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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2012年12月31日 (月)

本年もありがとうございました。皆さん,よいお年を。

いよいよ今年も大詰め。1年の経つのは本当に早いと感じるが,今年は仕事の性質の変化もあって,いろいろ自分でも考えるところの多い年だったように思う。

そんな中で,仕事の憂さを忘れるには音楽や酒に身を委ねることの必要性が更に高まったように感じる1年だったように思える。まぁ,体を壊しているわけではないので問題ないってことにしよう。

実は私は今年,自身の史上最高体重を更新してしまったのを機に,9月以降ダイエットに取り組み,体重を最大7キロ落としたのだが,今回のロンバケで緩いリバウンドが来ている。更に年末年始をはさむことにより,更なる体重増が心配されるわけだが,何とか史上最高体重マイナス5キロは維持したいと思っているが,一体どうなることやら。私のダイエット方法は朝食はがっつり摂りながら,ランチを極小化し,夕食の炭水化物を抜くこと,更には週末のジョギングである。ジョギングに関しては飽きっぽい私にしては結構続いていて,9月にウォーキングとして始めて以来,総距離は270キロを越えている。また,年明け早々からジョギングは復活させなければ,体重維持は難しいと思っているので,多少ペースを抑制しながら続けていきたいと思う。正直あと体重を6キロは落としたいと思っているので,更なる努力が必要であるが,いつまで続くか?

Ringers そして,今年最後のニュースとして,Abstract LogixレーベルのWebサイトからの情報を一つ。同レーベルに所属するミュージシャンから構成されるグループ,THE RINGERSがたった5回だけのショート・ツアーを来年2月に実施するそうである。そのメンツは...なんと,Jimmy Herring,Wayne Krantz,Michael Landau,Keith CarlockにEtienne Mbappe(John McLaughlin 4th Dimension)という超強烈な鼻血が出そうな面々である。Abstract Logixのことであるから,このツアーをリハーサルとして,アルバムを録音してくれるだろうと期待しているが,一体どんなことになってしまうのだろうか。生で見たいなぁ。2月後半に米国東海岸にいる方は是非って感じである。ツアー・デイトは下記の通り

Feb 19, Georgia Theatre ,Athens, GA
Feb 20, Neighborhood Theatre  Charlotte, NC
Feb 21, Lincoln Theatre , Raleigh, NC
Feb 22, BB Kings Blues Club, New York, NY
Feb 23, Howard Theatre, Washington DC

ということで,これにて本年は打ち止め。多くのビジターの方にお越し頂き感謝しております。本年は目標としてきた100万PVにも到達したものの,毎日更新が難しくなってきたと感じてきましたが,来年もできるだけ頻度を維持しながら運営していきたいと思います。どうもありがとうございました。来年もよろしくお願いします。皆さん,よいお年をお迎え下さい。

2012年12月30日 (日)

旅の途中で見た映画

Photo 無事,日本に帰国した。今回は久々の長距離フライトだったこともあり,往復の機内で映画を何本見られるかなぁなんて思っていたのだが,結局は次の6本(往路:3本,復路:3本)であった。我ながらよくやるわと思うが,もう1本ぐらい見ようと思えば見られたかもしれない(爆)。詳しくは改めて記事にしたいと思うが,まずはご報告ということで。下記は見た順番。

①「エクスペンダブルズ2」,②「ローマ法王の休日」,③「赤穂城断絶」,④「トータル・リコール」,⑤「鍵泥棒のメソッド」,⑥「るろうに剣心」

一番優れた映画だと思ったのが②,全然期待しないで見たのだが,結構楽しめたのが⑥であった。

2012年12月29日 (土)

The End of the Days in Whistler

Image

この記事がアップされる頃には,バンクーバー国際空港行きのバスの中にいるはずの私である。ということで,次回は日本からということになるが,旅の最後に,今回最も天気のよかった12/24の写真をアップして現地からの記事は本当に最後としたい。いつかまた来たいなぁ...。

2012年12月28日 (金)

中年音楽狂 on ロンバケ:最終回?

この記事がアップされる頃には,今回のカナダにおけるスキーの最終日を迎えて,グルーミーな気分になっているはずである。バケーションってのはいつでもそうだが,終わりが近づくにつれて,あれもやってない,これもやってないってな気分になるわけだが,今回は丸々6日間のスキーだけでなく,現地での食事も楽しんだからよしとせねばなるまい。前回の当地訪問時に比べれば,天候にも恵まれ,ほぼ満足のいく旅だったと言える。食に関するレポートは帰国後とするが,当地の食文化はなかなか侮れない(もちろん,真っ当な店は値段も相応だが...)。

これで日本に帰れば年末年始の雑事が待っているが,既にちゃんとこなす自信がない私である。でも掃除はしなくちゃなぁ。はぁ〜といきなり現実モード。ということで,ロンバケ・シリーズもこれにて打ち止め。次回は帰国後としたい。

2012年12月27日 (木)

中年音楽狂 on ロンバケ:現地編(その4)

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今回訪れているカナダ,それもウィッスラーという場所は,基本的な文化としてはアメリカ圏のような気がする。それはゴンドラ乗り場におけるBGM然り,近隣のバーの雰囲気然りである。私は精神的なアメリカンという人間なので,この場所のフィット感は非常に強いという感覚が強い。よって街中でちょいとビールを飲んでも,リゾート,リゾートせず,普通な感覚に安心感を覚えてしまうのだ。今回も私が前に来て気に入った店を今回も再訪したが,見ての通り何てことはない。だが,それがいいって人間も多いわけで,これならまた来ちゃうよなぁと思う私である。

上の写真はゴンドラ乗り場の目の前にあるLonghorn Saloonだが,こんなバーならアメリカ中のどこにでもあるわと思いつつ,ここで供されるバッファロー・ウイングは結構うまい。実はバッファロー・ウイングのうまい店ってのは実はあまりないのだが,ここのウイングは確実に許せるレベルである。

Brew_house_2 また,今回再訪した店に当地のBrew Houseがあるのだが,米国国内でもどこにでも見られるようになったビール醸造施設を付帯したBrew Pubである。ここはオープン・キッチンで見た感じも悪くないが,実はここの料理は値段の割にはなかなか侮れない。もちろん真っ当なレストランも多々あるが,コスト・パフォーマンスとしては悪くない店だと思っている。

ということで,簡単に想像可能な世界だが,飲めや食えやモード大爆発である。帰国後,体重計に乗るのが恐い...。

2012年12月26日 (水)

2012年を回顧する:音楽編(その3)

Sleeper

おそらくは皆さんには退屈であろうロンバケ・シリーズをちょいとお休みして,回顧シリーズをはさみたい。実はこの記事は出国前に書いてあったのだが,アップをしていなかったもの。本年の回顧シリーズもこれが最後。最後にジャズのカテゴリーである。今年も購入した枚数もアップした記事もジャズが一番多いのはいつも通りである。そんな中で,今年最も感動したアルバムは何だったかというと,録音は古いがKeith Jarrettの"Sleeper"だったように思う。これを今年のベスト作とするにはやや抵抗があるのは事実だが,このテンションは凄いと思った。ECMのアーカイブ・シリーズではMagicoのライブもよかったが,"Sleeper"の域には達していないようにさえ思わせる戦慄盤。いずれにしてもこんな音源を出されては,恐れ入りましたと言わざるをえないが,このように優れた音楽が聞けるのであれば大歓迎である。

