristopher Hollydayの"Natural Moment"(こちらについては既に記事をアップ済み)であるが,それが91年1月の録音であるから,それからほぼ2年後の演奏である。その間にはPeter Bernstein,Grant Stewartのアルバムへの参加もあるが,ここでは2年間での変化に注目して聞いてみた。

リーダーのJesse Davisというのはあまり目立たないというか,典型的なバップ・プレイヤーゆえに,今の時代に訴求するのは必ずしも容易ではないように思える。だが,このアルバムでもわかる通り,アルト・プレイヤーとしての実力はかなりのものであり,Concordレーベルに結構な枚数のアルバムを吹き込んでいるのも宜なるかなって感じである。だが,Concordを離れてからのレコーディング・キャリアは必ずしも順風満帆とは言えないところに,彼の難しさが現れているように思える。それでもSmalls Liveからもアルバムは出しているし,現役で活動は続けているようである。

それはさておき,ここでのBrad Mehldauはどうか。アルバムそのものがバップ・フレイヴァーが強いものであり,Mehldauは「それなり」に弾いているという感覚である。ただ,この段階で傾聴に値するピアノを聞かせているかと言えば,必ずしもそうとも言えない。聞いていて耳がそばだたないという感じなのだ。もちろん,水準はクリアするプレイぶりではあるが,やはりまだ明確なアイデンティティのようなものは感じられない。そうした中で"I Love Paris"におけるピアノ・ソロなどにはその実力の片鱗や両手弾きの萌芽が感じられるのも事実である。こういうピアノを生で聞いていたら,おそらく注目すべき新人ということになっていたはずである。それは私がまだ10代だったChristian McBrideを初めて見た(聞いた)時の感覚に近いものになっていたのではないかと思う。だが,その一方でソロはいいのだが,コンピングには生硬さも感じさせて,まだまだこの段階では才能を完全に開花させてはいないってところか。もちろん,吹き込み当時,まだ22歳の若手なんだから,完全なプレイをされても困ってしまうが...(苦笑)。

ここにPeter Bernsteinのギターが加わらず,Jesse Davisのワンホーンであったら,もう少し印象も違っていたかもしれないが,こういうコンベンショナルなタイプの音楽はMehldauのその後の音楽的な方向性を考えると,必ずしも合っていないように思えるのは仕方ないが,いずれにしてもまだまだ修行中というところを感じさせる演奏である。スタンダードはさておき,Jesse Davisの書くオリジナルが悪くはないとしても,あまり印象に残らないということもあって,私のこのアルバムのプレイバック率は相当低いのだが,久しぶりに聞いてみてもやはり印象は曖昧なままである。改めて聞いても星★★★ってところが精一杯。いずれにしてもまだまだ若いねぇ。

Recorded on March 24 & 25, 1993 

Personnel: Jesse Davis(as), Brad Mehldau(p), Dwayne Burno(b), Leon Parker(ds), Ted Klum(ds)

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ジャズ(2013年の記事)」カテゴリの記事

コメント

楽歴を振り返るシリーズいいですよね。愛すればこそ、ですね。努力と、運命の足跡をたどって行くと、自分にもハッとしたり、考えさせられ、エネルギーの源になります。好きなミュージシャンには健康で、永く輝いていて欲しいです。活躍を遠くから祈り、作品に触れるだけで、うれしくなります。還暦のあのお方に、赤いセーターでも編みたくなりますが、手編みのセーターは、昭和の匂いがプンプン。この時期、友人達がいっせいに、手編みセーター制作していていて、2月中旬は悲喜こもごもでした。私の昭和回顧録より(笑)

Toshiya様はじめまして、北澤と申します。

メルドーの楽暦を振り返るシリーズ、毎回楽しみにしております。
私はメルドーのにわかファンでリーダー以外のものは数えるくらいしか持っていないのですが、レビューを読んで初期のサイド作も購入しようと思いました。
個人的にピーター・バーンスタインとどんな音楽をやっていたのか気になります。

それではこれからも益々のご活躍をお祈りしています。

ひまわりさん,こんばんは。「愛すればこそ」と言われるとちょっと面映ゆいですねぇ(笑)。

Mehldauはまだまだ若いですから,これからも現役でバリバリやってくれると思いますが,私が完全制覇を目指したのは後にも先にも彼だけなので,これからも確実なフォローを試みます。

「手編みのセーター」は私にはほぼ縁のない世界でした(苦笑)が,今でもやる人いるんでしょうかねぇ。興味深いです。

北澤さん,はじめまして。このシリーズ,完全に不定期,かつ私のきまぐれで書くと思いますので,次はいつとはお約束できませんが,年頭の目標の一つとして,できるだけ書いていきたいと思います。

MehldauはPeter Bernsteinとは結構共演していますが,一番早いレコーディングは92年末の"Somethin's Burnin'"ですね。でもこれを次に取り上げる確率はあまり高くないかもしれませんが,そのうち書くと思います。ちなみに,ご存知とは思いますが,MehldauはBernsteinのリーダー作ではほかに"Signs of Life","Heart Contents","Stranger in Paradaise"に参加していますね。ついでにMark Turnerを加えてMTBってのもあります。

実を言うと,どれも久しく聞いておりません(爆)。

ともあれ,引き続きよろしくお願い致します。

私はM.T.Bだけ持っています。確かにクリスクロスで真っ当なハードバップで、彼らのリーダー作に比べるとちょっと面白みに欠けるかなぁ…と思いました。
メルドー記事以外にもCDや映画レビューなどいつも楽しみにしています。それでは失礼します。

北澤さん,こんばんは。

ご指摘の通り,「真っ当なハードバップで、彼らのリーダー作に比べるとちょっと面白みに欠ける」というのがCriss Cross時代のMehldauにも当てはまると思います。ただ,まだ新人の頃の演奏ということもあり,私は大目に見てますが...(笑)。私の感覚ではMehldauは94年ごろから急速な成長を示したって感じですかねぇ。このあたりももう少し聞き直しが必要ですが,また記事にしたいと思います。

引き続きよろしくお願いします。

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