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2012年10月12日 (金)

人生二度目のAyler体験:まさに正調フリー・ジャズ

Spiritual_unity "Spiritual Unity" Albert Ayler Trio(ESP)

私が生まれて初めてAlbert Aylerの音源を聞いたのは去年のことであった。本ブログにも記事をアップしたが,そこには非常にスピリチュアルな部分を感じた私である(記事はこちら)が,フリー・ジャズの範疇では非常に魅力的な音楽として捉えていた。そんな私であるから,もう少しAylerの音楽を聴いてみたいと思っていたのだが,なかなか踏ん切りがつかない。中古で見つけたら考えようと思っていたのだが,その狙いは今回取り上げる"Spiritual Unity"に絞っていたと言ってもよい。先日,中古盤屋をうろついていたら,中古にしてはやや高めではあったが発見したので即購入と相成った。

聴いてみれば,これは正調フリー・ジャズ,あるいは定冠詞"The"のついたフリー・ジャズだと言ってもよい演奏である。私は結構フリー好きなので,こういう演奏は大歓迎だが,これぐらいのレベルの演奏であれば,より多くの人にフリーのよさが理解されるのではないかと思ってしまうぐらいこれは優れた演奏だと思う。ピアノレスのトリオ編成というのも自由度が高い要因だとは思うが,とにかくAylerから繰り出されるフレーズの一つ一つがまさに「フリー・ジャズ」って感じである。

そして,本作には山下洋輔の演奏でも著名な"Ghosts"が入っているが,山下洋輔の演奏に慣れ親しんだ身としては,オリジナルはこういう演奏だったのかと感じてしまった。ここでのAylerの吹奏にはアメリカ民謡的なものすら感じさせる。私は昨年書いた記事において教会音楽的な響きをAylerの音楽に感じたわけだが,今度は民謡ということで,実はこの人の奥底にはトラッドな感覚,あるいは非常に日常的なものが存在していながら,出てくる音楽が非日常的というギャップが面白いと思わせる。私はこのアルバムを聴いて,ますますAylerが気になってきてしまい,次はImpulse盤を狙うかって思ってしまったぐらいだ。それがいつになるかはわからないとしても,Aylerの音楽はそう感じさせるぐらい魅力的ということである。気が付くのが遅すぎたが,それはそれで仕方ない。だが,この音源も高く評価するとして星★★★★★。

驚くべきは本作のような正調フリー・ジャズが,今や軟弱あるいはワンパターンを絵に書いたようなろくでもないアルバムを下品なジャケで連発するヴィーナス・レコードからリリースされていたということである。昔はずっと骨のある仕事をしていたのに,今の体たらくは何なんだとついつい思ってしまった。

Recorded on July 10, 1964

Personnel: Albert Ayler(ts), Gary Peacock(b), Sunny Marray(ds)

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ジャズ(2012年の記事)」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。ここのブログは必ず見てます。アイラーを最近聴いたというのに驚きました。でも縁が無い人ってそんなもんですね。


僕はこの人の音楽を聞くと一昔前アメリカの田舎を巡業してたサーカスの一団の呼び込み、日本風に言うとちんどん屋のサウンドを思い浮かべます。なんかすごく懐かしい。アメリカのちんどん屋見たこと無いけど。


どんなにフリーキーにやっててもこの人のサックスの音は根っこの所が大らかで明るくて優しいから癒されてしまう。中上健次のエッセイ「破壊せよとアイラーは言った」なんかは誤解を生みますね。全然そんな音楽じゃないんだもん。


個人的にはセシル・テイラーも後期トレーンもアイラーも、そのものズバリ「フリージャズ」って作品を創ったオーネット・コールマンもそれぞれ全然違う方向性の音楽なのに何で「フリージャズ」の一言で十羽一絡げにされるのか良く分かりません。オーネットなんてちょっと風変わりだけど今の耳で聞くと全然普通のジャズ。


ちなみに「My name is Albert Ayler」はオーソドックスな演奏に徹するヨーロッパのジャズピアノトリオをバックにしてアイラーがジャズのド定番をこちらはいつも通りむちゃくちゃに演奏してくれる素晴らしい一枚なのでおススメです。このアイラーのバージョンの「SummerTime」はジャニスバージョンと甲乙付けがたい血を吐くような一曲ですよ。

青達さん,はじめまして。いつもご覧頂いているとの由,まことにありがとうございます。

非常にAylerへの理解に溢れたコメントだと思いました。よくお聞きになっているんだろうなぁと即座に感じさせて頂けました。

私は本当にAylerと縁がなくて,この歳になってようやくというのはお恥ずかしい限りですが,それでも魅力に気がついてよかったと思っております。私は特に「ラスト・レコーディング」においてはAylerには教会音楽の影響を感じたわけですが,「なんかすごく懐かしい」というのは同感です。

主題は「正調フリー・ジャズ」とそれこそひとくくりに書いてしまった私ですが,これはいい意味でとご解釈頂ければと思います。"My Name Is Albert Ayler"も中古で探してみようと思います(笑)。

ともあれ,今後ともよろしくお願いします。

丁寧なご返事ありがとうございます。ブログ主さんの大量かつ多様な音楽の聴き込みからして、アイラーは当然抑えているものと思っていたので意外な感じがしたのです。


ブログ主さんの足元にも及ばない程度の軟弱音楽狂ですがアイラーはさっき数えてみたらCD11枚ほど所有しておりまして、アイラー歴だけは上なのでついコメントしたくなって。


最近ようやく決心して9枚組だかのアイラーボックスを頼みました。入手困難とあったので実際に届くかどうか微妙ですが…


ああ、僕の「フリージャズってカテゴライズで一緒くた、アカンでぇ!」的記述はブログ主様の批判ではありませんよ~~(汗)一般論です、一般論。これ本当にもったいないと思うんですよね、それぞれ個性が違うんですから。


コルトレーン大好きの僕でも「オラトゥンジ・コンサート」は或る意味苦行(でも何度も聴いてると慣れてくるのが怖い…)だけどアイラーは全然苦しくない。オーネットに至っては聴いてると自然に笑けてくる。それくらい違うんですから。東京JAZZでオーネット聴こうと思ったんですが、来日キャンセルになっちゃって残念だったなあ…

青達さん,こんにちは。

『「オラトゥンジ・コンサート」は或る意味苦行』というのには思わず笑ってしまいました。まさにその通りですから。

「フリージャズってカテゴライズで一緒くた、アカンでぇ!」というのはおっしゃる通りだと思っています。各ミュージシャンにはそれぞれ個性の違いがありますし,例えばAlexander von SchlippenbachとAylerを同一次元で語るのはおかしいですよねぇ。

いずれにしても,私は相当雑食に音楽を聞いているとは思いますが,まだまだ聞けていない人は沢山いますし,それを言い出したらきりがありません。少なくとも聞いた時に,優れたものを見分けるだけの審美眼だけは維持したいと思っています。

これからもよろしくお願いします。

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