Fred_hersch_trio_vanguard

発掘作ではないものから選ぶとすれば,感銘度からするとFred Herschの"Live at Village Vanguard"が最も高かったように思う。ここでのHersheは完全に闘病モードから脱しており,力強ささえ感じさせたのは驚くべきことであった。私はもとからHerschを高く評価しているが,ここでは非常にレベルも緊密度も高いトリオ演奏を聞かせてもらい,更に好きになってしまった。来年にはソロでの来日の噂もあるが,是非トリオでも来日して欲しいということで,本作をピックアップすることにしたい。ここからはFred Herschにつきまとう「病魔との闘い」というフレーズは全く不要。そんなものを微塵も感じさせない快演揃いである。これは本当に素晴らしいことである。

Mehldautriowheredoyoustart

同じくピアノ・トリオ盤ということになってしまうが,我がアイドルBrad Mehldauの"Where Do You Start"は素晴らしい出来であった。何よりもMehldauの様々な音楽への目配りが感じられて,曲の本質的な魅力をあぶり出す能力が十分に発揮された作品となった。本当にいろいろな音楽を吸収していると思わされるが,本作のタイトル・トラックにうっとりとさせられたリスナーは多いはずである。今年,Mehldauはトリオで2作をリリースしたわけだが,"Ode"も悪くなかったが,私はこのタイトル・トラックゆえに"Where Do You Start"を選んでしまうというのが正直なところである。ライブには必ずしも首肯できなかった私も,本作は完全にOKであった。いつものことながら,彼のファンでよかったわと思ってしまう私である。

Accelerando

更にピアノ・トリオ盤ということで,まずいかなぁとも思いつつ,やはりこれは決して無視できないと思わされたのがVijay Iyerの"Accelerando"である。タイトルのごとく,音楽における「加速度的」訴求力を感じさせながら,非常に理知的な演奏を展開されていて,正直驚かされたのも記憶に新しい。音楽的に言ってしまえば,なかなか一筋縄ではいかない人だという気もするが,この演奏については非常に感銘を受けたし,今までこの人を聞いてこなかったことを後悔したと言ってよいだろう。米国でも玄人筋からの評価の高いIyerだが,ライブも見てみたいと思わせる本当の才人である。だが,日本に呼ぶのは難しいかなぁ。

Nik_bartschs_ronin_live

先述の"Sleeper"以外にも今年はECMレーベルからも多数の新作がリリースされたが,その中で私を興奮させたのがNik Bärtsch's Roninのライブ盤である。ミニマルな音楽でありながら,ファンクを感じさせる彼らの音楽は,一種特有のグルーブ感を生み出しており,聞いていて何とも心地よいのである。非常にカッコいい音楽として,より多くのリスナーに聞いて欲しいと思ってしまう。ただ,ミニマル・ミュージックに耐性がないと,何のこっちゃになってしまうわけだが,これが気持ちよいと一度感じてしまえば,癖になること請け合いである。私は前回のバンドでの来日は見逃しているので,次の機会は絶対見逃せないと思っている。ちなみにShaとのデュオ・ライブってどんな感じだったんだろうか。

The_eleventh_hour

もう一枚,これにはびっくりさせられたということで挙げておくと,Johnathan Blakeの"Eleventh Hour"である。初リーダー作にしてこれほど優れた作品を出してしまっては後で困るのではないかと思わせるほど,このアルバムはよく出来ている。Tom Harrellに鍛えられた成果が出ているというか,本当に才能のある人だったのねぇというのを感じさせてくれる作品であった。

このほかにもいいアルバムは多数あったということで,2012年も実り多き1年だったと言ってよいのではないかと思う。ここに挙げられなかったものではJohn TaylorやSimcock~Garland~Sirkis,そしてJerry Bergonziが最高の出来だったCarl Winther盤,超絶フリーを聞かせたBrotzman~佐藤~森山も記憶に残る。Unity Bandはどうした?って声が聞こえてきそうだが,私はあのアルバムは相応の評価はしているが,感銘度からすると,ここには上がってこないというのが正直なところである。期待値が高過ぎたせいもあるが,もっとはじけた感覚があってもよいと思えたからだ。ライブを重ねて,バンドはよりタイトなものへと変容しているはずであるから,来日時にはその神髄を聞かせてくれるであろうが,アルバムとしてはトップ10には入ってくるとしても,ここからは外す結果となった。

2012年12月25日 (火)

中年音楽狂 on ロンバケ:現地編(その3)

Image_3

いろいろ手を使ってようやく画像をアップする。Wifi環境は改善していないので,iPhoneで撮影した写真を圧縮してiPadに送り,iPadから記事をアップするという面倒くささ。実に面倒だったが,そもそもココログのアプリがiOSのバージョンアップに対応していればもう少し楽にできたものをと思っている。

それはさておき,現地の季節感のおすそ分けってことで,村中がこういう感じになっているのだが,少しでも皆さんのお気に召せば幸いである。尚,この写真はFacebookにはすでにアップしたものなので,そちらのお知り合いの皆さんには新鮮味がなくてすみません。

ということで,皆さん,Happy Holidays!

2012年12月24日 (月)

中年音楽狂 on ロンバケ:現地編(その2)

滞在地のwifi環境が改善せず,写真のアップは諦めた。ということで,私が来ているところを皆さんに明かしてしまえば,カナダのWhistlerである。私は実は2年前にも当地を訪れたのだが,その時は気温が高かった上に,天候も今イチで,少々フラストレーションもたまってしまった。いつかリベンジの機会をと思っていたが,今回は気温も適切,スキー初日の天候,並びに積雪状態もほぼ完璧で,スキー初日からついつい飛ばしてしまい,午後には踏ん張りがきかなくなって、年は取りたくないと思ってしまった。

ということで,全くライブ感がない現地レポートだが,折を見てネット環境がもう少しベターな場所から写真のアップを試みたい。

2012年12月23日 (日)

中年音楽狂 on ロンバケ:現地編(その1)

旅先に到着した。現在の滞在先の無料のwifi環境ではブログへの写真のアップは厳しいので,色気はないが今日は文章だけ。

写真もないので,私がどこにいるかはまだ謎ということにさせて頂くが,追って明らかにして行くつもりである。もったいぶることは全然ないのだが,間違いないことは私が明らかな時差ボケであるということだけ。これを書いているのも現地の夜明け前である。

この年になると時差の解消がどんどん難しくなってくるが,それにしてもこのだるい感覚なんとかして欲しいなぁ。好きで来てるんだから言えた義理ではないが。

ということで,現地レポートをアップしたり,もう少し快適なネット環境にするには有料のwifiを使うしかなさそうである。せこく行くか,どうしようか考え中。その時点でもうせこい感覚バレバレ?(笑)。

2012年12月22日 (土)

2012年を回顧する:音楽編(その2)

本年の回顧シリーズ第5回はジャズとロック以外の音楽に関してまとめて書きたい。

Bernstein001 まずはクラシックであるが,私は全ジャンルから今年1枚だけを選べと言われれば間違いなくこれを選ぶというのがBernstein/IPOによる「マーラー交響曲第9番」である。これに関する記事を書いた時も「クラシック部門ではこのアルバムを上回る作品は今年はありえないともはや確信している私である。まじで感動した。」と書いたのだが,その感覚は今でも変わっていないし,ほかのどの音楽よりも強烈な印象を残した。そんな演奏に心底まいった(まいり続けている)私である。このアルバムがあるゆえにほかのクラシック盤がかすむわけだが,記事にはしていないが,Isabelle Faustのベルク/ベートーベンのヴァイオリン・コンチェルトもレコード・アカデミー賞大賞もうなずけるような演奏だったと思う。器楽ではSchiffの「平均律」が非常に優れた出来だと思った。クラシックは買っている枚数はそれほどでもないが,今年は買ったアルバムは総じて出来がよく,何度も聞くチャンスがあったのはよかった 

