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2015年おすすめ作

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2012年6月30日 (土)

ドイツが負けるとは思わなかったユーロ2012

私はサッカー好きなので,ユーロ2012の結果には並々ならぬ関心があると言ってよいのだが,いつも通り,イングランドを最も応援し,今回に関しては優勝候補としてはドイツを支持していたのだが,イングランドはPK戦でイタリアに敗れ,絶好調と思われたドイツまでもイタリアに屈した。まじでドイツが負けると思わなかったが,Özilがもう少し活躍できていればって感じもした。

今回のイタリアの躍進を見ていて思うのは,イタリアのGK,Buffonの堅守である。あまり期待されていなかったイタリアが決勝まで進んできた要因の一つは間違いなく彼の貢献度大と言えるだろう。とにかく止めるもんなぁ。

私は今回のユーロはライブで見るには厳しい試合時間もあって,あまり熱心に試合を見ているとは言えないが,それでも決勝はライブで見てしまうのかなぁ。順当に行けばスペイン優位はゆるがないだろうが,私としてはアズーリの下克上が見たいと思っている。Buffonがキレキレの守備を見せれば,それも決して夢ではない。ここは判官贔屓炸裂の私である。頑張れ,アズーリ。

2012年6月29日 (金)

Patti Smith,やっぱりこの人は凄い

Banga "Banga" Patti Smith(Columbia)

Patti Smithはパンクだと言われる。でも私は彼女の音楽をパンクだと思ったことはない。私は正直言ってパンクは好きではないが,Patti Smithの音楽には強いシンパシーを感じてしまうのである。だからこそ,パンクではないと思えるのだ。所謂パンクだったら,私はもっと簡単に拒絶反応を示すが,Patti Smithの音楽は私にフィットしているとさえ感じてきたから,彼女はやはりパンクではない(きっぱり)。

今回のアルバムを聞いても,そうした印象は変わらない。それどころか,更に穏やかになったとさえ感じさせるのだ。冒頭のメロディを聞いていたら,これがポップまではいかずとも,相当聞き易い。しかも穏やかである。だが,これを全編聞いてしまえば,ある意味金縛りに近い感覚にとらわれると言ってもよいぐらいだ。とにかく深いのだ。

ポップ・ミュージックなんてある意味チャラチャラしていたって全然問題ないのだが,Patti Smithの音楽にはそうした軽さは一切感じられない。音楽がいくら聞き易くなったとしても,その底流にある志が違うと言うべきか。金も儲けようと思っていないというのはもちろん,思想をこちらに伝えようとしているのではないかというほどの強いメッセージ性を感じさせるのである。私はちゃんと歌詞を聞きとっているわけではないが,サウンドだけでそれを感じさせてしまうというのはこれはやはり物凄いことである。「そんなのお前の思い込みだろうっ!」という声も聞こえてきそうだが,そう思うならまずこの音楽に耳を傾ければいいのである。そうすればわかる。凡百の音楽と違うということは一聴すればわかるはずだ。

私がこれに近い感覚をおぼえたのはLou Reed & Metallicaの"Lulu"以来だと言ってもよいと思うが,ロックのアルバムを聞いていて,強い思想,思念を感じるというのは滅多にあることではない。そうした思いに支配されてしまった以上,私はこのアルバムには星★★★★★をつけざるをえないのである。聞き終わった後にどっと疲れが出るかもしれないが,それは心地よい疲労感であるはずだ。それほどの深みを感じさせるロックはやはり稀有だと言ってよい。とにかく聞いて欲しいって感じのアルバムである。こんなアルバムの中に"Fuji-san"という曲が入っているが,これは昨年の東日本大震災に心を痛めたPattiとLenny Kayeが日本のために書いてくれた鎮魂歌である。心して聞くべきメロディと詞だと言っておこう。

そして最後が"After the Gold Rush"ってのもたまらん。感動した。間違いなく年末のベスト・アルバム候補の一枚。素晴らしい。日本ではどう考えても売れそうにないので,微力ながら私としては全面バックアップ体制を取らせてもらおう。皆さん,買いましょう。そして聞きましょう。

それにしてもJohnny Deppがギターとドラムスでゲスト参加ってのも珍しいなぁ...。つながりが理解できん。でもJohnny Deppファンは買ってね。但し,ほとんど存在感はないので念のため(笑)。

Personnel: Patti Smith(vo), Lenny Kaye(g), Jay Dee Daugherty(ds, mandocello), Tony Shanahan(key) with Tom Verlaine(g), Jack Petruzzeli(org), Jackson Smith(g), Johnny Depp(g, ds), Jesse Smith(p), Louie Appel(ds), Rob Morsberger(p) and Strings

2012年6月28日 (木)

最近休みが多くてすみません。

いろいろ立て込んでいて,音楽は聞いていても記事をアップできない。ということで,今日もお休みをさせて頂きます。

一言だけ言っておくと,Patti Smithの新譜は深い。かなり深い。ということで,記事は改めての機会に。

2012年6月27日 (水)

そう言えばこれもアップしてなかった!Tedeschi Trucks Bandのライブ盤はええですわぁ~。

Ttb_live "Everybody's Talkin'" Tedeschi Trucks Band(Sony)

リリースされてから随分時間が経ってしまったが,忘れた頃にTedeschi Trucks Bandのライブ盤である。彼らが2月に来日した時には,私もライブの場に足を運んで大いに楽しんだ(記事はこちら)のだが,その時の記憶がよみがえるような好ライブである。

ライブに行った時も,このバンドの演奏能力,更にはソウル・ミュージックへのシンパシーなどを強く感じさせたわけだが,それを追体験するにはもってこいの内容である。冒頭のタイトル・トラック「うわさの男」は日本ではやらなかったと思うが,意外な選曲ながら,ここからSusan姉御のヴォーカル炸裂である。ここからぐぐっと惹きつけられるが,Derekのスライドも相変わらずのキレまくりである。全編を通じてこれだけ弾いてくれれば大概の人間は満足するはずである。とにかくうまい。本当にびっくりするぐらいうまい。そしてElmore Jamesの"Rollin' & Tumblin'"と"Nobody's Free"でのSusan姉さんの物凄い気合に触発されて,旦那Derekも燃えるのだった。何と麗しい夫婦愛(笑)。

そして彼らを支えるバックの面々も相当の実力者である。インプロヴィゼーションも堂に入っていて,これは大した人の集まりだと思わざるをえない。2枚組の長丁場でも全然飽きることなく聞けてしまうこのライブは,彼らの能力と魅力を的確にパッケージしたものとして,評価できると思う。長尺の演奏が多くても冗長感がないというのがその出来のよさの証と言ってもよいが,やはりこの夫婦,いいですわ。これからもこのバンドで継続してもらってもいいし,たまにはDerek Trucks Bandを復活させてもらってもよい。とにかくDerekのスライドが聞ければそれで私は満足である。ここでも十分満足させてもらったので星★★★★☆。

但し,ホーン・セクションに関して言えば,明らかにこちらの3人の方が上。彼らのここでの貢献度も大だと言っておこう。それにしても素晴らしいバンドである。

尚,本作,国内盤も出ているが,ボートラが入っているのは魅力だが,あの値段はないだろう。あまりにも価格差大き過ぎなので,輸入盤に走るオーディエンスが多いはずである。商売下手というか,足元見過ぎなのがいやらしいねぇ。こんなことをしているから,ソフトが売れなくなるのである。自業自得。

Recorded Live on October 25, 28 & 20, 2011

Personnel: Derek Trucks(g), Susan Tedeschi(g, vo), Oteil Burbridge(b), Kofi Burbridge(key,  fl), Tyler Greenwell(ds, perc), J.J. Johnson(ds, perc), Mike Mattison(vo, g), Mark Rivers(vo), Kebbi Williams(sax), Maurice Brown(tp), Saunders Sermons(tb, vo)

2012年6月26日 (火)

兄貴の新譜はいいのか悪いのか実はよくわからない

Americana "Americana" Neil Young with Crazy Horse(Reprise)

Neil Youngという人はよほど表現への欲求が多様なのかよくわからないが,時折何じゃこれはと思わせるアルバムをリリースして,ファンを戸惑わせることがある。それゆえにアルバムも玉石混交の趣があり,基本は好きでも,好きなアルバムは特定のものに限るって人は結構いるのではないかと思う。

