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2012年6月 7日 (木)

Joe Lovanoの貢献大のJohn Abercrombie新作

John_abercrombie "Within a Song" John Abercrombie Quartet(ECM)

John Abercrombieの新作は,Joe Lovanoを迎えてのスタンダードを交えての作品ということで,同じくLovano参加のSteve Kuhnの"Mostly Coltrane"を思わせる企画と言えるかもしれない。Kuhn作もややECMらしからぬ部分はあったが,演奏としては極めて高いレベルの作品であり,私は2009年の年間ベスト作の一枚にも選出した(記事はこちら)。

あちらはColtraneが主であったが,こちらはオリジナルから,またまたColtrane,Miles,Bill Evans等いろいろな音楽を集めている。多少の違いはあるが,私には音楽のレベルとしては"Mostly Coltrane"に近いものがあるように感じられた。響きはかなり渋いのだが音楽が深いのだ。やろうと思えば,一丁上がりみたいなやり方も可能なレパートリーに対して,曲への敬慕も感じさせながらの滋味溢れる演奏に私は結構心を打たれてしまった。Joe Lovanoという人は何となくECMとは合わないのではないかと思わせて,これらの優れた作品に連続出演というのは意外でありながら,かなり凄いことである。改めてLovanoを見直してしまった私である。

何がこのアルバムの素晴らしさか?燃え上がるような音楽ではない。それは確かである。しかし,決して派手ではないのだが,そこに展開される見事なLovanoのフレーズという感じなのである。リーダーのAbercrombieが悪いわけではない。十分いい。近年で一番いいと言ってもいいぐらいだ。しかし,ここではLovanoのテナーの魅力がそれを上回ってしまっている。落ち着いた演奏の中にもクールに燃える青白い炎って感じのLovanoのテナーに私は心底まいってしまった一枚である。こういう演奏はLovanoには悪いが,彼のリーダー作では感じたことがない。これがECMというレーベルとLovanoが生み出したケミストリーと言っては褒め過ぎか?でもそれぐらいいいのである。

それにしても,先日取り上げたSteve Kuhnの新作"Wisteria"といい,本盤といい,ECMにしては結構サウンドがコンベンショナルな感覚を示しているのが不思議である。Manfred Eicherが我を通さなくなったのか,プロデューサーとしての音楽的な指向/嗜好が変わったのか,非常にミステリアスではあるが,こんな演奏を聞かせてくれるならいつでも歓迎である。"Mostly Coltrane"には及ばずとも,十分星★★★★☆には値する作品である。はっきり言って,何度でも聞きたくなるような佳品。それもこの演奏の落ち着きゆえ。Kuhnの新作と星の数は一緒でも,どっちが好きかと聞かれれば,私はこちらに軍配を上げるだろう。

Recorded in September, 2011

Personnel: John Abercrombie(g), Joe Lovano(ts), Drew Gress(b), Joey Baron(ds)

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コメント

やっぱり、、閣下は、、タフですねぇ。
わたしは、クリポタのサックスに惚れ直し過ぎちゃって、、
なんか、次に進めないで困ってました。。

テクニックだって、歌心だってあるんだもん。
でも、デモですよ、、ロバーノはそういう比べ方できない。
彼も唯一無二の存在で、頭の1発目からぐぃっと世界に引きずりこみます。

アバクロさまも、覚悟の上での共演でしょう。。。(笑)

これは、Lovanoのリーダーアルバムのような出来上がりですね(笑)。そばで地味にAbercroも渋い味出してますって感じで。Lovanoの「客演では良い」は伝説の域に達しているような。Mostly Coltraneとこのアルバムで、LovanoのECMでの客演は買いというTheoryが生まれようとしているのかも。

すずっくさん,こんばんは。TBありがとうございます。熱いレポート見ましたぜぃ。いやいや,気合の入り方が違うわ,な~んて思っていました。

それにしても,このアルバム,素晴らしいです。Lovanoが(笑)。絶対合いそうにないレーベル作で,傑作をものにするとはLovano恐るべし。これはしばらく愛聴できると思いました。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

カビゴンさん,こんばんは。コメント全文まさにおっしゃる通りです。

確かにセオリーだ(笑)。これからも信じる者は救われる,かもしれませんね(爆)。

近年、オルガントリオのアルバムが多かったように思いましたけど、このロヴァーノとのクァルテット、曲もおなじみのものが多かったし、ここでもたまに4ビートが出たりして、ECMとしては異色だけど、聴いていて満足感はありました。

しかし、このメンバー、渋いですよね。

TBさせていただきます。

910さん,おはようございます。TBありがとうございます。

本当に渋いメンツです。そして出てくる音楽も渋いながらも,感動さえ誘うような素晴らしい出来でした。Lovanoは私の中では評価が定まらない人なんですが,カビゴンさんもおっしゃっていた通り,ECMへのLovano客演=買いのセオリー成立だと思います。

こちらからもTBさせて頂きます。

Lovano がアルバムの雰囲気を支配していると感じられるほど存在感が大きいのに、彼自身のテイストとは違うという不思議なアルバムですね。私も真っ先に"Mostly Coltrane"を思いだしました。双方ともとてもお気に入りのアルバムです。というわけで、当方からもTBさせて頂きます。

1irvingplaceさん,こんにちは。TBありがとうございます。

このアルバム,"Mostly Coltrane"ほどの痺れる感覚はないかなぁとも思いますが,いい出来ですよねぇ。Lovanoってここまでよかったのかとまた認識を新たにしました。来月にはMarc JohnsonのECMのアルバムにLovanoがまたまた客演するらしいので,そちらも期待してしまいますね。

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