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2012年10月 8日 (月)

Lee Konitzほか御一行さまによるスタンダードの解体と再構築

Enfants_terribles "Enfants Terribles" Lee Konitz / Bill Frisell / Gary Peacock / Joey Baron(High Note)

Lee Konitzと言えば,昨年,Brad Mehldau,Charlie Haden,Paul Motianという面々でのBirdlandでのライブ盤でスタンダードの解体/再構築に取り組んでいた(記事はこちら)。今度はパートナーをがらっと変えての演奏であるが,狙っているところはほぼ同じではないかと思える作品である。前回も濃いメンツだったが,今回も同じように相当濃厚なメンバーである。しかもいい歳のオッサン集団が「恐るべき子供たち」と命名するのだからジョークも効いている(もしや本気か?)。現在の年齢で言えばKonitz:85歳,Peacock:76歳,Frisell:61歳,そして一番若いBaron:57歳で,平均年齢ほぼ70歳っていうのは半端ではない。歳は取っても創造力は衰えないってことだろうか。私は「恐るべき老人たち」と改題したいぐらいである。

Birdlandのライブが出た時に,私は「やっているのはスタンダードなのだが,それはあくまでもモチーフに過ぎないのである。そこからいかに自由に展開するかというところに,この音楽の本質があるように思える。」なんて書いているが,それはほとんどこの作品にも当てはまると言ってよいように思える。その中でKonitzとFrisellがユニゾンを聞かせる部分もあるので,アレンジをされている部分もあろうが,ほとんどはメンバー同士の自然発生的な対応により演奏は行われているものと推察する。コード進行らしいところは感じさせつつも,一般のスタンダード演奏だと思うとこれは痛い目に会うかもしれないので,経験値の浅いリスナーは要注意である。少なくともKonitzに素のメロディ・ラインを吹く気はないようにすら感じさせるのは相変わらずって感じである。

しかし,こうしたメンツがBlue Noteのようなクラブに出演してしまうところがある意味では凄いが,どういう客層だったのかが非常に興味深い。Gatewayが出た時も一体どういう客層?って思ったのも懐かしいが,正直言ってBlue Noteっぽくないミュージシャン,そして演奏である。ここに観光客たちが集っていたら???となること間違いなしであっただろう。ある程度耳の肥えたリスナーが揃っていたと思いたいが,実際はどうだったのかねぇ。拍手を聞いている限り相応に盛り上がっているように思えるが...。

そうした中で,Konitzが我が道を往くって感じなのに対し,Bill FrisellはKonitzほど崩しの世界には入っていないところが,年齢差ゆえか。FrisellはFrisellで相当のスタイリストだと思うが,そのFrisellでさえがまともに聞こえてしまうところがKonitzの超越ぶりを示していると感じざるをえない。ということで,85歳になってこんな演奏をしている怪物Konitzへの評価も含めて星★★★★。高揚感やハード・ドライヴィングという概念からは遠くても,これはこれで立派なジャズである。

ただねぇ,このジャケだけは何とかならんもんだったか...(苦笑)。

Recorded Live at Blue Note NYC on June 4 & 5, 2012

Personnel: Lee Konitz(as), Bill Frisell(b), Gary Peacock(b), Joey Baron(ds)

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コメント

同じメンバーで2011年(昨年)の6月、つまり同時期にBluenoteに出演したのを聴きました。コニッツは独り路を行き、Frisellは好きにやっていた。バンドの芯はPeacok。その存在感に打たれました。
買って聴いてみますね。

kenさん,ご出張ご苦労さまです。

この演奏をリアルタイムで聞かれていたというのは凄いですねぇ。記事にも書きましたが,一体どういう客層だったのか,非常に関心があります。バンドの芯がPeacockというのはなるほどなぁって感じです。

ともあれ,残りのご旅程もお気をつけて。

それぞれが好き勝手にやっているように見えて、それでいてグループとしてまとまり感も見せている、なかなか恐るべきメンツですね。曲も水が流れて行くように、サウンドやリズムなど、変わっていく場面もありましたし。

何だかスゴいものを聴いてしまったなあ、と思うんですが、当日の客層は、私も気になります。拍手が多かったですよね。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

これってクラブに聞くにしてはテンションが高過ぎるって気もしますが,拍手の感じを聞く限りは結構受けてますよねぇ。やっぱりNYCの聴衆は耳が肥えているのかなぁなんて思ってしまいました。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

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