Robert_glasper ソウル/R&Bではジャケの雰囲気で買って大当たりだったRuthie FosterとMichael Kiwanukaを挙げてもいいのだが,この部門ではRobert Glasperの"Black Radio"にとどめを刺す。Glasperの場合,ジャズのカテゴリーに入れてもいいのかもしれないが,私は記事にも書いたとおり,「Robert Glasperは黒人音楽の全てを取り込み,全てを越境した」と思っているし,ソウル色も濃厚なので,この分野に入れて全く差し支えない。このアルバムがあまりに素晴らしいものだから,来日時もビルボードに駆けつけた私だったが,ライブはグルーブしないドラマーのせいでがっくりだったのは減点要因だとしても,このアルバムの出来はそれを補って余りある。素晴らしいアルバムであった。Glasperはまた来日するらしいが,ライブは前回で懲りたので,ドラムスにChris Daveを連れてこない限り,再参戦はなかろう。その代わりと言っちゃなんだが,Michael Kiwanukaは4月に来日が決まっているので,そっちは間違いなく行くなぁ(笑)。

Adriana_calcanhotto 次にブラジルであるが,今年はあまりCDを買っていないので,これしかないって感じなのがAdriana Calcanhottoの"Microbio Vivo"である。彼女の魅力をようやく理解できた私であるが,このライブ盤は非常に優れた出来であった。大量の紙吹雪が舞う様子をDVDでも見たいものだと思ってしまうぐらいのナイスなライブ。と思っているところに,実はMaria Ritaの母,Elis Reginaに捧げたライブの新譜がリリースされてきたのだが,これは未聴なので,来年の扱いとすることにしよう。

Somi ワールド・ミュージックではSomiを挙げることにしよう。正確に言えば,これは今年の作品ではないので,ここでベスト盤に挙げること自体反則なのだが,反則をしてでもピックアップせねばならんと思わせるような出来だったのである。伴奏のメンツからすれば,ジャズ・ヴォーカルと言ってもいいのかもしれないが,ワールド・ミュージック的な感覚もあるので,このカテゴリーでの選出とした。

このほかに素晴らしいコンピレーションとしてArt Garfunkelの"The Singer"とYumingの「日本の恋と、ユーミンと」があったことは付け加えておきたいと思う。特に後者には通勤時間の友として,随分と世話になってしまった(笑)。

ということで,相変わらずの雑食ぶりを示す私であるが,それにしてもBernsteinは凄かったというのが正直なところである。あれを聞いてしまっては,ほかの「マラ9」を聞く気がしなくなってしまった。そういう意味では罪作りな作品である。

2012年12月21日 (金)

中年音楽狂 on ロンバケ

今や「ロンバケ」と言ってどれほどの人がわかるかは疑問だが,私は本日より長〜い年末年始休暇(Long Vacation)に突入である。これより某所に向けて旅立つところだが,それがどこかは改めてということで...。

それにしても17連休とは我ながら激しい。欧州人になった気分である(笑)。明日の記事はストック済みだからいいとしても,しばらくブログの更新が滞る可能性も大だが,何卒ご了承願いたく。それにしてもスカルラッティの"Stabat Mater"を聞きながら移動を待つってのがこの時期らしい?

では出掛けてきます〜。

2012年を回顧する:音楽編(その1)

Deacon_blue 本年を回顧するシリーズの第4回はロック編である。今年はロックのアルバムって何を聞いたのかなぁなんて思いつつ,実は枚数的には大して聞いていないようにも思える。また,記事にできなかったものもあるが,記憶に従って書けば,私が今年の作品で最も好きだったアルバムとしてはDeacon Blueの"The Hipsters"を挙げたい。この素晴らしいメロディ・センスの前に,私は完全に脱帽した。こうしたポップ的なよさはSusanna Hoffsの新譜にも感じていて,そちらも捨て難いが,アルバムとしては私はDeacon Blueをより高く評価したい。

Banga 好きだったアルバムがDeacon Blueだったとすれば,感銘を受けたのが2枚。Patti Smithの"Banga"とBob Dylanの"Tempest"である。どちらも素晴らしい作品で甲乙つけがたいが,私の心にストレートに刺さったのはPatti Smithの方である。このアルバムを聞いた時には真剣に感動した。ロックにおける今年最高の感動作はPatti Smith盤だったと言ってもいいだろう。一方のBob Dylanはアメリカン・ロックとしての聞きどころに溢れていて,これも高く評価せざるをえない傑作である。とにかくここで驚かされるのがBob Dylanの創造力が全く衰えていないところだが,まさに老いてますます盛んを実証した作品だと思う。私もかくありたい(笑)。

Tempest ロックにおいてはこの3枚がベストってことになるが,続々登場したRolling Stonesのアーカイブ音源,Rickie Lee Jones,久々のBonnie Raitt,更にはDonald Fagen等は本当に楽しませてくれたと思っている。そして忘れてはならない兄貴ことNeil Youngの"Psychedelic Pill"である。結局記事としてはアップできなかったが,Bob Dylan同様の迸る創造力というものを強く感じさせてくれた。兄貴の"Americana"はやや微妙感があったが,"Psychedelic Pill"はこれぞWith Crazy Horseって感じで嬉しくなったリスナーは多いはずである。もちろん,私もその一人である。

そして,驚いたのは現役感たっぷりだったLed Zeppelinの"Celebration Day"であった。これならいつでもバンド活動を再開できるのではないかと思ったのはきっと私だけではあるまい。だが,彼らにはそこまでの商売っ気はないようで,それはそれで潔いと思ってしまった。

ということで,私が聞いているのはベテラン勢ばかりだが,まぁ,私がそういう年齢なので仕方なかろう。なかなか新人までは追い掛けるのは実質的に不可能なのだ(と開き直る)。

2012年12月20日 (木)

危機突破内閣が聞いて呆れる:この男の頭の中には改憲しかない。

年末の忙しい時期にどうかとも思うが,どうしても言っておかなければならないことがある。

先般の衆議院議員総選挙に関しては「民主党の大敗北」という大方の予想通りの結果となったと言ってもよいだろうが,民意の結果が大きな問題も残してしまったことに多くの日本人は気がついているのだろうか?

安倍は開票速報の段階から「次は参議院選」あるいは「参議院選が本当の勝負」と発言していたことからもわかる通り,この男の頭の中には憲法改正を発議するのに必要な3分の2の議席の確保することしかない。憲法改正に対して慎重な立場を取る連立相手の公明党を差し置いても,96条改正のためなら,日本維新の会やみんなの党の協力を得てでもやるというのだから,何を考えているのやらと言わざるをえない。

この男がこれから組閣する内閣は「危機突破内閣」だそうだが,このアホ男の頭の中では日本の危機は景気対策や原発の存続の要否より,「他国から押し付けられた憲法の改正」の方が上のようである。だとすれば,今回民主党を批判し,自民党に票を投じた多くの国民が「景気対策」を重視しているというプライオリティなどどうでもよく,力の論理で憲法を改正すればよいということの方が頭の中を支配していることを吐露したようなものである。本当にそれが「国家の危機」だと言いたいのだろうか?