そんな兄貴が今回取り組んだのはトラディショナル,あるいは相当古いナンバーばかりである。そしてそれをバッキングするのがCrazy Horseということでは,一体どうなってしまうのかと不安に感じる向きがあっても仕方ない。だが,冒頭の"Oh Susannah"を聞くと,そうした不安は氷解し,曲が終わる頃には"Oh Susannah"を一緒に連呼してしまうそういう魅力がある。だが,この曲を聞いて,これがあのフォスターが書いた曲か?と思うのが人情だが,これは全くの別物となっている。Tim Roseという人のアレンジを採用しているとのことだが,この違いは一体何やねん!と思うのは私だけではないだろう。

そうした情報なしで聞いていれば,私はこのアルバムはトラッドを再構築し,兄貴流に解釈したものという気がしていたのだが,全編を通じてそんな感じである。だから,トラッドと言いながら,かなりロック・フレイヴァーが強くなっているし,バックがCrazy Horseなんだからそれはそれで当たり前である。前半は特にそうで結構ぞくぞくするような感覚を与えている。しかし,全編に渡ってそれが続けばよかったのだが,このアルバム,トータルではもろ手を挙げて最高と言えないところが微妙である。

とにかく,曲によって面白いものとそうでないものが極端なのである。トラッドのメロディを比較的ストレートに歌ったものが特に面白くなくて,これなら徹底的再構築で通すべきであったと思えてしまうのである。そして,私のがっくり感が強くなるのが,バックに現れるコーラスである。このコーラスにどういう効果を兄貴が狙ったのかはよくわからないが,これによってロック的な下世話さが薄れて,全然面白くなくなってしまうのである。私にとってはコーラスが入る曲が駄目で,それ以外は受け入れられるって感じと言えばいいだろう。

私は兄貴のファンなので,基本的には否定したくないのだが,いいものと駄目なものが混在するこのアルバムにはアンビバレントな感情を持たざるを得ない。前作"Le Noise"が素晴らしい出来というか,より挑戦的だったことを思えば,Crazy Horseの面々とならもっとやれたんではないかという思いも残る作品。"Oh Susannah"の麻薬的な響きに免じて半星おまけして星★★★☆。やっぱり微妙だ。正直言って,これなら"Le Noise"の方がはるかに好き。

Personnel: Neil Young(vo, g), Billy Talbott(b, vo), Ralph Molina(ds), Frank "Poncho" Sampedro(g), Dan Greco(perc), Peggi Young(vo), Stephen Stills(vo) with Chorus

2012年6月25日 (月)

新譜は一休みで懐かしのDoobiesで息抜きする私

Toulouse_street "Toulouse Street" The Doobie Brothers (Warner Brothers)

新譜の記事をアップしなければ...という思いもありながら,ちょっと息抜きもしたくなるのが人情で,そうした時にはこういうクラシックスを聴くのが一番である。

私はDoobie Brothersの結構なファンで,Tom Johnston期もMichael McDonalad期もそれぞれに好きではあるものの,ライブで盛り上がるのは前期Tom Johnston期の曲だよなぁなんて思っている。Mikeの曲は洗練されていて,鑑賞音楽としては楽しめるのだが,ライブではちょっと厳しい部分もあるように感じているのは私だけではあるまい。ライブの場にフィットするのはやはり典型的なハード・ドライビングなアメリカン・ロックとしての前期の曲だと思う。だから,彼らのライブにおいても,聴衆が盛り上がるのは"China Grove"であり,"Long Train Runnin'"であり,更にはこのアルバムに収められた"Listen to the Music",”Rockin' Down the Highway",そして"Jesus Is Just Alright"ってことになってしまうわけだ。後のMike McDonald期の音楽も私は相当好きだと言っていいのだが,それでもライブの場であれば,やはりこれらの曲の方が間違いなく軍配が上がるのは,おそらく音楽のライブ感,ドライブ感がこれらの曲の方が勝っているということになろう。

だが,Mikeの名誉のために言っておくと,彼らの最高傑作は"Stampede"に譲るとしても,実はそれに勝るとも劣らず,私が彼らの後期のアルバムで最高かつ一番好きだと思っているのは"Living on the Fault Line"であることは既にこのブログでも書いた通りである(記事はこちら)。ただ,全く音楽性が違うので,やはりそこに本作が持つようなドライブ感を求めることはできないのは致し方ないのである。

いずれにしても,ここにはいかにもDoobiesらしいワイルドなアメリカン・ロックにそこはかとなくカントリー・フレイヴァーを感じさせるアコースティック・ギターが活躍する曲を配し,いかにもアメリカの音を体現していると言えるだろう。私がアメリカン・ロックに目覚めた頃ってのは,DoobiesとSteve Miller Bandの"Fly Like an Eagle"へのフィット感が物凄く強かったことを今でも覚えている(実はEaglesはもう少し後)。それ以来というか,私がアメリカン・ロック指向を強めてもう35年以上が経過しているが,やはり今聞いてもDoobiesの音楽は私の中ではアメリカン・ロックの一つのひな形であり続けているのである。特にこのアルバムで言えば私は"Jesus Is Just Alright"が一番好きで,彼らのヒット曲の中でも,この曲は上位に入ると言ってよいぐらい好きなのだ。

しかし,アルバム全体で見れば,ホーンとか必要なのかなぁって感じさせる部分もあるし,この路線では"Stampede"がワイルドさとソフィスティケーションを両立させているという点で,更に評価している私である("Stampede"についての記事はこちら)。しかし,上記のライブでも主要なレパートリーとなった3曲をバンドとしてのセカンド・アルバムの本作において世に問うていたということは大したもんだと言えるだろう。私はやっぱりDoobiesが好きなのだ。星★★★★。

そう言えば,ここでドラムスを叩いているMichael Hossackは今年の3月に亡くなっていたのを思い出した。遅ればせながらご冥福をお祈りしたい。R.I.P.

Personnel: Patrick Simmons(g, vo), Tom Johnston(g, vo), Tyran Porter(b, vo), John Hartman(ds, perc), Michael Hossack(ds) with Jerry Jumonville(ts), Joe Lane Davis(bs), Sherman Marshall Cyr(tp), Jon Robert Smith(ts), Bill Payne(p, org, key), Dave Shogren(b, vo), Ted Templeman(perc)

2012年6月24日 (日)

70年代音楽「は」楽しい「ダーク・シャドウ」

Dark_shadows 「ダーク・シャドウ("Dark Shadows")」('12,米,Warner Brothers)

監督:Tim Burton

出演:Johnny Depp,Michell Pfeiffer,Eva Green,Helena Bonham Carter,Bella Heathcote

この映画,結構評判がよろしくない。シナリオに無理があるのはよくわかるので,映画的にはそうかもしれないし,ファンタジーとしても今イチの中途半端感があるのは事実である。いろいろな方の意見を拝見していると,TVでのCMではコメディ的な部分を打ち出していたこととのギャップについて触れている方もいらっしゃるが,"Adam's Family"じゃないからねぇなんて思ってしまう私である。その辺はまぁさておきってことである。

そんな私がこの映画を見ていて楽しんでしまったのが,舞台となった1972年当時の音楽を散りばめてあることであった。それが懐かしくも楽しく,映画の筋と関係ないところで楽しんでしまったのである。こうした楽しみ方ができるのはある程度の年齢層以上ということになってしまうので,若い人にはちょっと厳しいかもしれないが,私の年代にはストレートに訴求してしまう部分がある。しかし,Christopher Leeのカメオ的出演はさておき,現在のAlice Cooperを72年当時のCooperとして引っ張り出すことにはかなり無理はあって,そこは苦笑せざるをえなかったが...。

だが,冷静に映画としての本作を評価すれば,そこそこ楽しめるとしても,シナリオの弱さはどうしようもない。エンディングやその他の件においても半ば辻褄合わせのようなストーリー展開なので,かなり無理があると思わせるのはいかんともしがたい。まぁ,エンタテインメントの一環として見てればいいので,どうこう難しいことを言う必要もないような映画だが,一番楽しめてしまうのが音楽ってのはやはり問題ありだろう。

いずれにしても,1972年の時代感を楽しめるかどうかによって,だいぶ感覚に違いは出ると思うが,映画としては星★★☆ってところだろう。いずれにしても,巷では大人気のJohnny Deppだが,私は相性よくないねぇ。

ところで,クレジットを見ていて,懐かしやJackie Earle Haleyの名前を発見である。私にとってはHaleyと言えば「がんばれ!ベアーズ」だが,Tatum O'Nealは何やってんだろうなぁ...(遠い目)。

2012年6月23日 (土)

タイミングよく音楽の記事が書けない私...

