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2012年12月12日 (水)

これもまた冬にフィット感が強いBobo StensonのECM作

Bobo_stenson "Indicum" Bobo Stenson(ECM)

このアルバムには"December"だとか"Ave Maria"といった曲が収められているから,むべなるかなという気がしないでもないが,今年のような厳しい冬の夜に聞くと,非常にフィット感が強いアルバムである。冒頭のBill Evans作"Your Story"からしてしっとりと始まり,それだけでつかみはOKという気がするが,本作には清冽な響きという表現が最適な音が詰まっていると言える。

決して熱く燃える音楽ではない。しかし,彼ら3人の共作となっているおそらくはフリー・インプロヴィゼーションで演奏された曲でさえも,フリー的なものも顔を出さず,落ち着いた印象を醸し出しているのだから,これは相当に確信犯的なアプローチだったと言ってもよいかもしれない。そうした音楽であるから,ハードなジャズを好む向きには全く適さないが,ECMファンにとってはこれはまさにECM的なトリオとも言えて,相応の満足度を得られるはずである。タイトル・トラックは"The Most Beuatiful Sound Next to Silence"の線を狙ったのではないかと言ってはうがちすぎかもしれないが,その次に現れるWolf Biermann作の"Ermutigung"に至って,ECM好きのリスナーは完全にハート鷲掴み状態になること必定であろう。これは美しい。アルバム全体を通じて,そうした響きが強いが,これとかJormin作の"December"とかはまじでしびれる出来である。そのほかにもアルゼンチンのAriel Ramirezの曲があったり,George Russellの曲があったりと,更にはCarl Nielsenの曲まであり,選曲についてはよくわからないところがあるが,これらはあくまでも素材として使い,このピアノ・トリオの美学を徹底したっていう感覚が強いアルバムである。

このアルバムは,サウンド的にこの季節にフィットしているのも事実だが,この響きには心を落ち着かせる効果があるように思える。よって,熱く燃える必要は全然ないが,傾聴にも聞き流しにも耐える優れた音楽であると言っておかねばなるまい。全体的に見れば最高というところまでは行かずとも,これはなかなかいいアルバムである。とにかく私を痺れさせる曲(ノルウェイのトラッドらしい
"Ave Maria"もそうだ)だけに限って言えば満点でもいいが,全体では星★★★★ぐらいだろうか。

だが,このアルバムの効用はほかにもあったことを追記しておく必要がある。電車で座ってこのアルバムをプレイバックすれば,必ず寝られるのだ(笑)。私の場合,3/3の100%である。この音楽の持つそうした誘眠効果も認めなければならない。というより眠りに誘ってくれる音楽はある意味いい音楽なのだと私は思っている。やはりこれはいい音楽なのである。先日取り上げたRobert  MajewskiのバックでのStensonもよかったが,同様
のリリシズムを聞かせた本作も相応に評価したい

Recorded in November and December, 2011

Personnel: Bobo Stenson(p), Anders Jormin(b), John Falt(ds)

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コメント

こんばんは〜
おぉ! こちらのアルバム どなたかも紹介されていてメモしてあったものです。すずっくさんだったかな!?
"美しい"に最近 惹かれるわたくし。
買おうかなぁ…
みなさま、ほんと上手にアルバム紹介されていて あれもこれもと聴きたくなります。

わたしもこれもとても気に入ってます。

そう、冬の感じ、そして、クリスマスシーズンにもいいと思ってます。
Bobo Stensonもいいけど、Anders Jorminがいいよなぁ、と、聴き入ります。
だから、寝ない。(笑)深く、味わい深い音に引きこまれそうです。

で、Robert Majewskiのアルバムも実はクリスマスシーズンの隠れアイテムだったのに!!まったくなぁ。もう。(笑)

Marlinさん,こんばんは。返事が遅くなりました。

正直なところ,多分これもお気に召すとは思うのですが,MarlinさんにはJohn Taylor盤をより強くお勧めしたいと思います。こっちは多少クールですが,John Taylor盤は本当に甘美でハート・ウォーミングですので。

違ってたらどうしよう...(爆)。

Suzuckさん,こんばんは。TBありがとうございます。

まぁ,まぁええじゃないですか。寝られるほど気持ちがいいんですよ。でもこれは結構好きですねぇ。Bobo Stensonという人は,必要以上にクールになり過ぎる部分もあるように思えますが,このアルバムの美的な感覚にはまいった人も多いでしょうね。

Robert Majewskiは更にって感じですが。隠しアイテムを暴露してどうもすんませ~ん。

なかなか今の季節にはいいアルバムですね。こういうピアノ・トリオがフィットします。ECMの場合、飛びぬけた派手さがないので、年間ベスト3には選びにくいところがありますが、味わいのある新譜コーナーなどを加えたら、このアルバムも入ってくるんじゃないかと思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

派手さはなくとも心にしみるアルバムでした。それでもJohn Taylorよりはクールに響くのがBobo Stensonらしいですが,彼にしては随分と柔らかくはなったと思います。

今年はピアノ・トリオにいい作品が多かったように思いますが,これもそんな一枚ですね。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

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