今回の民意がアンチ民主党で固まったのは仕方がない(というか,無益な離合集散や権力闘争,更には特に鳩山のような器でない人間を代表に据えた民主党の自己責任)としても,自民党を大勝させ,日本維新の会の議席を相応に確保させることで,戦争の結果として生まれた日本国憲法の理念を踏みにじる行為さえ生みかねないということはもう少し意識すべきではないのか。

こうしたタカ派的な発想の隠れ蓑にするために,女性議員を閣僚や党の役職に登用するという人気取り的な対応をしているところがこの男の頭のレベルが推し量れるというものだ。その一方でアホ晋三が,アホウ太郎を副総理/財務省に据えるなんて話がまことしやかに語られるに至り,選挙速報を見て暗澹としていた私の気分は,絶望的なものへと変容しつつある。

この男が日本の政治をどのようにリードするのかは,組閣をしてから多少の猶予期間を与えてもいいだろうが,口先ばかりで政策の即効性等疑問だらけである以上,今後,国民の自民党を見る目は必ずしも「全幅の信頼」に基づくものではなく,短期での「結果」が問われるはずである。その審判が下るのが参議院選だとしても,次回の参議院選はそれだけではないということを認識の上,「良識の府」たる参議院の存在価値こそが問われるているということを,国民はちゃんと考えて投票行動を取るべきである。

また,日本維新の会という一貫性も何もない政党が憲法改正に前向きな輩に支配されていると言うこともよく考えなければならない。「多数決」で何でも決められると思っている大阪市民を愚弄したうつけ者市長の発言や,暴走老人の無責任発言を国民の総意だと思われてはたまったものではない。

最後に書いておくが,自民党の憲法改正の草案からは第18条の「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない」という表現が削除され,第21条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」との現行規定に「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という条文を追加,更には第97条の「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」という文章が全文削除されているということをどれだけの国民が認識しているのだろうか?これが何を意味するのかもっとよく考えるべきではないのか。多くの国民が投票した候補者の所属する政党である自民党は,憲法9条の改正だけでなく,本当にこのような草案に基づいた改正を発議するつもりなのだということはちゃんと認識しなければならない。(黒木さん,勝手ながら情報を使わせて頂きました。ご了承下さい。)

2012年12月18日 (火)

これまた痺れたVigleik Storaasのトリオ作

Vigleik_storaas "Epistel #5" Vigleik Storaas (Inner Ear)

2012年の回顧シリーズをちょっとお休みして,年末に現れたナイスなアルバムを紹介したい。本作のリーダー,Vigleik StoraasについてはJohn Surmanの"Nordic Quartet"が初聞きであったが,その存在を強く意識したのはInner Earレーベルにおける"Now"だった。それは非常に美しいピアノ・トリオであり,このブログでも相応の評価をし(記事はこちら),Inner EarレーベルはECMライクな部分とも相俟って,俄然私の中では注目のレーベルとなった。その後は,リリースされても日本になかなか入ってこないことや,??なアルバムもあり,今イチ注目度が上がってこなかったのだが,久々のStoraasトリオといことで購入したものだが,これがまたこの手のピアノ好きにはたまらない出来である。

最後の1曲を除いてRainbow Studioにおける録音で,エンジニアリングもJan Erik KongshaugというところがECM的であるが,ノルウェイのピアニストなのだから,オスロで録音するのは当たり前と言えば当たり前なのだ。だが,本作から聞こえてくるサウンドはECM的だと言っても十分通じるものであるのは"Now"と同様である。メンツも"Now"と同じであるから,それもまたむべなるかなというところだ。だが,そうしたサウンドの同質性など忘れてしまうぐらい,ここには美しいピアノ・サウンドが収められていて,寒い冬も少し暖かさを取り戻すような気がしてくるのだ。

冒頭のKenny Wheeler作"Aspire"からして静謐な出だしで,まずはこれで心をつかまれ,時に美しく,時に哀愁さえ感じさせるメロディに時間の経つのも忘れると言っては大袈裟か。イントロは不思議な感じで始まる曲もあるが,途中からはメロディにやられてしまうのである。やはりこれはいいねぇ。そして8曲目にはSam Riversの"Beatrice"が控え,最後はMichel Legrandの「シェルブールの雨傘("I Will Wait for You")」で締められてはまいったというしかない。「シェルブール」はライブ音源というのも凄いねぇ。

今月になってアップする新作ピアノ・トリオ盤はこれで3枚目で,そのどれもがいい出来だが,本作も勝るとも劣らぬものとして推薦できる。今年来日も果たし,お知り合いのブロガーの皆さんも話題にされていたMats Eilertsenも素晴らしい助演ぶりである。星★★★★☆。欧州ジャズ・ファンは必聴。いやいや,これはええですわぁ。

Recorded May 31, 2011 except Track 9 Recorded Live on May 4th, 2010 at Festiviteten, Eidsvoll

Personnel: Vigleik Storaas(p), Mats Eilertsen(b), Per Oddvar Johansen(ds)

2012年12月17日 (月)

2012年を回顧する:ライブ編

Chris_potter_underground 今年は私にしてはライブに足を運んだ方だと思う。Tedeschi Trucks Bandに始まり,Keith Jarrett,Rachael Yamagata,クリポタ×2,Robert Glasper,Brad Mehldau,Wayne Krantz,The Dukes of September Soul Revue,Marcin Wasilewski,そしてRadu Lupuということになるが,今年の白眉は誰が何と言ってもChris Potter Undergroundであった。

私はライブにそれほど熱心なタイプではないから,単一バンドの同一期間来日中に2回足を運ぶというのは実に稀なことである。その稀なことを発生させたのがクリポタであった。誰が何と言おうと今年では彼らのライブがベストである。そのほかにもTedeschi Trucks Band,Wayne Krantz,Rachael Yamagataも楽しかった。Fagen~Scaggs~McDonaldから成るDukes of Septemberも楽しめたが,特にBozがよかったねぇ。Mikeはいけてなかったが...(苦笑)。

一方,痛恨だったのがKeith Jarrettのソロ公演の第1部に間に合わず,ロビーでモニターを見ながら聞かざるをえなかったことである。あれはもったいなかったと思いつつ,第2部,そして"I Loves You, Porgy"で落涙できたのでまぁよしとしよう。

期待が大き過ぎて今イチだったのはBrad Mehldau。演奏そのものは悪くないと思うのだが,やはり会場がよくないと言うべきだろう。Marcin Wasilewskiもできればクラブで聞きたかったところである。そして期待を完全に裏切ったのはRobert Glasper。ドラマーが変わるだけでグルーブが生まれなくなったのではどうしようもない。あれはまじでいかん。

もう一点,非常に残念だったのがCecil Taylorの来日中止。次はいつ見られるかわからないだけに,中止は本当に残念だった。

ということで,いいものもあれば,ダメなものもあったライブ観戦であったが,ライブにはライブなりの楽しさがあるのは事実なので,来年もできる限り足を運びたいと思っている。5月のKeith Jarrett Trio,Unity Bandはマストだとして,Patti Smithとかも行きたいなぁ。さてどうなることやら。

2012年12月16日 (日)