ここのところ,新しい音楽も聞いているのだが,アップのタイミングを逃しているアルバムが結構ある。Neil Young然り,John Mayer然り,Patti Smith然り,Return to Forever然りである。現在,仕事の関係でオフィスが変わって,若干ながら通勤時間が短くなって,音楽をiPodで聞くにしても,アルバム全体を聞き切れないことが出てきていることも影響しているのかもしれない。

結局のところ,CDを買い過ぎだからそうなるって話もあるし,飲み会だ,ライブだといろいろあったのも事実なのだが,どうも最近記事のアップの具合にはタイミングのヴィヴィッドさに欠けるように思っている私である。

まぁ,そのうち追っ掛けでアップしていこうと思うが,これもまぁ仕方ないな。

2012年6月22日 (金)

Criss Crossがヴァイオリンのリーダー・アルバムとは意外だ

Zach_brock "Almost Never Was" Zach Brock (Criss Cross)

Criss Crossレーベルと言えば,コンテンポラリーなハード・バップを聞かせるレーベルというイメージが私の中では強いのだが,このアルバムのリリースがアナウンスされた時はへぇ~って感じであった。だってヴァイオリンがリーダーって,レーベル・カラーと随分違う気がするもんなぁ。だが,そんなアルバムを買う気になったのもリーダーを支えるバックのメンツゆえである。Aaron Goldberg~Matt Penmann~Eric Harlandがリーダーを支えるとすれば,私としてはピアノのGoldbergはさておき,リズムの2人で聞きたくなってしまっての購入である。

最近のGoldbergはよくわからないが,私が彼を聞いたのは99年の"Turning Point"が初めてで,その作品にピンときていなかったのが事実で,その後,Kurt Rosenwinkelの"Remedy"での好演は印象的ながら,私の中での注目度は決して高くない。だが,Penman~Harlandと言えば,James Farmのコンビであるから,こちらはやはり気になる(つくづくライブを見逃したのは残念だったが,聞けなかった分はブート音源を聞いて我慢しよう)。

それでもって,リズム・セクションは期待通りの好演と言って良いのだが,驚いたのはリーダーのBrockである。これが全く侮れないのだ。モダン・ジャズ的な部分は比較的控えめだが,コンテンポラリーな感覚含めてなかなかの才人と思わせるプレイぶりである。

Mahavishnuのようなパターンを除けば,ヴァイオリンという楽器がジャズにフィットしているとは全く思えないのだが,ここでのBrockはピチカートも含めて,ヴァイオリンとしては考えられないぐらいソロ楽器として機能させているではないか。予想以上にカッコいい。これが,リズム・セクションの好演に依存していることには疑義はないとしても,リーダーが優れていなかったら,このクォリティは出ない。

私としては"Monk’s Dream"をやるよりも(これが一番面白くないように私には感じられるのだ),オリジナルや,よりコンテンポラリーな曲だけで勝負してもよかったんじゃないかとも思えるが,そんな思いは抱えつつもヴァイオリンという楽器だけを理由にしてこれを聞かないとすれば,それはかなり勿体無いと思える,そんなCDである。星★★★★。

Recorded on February 3, 2012

Personnel: Zach Brock(vln, baritone-vln), Aaron Goldberg(p), Matt Penman(b), Eric Herland(ds)

2012年6月21日 (木)

他愛のない話と言えばそれまでだが,見ていてプチ幸せ感は感じられる映画

We_bought_a_zoo 「しあわせへのキセキ("We Bought a Zoo")」('11,米,FOX)

監督:Cameron Crowe

出演:Matt Damon,Scarlett Johansson,Thomas Haden Church,Colin Ford,Maggie Elizabeth Jones,Elle Fanning

後味のよい映画ってのはあるものである。ストーリーとしては他愛ないと言えばそれまでなのだが,子どもが出てきて,動物が出てきて,それなりの話,それなりの役者が揃っていれば,まぁ後味が悪くなることはなかろう。それにしても,この映画は見終わった後に,感動するとかいうことはなくても,爽やかに劇場を出ることができる映画だったと言える。

妻を病気で失い,息子がハイスクールをキックアウトされたのを機に,新しい環境を得るべく,購入した家が元動物園というのがそもそもほんまかいなというところだが,実話に基づくらしいのだから,事実は小説より奇なりである。そして,Damonの娘を演じるMagge Elizabeth Jonesが可愛いのだ。息子のガールフレンドを演じるElle Fanningも可愛いのだが,Maggieちゃんの方にメロメロになる大人は多数だろう。こういうところは私もまさに単純そのものだが,可愛いものは可愛いのだ。

動物園付きの家を買った後は,お決まりのパターンの資金難,スタッフとのいざこざ,検査官とのやり取り等が展開されるが,全て予想内の範囲だとしても,Matt Damonが人のいい感じを醸し出しているので,嫌味がないのである。そこに絡むDamonの兄を演じるThomas Haden Churchがいい感じの助演ぶりである。この助演がなければ,映画はもっと平板なものとなっていたに違いない。また,Scarlett Johanssonはほとんどノーメイクのようにも思え,いつものクール・ビューティぶりとは違う感覚を打ち出しているが,役柄が役柄だけにこれはまぁ仕方がないが,それでもやはり綺麗な人は綺麗だねぇとずっと思っていた私である。

映画を見ている約2時間の間,ハラハラもドキドキもしないが,こういう映画もいいじゃないと思わせるし,エンディングもよかったねぇ,って感じで夢のあるファミリー・ドラマであるから,子どもの情操教育にはこういう映画を見せればいいのよなんて思ってしまうわけだ。そうは言っても,話がうまく行き過ぎじゃないのなんて皮肉なものの見方も可能であるが,日頃は天邪鬼な私も,こういう映画は結構支持してしまうのである。ということで,この後味のよさも評価して星★★★★。在米中,"Why Not?"が口癖だった私は,この映画を見ていて,実は嬉しくなっていたのであった。理由は見てもらえばわかる。

しかし,この邦題はよく意味がわからんなぁ。まぁ「ウィ・ボート・ア・ズー」よりはましだが...(苦笑)。

2012年6月20日 (水)

全世界待望, Pat Methenyが放った新譜。

Unity_band "Unity Band" Pat Metheny(Nonesuch)

このアルバムのリリースを首を長くして待っていたのはきっと私だけではあるまい。何と言っても,Methenyとクリポタの共演だぜぃ(すぎちゃん風)。期待するなという方が無理。そして軽々とこちらの期待値をクリアするのがこの人たちの凄いところである。まぁ,このメンツからすれば当然って話もあるが,それにしてもである。

ここで期待するのはMethenyとクリポタによるシナジー,あるいは特殊なケミストリーと言ってもよいだろうが,ここでのクリポタの対応能力には驚かされる。ここまでMethenyの楽想にフィットした音楽を展開するとは思わなかった。あくまでも本作の主役はMethenyだとしても,ちゃんと自己主張とも言うべきクリポタならではの音が生成されている。好き者が聞いたら,身をよじるようなフレージングを聞かせているのは立派。そしてそうしたシナジーを生み出すのを見事にサポートしたリズム隊。Sanchezはある程度予想できたが,ここでのBen Williamsの貢献度が無茶苦茶高い。このブイブイ言わせる野太いベース音がバンドをプッシュしているではないか。これには本当に驚いた。この4者が各々貢献しあってのこのサウンドと言ってよいだろう。もちろん,バンドとしてはこれが初作(そして最後?)であるから,ユニット全体としての疾走感,あるいは一体感はまだまだこれ以上に上げられると考えてしまうが,それでも初作にして"Unity"ぶりは見事である。こんなバンドのライブを見たら,悶絶間違いなしである。今のところ,来日は予定されていないが,これだけのバンドである。来ないわけがない,と言うよりも絶対に来て欲しい。

