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2012年6月20日 (水)

全世界待望, Pat Methenyが放った新譜。

Unity_band "Unity Band" Pat Metheny(Nonesuch)

このアルバムのリリースを首を長くして待っていたのはきっと私だけではあるまい。何と言っても,Methenyとクリポタの共演だぜぃ(すぎちゃん風)。期待するなという方が無理。そして軽々とこちらの期待値をクリアするのがこの人たちの凄いところである。まぁ,このメンツからすれば当然って話もあるが,それにしてもである。

ここで期待するのはMethenyとクリポタによるシナジー,あるいは特殊なケミストリーと言ってもよいだろうが,ここでのクリポタの対応能力には驚かされる。ここまでMethenyの楽想にフィットした音楽を展開するとは思わなかった。あくまでも本作の主役はMethenyだとしても,ちゃんと自己主張とも言うべきクリポタならではの音が生成されている。好き者が聞いたら,身をよじるようなフレージングを聞かせているのは立派。そしてそうしたシナジーを生み出すのを見事にサポートしたリズム隊。Sanchezはある程度予想できたが,ここでのBen Williamsの貢献度が無茶苦茶高い。このブイブイ言わせる野太いベース音がバンドをプッシュしているではないか。これには本当に驚いた。この4者が各々貢献しあってのこのサウンドと言ってよいだろう。もちろん,バンドとしてはこれが初作(そして最後?)であるから,ユニット全体としての疾走感,あるいは一体感はまだまだこれ以上に上げられると考えてしまうが,それでも初作にして"Unity"ぶりは見事である。こんなバンドのライブを見たら,悶絶間違いなしである。今のところ,来日は予定されていないが,これだけのバンドである。来ないわけがない,と言うよりも絶対に来て欲しい。

この音楽を聞いていて思うのは,クリポタがMethenyの書くメロディにちゃんと合せて,メロディアスな展開も見せているということである。ハード・ボイルドだけじゃないぜぇ(またまたすぎちゃん風)ってところを感じさせる。そのメロディアスなラインに突如としていかにもクリポタらしいフレーズも入れて,このバンド・メンバーとしてのクリポタも,ソロイストとしてのクリポタも楽しめるという一粒で二度おいしい状態なのだ。私はOrchestrionというのを全然評価できないので,"Signals(Orchestrion Sketch)"は本当にこれが必要なのかという疑問は感じるが,冒頭のフリー的なアプローチから,いかにもReich的ミニマルな展開を示すところはアルバムに変化を与えているという考え方も可能である。このミニマルな感覚のバッキングを生み出すのにOrchestrionを使う必要があったと好意的に解釈することも可能だが,私はここでOrchestrionを使う意義は実のところ見出していない(頑固)...。バンド・サウンドだけで十分対応可能なはずだからねぇ。

そうした思いはあるものの,総体的に見れば,こんなアルバムを出してしまったら,またPMGの新譜のリリースは遠のくなぁなんて思えてしまう。それぐらいこれはこれで独立したアルバムとしても十分な傑作と言ってよいと思う。やはりレベルの高い人たちのやることは違うわ。星★★★★☆。最後に"Breakdealer"のような曲を配するところはうまいなぁと思うが,全体にこの曲が持つような「ぐわぁ~」っという高揚感(何じゃそれは?と言う声もあろうが,わかる人にはわかるはずだ),あるいはUndergroundの持つ超絶的なグルーブ感がもう少し加味されれば間違いなく満点だった。だが,今年リリースされた新作としてはこれを避けて通ることは不可能と言っておく。

Recorded in February, 2012

Personnel: Pat Metheny(g, g-synth, orchestrion), Chris Potter(ts, ss, b-cl), Ben Williams(b), Antonio Sanchez(ds, perc)

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コメント

どうもどうも。羽田で飛行機待ちです。

細かい論評は避けますが、まあ、期待通り、あるいは以上ですな。これでクリポタの知名度が向上することを期待します。

この人達、この夏~秋に欧州、米国で多分50回くらいライブやるんですよね。その体験を経てどうなるのか。考えただけで鳥肌ものです。ライブアルバム出ないかな。

あ、でたでた。わーいわい。heart02

閣下は、3年ほど前にわたしの大好きなクリポタ10に五つ星つけてくれたんだな。(深く感謝)

http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2009/05/chris-potter-10.html

