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2012年7月 5日 (木)

ECMレーベルの音楽にトリビュートしたビッグバンド作

Celebration "Celebration" Arild Andersen with Scottish National Jazz Orchestra Directed by Tommy Smith(ECM)

これはECMのサウンドとしては異色と言えるかもしれない。ECMレーベルの有名どころのオリジナル6曲に対して,あまりECMとは関係なさそうな人まで含めた7人がアレンジしたものを,Arild Andersenをゲストに迎えたビッグバンドで演奏するという企画がそもそも凄い。世の中にはECM好きが結構いるとは言え,ライブでやってしまうって結構大胆な企画のような気もするし,ゲストがAndersenというのが渋いなぁ。バンマスのTommy SmithはAndersenとも共演しているからそういう縁だろうし,小曽根真が"Crystal Silence"をアレンジしているのも,SmithとGary Burton Quartetでのバンド・メイトだったからというものだろうが,それにしてもである。比較的こじんまりとしてコンサート・ホールでの実況かなぁって感じである。

演奏されている曲の中で,相当に知られているのは"Crystal Silence"と"My Song"ってことになるだろうが,メロディがよく知られた曲だけにどうするのかと思っていたら,両曲ともAndersenに主メロディを弾かせるという対応。なるほどねぇ。メロディの印象が強いだけに,ベースをフィーチャーせざるをえなかった,あるいはゲストのAndersenに花を持たせたっていう感じだろうか。そのほかでもAndersen目立ちまくりなので,その辺は好き嫌いもあろうが,冒頭の"May Dance"のようにオリジナルのGatewayの演奏を彷彿とさせるスリリングな展開と,ECMらしい静謐さもうまく混じり合って,少なくともECMファンにとってはこれはなかなか楽しめる作品である。

面白いのはアレンジャー陣である。最後の"My Song"を担当しているGeoffrey Keezerが一番異色(レーベルと関係がありそうに思えない)だろうが,"May Dance"をChristian Jacobがアレンジしているのも珍しいと言えるのではないか。ただ,彼の曲をTommy Smithと小曽根入りのGary Burton Quartetで演奏しているから,何らかの縁あっての参加であろう。所謂人脈ってやつだ。

ここで提示されたアレンジや演奏が全て面白いかどうかには議論の余地もあると思うが,ソロイストとしてのArild Andersenはまさに泰然自若で,非常に落ち着いた音色と演奏を聞かせる。私としてはこれはこれで楽しめるし,オリジナルの演奏としての聞き比べも楽しそうだというのは"Blue Note 7"と同じノリだなぁ。どうせなら同じような企画で,2枚組で2枚目はオリジナルで固めたコンピをカップリングすればいいのにと思ってしまった。まぁEicherがそんなことするわけないか...。いずれにしても,温故知新の要素と,へぇ~っていう要素の組合せを評価して星★★★★。

Recorded in October 2010

Personnel: Arild Andersen(b) with Scottish National Jazz Orchestra: Martin Kershaw(cl,  ss, as), Paul Towndrow(as), Tommy Smith(fl, ts), Konrad Wiszniewski(ts), Bill Fleming(b-cl, bs), Ryan Quigley(tp, fl-h), Cameron Jay(tp, fl-h), Richard Iles(tp, fl-h), Tom MacNiven(tp, fl-h), Chris Greive(tb), Phil O'Malley(tb), Michael Owers(tb), Lorna McDonald(b-tb, tuba), Steve Hamilton(p), Calum Gourlay(b), Alyn Cosker(ds)

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コメント

これはけっこう力の入っているアルバムですね。ECMの過去の名曲を中心に、ビッグバンドで、という発想、けっこういいです。アリルド・アンデルセンも役をきっちりこなしている印象ですし。

ビッグヒットはしなくても、ECMファンにはなかなかいいアルバムになっていくんではないかと思います。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

確かにこれは力作であり,周到な準備の成果だと思います。やはり原曲との聞き比べもしたくなりますし。そういう意味ではECM好きの心も刺激する作品だと思いました。

こちらからもTBさせて頂きます。

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