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2013年1月 3日 (木)

年始の目標に従い,Brad Mehldauの楽歴を振り返る

Introducing_brad_mehldau "Introducing Brad Mehldau" Brad Mehldau(Warner Brothers)

年初の記事にて目標に掲げたこともあり,早速Brad Mehldauのアルバムを聴き直すシリーズに取り組んでみたい。本来であれば,レコーディング順に従って記事にするのが正しい世界だろうが,そこは順不同で対応することをご了承頂きたい。まずはBrad Mehldauのメジャー・レーベルにおける初リーダー作である本作である。私がBrad Mehldauの魅力に開眼したのは"The Art of the Trio, Volume 1"なので,そちらから始めてもよいのだが,やはりここはメジャー・デビュー作からということにした。ということで,このアルバムは後追いで聞いたものであることが,本作に関して多少印象を弱めている部分があることは否めないのだが,それでも優れた出来であることは間違いない。

そもそも,本作がリリースされるまで,Fresh SoundにJorge Rossyたちとアルバムを吹き込んではいたものの,サイドマンとしての活動でしか知られていなかったはずのBrad Mehldauにいきなりリーダー作のチャンスを与えたWarner Brothersの英断には拍手しなければならないが,それだけの実力を評価されてのことであることはここに収められた演奏からも明らかである。編成は典型的ピアノ・トリオだが,出てくる音はいきなりスタンダードの"It Might as Well Be Spring"を変拍子で演奏し,甘さを追求したピアノ・トリオでないことを感じさせるに十分なオープニングである。

本作は2つのリズム・セクションから構成され,アルバムの前半は"The Art of the Trio"シリーズを支えるLarry GrenadierとJorge Rossyのコンビが,後半は"Moodswing"期のJoshua Redman Quartetのバンド・メイツ,Chritian McBrideとBrian Bladeが支えるという布陣である。今やビッグネームと言ってよい特に後者のリズムであるが,このアルバムがリリースされた頃はそこそこ認知はされていたとしても,現在のような世評には至っていない頃だと言ってもよいし,Grenadier~Rossyのコンビもその頃は「誰っ?」という感じだったように思える。しかし,ここでの演奏を聞けば,Mehldauのみならず,リズム・セクションの実力も極めて高いことは明らかである。

Brad Mehldauは本作がレコーディングされた際にはまだ24歳であったが,とてもその年齢とは思えないような優れた表現力を示していることは驚くべきことである。特に"Prelude to a Kiss"等を聞いて,その年齢を言い当てることは難しかったように思える。もちろん,冒頭から変拍子を使うことで,才気が先走っているように感じさせる部分が感じられなくもないところであるが,それはまぁ若気の至りってことにしておこう。いずれにしても,新人のメジャー・デビュー作としては上々の出来であり,この段階から将来を嘱望されるピアニストの地位を確立していたと思わせる立派な出来。

後にライブのレパートリーとなる曲も既に演奏しており,作曲能力も非凡なところを示しているところは本当に大したものである。後の"Art of the Trio"シリーズを仕切るMatt Piersonのプロデューサーとしての手腕も認められようが,やはりこの実力,当時から半端ではなかったことを強く感じさせる出来である。後の音源を知っているだけに,まだまだ伸びしろがあったことは明らかだが,リアルタイムで聞いていたら,もっとショックを受けていたかも知らない。"From This Moment On"等は後のMehldauなら違ったアプローチで更に優れた演奏を聞かせるはずだというような部分もあり,星★★★★としておこう。私としては本作では"Prelude to a Kiss"が一番好き。とにかく,バラード表現が年齢不詳なのだ(笑)。

Recorded on March 13 and April 3, 1995

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Christian McBride(b), Jorge Rossy(ds), Brian Blade(ds)

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コメント

 Brad Mehldau検証、楽しみに拝見しています。
 まずは、1stといえる「Introducing」からですね。これは私も「The Art of The Trio」シリーズを聴いて後追いで買ったものです。このアルバムは2タイプ・トリオでちょっと変わってますね。好みは全く一致でして、私もこのアルバムで最も長い10分の”Prelude to A Kiss ”(Ellington)が好きです。一つ一つの美しいピアノの音の余韻を味わせる演奏タイプがいいですね。”My Romance”も好きです。
 更に一枚一枚検証して下さい。大いに参考にさせて頂きます。

風呂井戸さん,こんばんは。あまり過剰な期待は掛けないで下さいね。気が向いた時にアップするってスタンスです。

でも,週1ぐらいでやらないと,参加作は結構な枚数ありますから追いつかないですねぇ。どうしよう...。

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