この音楽を聞いていて思うのは,クリポタがMethenyの書くメロディにちゃんと合せて,メロディアスな展開も見せているということである。ハード・ボイルドだけじゃないぜぇ(またまたすぎちゃん風)ってところを感じさせる。そのメロディアスなラインに突如としていかにもクリポタらしいフレーズも入れて,このバンド・メンバーとしてのクリポタも,ソロイストとしてのクリポタも楽しめるという一粒で二度おいしい状態なのだ。私はOrchestrionというのを全然評価できないので,"Signals(Orchestrion Sketch)"は本当にこれが必要なのかという疑問は感じるが,冒頭のフリー的なアプローチから,いかにもReich的ミニマルな展開を示すところはアルバムに変化を与えているという考え方も可能である。このミニマルな感覚のバッキングを生み出すのにOrchestrionを使う必要があったと好意的に解釈することも可能だが,私はここでOrchestrionを使う意義は実のところ見出していない(頑固)...。バンド・サウンドだけで十分対応可能なはずだからねぇ。

そうした思いはあるものの,総体的に見れば,こんなアルバムを出してしまったら,またPMGの新譜のリリースは遠のくなぁなんて思えてしまう。それぐらいこれはこれで独立したアルバムとしても十分な傑作と言ってよいと思う。やはりレベルの高い人たちのやることは違うわ。星★★★★☆。最後に"Breakdealer"のような曲を配するところはうまいなぁと思うが,全体にこの曲が持つような「ぐわぁ~」っという高揚感(何じゃそれは?と言う声もあろうが,わかる人にはわかるはずだ),あるいはUndergroundの持つ超絶的なグルーブ感がもう少し加味されれば間違いなく満点だった。だが,今年リリースされた新作としてはこれを避けて通ることは不可能と言っておく。

Recorded in February, 2012

Personnel: Pat Metheny(g, g-synth, orchestrion), Chris Potter(ts, ss, b-cl), Ben Williams(b), Antonio Sanchez(ds, perc)

2012年6月19日 (火)

今日はお休みです。

本日は体調が悪く,記事をアップできません。ということで,鬼の霍乱により今日はお休みです。またのお越しをお待ちしています。

2012年6月18日 (月)

Chicagoはロック・バンドであったことを雄弁に物語るライブ

Chicgo_live_in_japan "Live in Japan" Chicago(Columbia→Rhino)

私はAOR化した後のChicagoも嫌いではない。だが,この日本で,というよりも大阪で録られた1972年のライブ盤を聞いて,後のChicagoとのサウンドの違いが如実に感じられたのが面白かった。このアルバムが久しく廃盤だったというのが信じ難いぐらいよくできたライブ盤である。

私はこのブログで彼らのCarnegie Hallでのライブ盤も取り上げている(記事はこちら)が,その時も上と同じようなことを書いていて,全く私の反応もワンパターンだと思いつつ,そう感じるのだから仕方がない。ただ,Carnegieでのライブは約3時間にも及ぶ超大作ということで,なかなか通しで聞くチャンスは得られないが,こちらは1.7時間程度ということで,Carnegie盤よりは気楽に聞けるのもいいし,この頃の日本でのライブ盤というものが,並々ならぬ関係者の情熱で作られていたのだろうと思わせて,熱い気持ちにさせてくれるのも嬉しい(ライナーも愛に溢れたものである)。

大阪フェスティバル・ホール(現在改修中で,来年オープンするはずである)はキャパ3,000人ぐらいで,音響のよさでも語られたホールであるが,私がJulie Andrewsの初来日公演を見に行ったのがここである(全くの余談)。あの伝説的Berntein~IPOの「マラ9」もここだったはず(私は行っていないが...)。音的にはCarnegieよりずっとよいのではないかと思えるぐらいの素晴らしいホールであり,メンバー自身もレコーディング環境としてはこちらの方がずっと上だということを認めている。ということで,まず場所がよい。それでもって大阪公演ということもあり,「おおきに」をJames Pankowが連発しているのが大いに笑えるのだが,演奏はそんなこととは関係なしに完全なロックである。しかもかなり骨太。やっぱりこうしたサウンドはKathが主導的な感じがするよなぁ。Kathが亡くなって,Chicagoは変わったということである。

また,時代を反映してと言うべきか,日本語バージョンが入っているのもご愛嬌だが,そんなことは横に置いておいても,7人編成でこの分厚い音というのはやはり評価しなければならないと思う。曲目としても"Saturday in the Park"なんかが入っていて懐かしいことこの上なし。時代感を切り取った好ライブ・アルバムとして,温故知新には最適。これはいいですわ。星★★★★☆。こんなアルバムを残してくれた彼らにこそ「おおきに」と言いたい。

Recorded Live at 大阪フェスティバルホール on June 10, 11 and 14, 1972

Personnel: Robert Lamm(vo, key), Terry Kath(vo, g), Peter Cetera(vo, b), Danny Seraphine(ds), Lee Loughnane(tp, perc, g, vo), James Pankow(tb, perc), Walter Parazaider(reeds, perc, vo)

2012年6月17日 (日)

出張中に食したもの

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いつも言っていることだが、出張中の楽しみは地場の食事とお酒をいただくことである。今回、久しぶりに松江にお邪魔する機会があったのだが、今回の訪問はほぼ3年ぶりと時間があいてしまった。だが、今回も今までに食したことのないものをいただいた。と言っても決してゲテモノではない。

今回最大の驚きは干柿の天ぷらである。干柿はそれだけでうまいに決まっているが、天ぷらは初めてである。干柿を開いて種を取り、そこに大葉を敷いてチーズを乗せ揚げるシンプルな料理を、塩だけで食するものである。

私は甘党ではないが、この何とも言えぬ甘みに参ってしまった。塩が甘みを増幅させると思ったが、このはじめての食感は非常に面白かった。その他にものどぐろの刺身、防風の天ぷら、しじみの酒蒸しとこれはたまらん!

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そしてこうした食事をいただいたのがこんなに雰囲気のあるところでは何か言わんやである。松江を立つ前には出雲そばも食し、これでは体重の減り様がない私である(爆)。

いずれにしても、久しぶりに訪問しても松江はいいところであった。島根県も、日本で47番目に有名な都道府県なんて自虐的なことを言わず、食で十分勝負すればいいのにと思うのは私だけではないと思う。地味なのは仕方ないが、うまいものだらけの松江であった。

2012年6月16日 (土)

Renegade Creation:パーマネントに活動するのか?

Renegade_creation_bullet "Bullet" Renegade Creation(Blues Bureau International / Sharpnel Records)

Michael LandauとRobben Fordが組んで,Renegade Creationの1stアルバムをリリースした時も当ブログに記事をアップし(記事はこちら),「完全なブルーズ・ロック・アルバム」と評した私であるが,まさか彼らが2ndアルバムをリリースするとは思わなかった。これはパーマネントな活動をするということなのだろうか?結構濃いメンツ,そして多忙な連中が集まっているから,定常的に活動するのは難しいのではないかと思っているのだが,それでも不定期にはバンドとしての活動をするというのであれば,それはそれで歓迎したい。

私は常々言っているようにMichael Landauのギタリストとしての手腕を高く評価している。だが,彼のリーダー作はどうも面白みに欠けるのも事実であるものの,このバンドではRobben Fordという相方を得て,ギタリストとしての魅力を強烈に打ち出しているところが前作では感じられていて,私は嬉しくなってしまったのだが,今回も前作同様に相応に楽しめる作品である。

だが,ここでも彼らが目指したのは「ブルーズ・ロック」であって,ジャズ/フュージョン的なアプローチではない。よって,ジャズ的なものを期待して聞くと,それは間違いなく梯子をはずされる作品である。更には歌手としての比重もLandau,Fordには掛かっているから,ギターを弾きまくるって感じでもない。前作でそうした点は明らかになっているから,そうした期待値を持つリスナーが本作を購入することはなかろうが,彼らの徹底ぶりはある意味で潔ぎよささえ感じてしまう。