その時の抜粋じゃ。
「私はChris Potterの絶対的なファンというわけではないが,遅ればせながら私のPotterに対する評価はこのアルバムを聞いてますます上がってしまった。こんな音楽をやりながら,裏ではUndergroundをやるって,一体この人の頭の中はどうなっているのだろうか。」

これですよ。
以前から、お笑いネタに「フィジカル、ロジカル最強のテナー」と書いてたのですが、どうも、高速変態フレージングを難なく連発することで、テクニカルなだけなアホみたないわれ方するんですが、彼の作品はかなり練られてますよ。どうして、みんなそこに目をつぶるのよ。って、耳をふさぐか。。(笑)そして、エモショーショナルでもあり、ストレートに歌いますよねぇ。

わたしは、この新譜もメセニーの前作(ソロ)からの流れの中にあると思いますので、全曲を受け入れますわ。閣下のお嫌いな曲でも「ぐわぁ~」っという高揚感でありました。airplane
テな、わけで、クリポタ馬鹿のただの感想をトラバいたします。

あ、文句は、直接対決で。(爆)

モントリオールに来ています。ジャズフェス直前に帰国しますが。
これみて、ついダウンタウンのHMVで買いました!
帰国するまで聴けませんが...安くもなかったので、ばかばか、なんですが。
クリス・ポッターは意識下の奏者なので、期待しています。

あ、ブログに書いたけど、PMGは来年リリースだって。

こんばんは。

わたしも聴きました♪

すごく良かったですっ。

もともと メセニーは好きで 今回はクリポタとの共演ということで クリポタ初聴き。

素晴らしかったです。
オーケストリンは不思議な世界ですね。
でも 何のことなんでしょう??

ライブに行かれたみなさまは さらに こちらのアルバム よかったでしょうね♪
ライブとは また違ったクリポタだったかな?!

こやぎさん,こんにちは。返信が遅くなりました。

この人たちがライブ・バンドとしての"Unity"を強めたとすれば,それは確かに恐るべきものになると想像するに難くないですねぇ。

ライブ・アルバムは出なくてもブートが出るでしょ(爆)。

すずっくさん,こんにちは。諸々お世話様です(謎)。

すずっくさんのクリポタ・ラブ♡状態を拝見するにつけ,微笑ましい限りですが,やっぱりこのアルバムはよくできてますね。ただ,私のオーケストリオン嫌いは筋金入りで,もはやこれは生理的なレベル?

でもまぁライヒ的な感じを出すためだったということで,今回はそれほど拒絶反応は強くないですが(笑)。

PMGも出るらしいということで,よかった,よかった。でも本当に出るまでは安心できませんなぁ(笑)。

Marlinさん,こんにちは。

こういう演奏がどこまでMarlinさんにフィットするかははっきりわからないですが,このアルバムはレベル高いですから安心しておすすめできますね。

オーケストリオンは説明が難しいなぁ(苦笑)。YouTubeとかに上がっていると思いますので,ご確認を。

kenさん,こんにちは。出張ご苦労さまです。返信の順番が前後して申し訳ありません。それにしても惜しいですねぇ,今回。

日本にご帰国されてお聞きになってからのご感想をお待ちしております。

本当にはじめまして
こちらのサイトを偶然発見してまだ1ヶ月もたちませんがちょくちょく拝見させていただいています。

23日23:00~NHK-FMジャズナイトにクリポタを迎えて、とありました。
お知らせまで

べるりんさん,はじめまして。ようこそお越し頂きました。

今夜のクリポタは注目ですが,なかなか最近はラジオって聞かないですねぇ。ネットで聞くのか,どうしようか考え中です。情報ありがとうございました。

引き続き,当ブログをよろしくお願いします。

出張中です。出張中に何回も繰り返し聞きましたが、二つほど不満が残ります。
ひとつはChris PotterのSaxが後ろに下がった感じに聞こえること。Sound Archtectureが好みでないと言ってしまえばお終いでしょうが。
もうひとつは、Chris PotterがMethenyの大衆受けするMelody Lineを丁寧に吹いてしまうと違和感があること。これも好みの問題ですが。
客観的には、久々にPatが嬉々として弾いているというのは分かるし、Antonio Sanchezは相変わらず上手いし、ということで決して嫌いな出来ではないですが、しかし、しかし、手放しで喜べないというのが正直なところ。

