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2012年9月17日 (月)

「夢売るふたり」:西川美和の新作は私にとっては微妙

Photo 「夢売るふたり」('12,アスミック・エース)

監督:西川美和

出演:松たか子,阿部サダヲ,田中麗奈,鈴木砂羽,木村多江,笑福亭鶴瓶

私は映画「ゆれる」並びに「ディア・ドクター」において,西川美和の脚本並びに演出能力に強い感銘を受けた(それらに関する記事はこちらこちら)ので,今回の久々の新作にも大きな期待を寄せて劇場に足を運んだ私である。しかし,結果的には前述の2本には及ばない出来だと思えた。

この映画のストーリー自体は,前2作と同様にひねり(あるいは屈折と言ってもよい)のあるものだが,映画としての問題は登場人物が多くなることによって,映画としての展開に冗長性が生じたことである。結婚詐欺に関する話であるから,騙される側も描く必要は感じるのだが,それが挿話レベルで終わるのではなく,ストーリーの基軸に据えられるのが4人いることによって,まとまりのなさを感じさせるものになっているように感じられた。これはストーリー上仕方がなかったかもしれないとは思いつつ,もう少しシナリオを整理する余地もあったように思える。私としては137分という上映時間も致し方ない部分もあるとは言え,冗長性を排除する余地もあったのではないかと感じられた。

だが,このひねりの効いたシナリオはまさしく西川美和らしいし,役者陣も総じて好演。笑福亭鶴瓶が示す存在感が意外とも思えるが,「ディア・ドクター」の先例もあり,これはこれで大したものと評価するべきものだろう。それにしても,最近の松たか子は「告白」といい,この映画といい,ガッツを感じさせる女優だと思う。普通の生半可な女優ならこの役は演じられまい。

ということで,私としてはアンビバレントな感覚も残るが星★★★☆。

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コメント

意見が分かれましたね(笑)。私にとっては、この作品は、>「ゆれる」>「ディア・ドクター」です(「蛇イチゴ」は未鑑賞)。西川自身がインタビューで、今回はいろいろな職業・境遇の女性、それと夫婦を描きたかったと言っているので、結婚詐欺と夫・阿部サダヲを狂言回しとして、騙されて「幸福」になっていく女性たちと、騙して(騙しをを操って)「不幸」になっていく女性を対比させながら、これでもかと思わせるほどじっくりと見せていくところに主眼をおいていますね。Storyを無難に収斂させるために、松たか子でない女性に結末のトリガー役を持って来ていますが、最後に松たか子にも阿部サダヲの境遇を体験させようとするところまで、良く脚本は練られていると思いました。映画好きを唸らせる伏線や細部もさることながら、平凡・平均的な人生を送っている者には分からない人生をリアルっぽく描きながら、それでも上っ面とセリフで言わしめるところなど、所詮映画は絵空事、リアルはもっと凄いと思わせる(いい意味で)あざとさを強く感じました。

カビゴンさん,おはようございます。私の中では振り返ってみれば「ゆれる」の評価が高まっており,今の私であれば「ゆれる」>「ディア・ドクター」>本作ですかねぇ。

人それぞれ評価が違うのは当然ですから,まぁそれはそれということで。本作もあとからよくよく考えればよかったなぁなんてことになるのかもしれません。

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