2012年を回顧する:書籍編

Photo 今年を回顧するシリーズの第2回は書籍編である。今年は仕事の変化,そしてそれに伴う通勤環境の変化に伴い,本を読む時間が激減してしまった。よって,大して本を読んでいないので,こんなカテゴリーで記事を書く資格はないのだが,今年読んだ数少ない本の中でも感銘を受けたものについてはちゃんと書いておきたい。

今年読んでもっとも面白く,最も素晴らしいと思ったのは間違いなく「小澤征爾さんと、音楽について話をする」である。その記事にも書いたが「(村上春樹が)一人の作家として,多くの音楽ファンの立場を代弁し,小澤征爾にインタビューを試みた」と思しきこの本は,行間からも音楽を聴くことの楽しさが溢れているように感じられるものであった。音楽と読書が補完関係にあると思わせるような感覚さえ与えるこの書物は本当に楽しめるものだったと思える。これは小澤征爾と村上春樹の対話であるから,クラシック音楽について語られているものであることは当然としても,クラシック音楽に興味がなくても,聞き手としてはこういう聞き方があり,演奏する立場としてはこういう考えでやっているということが理解できる書物であり,多くの人に読んで欲しいと思える良書であった。

64 そして,記事もアップしていないし,まだ読みかけなのだが,横山秀夫の「64」は途中までしか読んでいなくても素晴らしい出来だと思わせるに足る警察小説である。最終的な評価はまだ出来ないとしても,これだけページをめくらせる小説はなかなかあるものではない。途中までしか読んでいなくても,間違いなく高く評価されるべきものだと思える。横山秀夫と言えば,私は「クライマーズ・ハイ」にも大きな感銘を受けたが,本作はそれと同等,もしくはそれを上回る感覚を私に与えるものであると確信している。

そのほかにもいろいろ買ったままで積んどく状態になっているものが多数あるのだが,いつになったら読めるのやらと思いつつ,まぁそのうち...って感じである。こういう状態なので,宮部みゆきの大長編,「ソロモンの偽証」も手つかずのままだし,高村薫の「冷血」もこれからであるが,それらは年末年始の楽しみに取っておくことにしよう。でももう少しちゃんと本を読む時間を作らないと,ただでさえアホな人間がますますアホな人間になること必定である。何とかしなきゃってことで,来年はちゃんと本も読むぞと宣言しておきたいと思う。

2012年12月15日 (土)

2012年を回顧する:映画編

Argo_2 年末も近づいてきたので,そろそろ今年の回顧をすることとしたい。まずは映画からである。これまでこのブログには「出張中に見た映画」シリーズとして,出張の道すがらで機内エンタテインメントで見た映画についてかなりの数の記事をアップしてきた。だが,仕事に多少の変化があり,長距離の海外出張は今年は発生しなかったこともあり,今年は映画は劇場もしくはDVDでしか見ていない。逆に機内エンタテインメントに依存しなくなったので,劇場に足を運ぶ機会が増えるという効果があった。振り返ってみれば,これほど劇場に通ったのはおそらくは私が中学生の頃以来で,それはそれでよかったと思っている。やはり映画は劇場で見るのが正しいのだ。

そして今年を回顧するとすれば,上位二本はあっさり決まった。今年のナンバーワンは「アルゴ」である。Ben Affleckの監督としての才能は「ザ・タウン」でもわかってはいたが,本作でその実力が完全に実証されたと言ってよい。結末はわかっているのに,ここまでスリルを継続させたその演出能力はちゃんと評価しなければならない。私はオスカー・レースでもいい線行くのではないかと思っているが,とにかく映画的な魅力たっぷりの映画であった。

Photo 次点はフランス映画,あるいは小品のよさをつくづく感じさせた「最強のふたり」である。なんてことはない話と言ってしまえばその通りであるが,この後味の良さが何とも素晴らしかった。見た後,幸せな感覚で席を立てるというのは本当に素晴らしいことである。「アルゴ」といい本作といい,実話に基づくというのまさに「事実は小説より奇なり」ってところだろう。 

もう一作と思いつつ,この二作の魅力が突出していてそれが選びにくい。「ダークナイト・ライジング」でも「人生の特等席」でも「スカイフォール」でもいいのだが,帯に短し襷に長しの部分がある。むしろ,「崖っぷちの男」ぐらいの方が映画的にはいいかなぁとも思っている。だがDVDを含めて見たものということで,公開は昨年だが「ゴーストライター」を挙げておきたい。特段の特殊技術なしでも映画的な魅力を表出できるのは,前掲の二作とも同じであるが,この静かなサスペンスは今でも記憶に残っている。Polanski恐るべしであった。

Dvd それに比べると邦画は全くダメであった。期待の西川美和の新作が私としてイマイチだったのが痛いが,「悪の教典」だの,「天地明察」だの見るに値しない映画を見てしまったことは大いに反省したい。

ともあれ,来年は仕事での海外対応が多少は増える見込みなので,「出張中に見た映画」シリーズが復活する可能性もあるが,それでも劇場通いはできるだけ続けたいと思っている。その場合はちゃんと審美眼を磨いて見る作品は厳選したいものである。

2012年12月14日 (金)

師走につき...

主題の通りである。音楽を聞いていないわけではないのだが,出張,飲み会の連鎖で全く記事を書けない。明日には本年の回顧記事第一弾でも書きたいと思っているが,それも結構怪しいかもしれない(と予防線を張るのが情けない)。

諸事情あり,今回の師走は特に多忙なのは事実だが,それにしてもなぁ...。ということで皆さんごめんなさい。

2012年12月12日 (水)

これもまた冬にフィット感が強いBobo StensonのECM作

Bobo_stenson "Indicum" Bobo Stenson(ECM)

このアルバムには"December"だとか"Ave Maria"といった曲が収められているから,むべなるかなという気がしないでもないが,今年のような厳しい冬の夜に聞くと,非常にフィット感が強いアルバムである。冒頭のBill Evans作"Your Story"からしてしっとりと始まり,それだけでつかみはOKという気がするが,本作には清冽な響きという表現が最適な音が詰まっていると言える。

決して熱く燃える音楽ではない。しかし,彼ら3人の共作となっているおそらくはフリー・インプロヴィゼーションで演奏された曲でさえも,フリー的なものも顔を出さず,落ち着いた印象を醸し出しているのだから,これは相当に確信犯的なアプローチだったと言ってもよいかもしれない。そうした音楽であるから,ハードなジャズを好む向きには全く適さないが,ECMファンにとってはこれはまさにECM的なトリオとも言えて,相応の満足度を得られるはずである。タイトル・トラックは"The Most Beuatiful Sound Next to Silence"の線を狙ったのではないかと言ってはうがちすぎかもしれないが,その次に現れるWolf Biermann作の"Ermutigung"に至って,ECM好きのリスナーは完全にハート鷲掴み状態になること必定であろう。これは美しい。アルバム全体を通じて,そうした響きが強いが,これとかJormin作の"December"とかはまじでしびれる出来である。そのほかにもアルゼンチンのAriel Ramirezの曲があったり,George Russellの曲があったりと,更にはCarl Nielsenの曲まであり,選曲についてはよくわからないところがあるが,これらはあくまでも素材として使い,このピアノ・トリオの美学を徹底したっていう感覚が強いアルバムである。

