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2012年9月21日 (金)

大西順子の引退を惜しむ

Wow "WOW" 大西順子(Somethin' Else)

大西順子が自身のWebサイトにおいて今秋のライブ・ツアー後の引退を発表したのはショッキングな出来事であった。彼女曰く「私には自分のための演奏は出来ても、オーディエンスを満足させるパフォーマー、クリエーターにはなれない,むしろ研究者でいたいという結論に至りました。」とのことであるが,十分オーディエンスを満足させてきたと言ってよい大西がなぜこのように考えたのかは全くの謎である。彼女は一度約5年間の活動休止をしているが,よほどこの人は音楽にストイックな姿勢を持っているのかもしれないと思わせる発言である。

思えば彼女がデビュー・アルバム"WOW"をリリースしたのが1993年,レコーディング・アーティストとしては実働20年ということになるが,復活後の2作も素晴らしかっただけに,今回の引退発表はもったいないと思わせる。彼女は「既に存在するものを自分というフィルターを通して焼き直すだけだったようにも思われ」るとも書いているが,音楽なんて本当にオリジナルなものもあるが,多くの場合,誰かからの影響を受けそれを咀嚼し,解釈するということは普通に行われることではないのか。ジャズという音楽にこれだけの長い歴史がある以上,それは決して避けることはできないと私には思えてならない。

こうした発表を受けて,彼女の初リーダー作"WOW"を聞き直している私だが,今聞いても,このアルバムの大西のピアノは強靭なサウンドを持っている。言い尽くされた感があるが,極めて男性的なタッチであると言ってよいと思う。そして,ジャズの持つスリリングな感覚を十分に表現していることは見事だ。彼女のピアノは低音の使い方に結構な特徴があるが,そうした部分もこの初リーダー作からも強く感じられて,彼女が出てきた時に,そりゃ業界はびっくりするわってのが容易に理解できる。そうしたピアニストが引退するというのはやはりもったいない。もったいなさ過ぎる。

しかし,本人の意思は固そうであるから,こればかりはどうしようもないのかもしれないない。彼女の引退を惜しんでこの作品に星★★★★★を謹呈してしまおう。何度聞いても「ブリコー(もちろん"Brilliant Corners"のこと)」が強烈。

今にして思えば,最終作となった(なるであろう)"Baroque"リリース後のライブに参加できたのはラッキーだったが,引退なんて言わず,またいつでも復活して欲しいと思うのはきっと私だけではないはずである。

Recorded on September 3-5, 1992

Personnel: 大西順子(p),嶋友行(b),原大力(ds)

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コメント

おはようございます。

大西順子さんの引退ニュースは、あちこちで話題になっていますね。

デビューは 90年代だったんですね。
いろんなアルバムが 特集をくまれた雑誌で取り上げられて評価されていたのに、ご本人が納得されていなかったとは。

と、わたしなんぞが とやかく言えませんが(^_^;)

まだ、アルバムをきちんと聴けていないので、いつか少しづつ聴いていきたいです。
バロックだけは、試聴機で聴いたんだった♪

Marlinさん,おはようございます。

彼女の引退にはなぜ?という感じがつきまといますが,業界は違いますが,上岡龍太郎の引退ってのもありましたからねぇ。あれもよくわからなかった...(苦笑)。

彼女のアルバムには駄作の類はないと思いますので,どこからお聞きになっても大丈夫でしょう。世間的には"Fragile"だけは風当たりが強いところがありますが,あれも彼女の表現意欲があのアルバムのようなかたちで発露されただけであって,私はむしろ好きなぐらいですね。これだけレベルの高い活動をし続けた人というのは珍しいだけに,やはり引退は惜しいです。

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