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2012年7月 7日 (土)

Mike Sternの新作はヴァラエティに富んだつくり

All_over_the_place "All Over the Place" Mike Stern(Heads Up)

私はMike Sternのファンである。演奏の展開やフレージングがワンパターンだと言われようが何しようが,好きなものは好きなので,仕方がない。Mikeは相変わらず55 Barに不定期に出演しているようだが,私はNYC在住中やら出張中やらにMikeが出ていると結構彼を見たくて55 Barに通っていたし,これからもチャンスがあればそれは変わらないと思う(誰が何と言おうが,MikeにはBlue Noteより55 Barの方が絶対に合っている)。

そんなSternの新作が出ると,大概の場合は買ってしまう私だが,一時期以降は昔のように絶対買う!って感じではなくなってきているのも事実である。でもやっぱり今回も買ってしまった...。ジャケに白塗りでもしたような顔で微笑むMikeの写真には思わずのけぞった。正直言ってこの人はあんまり笑わない方がいいと思っている私であるから,このジャケはちょっと薄気味悪いのである。

それはさておきである。本作はJim Beardがプロデュースに当たって,Beardは全面参加である。そしてそこで展開される音楽は非常に幅広い。Mikeがアコースティック・ギターを弾いている曲もあって,これは相当珍しいし,随分といろいろな音楽性を持った音楽をやっているなぁというのが率直な感想である。そのためにはバックのメンバーも曲想によって変えているって感じかもしれないが,ある意味物凄いキャスト(特にベースはなんじゃこりゃ~って感じである)と言ってもよい。なんたってクリポタまで参加しているしねぇ。そのバックでドラムスを叩くのはKeith Carlockなのだから濃い。

しかし,そうした豪華なキャスト,幅広さは,アルバムとして考えると,印象を散漫にさせてしまうリスクは当然あるが,そこはMike Sternである。誰がどう聞いてもStern節が炸裂しているから,Mike Sternのアルバムであるという印象は揺るがない。だが,そうは言ってもさすがにこれはやり過ぎではないかってぐらいのヴァラエティである。いかにもMikeらしい曲,Bona入りで露骨にアフリカ的な曲,Mikeとしては意表を突くような静謐な曲,ジャズ的エクスプレッションが強い曲と何でもありである。"Out of the Blue"なんて,「至上の愛」フレイヴァーまでまぶしてある。しかも一番短い曲でも5分46秒,それで全11曲,70分以上ということではさすがにげっぷが出そうになると言ってもよい。

Mike Sternの音楽性を表現するにはこれぐらいの時間が必要だという考え方もあるだろうが,さすがにこれでは聞いている方の集中力が続かない。「長いなぁ」という印象は,むしろネガティブな感覚を聞き手に植え付けてしまうところもあったのは事実である。その一方で冒頭の"AJ"なんてMikeとクリポタのチェイスで盛り上がってきたところでフェイド・アウトなんて野暮なことをやってしまうのが何とも惜しい。それなら曲数を絞ってでも,リスナーが燃えるような音楽に仕上げるってやり方だってあったはずである。

個々の曲の演奏は相当に楽しめるのだが,一つの作品として考えると,もう少しプロデュースのしようもあったのではないかと感じてしまう私である。そうした点も踏まえると甘めの星★★★☆ぐらいになってしまう(かなり甘いかも...)。もう一つ言えるのは,Mike本人はどう思っているかわからんが,Richard BonaとMikeでは必ずしも相性がいいわけではないと思っているのはきっと私だけではあるまい。音楽性が違うのだから,無理にBonaに合わせたような演奏をする必要は感じないのだが...。Bonaはうまいと思うが,彼のヴォーカルとMikeのギターの組合せにそもそも違和感があるのだ。

Ngoni_ba 尚,余談だが,奥方のLeni Sternが"Out of the Blue"で弾いているN'goni Baというのはこういう楽器らしい。アフリカ,マリあたりの民族楽器だそうである。なるほど...。世の中にはまだまだ知らないことがあるねぇ。

Personnel: Mike Stern(g), Chris Potter(ts), Bob Franceschini(ts), Bob Malach(ts), Kenny Garrett(as), Randy Brecker(tp), Leni Stern(g, N'goni Ba), Jim Beard(p, org, key), Anthony Jackson(b), Richard Bona(b, vo), Tom Kennedy(b), Esperanza Spalding(b, vo), Dave Holland(b), Victor Wooten(b), Victor Bailey(b), Will Lee(b), Keith Carlock(ds), Dave Weckl(ds), Kim Thompson(ds), Lionel Cordew(ds), Al Foster(ds), Tim Keiper(perc)

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コメント

はじめまして。
実は相当前から読ませて頂いておりましたが、
コメントは、初めてです。

本作、気になっていたので、こちらのレビューを
拝読致しまして、早速買いに走ろう、と決心
致しました。

これからも素敵でマニアックなレビューを楽しみに
読ませて頂きます。

Jeyさん,はじめまして。コメントありがとうございます。

私のブログへのコメントはレギュラーの方が多いのですが,それはそれでディープなつながりでいいとしても,新しい方からコメントを頂くと,別の意味で嬉しいものです。

この作品は誰が聞いてもMike Sternの作品ですが,ワンパターンでもいいので,もっとMikeらしさを出してもよかったかなぁなんて思っています。やはり1曲目のフェードアウトは痛いです...。

まぁ,それでもアルバムが出るたびにやっぱり買ってしまっている私です。次も多分そうでしょうねぇ(笑)。

ともあれ,引き続きよろしくお願い致します。

届いてから1ヵ月経って、やっと聴けました。その間にオリンピックがあったので、遅れてしまいました。クレジットが面倒だったということもありますが...。

管、ベース、ドラムス、いろいろメンバーが交替していますけど、好きなミュージシャンばかりで、特に渋めのトム・ケネディあたりを持ってくるあたり、うれしくなってしまいます。有名どころも多いですし。ワン・パターン度が少し薄れているのも魅力でした。

TBさせていただきます。

910さん,おはようございます。TBありがとうございます。

意表を突いたDave Hollandの参加や,何と言っても1曲目のクリポタとの共演など評価すべきところもあるのはわかっていますが,とっちらかった印象があるのは否めないですね。DownBeatでは星★☆と酷評されていますが,Santanaの活動とオーバーラップさせた批評はないだろうとは思いつつ,私はクリポタとの1曲目をフェードアウトさせたのはどうしても納得いっていません(笑)。

ということで,こちらからも追ってTBさせて頂きます。

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