このアルバムは,サウンド的にこの季節にフィットしているのも事実だが,この響きには心を落ち着かせる効果があるように思える。よって,熱く燃える必要は全然ないが,傾聴にも聞き流しにも耐える優れた音楽であると言っておかねばなるまい。全体的に見れば最高というところまでは行かずとも,これはなかなかいいアルバムである。とにかく私を痺れさせる曲(ノルウェイのトラッドらしい
"Ave Maria"もそうだ)だけに限って言えば満点でもいいが,全体では星★★★★ぐらいだろうか。

だが,このアルバムの効用はほかにもあったことを追記しておく必要がある。電車で座ってこのアルバムをプレイバックすれば,必ず寝られるのだ(笑)。私の場合,3/3の100%である。この音楽の持つそうした誘眠効果も認めなければならない。というより眠りに誘ってくれる音楽はある意味いい音楽なのだと私は思っている。やはりこれはいい音楽なのである。先日取り上げたRobert  MajewskiのバックでのStensonもよかったが,同様
のリリシズムを聞かせた本作も相応に評価したい

Recorded in November and December, 2011

Personnel: Bobo Stenson(p), Anders Jormin(b), John Falt(ds)

2012年12月11日 (火)

John Taylorが美しくしっとりと歌い上げたCarlo Rustichelliの世界

John_taylor "Giulia's Thursdays" John Taylor(CAM Jazz)

これを新譜と呼ぶことには抵抗を感じざるをえないぐらい,記事をアップするのに時間が掛かってしまったアルバムである。師走になって,駆け込み記事のアップみたいなかたちになっているのは情けない限りだが,それでもこれも素晴らしいアルバムなので,どうしても今年のうちに紹介しておきたいと感じたものである。

ここでJohn Taylorが弾いているのは全てイタリアの映画音楽の名作曲家,Carlo Rustichelli(通称カルロ・ルスティケリ)の作品である。私のような年齢になると,Carlo Rustichelliと言えば,「刑事」の「死ぬほど愛して(Sinno Me Moro)」になってしまうと言っては大袈裟(その映画に関する記事はこちら)だが,イタリア映画とRusticheliはやはり切っても切り離せない存在である。私は子供の頃,結構映画音楽が好きで,関光男がMCをやっていたNHKの映画音楽の番組はよく聞いていたので,実はかなり古い曲も知っているのである。当時はRustichelliとかGeorges Delerue(通称ジョルジュ・ドルリュー)とか舌を噛みそうな名前だと思いつつ(笑),彼らの名前を覚えては悦に入っていたのだから,私のデータ好きはその頃からかもしれない。

と話が脱線したが,ここで取り上げられている音楽は次のような映画のものである。もしかすると違っているかもしれないが,大体まぁってことで...(爆)。「バグダッドの盗賊」,「イタリア式離婚狂想曲」,「ローマの恋」,「祖国は誰のものぞ」,「誘惑されて棄てられて」,「クレオパトラの息子(Il Figlio di Cleopatra:日本未公開)」,「ジュリアの木曜日(I Giovedì Della Signora Giulia:日本未公開)」,「Armiamoci e Partite(翻訳不能<笑>,日本未公開)」と,全然知らない映画もあるが,これは相当渋いチョイスだと言ってもよいだろう。そもそもRustichelliのメジャーなものが必ずしも入っていない。だが,そんなことに対する不満を感じさせないほどイタリア映画音楽の適切な甘さや哀愁を織り交ぜて,非常に詩的に出来上がったアルバムなのである。ECMレーベルでのJohn Taylorはクールさを感じさせたが,ここでのTaylorはもう少し甘口だ。だがそれは甘いだけではない。まさに甘美なのである。こうしたアルバム,演奏が出来上がったのはCAMレーベルがサウンドトラックのリリースにも熱心だということと無関係ではなかろうが,それにしても意表を突いた選曲ながら,John Taylorの持つ美意識を見事に表出させたことが素晴らしい。このピアノを聞いて,イギリス人のピアノだと一発で聞きわける人は相当耳がいいと言いたくなるぐらいの,ある意味イタリア・オペラのよさと同質の美的感覚をおぼえる私であった。

いずれにしても,これをずっとアップしないでおいた私はアホだと言いたくなるぐらいよく出来た美しいアルバム。星★★★★☆。それにしてもこんな演奏を6年近くも寝かしておくとはCAM Jazzは一体何を考えているのか?このレーベル,出し惜しみが結構多いが,そう言えばPieranunziもそうだったよなぁ。もう少しタイムリーに出せばいいものを...。だが,いい作品なので全面的に許す(爆)。いやいや,それにしてもムーディなトリオであった。

Recorded on October 20-22, 2006

Personnel: John Taylor(p), Palle Danielsson(b), Martin France(ds)

2012年12月10日 (月)

50周年って感じが如実に出ていた「スカイフォール」

Skyfall 「スカイフォール("Skyfall")」('12,英/米,MGM/Columbia)

監督:Sam Mendes

出演:Daniel Craig, Judi Dench, Javier Bardem, Ralph Fiennes, Naomie Harris, Albert Finney

私はもともと007シリーズがかなり好きな方だが,中でもDaniel Craigの007シリーズは相当評価していると言ってもよい。荒唐無稽ささえ持つようになっていた007シリーズを,リアルなスパイ映画へ転換させるのに成功したことがその要因である。そうした考えを持つ私のような人間もいれば,CraigのBondをBondらしくないとして全く評価しない人もいるのも事実だが,いずれにしても,私は今回の新作を首を長くして待っていた。ロンドン五輪の開会式の演出としてCraigが出てきたのには笑ったが,まぁこの映画の予告編だと思えばいいやなんて考えていた。

それでもって,ようやく日本でも公開になったこの映画を見に行ったわけだが,本シリーズ50周年ということもあって,シリアス度が結構強い中にも,シリーズへのオマージュが様々なかたちで組み込まれていてなかなか面白かった。悪役のJavier Bardemがかなり気色悪いが,相当の憎々しさである。そして,ハイテク対ローテクみたいな部分もあって,そうした対比も面白いのだが,ちょっと上映時間が長いのは気になる。また,シナリオも,用意周到に立てられた計画とは言え,想定外のインシデントが発生しないわけないだろうと思わせる部分があるのもどうも気に入らない。そして,007シリーズらしいスカッとする感じはなくて,むしろ画像も含めてダークな印象が強いところも好みがわかれるはずである。

だが,そうした穴もある一方で,次作につなぐ仕掛けはちゃんと仕込んであるし,ある程度納得もいくようになっているので,まぁいいだろうって気にはなるのである。結局好きなものは好きで仕方がないのだが,この映画はやはりこれまで以上にトーンが暗い。だから007シリーズだと言われればその通りであるが,007シリーズじゃなくたっていいじゃんという気になるのも事実である。そうしたアンビバレントな気持ちもありながら,この映画,娯楽映画としては十分楽しめてよかったと思う。特に冒頭のイスタンブールのシークェンスがよく,上海のシーンもよかった。マカオのシーンは「千と千尋の神隠し」みたいだと思いつつ,その後の廃墟の島のシーンが長崎の軍艦島で撮られていたとエンドロールで知り,へぇ~っとなっていた私である。そしてロンドン市内からスコットランドへとなだれ込みということで,やっぱり面白いや。ということで,大甘承知で星★★★★☆。

それにしても皆さん,エンドロール見ずに帰り過ぎである。軍艦島のことも認識できないのはあまりに残念。最後まで見た人は席を立つときにはその話で結構盛り上がっていたのだから,なんだかもったいないよねぇ。

