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2012年11月14日 (水)

ようやくDylanの"Tempest"のアップである。

Tempest "Tempest" Bob Dylan (Columbia)

記事を書くまでこれほど時間が掛かるとは思わなかった。アルバムがリリースされたのが今年の9/11であり,ここまで正直何回聞いたかわからないぐらい聞いたのだが,どうしても記事にできない状態が続いていた。できるだけ歌詞を吟味しながら,聞きたいと思っていたからなのだが,100%本質をつかんだとは言い難いものの,もう書いてもいいだろうということで,ようやくである。

冒頭の"Duquesne Whistle"のイントロを聞いた瞬間,おやっ?と思うリスナーは多いと思う。何ともカントリー的なというか,ペーソスを感じさせるというか,それこそ不思議なフレイヴァーの始まりだからである。だが,リズムが入った瞬間,全ての懸念は消失する。この一瞬のインパクトだけでも,このアルバムはつかみはOKというところであろう。その後に展開されるルーツ的な音楽と,物語性を持った曲を聞くにつけ,そのつかみが興奮へと転じると言うべきだろう。最も短くても3分28秒,タイトル・トラックに至っては13分55秒という長尺である。それもタイタニックについて歌い,45コーラスもあるというのが凄い。こうなると,単なる歌手というよりも,詩人であり,作家の境地である。そして最後はJohn Lennonについて歌った"Roll On John"で締めくくるというのがまたしびれる。DylanがLennonにシンパシーを示すというところが意外なようでもあるわけだが,それでも,Lennonが亡くなって30年以上を経た今,Dylanの声でこの歌が歌われることに非常に感慨深いものをおぼえるのはきっと私だけではないだろう。

いずれにしても,この作品には「死」という言葉が強く感じられるわけだが,古希を過ぎたDylanとしても,当然自分の「死」についても思うところがあることの反映なのか,どうなのかは私には知る由もない。しかし,そうしたダークな雰囲気と,ルーツ・ロック的なグルーブがこれまたマッチして,何とも言えない雰囲気を生み出している。Bob DylanがJack Frost名義で作品をセルフ・プロデュースし始めてからの作品はどれも優れた出来だと思うが,これもまた新たな傑作として多くの人に聞かれるべき作品となった。こんな作品には星★★★★★しかあるまい。

Bob Dylan,とても71歳とは思えぬ創造力である。まだまだ現役というよりも,その他大勢のミュージシャンをはるかに凌駕するエネルギーである。凄い。このアルバムの記事をアップするまでの間に,世の中では村上春樹がノーベル文学賞を受賞するかどうかという話題があったが,私は詩人としてのBob Dylanもノーベル文学賞の候補に値するなんて思っていた。優れた文筆家が,歌も歌うというだけのことだと考えれば,あながち可能性ゼロだとも言い切れまい。そう思わせるに値する見事な作品である
。そうは言いながら,私は本作の歌詞を完全に把握しきっていない。それができるまで,まだまだ何度でも聞きたいと思わせるのである。なかなかこんな作品には出会えないと言ってもよいだろう。

Personnel: Bob Dylan(vo, g, p), Tony Garner(b), George G. Receli(ds) Donnie Herron(steel, banjo, vln, mandolin), Charlie Sexton(g), Stu Kimball(g), David Hidalgo(g, accor, vln)

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コメント

EVAです、おはようございます。
いつも素敵なアルバムを紹介して頂き有難うございます。
Bob Dylanは元々余り聴いたことのないアーティストなのですが枯れた年齢の音楽を聴いてみたくなって先程ポチッてしまいました。
それもアナログ盤(UK盤)を...、3枚組でした。(爆)
多少入荷まで時間が掛るようですが楽しみです。
これで気に入れば更にCDも買って見ようかと思います。(何せ安いですから)
明後日には纏めて購入する予定ですが中年音楽狂さんの紹介アルバムも沢山入っています。(爆)
今後とも宜しくお願いします。

EVAさん,返信が遅くなりました。

Dylanは素晴らしいミュージシャンではありますが,独特のクセがありますので,全ての人に受け入れられるわけではないと思っています。しかし,ここに収められた音楽を聞けば,普遍的な訴求力もあるなぁなんて思っています。本盤は傑作ですが,お聞きになられてお気に召せば幸いです。

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