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2012年7月17日 (火)

メンツ買いのCarsten Dahlの新作

Carsten_dahl "Space Is the Place" Carsten Dahl, Arild Andersen & Jon Christensen (Storyville)

私はデンマーク出身のピアニスト,Carsten Dahlとはほとんど縁のない生活を送ってきたと言ってよい(大袈裟!)。多分,保有しているのは"In Our Own Sweet Way"ぐらいのはずで,このブログにも記事はアップしたことがない。彼には悪いが,私にとってはその程度の存在である。

ではそんな私がなぜこのアルバムを買うのか。それはバックの二人がAndersen~Christensenというコンビだからである。このご両人がバックを務めたピアノ・トリオと言えば,Bobo Stensonの"Underwear"が印象的だが,あの作品はECM初期の非常にクールな感覚に満ちた作品だったと思う。日本では一時期CD化されたはずだが,私はLPを保有しているので,CD購入は見送ったが,今にして思えば買っておけばよかったかなぁ...。それはさておき,Andersen~ChristensenはJan GarbarekのSARTのバンドや,Masqualeroなどでもチームを組んでいるから,コンビネーションとしては鉄壁と言ってよい。その彼らがCarsten Dahlのオリジナルを演奏するとどういうことになるのか。その一点への興味だけでこのアルバムを購入したと言っても過言ではない。

そしてここで展開される音楽はかなりフリーなアプローチに基づく硬質な演奏群と言ってよいと思うが,特に序盤は私は先述のBobo Stenson盤を想起してしまったのであった。"Underwear"も久しく聞いていないので記憶の正確さにはやや自信がないのだが,受ける感覚が近いように思えたのである。あるいは一時のPaul Bleyにも近いかもしれない。そういう例えに反応して頂ける方にはお分かり頂けるだろうが,そんな感じの音である。よって,一般的なピアノ・トリオとは異なるので,多くのリスナーにアピールするタイプの音楽ではない。だが,ECMレーベルのファンにとっては,抵抗なく受け入れられる類の温度感の低い演奏である。

全編を通じて,テンポの速い曲はよりスポンテイニアスな展開が多く,美メロの連続とかそういったものを期待してはならないが,スローな曲ではタイトル・トラックで突如美しいピアノのラインを聞かせたり,中盤の曲でも静謐な美感を感じさせる。更に最後の最後に美しいピアノ・ソロ"Agnete's Song"を持ってくるあたりはクロージングとしても的確な選択である。そうしたメリハリをつけたのはいいが,それでも若干の敷居の高さは否めない。だが,やはりこのメンツならではの音って気もするし,ECMレーベル・ファンの私にとってはこれはこれで十分楽しめるアルバムであった。しかし,今の時代にこの音楽でなくてもいいような気がするし,既に随分前からECMでもこうした演奏は聞かれている点を考えると,若干点も辛くなり星★★★☆。

私にとっての問題は「今,なぜ,この音楽なのか」という一点だけで,クォリティは十分高いので念のため。

Recorded on June 5, 2011

Personnel: Carsten Dahl(p, prepared piano, perc), Arild Andersen(b), Jon Christensen(ds,kalimba)

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