2012年12月 9日 (日)

普遍的な魅力を持つSchiffの「平均律」

Schiff_ 「Bach: 平均律クラヴィーア曲集全曲(Das Wohltemperierte Clavier)」 Andras Schiff(ECM New Series)

本作もリリースから随分と時間が経ってしまったが,本年のうちに記事を上げずにはおけない作品である。最近のSchiffはECMにおいて,多数の作品をリリースしているが,Schiffのバッハとなればやはり聞いておきたい。

バッハの「平均律」は誰しもが耳にしたことのある曲集であり,そもそも既に普遍性を持った曲だと言ってもよいものである。その既に普遍性を持つ曲に,普遍的な魅力の演奏を加えたと言ってよいSchiffの「平均律」再録音である。

「普遍的」と言ってしまえばそれまでなのだが,逆の見方をすれば,強烈な個性や独自性を打ち出したものではない。だが,「平均律」のような曲に私はギミックは不要だと考えているし,今年は大してクラシックの新譜を聞いていないものの,そうした中でも「別格」の一作を除けば,非常にプレイバック回数も多かったし,大きな感銘を受けた全曲集である。私にとっては,「平均律」はこう弾いて欲しいというかたちの演奏と言ってよく,個人的にはこれこそある意味での今後の「スタンダード」となりうる作品だと感じた。久しくDecca盤のSchiffの「平均律」も聞いていないが,年末年始には両作をゆっくりと比較できればなんて思ってしまった。いずれにしてもこれは星★★★★★をつけてよい演奏だと思

それにしても,輸入盤と国内盤の価格差が大き過ぎである。敢えて国内盤を2倍以上の値段を出して買うことは私にはありえないなぁ。あと,全くの余談だが,ECMのオーナーであるManfred Eicherには,Schiffのベートーベンのソナタのボックス・セットを早いところ廉価でリリースしてくれと頼みたいと思っているのは私だけではあるまい。

Recorded on August 11-14, 2011

Personnel: Andras Schiff (p)
 

2012年12月 8日 (土)

「レッテル貼りはやめましょう」とはよく言えるわ

安倍晋三が選挙戦の街頭演説で「古い自民党、ばらまき公共事業、こういったレッテル貼りはもうやめましょうよ。正しい経済政策、どうやって地域を活性化していくか、真面目に話をしていくべきなんです。公共投資をしていくときに、無駄遣いはしません。ちゃんとやります。」とのたもうたそうである。

自民党が自らの政策によって展開してきた政治の結果を簡単に日本国民が忘れられると思っているとすれば,やはりこの男,相当の脳天気だと言っておこう。「公共投資をしていくときに、無駄遣いはしません。ちゃんとやります。」って言って,誰が信じられると言うのだ?過去は全て水に流せとでもいうのか?アホにつける薬はないわ。

長時間化するココログのアクセス解析機能の停止

一昨日の未明あたりから,ココログのアクセス解析機能がずっと停止している。現在,メンテナンス中ということだが,これだけ長いのは記憶にない。ベーシック・プランの私としては文句を言えた筋合いではないが,有料サービスでこれだったら,さすがに顰蹙を買うだろうなぁ。

ただ,アクセス解析はそのデータを眺めていると,非常に興味深いことも見えてきたりするので,さっさと復旧して欲しいものだが...。仕事でITに携わる人間としてはやっぱりこれは
問題を感じるなぁ。まぁ,カード業界ではシステム更改で大失敗をやらかしたダイナースって会社もあるが,それに比べればましとは言え,もう少ししっかりやって欲しいものである。 

2012年12月 7日 (金)

念のため書いておく:民主党敗北は仕方がない。だが、絶対にアホシンゾウの跳梁跋扈は許してはならない。

今回は政権交代は仕方がないかもしれない。だが、安倍晋三というろくでなしを一国の宰相に据えることの危険性を理解した上で投票行動を取るべきだ。

口ではきれいごとを並べたてようが何しようが、この男は途中で職場放棄したことに全く落とし前をつけていない。今の勢いであれば、政権復帰するだろうが、近い将来再び職場放棄され、世界から失笑されても仕方がない無責任ボンボンに過ぎないことを見逃してはならない。アホシンゾウなんて私から言わせれば単なる揚げ足取りでしかない。 この男の頭脳レベルは、米国のTea Party未満、あるいはSarah Palin並みだというちゃんとした審美眼で見るべきだ。少なくとも選挙後に勝てば官軍のごとく、アホシンゾウ君の見解が、現代の日本を代表するということには決してならないことだけは思い知らせる必要がある。美しい日本だの美しい海がどうのこうのだの言ったところで、具体策は皆無、そして建設国債を日銀が買い取ればいいなどと言って、アホ度を倍増させるこの男こそ真の恥知らずであることは皆さんもよく考えるべきだ。 だからと言って民主党も支持しづらく、第三極など論外、社民や共産はアナクロという実情では多くの国民がどう投票すればいいかわからず大いに困るはずである。 こうした状況を作り出したあまねく政治家には「恥知らず」と言わざるを得ないが、それでもLDPの楽勝は絶対に避けなければならないと思っているのは私だけではないはずである。きたる投票日には、よく考えて投票しなければならないと肝に銘じよう。

2012年12月 6日 (木)

吉報!Fred Hersch再来日。

世の中にはものすごい情報収集能力と驚くべきフットワークで音楽に接し,ライブに参戦される方がいらっしゃる。私のヴァーチャル世界でのお知り合いではShogahさんがその代表と言ってもいい方である。そのShogahさんがFBにお書きになっていたのを受け売りさせて頂くが,Fred Herschが来年春日本でソロ公演をするようである。4/17〜19@Cotton Club。これは何があっても参戦せねば。

振り返れば私がHerschのライブをカザルス・ホールで見てからもう5年の時が流れたが,その後のHerschは昏睡状態に陥ったり,そこから復活したりと,物凄い時を過ごしてきたが,その後は本年屈指のトリオ・アルバムと言ってよいVanguardでのライブをリリースしたりして,明らかに体調も復活しているようなので,本当にこの来日は楽しみである。行きます。行きます。絶対行きます(笑)。

2012年12月 5日 (水)

本日は(本日も?)...

またも記事をアップできなかった...。師走ならではってこともあるが,公私ともに多忙かつ相変わらずのアルコール漬けである。今夜は禁酒し,記事を書けるようにしたいが,さて...。

2012年12月 4日 (火)

Me'Shell NdegéocelloによるNina Simoneトリビュート

Meshell_ndegeocello "Pour Une Ame Souveraine: A Dedication to Nina Simone" Me'Shell Ndegéocello (Naive)

前作はJoe Henryのプロデュースにより渋い作品(同作に関する記事はこちら)を作り上げたMe'Shell Ndegéocelloが,比較的短いインターバルで今回取り組むのはNina Simoneへのトリビュートである。彼女とNina Simoneがどういうかたちで結びつくのかはよくわからないのだが,ストレートなトリビュートというよりも,Me'Shell Ndegéocelloならではのやり方で,Nina Simoneに捧げたと考えてよいように聞こえる。固定のバンド形式での演奏にゲストを迎えるというやり方を取ったのもそういう理由と考えてよさそうである。

