最近のトラックバック

2018年5月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

« Lionel Louekeの新譜はRobert Glasperプロデュース | トップページ | 「最強のふたり」:まさしく心温まるとはこの映画のこと »

2012年9月 8日 (土)

作家,西川美和の新作

Photo 「その日東京駅五時二十五分発」 西川美和(新潮社)

映画の新作「夢売るふたり」が公開される西川美和であるが,そちらへの期待も高まる中,先日本屋をうろついていたら,彼女の新作が出版されていた。

映画監督としても優れた手腕を持つ西川美和が,小説家としても相当なものであることは「ゆれる」の小説版でも実証されていた(記事はこちら)ので,今回の中編にも期待を寄せた私である。 そして,この小説を読んでいて思ったのが,戦争を経験していないはずの西川が,なぜこのように終戦前後の様子を活写できるのかということであった。そのカラクリは「あとがき」において明らかにされるが,素材を見事に翻案していると言えるのではないか。まさに彼女のイマジネーションの産物である。

話は非常にたんたんと進み,決して劇的な展開を示すわけではない。それを退屈だと思う読者がいても仕方がないのだが,私は西川美和の持つアダプテーション能力を楽しんだと言えばいいだろうか。まさに「見てきたようにものを書き」って感じなのである。こうした才能が彼女の映画における脚本能力として反映されているように思えるのである。彼女の長編映画はオリジナル脚本によるものばかりだが,長編映画でも脚色ものを手掛ければ,面白いことになるのではないかと思わせてくれた佳品である。広島出身の西川美和のアイデンティティの根本に存在する「戦争」を題材としたことも西川美和らしいって気がする。星★★★★。

新作映画「夢売るふたり」にもますます期待が高まった私である。

« Lionel Louekeの新譜はRobert Glasperプロデュース | トップページ | 「最強のふたり」:まさしく心温まるとはこの映画のこと »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

私もこの作品は読みましたが、余り感心しませんでした。作品の仕上げ具合が甘すぎるというか粗すぎるというか。映画製作の為に途中で時間がなくなり、見切り出版したのではと疑いたくなりました。映画の方は、期待を裏切らないものであってほしいです。

カビゴンさん,こんばんは。

この本は昨年の7月に発売された『新潮』が初出なので,確かに映画の製作時期とかぶっていたかもしれません。しかし,昨年の震災を契機として創作に向かわせたことには間違いないわけで,西川美和としては書かずにはいられなかったのではないかと思います。

確かにあっさりしていますから,いろいろな見方はできると思いますが,逆にこのあっさり感が一般の戦争文学とは違って私には新鮮でした。

映画については改めて記事にしたいと思います。

西川美和監督の新作「夢売るふたり」観ました。良い出来だと思います。

カビゴンさん,もうご覧になりましたか。私も近々記事をアップしたいと思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198475/55596103

この記事へのトラックバック一覧です: 作家,西川美和の新作:

« Lionel Louekeの新譜はRobert Glasperプロデュース | トップページ | 「最強のふたり」:まさしく心温まるとはこの映画のこと »

Amazon検索

2017年おすすめ作