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2012年8月18日 (土)

Me'Shell Ndegéocello全面参加の越境音楽集

Bamako_by_bus "Bamako by Bus" Daniel Freedman(anzic)

ジューイッシュ・ミュージシャン御用達のAnzicレーベルからの作品であるが,私はリーダーのDaniel Freedmanという人についてはこれが初めてのはずである。ではなぜこのアルバムを買おうと思ったかと言えば,私が結構贔屓にするMe'Shell Ndegéocelloが参加しているからにほかならない。しかも全面参加であるからこれは見逃せない。なぜ,Me'Shellがここに参加することになったかは定かではないが,彼女がプロデュースしたことがあるJason Lindner経由での参加と考えていいのではないだろうか。

Meshellがプロデュースし,Avishai Cohenも参加したJason Lindnerのアルバム"Jason Lindner Gives You Now Vs Now"(記事はこちら)はファンク色強い作品だったので,本作もそういう系統かと思っていたら,聞こえてきたのは随分違う音楽であった。アフリカを想起させるワールド・ミュージック的な要素さえも包含し,そこにファンクやジャズの要素も加わるという越境型の音楽だったのである。

そうした予想外の展開ゆえに冒頭から戸惑ってしまう部分もあるが,これはなかなか面白い音楽となっている。いろいろな音楽がごちゃまぜになっているので,とっ散らかった印象がないわけではないが,逆に人種の坩堝であるNYC的な感覚を与えるという見方もできる。そもそもタイトルとなっているBamakoとはマリ共和国の首都のことと思われるので,そもそもそうしたアフリカ的なものが出てくることはタイトルを見れば想像できると考えてもいいのである。そうしたアフリカン・フレイバーを強く打ち出すのはLionel Louekeだが,そこにジューイッシュらしい中近東的なメロディ,更にはMe'Shell Ndegéocelloが主導するファンクの要素が加わるのだからまぁこうなるだろうねぇって感じではある。そしてジャズ的な感覚を持ち込んでいるのはMark Turner参加の1曲ということになる。やはりこれは相当のごちゃ混ぜ度である。

こういう音楽であるから,強烈なノリとか,優れたメロディ・ライン等とはあまり縁がないと言ってもよく,そのあたりでの好みはわかれるところであろう。しかしながら,おそらくは彼らが夜な夜なこうした演奏をイースト・ヴィレッジで展開しているとも考えれば,腹も立たない(ジャケに写る写真も,いかにもイースト・ヴィレッジっぽい)。もちろん,もう音を少し整理してからリリースすべきという批判はあって然るべきであり,その辺りにはプロデューサーとしてのDaniel Freedmanの進歩の余地はあると言えるだろう。

いずれにしても,ジューイッシュ・カルチャーとアフリカン・アメリカン,あるいはネイティブ・アフリカンのカルチャーが混ざり合ったものとして聞く覚悟があれば,これは相応に楽しめるはずだが,なかなかそこまでを多くのリスナーに求めるのは厳しいかなぁって気がするし,それがこの音源の限界かもしれない。全編に渡って,Me'Shell Ndegéocelloの太いベースは楽しめるが,やはりそれだけではこのアルバムを何度もリピートするってのは厳しい気がする。ということで星★★★。私ならばよりファンクに徹した前述のJason Lindner作の方を評価したい。

尚,本作は今年4月のリリースなので,ちょっと遅いが新譜扱いとさせて頂く。

Recorded in June 2009

Personnel: Daniel Freedman(ds, perc, fl), Jason Lindner(p, key), Me'Shell Ndegéocello(b), Lionel Louke(g, vo), Abrahama Rodriguez(vo, perc), Yosvany Terry(vo, chekere), Avishai Cohen(tp), Mark Turner(ts), Omar Avital(b), Pedito Martinez(perc, vo), Davi Viera(perc), Mauro Refosco(perc)

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コメント

こんにちは。
こちらのアルバム、なかなかおもしろそうです。

最近は レビューを読んで とか ジャケットがいい とかで 買わなくなりましたが これは 聴いてみたいかもです。

ユーチューブに音源、あるかなぁ。
試聴してから考えます(^-^)♪

でも 音楽狂さんが書いているように 同じミュージシャンでもアルバムによって 内容が違ってくるから そのアルバムの音源でないとダメですね...

Marlinさん,こんにちは。このアルバムは結構癖がありますから,まずは試聴してからご購入を検討されてはいかがですか?私としても記事にしている以上,その方が安心です(苦笑)。

レーベル・サイトで全曲試聴可能です。下記URLを参照して下さいね。
http://anzicstore.com/album/bamako-by-bus

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