しかしながら,私がこのアルバムを全面的に支持するかと言えばそれは微妙である。このアルバム,悪くない。だが,一作目で受けたような感覚はやはり薄れてしまったと言わざるをえない。もちろん,これだけのメンツであるから,おかしな演奏ではないし,それなりに聞きどころはあるが,この活動をパーマネントで行うのかと言えば,私には疑問である。言葉は悪いが,このような「中庸な」ブルーズ・ロックをやるならば,ほかにこの人たちにやることはあるはずだと言いたいのだ。嫌いではないのに,手厳しくなってしまうことには私自身もアンビバレントな部分があるのは事実だが,でもこれは彼らの一つの側面としてやってもらいたい。特にLandauにはロック系のアルバムで切れたソロを弾いて欲しいと思ってしまうのである。そこが微妙に影響して星★★★☆。

彼らの名誉のために言っておくが,このアルバム,絶対悪い出来ではない。これはこれとして認めればいいのだが,やはりこれは本質的な活動ではなく,あくまで傍系のプロジェクトなのだということである。

Personnel: Michael Landau(g,vo), Robben Ford(g, vo), Jimmy Haslip(b), Gary Novak(ds, perc)

2012年6月15日 (金)

バンド・メンバーをフィーチャーしたくなるのもわかるTom Harrellの新作

Number_five "Number 5" Tom Harrell(High Note)

5月から6月に掛けての怒涛のようなミュージシャン来日ラッシュにあって,Tom Harrellもそこに含まれていたのだが,私はほかのライブとの天秤にかけざるを得ない状況の中で,彼らのバンドを見逃したのは残念だった。現在のTom Harrellのクインテットは非常に優秀なメンバーを集めており,バンドとしてのレベルが高いだけに今回も見ておきたかったのだが,私は以前,Vanguardで見たこともあったし,今回は若干優先順位を落とさざるをえなかったのである。

今回の来日は新作のリリースと相前後して行われたので,ここからの曲も演奏されたのではないかと思うのだが,本作はHarrellがバンド・メンバーの実力を世に更に知らしめたいという思いが込められているように感じてしまった。レギュラー・メンバーによるレコーディングが5作目ともなれば,多少のマンネリズムが発生することは致し方がない部分もあろうが,ここはHarrellは視野をメンバー全体に向けることによって,それを回避したと言ってもよいかもしれない。

まず,冒頭の"Blue 'n' Boogie"からHarrellとJohnathan Blakeのデュオでこれでびっくりさせるが,その後の展開がなかなか見事である。2曲目"Right as Rain"をしっとり聞かせて,バンド全体をフィーチャーするタイトル・トラック"Number 5"でスイング感抜群の演奏を聞かせる。このバンドにとっては全員が#1でありながら,#5としての役割も果たせると言っているかのようなドライブ感である。そして,"Journey to the Stars"ではGrissettの繊細なタッチを活かしたデュオを聞かせ,"GT"ではフリー一歩手前の雰囲気まで醸し出し,Miles60年代クインテットの雰囲気さえ感じさせる。そして,それに続く"Present"はGrissettのRhodesと相俟って,Harrellのリリカルなソロが炸裂と言った具合である。

続いて,スタンダード"Star Eyes"はHarrellの無伴奏ソロ,"Preludium"はピアノとドラムスが抜けたトリオで,Okegwoのベースをフィーチャーし,次はベース,ドラムスが抜けた"The Question"である。このトリオ編成の2曲は映画音楽に使いたくなるような楽想。そう,例えて言えば"Dirty Harry"あたりに使うと合いそうである。そして,ようやく"Melody in B-Flat"でクインテットに戻り軽快なサウンドを聞かせて,ラストの"A Blue Time"を再びHarrellの無伴奏で締めるという構成である。

こうした構成はよく言えば「変化に富む」が,悪く言えば「捉えどころがない」という印象を与えるところはあるものの,本作については演奏レベルの高さが,そうした「捉えどころのなさ」をカバーしていると言ってよいと思う。私としては演奏としては十分に楽しめる作品だと思うが,クインテットでの演奏はもう1~2曲あってもよかったなんて思っているのだから,リスナーなんてわがままなものである。それでも甘めだとしても星★★★★には値するとは思える作品。

こういう演奏を聞かされるとやっぱりこのバンドのレベルの高さを思い知らせれ,ライブに行っとけばよかったなんて思ってしまうが,後悔先に立たず。

Recorded on December 30, 2011

Personnel: Tom Harrell(tp, fl-h), Wayne Escoffery(ts), Danny Grissett(p, rhodes), Ugonna Okegwo(b), Johnathan Blake(ds)

2012年6月14日 (木)

グルーブを生み出すのに失敗したRobert Glasper@ビルボード・ライブ東京

Robert_glasper_photo 私は今年リリースされたアルバムの中でもRobert Glasperの"Black Radio"は屈指の作品と評価している(記事はこちら)。だからこそ,今回の来日に合わせてライブも見てみたいと思ったのであり,本来は6/14に行く予定だったものが出張になってしまったため,前倒しでビルボード・ライブ東京に出掛けてきた(6/13 1stセット)。

しかしである。期待が大きいと,それが裏切られた時の失望感は非常に大きくなるが,今回の演奏がまさにその最たるものである。アルバムで感じられたような心地よいグルーブが全然感じられなかったのである。そのA級戦犯はドラムスのColenburgである。これが全くダメだったのだ。

冒頭こそ,"A Love Supreme"におけるCasey BenjaminによるChantの如きヴォコーダー・ヴォイスの幻惑的な部分とスローなグルーブ感でごまかしもきいたのだが,ビートのスピードが上がると全然気持ちよく乗れないのである。このColenburgというドラマー,おかずを入れるとビートがずれていくというおかしなプレイぶりで,しかも本来繊細なGlasperのピアノを聞こえなくするような叩きまくりでは,うるさいことも甚だしい。そもそも今回,このバンドに欠かせないはずのChris Daveが来ないということがあって,どうなる事かと思っていた不安が的中した形だが,グルーブしない,うるさい,そして何よりもイマジネーションが全く感じられないドラミングということでは演奏が楽しめるわけがない。そうしたことはGlasperも感じたのかもしれないが,アンコールにさえ応えないし,あれでは応えられまい。

これがChris Daveだったらこんなことにはなっていなかったはずだが,それにしても今回はひど過ぎた。このColenburg,ここのところ,このバンドで活動してきている割には,コンビネーションが悪過ぎる。私は正直言って客席で辟易としていたのだ。このがっくり感,どうしようもない。Chris Potter UndergroundとRobert Glasper Experimentってバンド名の響きは何となく似ているのに,ライブの質は天と地ほどの差があったと言っておこう。まぁ,私がまだクリポタの呪縛から抜け切れていないのかもしれないが...。しかし,変拍子でも我々を狂喜乱舞させたNate Smithと比べても,Colenburgは絶対にいかん。

いずれにしても,Robert Glasperにははっきり言っておきたい。バンド・メンバーはちゃんと選んでもらいたい。この音楽でドラマーがダメだったら最初から失敗することはわかっているはずだろう。Casey Benjaminがフリー手前のフレーズを展開しても,Derrick Hodgeがリズムを下支えしても,ドラムス一人で,このライブをダメにした責任は大きい。Mark Colenburgをレギュラーにしている限り,私は二度と彼らのライブは見たくない。だからと言ってアルバムとしての"Black Radio"の評価を下げるつもりはないが,このライブにはまじでがっくりきたし,心象は絶対よくないなぁ。あ~あ。

Personnel: Robert Glasper(p, key), Derrick Hodge(b), Casey Benjamin(as, ss, vocoder), Mark Colenburg(ds)

2012年6月13日 (水)

負けなくてよかったオーストラリア戦

Photo それにしても厳しい試合であった。オマーン,ヨルダンとの2戦が,ほとんど楽勝ムードだったのとは大違いである。見てる方としてはハラハラしながらというのが本音であるが,とにもかくにも負けなくてよかった。

前半の立ち上がりから,オーストラリアの攻撃は,ハイ・ボールのロング・フィードでディフェンスの頭を越そうというものばかりだったと思うが,あのワンパターンの攻撃をどうして止められないのかと思いつつ,オーストラリア・オフェンスのスピード,特に清水でプレーするアレックスの加速,球出しには何度も頭を抱えさせられたのも事実である。ケイヒルを止められないのも,そのスピードについていけていないからと思える。だから,パターンはわかっていても,多分止められないというのが実態だろう。

