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2012年8月16日 (木)

David Kikoski:影の実力者?

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"Consequences" David Kikoski (Criss Cross)

このアルバムがデリバリーされてからずいぶんな時間が経っているが,ようやく記事のアップである。ということで,時間は経っているが一応新譜扱いとさせて頂く。本作をこれまで聞いていなかったわけではないのだが,しっかり聴いたという感覚がなかったので,記事のアップを躊躇していたというのが本音である。今回,お盆休みで改めてゆっくり聴く時間があり,なかなか優れたピアノ・トリオ盤となっていると感じられた。

メンツを見れば,まぁおかしなことにはならないであろうことはすぐにわかる。Christian McBride〜Jeff Wattsという盤石の布陣であり,リーダーには悪いが,リーダーが一番地味じゃんって感じである。しかし,Kikoskiもその実力は認知されているところであり,私も彼の作品をこのブログで絶賛したことがある(記事はこちら)。結局のところ,Kikoskiは実力者なのに表向きは目立ってないだけなのである。そちらのアルバムにもWattsは参加しているし,WattsのアルバムにもKikoskiも参加しているので,彼らは結構長い付き合い,あるいは馬が合うのではないかと思わせる。そこへ安定感,技量ともに抜群のMcBrideが加わるのであるから期待する(と言うよりはずれようがない)のが当たり前である。

いずれにしても,Kikoskiの特に一般的知名度における地味さ加減というのは映画の優れたバイ・プレイヤーに例えることもできるのではないかと思う。目立たないが,その人がいると画面が締まる。Kikoskiは一般的知名度は低くとも,演奏をがっちり支える。ジャズ界で言えば,現在のシーンにおいてはTommy Flanagan的な位置づけと例えるのは褒め過ぎか?しかし,Flanaganとて,70年代前半ぐらいまではそういう存在だったように思えるのである。

そしてこのアルバムであるが,いきなり既視感たっぷりのブルーズからのスタートってのが渋い選択。オープナーぐらいガツンと行けや!とついつい思ってしまうが,それにしてもこれは渋い。そしてMcBrideのベースの音の良いこと。若い頃から実力はあった(彼がまだ10代の頃,Bradley'sで初めて彼を目撃した時の衝撃はいまだに忘れられない)が,この音色は何とも素晴らしい。そして非常にバランスの取れた演奏ということで嬉しくなってしまうが,それをきっちり支えたのはMcBrideのファイン・プレイによる部分が大きい。

アルバム全体を通じて硬軟取り混ぜた演奏が続くが,私はハード・ドライビングな演奏の方が好みである。そうした意味では"Mr. JJ"が一番好きである。また,徐々に熱を帯びてくる"Russian Roulette"もいいねぇ。曲名からすると後半の緊張感が高まるのは当然だが(笑)。

そして最後をKikoskiのソロ"Never Let Me Go"で締めるのは確信犯的と言えるエンディングだろう。決まり過ぎである。ただ,その前の2部構成となっているタイトル・トラックがイマイチ面白くないのが惜しい気がする。アルバム全体を通して聞けば相応に満足感が得られる作品だが,もう一押しあればって感じなのである。まぁ,そういうところもKikoskiらしいって言えばその通りだが,この人はもっとメジャーになれると思わせるに十分な作品である。星★★★★。

Recoded in February 2012

Personnel: David Kikoski(p), Christian McBride(b), Jeff 'Tain' Watts(ds)

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コメント

Criss Crossというレーベルにしてはスゴいメンバーのピアノ・トリオのアルバムが出ちゃったなあ、という感想です。これなら悪かろうはずはないですよね。

キコスキは記憶している限りにおいては国内盤でのリーダー作はないはずなので、日本では知名度が今ひとつなのも止むを得ませんが、聴くとけっこういいところ、いってますね。聴いていてやっぱり、というかビックリしました。こういうピアニストこそ広まってほしいです。

TBさせていただきます。

910さん,おはようございます。TBありがとうございます。

Kikoskiって結構レベルは高いのに,日本ではまだまだですよねぇ。CDが売れない時代であるがゆえに仕方ないところはあると思いますが,もったいないって感じもします。こういう人を盛り上げるのはブロガーの役割かもしれませんね。

おっしゃるとおり、実力的にかなりな高レベルに来ていると思います。

演奏曲に"Mr. JJ"を採用していて比較できるからってものあると思いますが、Branford Marsalis バンドのレギュラーが変わるんじゃないかというくらい Joey Calderazzo より良い演奏してる?と思うほどに良い演奏してました。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,おはようございます。TBありがとうございます。

確かに,かなりのファンでありながら,私は最近のJoey Calderazzoにイマイチ感が強くなりつつあり,KikoskiのBranfordバンド入りも実現すれば面白そうですが,Jeff Wattsが抜けてしまっていますから,可能性は?でしょうか。ともあれ,実力は十分だと思いますので,よりメジャーな舞台で活躍して欲しいと思います。

おはようございます。ご返事遅くなってすみません。
キース系に黒っぽさが混在するとこんな素晴らしいピアノトリオになるんだな・・とキコスキのこの作品では感じている次第で。。9月にMcBride&Wattsと小曽根さんでトリオがでますんで、違いを感じられるはずで楽しみにしてます。

とっつぁんさん,こんにちは。TBありがとうございます。

確かに小曽根真もこのリズムと共演ですね。だいぶ雰囲気は変わるような気がしますが,さてどうでしょう?でもそっちは買うかどうかは私の場合???ですが...。皆さんの声を参考にして考えたいと思います。

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