LiveでImprovisationに疾走するところに期待したいです。

カビゴンさん,出張ご苦労さまです。

確かにこのアルバムのミックスはPatのギターがより前面に出ていて,クリポタはやや引っ込み気味なのは私も感じていました。そうした中でも,ちゃんと切れたフレーズを聞かせているので,私はあまり気にしませんでしたが,より対等なポジションでの演奏になった時,更にえぐい演奏が聞けるのかもしれませんね。

ライブにはそういうところを期待できると確信しています。

JAZZとAUDIOが出会うと。。。 さんから飛んできました。
はじめまして。

メセニーの新譜はリリースされると、どうしてもチェックしてしまうのですが、今回の作品の位置づけ・コンセプトは、ブラッド・メルドーとのカルテットと似ている気がしました。

私はジャズギター万年初心者で、聴く作品もギター関連作に限られており、ポッターはKrantzとの共演等でしか知らず、積極的に面白いギタリストと共演する傾向のある先進的なプレイヤーという印象を持っています。

本盤ではメセニーとポッターのおりなすケミストリーのマジックを期待していたのですが、メルドー共演作と同様に、消化不良の感を否めませんでした。
比較的良質な作品とはいえるかもしれませんが、ジャズ盤として、飛びぬけて良いとは言いがたいというところでしょうか…
(若いジャズリスナーに、ポッター関連作でお勧めは?と問われたなら、何故か最近になってライブで盛り上がっている Under Ground のスタジオ盤の方を推す事でしょう…)

アラフィフ世代の私からみると、ブラジル3部作前後でメセニー自身がうちたてた金字塔に、毎回メセニーは挑戦し、超えられずにいるというジレンマを感じざるを得ません。

次作品では、ぜひ突き抜けたメセニーの境地を聞かせてもらいたいと期待しつつ、筆をおきたいと思いますm(_ _)m

betta taroさん,はじめまして。コメントありがとうございます。

おっしゃる通り,この作品にはMetheny/Mehldauに近いものがあるかもしれません。私はBrad Mehldauの追っ掛けですが,彼らの作品はあまり評価していません。それはMehldauがMethenyに遠慮しすぎて,シナジーを生み出せていないからです。この作品もミックス等からしても,Methenyが目立っていますから,クリポタが遠慮がちに聞こえるのは確かですが,消化不良とまではいかないと私は思います。

この音楽の比較の対象がPMGだとすれば,PMGはユニットとしてのまとまりは急造バンドとは確かに一線を画します。私は"Letter from Home"はそれほど高く評価しない人間ですが,確かにPMGとは言え,なかなか"Still Life (Talking)"を越えられないというのもその通りかもしれません。

そうした中で,バンドとしてのジャズ的なアプローチを強化し,久々のサックスとの共演を果たしたということを考えれば,私は十分善戦していると思います。もちろん,これがMetheny,更にはクリポタの最高作とは思いませんが,それでも要注目の作品であることは事実ですし,かつ相応のレベルには達しているのではないでしょうか。

私としても大本営発表のように,全ての人がこの作品を盲目的に最高だと言うことには問題があると感じますので,betta taroさんのご意見は貴重なものと思います。

いずれにしても,音楽の聞き方,捉え方は人それぞれですから,私はいろいろな意見があってもいいと考えています。私は基本的に天邪鬼ですから,人が絶賛するものを懐疑的に見る方ですが,これはこれでなぜ星★★★★★ではないのかと言えば,記事にも書いたような部分があるからだと思っています。

そうは言っても,全体的に見れば,抗いがたい魅力を放っていると言える作品ではないかと思います。

引き続きよろしくお願いします。

私のヘタレコメントにレスをいただき恐縮しております。

なる程です。

再度、真摯に傾聴してみたいと思います。

仮に、この盤がメセニー、ポッター以外の作品であれば、結構イイジャン!と素直に聴けるのかもしれませんね。

思うに… ポッターがUltrahangやUndergroundで到達した高みと、ファンキーな感覚が希薄なメセニー主導の本作を比較する事自体がナンセンスなのでしょう。
ターゲットとしているリスナー層も全く異なりますし…