日本も攻められるばかりではなく,それなりにオフェンス的な見せ場もなかったわけではないが,前半はオーストラリア優位に試合が進んだと言ってもよい。日本はピッチが悪いのにボール回しが多過ぎてイライラする展開があったのも事実であるが,あのピッチ状態であれば,オーストラリアのスタイルに分があっても仕方あるまい。

だが,後半の10分過ぎに相手ディフェンスが2枚目のイエロー・カードで退場になった段階で,日本代表が数的優位を築いてからは,完全に日本のペースとなったのは明らかだ。更に先制した時,更にはその前後のボール回しを見る限りにおいてはこれで勝負あったかと思いきや,その後の怒涛のオーストラリアの攻撃には何度も肝を冷やす思いであった。内田がイエロー・カードをもらった反則(PK)はどこが反則なのか,プレイバックを見ていてもわからなかったのだが,それはそれで仕方がないとしても,最後の最後まで気が抜けない状態だったのにはさすがに疲れた私である。そんな状態であったから,今回の戦いでは長友がオフェンシブな観点で目立つチャンスがほとんどなかったし,香川も厳しいマークでフィニッシュまで持っていけないシーンも見受けられた。

いずれにしても,今回勝ち点1を取ったのは結果的には悪くないとしても,オーストラリアの攻撃への対処についてはまだまだ改善の余地があることがわかったのだから,オーストラリアとの次戦は来年(約1年後)とは言え,同じような術中にはまらないようにきっちり作戦を練って行って欲しいものである。その一方で先制点をアシストした本田は絶対に褒めなければならない。ディフェンスを引きつけておいて,最後にゴールを決めた栗原は流し込むだけの完全なごっつぁんゴールである。今回の3連戦における本田は,本当に調子がよかったと言えると思うが,それにしても見事なドリブルからのラスト・パスであった。

だが,勝ち点1は取ったものの,累積警告で次戦のホームでのイラク戦に今野,内田,栗原が出場できないというのはかなりきつい。先日怪我をした吉田は幸い全治3週間だったらしいので,イラク戦には出場できるとしても,センター・バックにもう1枚駒が欲しいというところだろう。内田の代役は酒井がきっちり果たすはずだ。激しくオーバーラップして,高速クロスを放り込む酒井が見たい!いずれにせよ,ザックがディフェンスの追加メンバーとして誰を招集するかが見ものである。伊野波を先発で出してもいいが,今野と栗原の分の駒(バックアップ・メンバー)が足りないところをどう埋めるかである。ここは闘莉王も面白いんだけどなぁ。それでは言ってることが川平慈英と同じか(苦笑)。

最後に,今回の主審のジャッジには「う~む」とか,「なんじゃそりゃ?」となってしまうことが結構あったのだが,最後は普通,ラスト・プレーとして日本に直接フリー・キックは蹴らすだろう。あれはない。あそこでの笛は絶対にない。場所がよかっただけに,何とも不可解な感覚だけが残ってしまった。それが「アウェイ」ですと言われればその通りだが,それでもあのジャッジはない。

それでも,3戦終わって断トツでのトップは非常に嬉しい。このままトップを譲らず,あっという間に本選出場を決めてしまえ!日本代表!!

2012年6月12日 (火)

Bob Welchを偲んで彼の在籍中のFleetwood Macを聞く

Bare_trees "Bare Trees" Fleetwood Mac(Reprise)

先日のBob Welchが拳銃自殺で亡くなったというニュースには驚いてしまったが,今の人にとってBob Welchとはどういう存在になるのか実はよくわからない。ソロ活動において,"French Kiss"はプラチナム・レコードになっているし,本作もプラチナムである。本作については70年代中盤から後半に掛けて,Fleetwood Macがブレイクした時に,遡るかたちで売れた要素はあったとしてもである。比較的Welchがいた時代もそれなりにMacは売れていたということであるが,それが現代の人々,特に若い人には別にどうってことはないに違いない。結局は昔そういう人がいたって感じにしかなるまい。

だが,Bob Welchが持っていたポップな感覚はFleetwood Macというバンドに変化の萌芽をもたらしたと言ってもいいだろうし,実はこのアルバムに収められている曲にはWelchの曲のみならず,結構な佳曲が多いことに今更ながら気づかされる(決定的な名曲というわけではないが...)。Welchが後にリメイクする"Sentimental Lady"もこれが初演だし。まぁ,この時のバンドの主たるライターはDanny Kirwanだったわけだが,Welchと私がMacの中でも特に贔屓にするChristine McVieのオリジナルがバランスよく配置されていて,私にとっては結構好きなアルバムである。

これも昔のアルバム(もう40年前だ!)であるから,それはサウンドには古臭さもあるのは当たり前だが,それでもこういうシンプルなロックが持っていた力は時代が変わっても,それほど大きく変わることはないように思える。だから,私はBob Welchを追悼するつもりで聞き始めたこのアルバムを,結果的には傾聴してしまったのであった。もちろん,これはロック史を塗りかえるようなアルバムであったということではないが,秘かに咲いた一輪の花の如き印象を与えるものと言ってもいいのかもしれない。おそらくBob Welchその人もそういう感じの人なんだろうと思う。だが,彼が残した佳曲を忘れずに聞き続けるリスナーも存在することは間違いないだろう。

近年の活動が順風満帆だったとは思わないが,自殺しなくてもよかろうものをと思わざるをえない。改めてBob WelchのリードにChrisineがバック・コーラスをつける"Sentimental Lady"を聞きながら,改めて追悼の意を表したい。

R.I.P.

Personnel: Bob Welch(g, vo), Danny Kirwan(g, vo), Christine McVie(key, vo), John McVie(b), Mick Fleetwood(ds, perc)

2012年6月11日 (月)

Bill Evansの未発表音源:貴重な音源とは思うが,いかんせん音が...

Bill_evans "Live at Casale Monferrato" Bill Evans Trio(Codec)

Bill Evansの晩年の音源で完全未発表というのはなかなか出てこないと思うが,最後のトリオが非常に充実したものだっただけに,出れば聞きたいと思うのが人情である。しかも今回発掘されたのはあの"Paris Concert"の4日後の演奏であるから,更に期待が高まるところである。

だが,私としてはこのアルバムに対して一抹の不安がなかったわけではない。いかんせん,音に関する記述があまり出てこないのである。某サイトでは音質良好なんて書いているが,ほかのところにはそういった話が出てこない。これがちょっと気になっていたのだが,見たらやはり買ってしまった私である。しかし,CDのくせに限定盤ってどういうことだろうか?ありとあらゆるショップで本作が売り切れになっているのはどうにも解せない。とあるサイトによれば,全世界300セット限定とかいう冗談のような話もある。300枚限定と言えば,Milesブートでおなじみ,So Whatレーベルという感じ(あちらはご丁寧にシリアル番号までついている)だが,結局はこれもその類ということではないのか。そもそもCodecなんてレーベル名称は怪しげな感じがプンプン臭ってくるしなぁ。更に不思議なのは,この音源に関してググってみても,ほとんど海外のサイトでヒットしないのだ(逆にほとんどが日本に輸入されているのではないかという勘繰りも可能)。

Billevansliveatcasalemonferratoboot しかし,よくよく調べていくと,あった,あった。やはりというか,このアルバムのソースとなったと思しきブートレッグ情報を発見である。録音の日が一緒,曲目も一緒ということで,おそらくこれが今回のソースとなっている模様である(ジャケのイメージをアップしておく)。そのブートにはソースはSBD(?)<:原文まま>なんて書いてあるが,これはどう聞いてもサウンドボードではなかろう。非常に頑張ったオーディエンス録音ではないかと想像する私である。音楽として聞けないレベルではないが,肝腎のBill Evansのピアノがかなりしょぼい音(ピアノの音がざらついていると言えばいいだろう)なのにはかなりがっくりくる。よって,"Paris Concert"レベルの音(あれだって超優秀録音ではないが...)を期待すると,確実に裏切られるということはまず注意が必要である。こういう音源だからこそ,真っ当なリリースはできないということだろうが,それにしてはジャケ写真は相応に雰囲気はあるし,ブックレットもしっかり作ってあったりして,一体どうなっているのかという謎は深まる一方である。