ここで展開される音楽はソウルとフォークとブルーズとゴスペルのハイブリッドみたいなものなので,それがNina Simoneとの同質性を示すといえばその通りだろう。その分,Me'Shell Ndegéocelloらしいファンク・フレイヴァーは希薄であり,その辺りでリスナーの好みはわかれるように思える。私はこれはこれでいいという立場だが,私がここで驚かされたのが,彼女の声が時としてをSadeを想起させるということであった。冒頭の"Don't Let Me Be Misunderstood"からして,「おぉっ,Sadeみたいや」と思わせる声であり,これには正直驚かされた私である。

これは,常日頃のファンクに気を取られて,声の同質性に気がつかなかっただけってことであり,正直,自分の耳は大したことないと反省してしまった。

ゲストは概ね好演だと思うが,Valerie Juneは声質がここでの音楽に合っておらず,やや違和感があった。本作で歌うには声がキュート過ぎるのだ。そうしたミスキャストもあるが,その一方でCody ChesnuTTの声には痺れてしまった私である。あの声で"To Be Young, Gifted And Black"なんて歌われてしまっては,「はい,はい,おっしゃる通りです」と首肯せざるを得ないではないか。

ということで,本作はMe'Shell Ndegéocelloの作品としては異色の作品ということになるかもしれないが,それでも彼女の別の個性を示したといことで大いに楽しんだ私であった。星★★★★☆。本作のリリース後,同主旨でのライブも行っているようで,観てみたいと思うのはきっと私だけではあるまい。

尚,全くの余談ながら,先日YouTubeで見た尾藤イサオが力んで歌う「悲しき願い」とここでの"Don't Let Me Be Misunderstood"が同じ曲であるとは到底思えないなぁなどと一人で笑っていた私である。YouTubeを見ながらニヤニヤする私の姿を見られたら薄気味悪いと思われても仕方ないな(笑)。

Personnel: Me'Shell Ndegéocello(vo, b), Chris Bruce(g), Deantoni Parks(ds), Jebin Bruni(key, p), Toshi Reagan(vo), Sinead O'Connor(vo), Lizz Wright(vo), Valerie June(vo), Cody ChesnuTT(vo), Tracey Wannomae(ss, fl)

2012年12月 3日 (月)

Angie Stone:記事のアップが遅くなったが,これは非常によく出来たソウル・アルバム。

Angie_stone "Rich Girl" Angie Stone(Saguaro Road Rhythm)

本作の記事をアップするのにも非常に時間が掛かってしまったが,今回はAngie Stoneである。私はこのブログで彼女の記事を書いたことはないが,2004年にリリースされた"Stone Love"はかなり気に入って聞いていた。それ以降,彼女の追っかけをしてきたわけではないが,今回久々の購入となった。これが非常によく出来た「モダン」なソウル・アルバムであった。さすが,「ネオ・ソウル」と呼ばれるだけのことはある。

彼女の魅力はその声にあると思うが,ほぼ全編に渡ってミディアムの曲調で展開されるここでの歌唱,演奏は,私が現代のソウルに求めたいグルーブを的確に表出していると思える。この作品はライナーから察するに,いろいろなミュージシャンとの共演を通じての表現機会はありながら,徐々に彼女のアイデンティティを示す創作ができなくなっていったことに対するフラストレーションを解消すべく制作されたものと思われる。つまり,そもそもの意欲あるいはモチベーションが違う。そうした要素もありながら,力んだところ感じさせないのが何とも心地よいのである。

私にとって,このアルバムの中身を一曲,一曲どうこうというのは今のところ難しいのであるが,今回,この記事を書こうと思って何度も聞いているのだが,そうしたリピートに耐えうるというところが,この作品の出来の良さを実証しているように思える。今年はあまりソウル系のアルバムを取り上げていないが,そんな私でも多くの人に推奨できるという印象を持てる一枚。星★★★★☆。それにしても,これほどの謝辞が並んだライナーは滅多に見られないが,それだけAngie Stoneにとって,このアルバムの
制作は意義深かったことの証左と言えるだろう。

2012年12月 2日 (日)

早くも師走。今年の回顧の準備をせねば。

早いもので気付いてみればもう師走である。ということはそろそろ今年の回顧をするための準備をしなければならないのだが,いかんせんまだ聞けていない作品も結構あるのが困りものだ。

大体のところの目星はつけてある(というか,今年の最高作はあれしかないと決まっている)が,滑り込みであっと驚くような作品が出てこないとも限らない。しかし,師走である。仕事もそれなりに忙しいし,なかなか音楽をゆっくり聞いている余裕がない可能性もあり,そこはもう諦めるしかないってところだろう。

そうした中で,今年最後の大物は遅ればせながら購入した「太陽と戦慄」の15枚組である。間もなくデリバリーされるはずだが,全部年内に聞くのは到底無理だろう。ということで,それが対象になるかどうかは甚だ疑問だが,いずれにしても,今年もいい作品は結構あった。まだ記事をアップしていなくても,これはええわぁというのも多々あるので,もう少し考えて見たいと思う。

2012年12月 1日 (土)

Robert Majewski: 寒い季節にあまりにぴったりなバラッド・アルバム

Robert_majewski "My One And Only Love" Robert Majewski (Zair, 自主制作盤?)

実際のリリースからは結構時間が経っているようだが,日本国内で流通するようになったのは最近のようなので新譜扱いとさせて頂く。

リーダーには申し訳ないのだが,完全にバックのメンツ買いのアルバムである。そもそもリーダーの名前も聞いたことがなかったし...(笑)。多くの人にとっても購入動機ってそういうことになってしまうだろうし,Stenson,Daniellsonのコンビはまぁ想像できるとしても,そこにJoey Baronが加わるとどうなるのかは極めて興味深い。清冽な響きにBaronがテンションを持ち込むという展開が最も想像しやすい世界だろう。だが聞いてみて出てきた音楽はそんな想像とは全く異なる音楽だったのには驚いた。まさに正調のバラッド・アルバムなのである。

収録曲を見てもほとんどがそれこそ「手垢のついた」と言うべき曲で占められているわけだが,オリジナル重視,変拍子炸裂のアルバムが多い昨今において,逆に新鮮さ,あるいは潔ささえ感じさせるものとなっている。元々が素晴らしい曲ばかりであるから,それなりのミュージシャンが演奏すればそれなりの成果は期待できるが,それでも,ここではバラッド表現に徹したことこそ評価されるべきであろう。ある意味テンポを上げてごまかしたり,おかしなアレンジメントでギミックを感じさせることもできる曲を,「清く正しく美しく」演奏するのは逆に勇気が必要な場合もあるからである。

ここでの演奏を聞いていると,これから寒さが厳しくなっていく今の季節にぴったりの演奏だと思ってしまう。寒さの中で,心を落ち着かせ、暖かくする効果を強く感じさせるからである。これは猛烈に冬が厳しいポーランド出身のMajewskiらしいということにもなるかもしれないが,まさにわかっているねぇって感じである。暖炉に火をくべながら聞いたらまさに最高ってところであろう(実現は甚だ難しいが...)。

いずれにしても想像の音とは違ったとしても,本作に収められた演奏を聞けば,充実した冬を過ごせると言える作品であり,静かなホリデイ・シーズンを過ごしたいと考える人々にもフィットするであろうナイスな作品である。星★★★★☆。

Recorded on December 12-14, 2010

 Personnel: Robert Majewski(fl-h), Bobo Stenson(p), Palle Daniellson(b), Joey Baron(ds)

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