音楽は大勢を楽しませたもの勝ちという側面もありますので、多いに売れて、皆をHappyにする事はそれはそれで有意ではあると思います。

ではではm(_ _)m

betta taroさん,おはようございます。

私としてはPatの力,ポピュラリティを借りてでも,このアルバムでクリポタというプレイヤーに対する注目度が上がって,彼の実力がより幅広く理解されればいいなぁと思います。

引き続きよろしくお願いします。

閣下、、

「私としてはPatの力,ポピュラリティを借りてでも,このアルバムでクリポタというプレイヤーに対する注目度が上がって,彼の実力がより幅広く理解されればいいなぁと思います。」

御意!

同じことを思っているのに、どうしてわたしにはこういう的確な文章が書けないんだろうなぁ。

すずっくさん、こんばんは。

でも私にはすずっくさんみたいなポエティックな表現は出来ませんぜ。ひとそれぞれ得意分野はありってことで。

やっと昨日届きました。
値段の安い方に色目を使ったら、組み合わせの関係でえらい目にあってしまいました。1曲目は先に放し飼いトリオ+で生演奏を聴く、という貴重な機会にも恵まれました(笑)。

最初はクリ・ポタが遠慮がちに参加していると思ってましたが、吹きまくっているところは吹きまくっていて、けっこう、4人のバランスがとれていますね。もちろんメインはパット・メセニーですが。管入りでは、彼が考える最強のクァルテットになるんじゃないでしょうか。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。注文してもなかなか来ないとイライラしますよねぇ。特にH●Vはいけません。彼らは発送のシステムを変更すべきですよ。

それはさておき,このバンドはまだまだ成長の伸びしろがあるはずなので,これを最大限には評価しませんでしたが,強力なアルバムであることには疑問の余地がありません。多分来るとは思いますが,さっさと来日日程を固めて欲しいなぁと思っているのは私だけではないはずです。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

音楽狂さん、こんにちは。
ChriPotteもSanchezもこれくらいは・・という予想はしていたんですが、Ben Williamsは予想を超えて素晴らしかったと僕も感じました。特にラストは鳥肌モンでした。
とはいえ、これでクリポタの日本にくる口実が増えるといいんですが。。TBさせていただきます。

とっつぁんさん,こんにちは。TBありがとうございます。今日は休みを取って,まったりした一日を過ごしています。現在のBGMなんてEarl Klughですもんねぇ(笑)。

このメンツですから,これぐらいはできるでしょうって感じですが,Ben Williamsだけはよく知らなかったので,どんな感じかなぁと思っていたら,さすがPatの人選でした。この人,相当の実力者ですね。えぐいクァルテットと申せましょうね。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

入手は早かったのですが、記事アップは今頃になってしまいました。

圧倒的な内容で、圧倒されました。凄いアルバムだと思います。

それでも、個人的感覚ではPat Metheny色が強いなぁというのが第一印象でした。。
せめて、他のメンバー作曲の楽曲を入れても良かったのにとか思ってしまうのは、クリポタへの期待が過度なのかなぁとも..


TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんにちは。TBありがとうございます。本作は異常に期待値が高い中で,きっちり作品として仕上げてきたのは立派です。もちろん,これは完成系だとは思いませんし,バンドとしての拮抗する感覚がもっとあってもよいとも感じています。

しかし,これがライブを重ねたら,レベルは全く違ったものになると確信しています。乞来日。

こんにちは
メセニーから過小評価されている(笑)1960年代生まれの私も、久しぶりに興奮して聴きました:)
そういえば、LUTSのロリンズ、国営放送のTVで観たのですが、1曲だけの放送でほとんどロリンズしか映っていなかったと記憶しております。
行った友人の話だと「アルフィー」のギターソロはシンセだったとか・・・・
このときのベースは、アルフォンソ・ジョンソンでしたっけ??

HamaVneturiniさん,こんにちは。件のRollinsのライブはMetheny~Alphonso Johnson~Jack DeJohnetteだったと記憶しています。私は現場で見ていたはずです。

確かギター・シンセサイザーも弾いていましたよ。後に再放送した時にエア・チェック(死語)したテープもどこかにあるはずなんですが,もう再生のしようがないんですよねぇ(笑)。ブート音源も出てるようですけど。

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