Billevansliveatcasalemonferratobo_2 まぁ,それはさておきである。やはりラスト・トリオの演奏だけに,音は悪くてもその質の高さはよくわかるし,3者のインタープレイも見事なまでに緊密である。だからと言って,やはりこれは素人さんにはお薦めすべきものとは思えない。相当のマニアだけが買えばいいし,だからこそ300枚限定なのであろう。私がこの記事を書いている段階では某所にはまだ在庫はあるようだが,これがアップされる頃にはさてどうなっているやら。

ということで,この音源は基本ブートであるということからすれば,採点は不要ということになる。なんでもかんでもBill Evans音源を揃えたいマニアには必須アイテムだろうが,これからBill Evansを聞こうなんて人が決して手を出してはいけないものである。私もBrad Mehldauに関しては,コレクター心理としては同じようなものなので人のことは言えないが,音の悪いブートにまでは手は出していない。

ということで,皆さん,お気をつけあそばせ。買うなら買うで,上記のような点を事前に認識した上でか,ちゃんと試聴してからにしましょう。

Recorded Live at Casale Monferrato, on November 30, 1979

Personnel: Bill Evans(p), Marc Johnson(b), Joe LaBarbera(ds)

2012年6月10日 (日)

緊急告知:わが同僚こやぎ@でかいほうの栄転を祝す(笑)

このブログでもリンクを張らせてもらったり,時にコメントを頂いたりしている日本最強のサラリーマン・サックス奏者,八木敬之君は,私の会社の同僚であり,大学の後輩である。彼との縁は大学時代ではなく,会社に入ってからなぜかサンディエゴ近郊の某イベントで始まったのだが,彼がプレイヤーとしての道を邁進する一方,楽器演奏能力にはてんで乏しい私はブログのライターとしての道を歩むというかたちになっている。しかし,職場がほとんど隣,あるいは同じみたいな状態が続いてきた私にとっては,サンディエゴ以来八木君は極めて近しい存在であり続けた。

その八木君が今回仕事でマレーシアに栄転なのか,島流しなのか,はたまた...なのかはよくわからないが,期間不明のまま異動することになり,彼が継続してきたバンド活動はこれで打ち止めかと思いきや,ちゃんとやるのねぇ。題して...

★「八木敬之マレーシア放牧記念ライブ」@オルガンジャズ倶楽部(6月30日(土)★

開場午後7時 1st 午後8時 2nd 午後9時30分 チャージ 2200円

福永貴之(org) 八木敬之(ts) 八木義之(vtb) 西尾研一(ds)

沼袋 オルガンジャズ倶楽部

だそうである。上記の記述が私の日頃のブログのトーン(色使い)とは全く違うことはお分かり頂けると思うが,これはブログのお知り合いであるすずっくさんのところからの拝借(当方の色使いに合わせて若干変更を加えた)である。ということで,放し飼い転じて「放牧」っていうのが凄い(笑える)が,私としては放牧どころか,先般どこかの会社から「脱走」したカンガルーのようなものではないのかと思っている(爆)。

おそらくは行く先々のジャズ・クラブで傍若の限りを尽くしている八木君であるから,クアラルンプールのジャズ・クラブ乱入,乗っ取りは必定路線であろう。その前の最後の国内ライブということで,お時間に余裕のある皆さんは是非どうぞ。

ということで告知でした。かく言う私は当日の土曜日に出掛けることは家庭環境が許さない(家事優先!)ので,別枠で壮行したいと思う。

"Solomon's Daughter":このPharoah Sandersは凄い!

Solomons_daughter "Solomon's Daughter" Franklin Kiermyer(Evidence)

これは凄い。Pharoah Sanders,まさしく咆哮である。このアルバムは毎度おなじみ新橋のテナーの聖地「Bar D2」にお邪魔した時に聞かせて頂いたものだが,私はここでのPharoahの切れっぷりに一発でまいってしまい,入手困難か?と思いつつ,現地で密林にアクセスしたら,あるではないか。しかも在庫ありということで,新橋にて即発注した私である。

新橋で聞かせて頂く音量を家庭で適用するのは事実上無理であるから,まずはいつも通り,リッピングして,iPodで聞いた。それも結構な音量で。ヘッドフォン経由でもやはりこれは凄い。私はPharoah Sandersの熱心なリスナーではないし,大してCDも保有していないが,これはフリー・ジャズというカテゴリーでくくっても,相当上位に来るのではないかと思わせる無茶苦茶熱いアルバムなのだ。

そういう意味では,このアルバムはPharoahのテナーを聞くためにある。ミックスもピアノやベースは大して聞こえず,"Interstellar Space"かっ!と言いたくなるような感じになっているのだが,テナーとドラムスのバトル感(あるいは相互触発と言ってもよい)が高まっていて,これは燃える。関東地方も梅雨入りして鬱陶しい日々がしばらく続くが,そうした鬱陶しさを吹っ飛ばすフリーならではの爽快感があると言ってもいいぐらいである。

とにかく,このアルバムには大音量で身を委ねるというのが最も適していて,ここでのPharoahの雄叫びを聞いていれば,日頃の憂さはある程度解消できるはずだ。但し,大音量でなければ絶対ダメ。とにかく近隣に迷惑が及ばない範囲でボリュームを上げたい。ここまでフリーで燃えたのはDave LiebmanとEvan Parkerの対決が素晴らしかった"Relevance"(記事はこちら)以来だと言ってもよい。まじで最高。喜んで星★★★★★を謹呈してしまおう。フリー・ジャズに抵抗のない方々は騙されたと思ってでも聞いて頂きたい。絶対損はしない。

それにしても,Drew Gressってこういうところにも参加していたのねぇ。ちょっと意外な気も。

世の中,知らないアルバムはまだまだあるねぇ。「Bar D2」のマスターにはいつもながらの感謝である。

Personnel: Franklin Kiermyer(ds), Pharoah Sanders(ts), John Esposito(p), Drew Gress(b)

2012年6月 9日 (土)

日本代表,驚き(喜び)の大勝

Photo もっと厳しい試合になるのではないかと思っていた。しかし,前半でまさかの4-0,終わってみれば6-0の完封勝ちでは,いくらなんでもびっくりしてしまうが,このホーム2連勝,得失点差+9は非常に大きい。

前半18分に前田のヘッドで先制してから,その後立て続けに3点という前半は,アジア最終予選だけでなく,近年記憶にないようなゴール・ラッシュである。あいにく仕事が長引き,前半はライブで見ていないので何とも言えない部分もあるが,プレイバックで見ると,ヨルダンは守備に穴が多過ぎるように見えた。あれだけ日本に攻め立てられては,たまらずファウルというのも仕方がないようにも思えるが,それにしてもディフェンスが甘過ぎである。先日のオマーン戦で勝利した時に,「勝って兜の緒を締めよ」なんて書いた私だが,正直言ってこれでは拍子抜けである。だが,いずれにしても,前田の先制点が効いたことは間違いない事実であり,それが怒涛のゴール・ラッシュの引き金となったと考えることとしたい。本田の2点目なんかも遠藤の絶妙のパスがあったとは言え,足元に吸いつくようなボールさばきから生まれていて,それは見事なゴールだったと言ってよい。

だが,今回の大勝,喜んでばかりはいられない。退場者を出して数的不利のヨルダンが,後半の序盤で示した攻撃に対し,後手後手に回った日本のディフェンスはいただけない。前半で4点取って,気が緩んだわけでもないだろうが,それにしても危ないシーンを連続的に見せられたという事実は反省すべきである。

次戦は6/12のアウェイでのオーストラリア戦である。これは最終予選序盤での天王山と言ってよい試合であり,もちろん勝ち点3を狙って欲しいが,最悪でも勝ち点1を取れるようなサッカーをして欲しいものである。いずれにしても,今のところ日本の攻撃陣は中東相手には機能しているが,オーストラリア戦ではそう簡単にはいかないだろう。そうした厳しい局面を打開するのは香川の突破力だと思うが,そこに岡崎,本田,前田が連動することによって,オーストラリア打倒の道が開けることは間違いない。もし次戦も勝利することがあれば,今度の日本代表の実力は相当なものと認めざるをえなくなる。オーストラリアの高さ対策として,ハーフナーを使うのかなぁ...。でも,前田好調だしなぁ。難しいところである。

心配なのは吉田の怪我の具合だが,交代で入った栗原が6点目をヘッドで決めたことは,その不安を払拭させるに足るポイントとなりうるものである。もちろん,オーストラリア相手では,あんなに簡単にヘッドが決まるとは思えないが,それでもこうした結果を糧として,次戦も頑張って欲しいものである。

頑張れ日本!

2012年6月 8日 (金)

追悼,Bob Welch

Bob Welchが拳銃自殺を遂げたとのショッキングなニュースが飛び込んできた。今夜は彼が参加したFleetwood Macや、ソロ・アルバムで追悼することにしよう。まずは情報だけ。R.I.P.

2012年6月 7日 (木)

Joe Lovanoの貢献大のJohn Abercrombie新作

John_abercrombie "Within a Song" John Abercrombie Quartet(ECM)

John Abercrombieの新作は,Joe Lovanoを迎えてのスタンダードを交えての作品ということで,同じくLovano参加のSteve Kuhnの"Mostly Coltrane"を思わせる企画と言えるかもしれない。Kuhn作もややECMらしからぬ部分はあったが,演奏としては極めて高いレベルの作品であり,私は2009年の年間ベスト作の一枚にも選出した(記事はこちら)。

あちらはColtraneが主であったが,こちらはオリジナルから,またまたColtrane,Miles,Bill Evans等いろいろな音楽を集めている。多少の違いはあるが,私には音楽のレベルとしては"Mostly Coltrane"に近いものがあるように感じられた。響きはかなり渋いのだが音楽が深いのだ。やろうと思えば,一丁上がりみたいなやり方も可能なレパートリーに対して,曲への敬慕も感じさせながらの滋味溢れる演奏に私は結構心を打たれてしまった。Joe Lovanoという人は何となくECMとは合わないのではないかと思わせて,これらの優れた作品に連続出演というのは意外でありながら,かなり凄いことである。改めてLovanoを見直してしまった私である。

何がこのアルバムの素晴らしさか?燃え上がるような音楽ではない。それは確かである。しかし,決して派手ではないのだが,そこに展開される見事なLovanoのフレーズという感じなのである。リーダーのAbercrombieが悪いわけではない。十分いい。近年で一番いいと言ってもいいぐらいだ。しかし,ここではLovanoのテナーの魅力がそれを上回ってしまっている。落ち着いた演奏の中にもクールに燃える青白い炎って感じのLovanoのテナーに私は心底まいってしまった一枚である。こういう演奏はLovanoには悪いが,彼のリーダー作では感じたことがない。これがECMというレーベルとLovanoが生み出したケミストリーと言っては褒め過ぎか?でもそれぐらいいいのである。

それにしても,先日取り上げたSteve Kuhnの新作"Wisteria"といい,本盤といい,ECMにしては結構サウンドがコンベンショナルな感覚を示しているのが不思議である。Manfred Eicherが我を通さなくなったのか,プロデューサーとしての音楽的な指向/嗜好が変わったのか,非常にミステリアスではあるが,こんな演奏を聞かせてくれるならいつでも歓迎である。"Mostly Coltrane"には及ばずとも,十分星★★★★☆には値する作品である。はっきり言って,何度でも聞きたくなるような佳品。それもこの演奏の落ち着きゆえ。Kuhnの新作と星の数は一緒でも,どっちが好きかと聞かれれば,私はこちらに軍配を上げるだろう。

Recorded in September, 2011

Personnel: John Abercrombie(g), Joe Lovano(ts), Drew Gress(b), Joey Baron(ds)

2012年6月 6日 (水)

時間潰しにはなっても記憶に残らぬ「キラー・エリート」

Killer_elite 「キラー・エリート("Killer Elite")」('11,米/豪,Omnilab Media)

監督:Gary McKendry

出演:Jason Statham,Clive Owen,Robert De Niro,Yvonne Strahovski

「キラー・エリート」と聞いて,Sam Peckinpahを思い出すと言ったら年がばれるが,てっきりそのリメイクかと思っていた私である。だが,Peckinpah版は"The Killer Elite"であったが,今回見たのは定冠詞なしであり,全く別のストーリーだった(笑)。

まぁ,この役者陣である。男臭いアクションになることは必定というところであるが,まさにそういう感じである。StathamとOwenが敵味方に分かれるというところがこの映画のポイントであるが,両雄に花を持たせる演出,筋書きになっているのはご愛嬌。逆にそうしたところに話としても無理があるように思えるのも事実であり,見ている間は相応に楽しめても,何度も見たいとは絶対思わない。結局はその程度の映画である。話はさまざまな騙し合いもある中,Jason Stathamが一番目立つようになっていて,敵役は別にClive Owenでなくてもいい。いずれにしても,やたらに出演作が多いこの二人に,これまた出演作の多いDe Niroが絡むのだが,De Niroももう少し出る映画を選べよと言いたくなる。これもDe Niroでなくても全然問題なかった。

ということで,主題の通り,この映画は時間潰しになっても,映画としての評価としては星★★程度である。まぁ,こういうこともあるわということだが,それにしても大したことのない,まさにしょうもない映画であった。Stathamだったらまだ「メカニック」の方が楽しめた。

しかし,Clive Owenって私の会社の後輩のS君に似ているような気がして,映画を見ていて何度か笑ってしまった。

2012年6月 5日 (火)

追悼:尾崎紀世彦

Photo 少し時間が経ってしまったが,尾崎紀世彦が5/31に亡くなった。尾崎紀世彦と言えば,誰が何と言っても「また逢う日まで」ってことになってしまうわけだが,あの曲がはやったのは昭和46年だから,もう40年以上前である。しかし,子供心にもほかの歌手と全然違うなぁなんて感じる熱唱型の歌唱は強い印象を残した。やはり私の中の原体験の一つであるから,「ヤッパ~ヤラ~ヤラン」のイントロから今でもちゃんと歌えてしまうし,それぐらい流行った(まさに一世を風靡した)と言ってよい曲であり,かつ個性的な歌唱であった。

その後もそこそこのヒット曲もあるし,活動も続けていたが,やはり「また逢う日まで」の印象が強過ぎたことは彼にとっては幸せなことでもあり,その一方できつい手枷,足枷になっていたようにも思える。だが,これだけの曲に恵まれたということは歌手冥利に尽きるということと考えるべきだろう。

今日,この記事を書いていて,いろいろ調べていくと,何と尾崎紀世彦は「ウルトラセブン」の主題歌のコーラスも歌っていたらしく,「セブン」主題歌の冒頭の「セブ~ン,セブ~ン,セブ~ン,セブン」の3番目の「セブ~ン」が尾崎の歌唱だというのだ。これは全く知らなった。私にとっては「また逢う日まで」以上にそれは重要だと言っては言い過ぎだが,これにはびっくりである。そのことだけでも,尾崎紀世彦は私に強い印象を残していったということである。ってことは私が好きなあの超カッコいい"Ultra Seven"の声にも尾崎紀世彦が含まれているってことだ。

それならば,今日のところは「また逢う日まで」と"Ultra Seven"の2プラトンの攻撃(爆)で,彼を偲ぶしかなかろう。珍しや「また逢う日まで」英語バージョン(大したもんだ)と,ウルトラホークとポインターも登場する"Ultra Seven"。

R.I.P.

2012年6月 4日 (月)

W杯アジア最終予選第1戦について思う

_ アジア最終予選初戦ということで実はどうなることかと思っていたのだが,3-0というスコアからも明らかな通り,まずは完勝と言っていいだろう。オマーン相手のアジア最終予選第1戦は,相手にほとんどオフェンスの機会を与えなかった日本代表のディフェンス力をほめる必要もあるだろうが,それよりも何よりもオマーンが攻めてこなさ過ぎのように感じたのも事実である。

得点シーンを振り返れば,まずは1点目は完全にフリーの本田にピンポイントのクロスを入れた長友もえらいが,ちゃんとそれをインサイドのボレーで入れる本田は評価しなければならないだろう(サイド・ネットを揺らしていれば更に評価は高かったが...)。前半は先制後,どうも締りのないゲーム運びでいらいらしたが,後半10分経たないうちに2点を追加したのは,ハーフタイムでの修正が効いたということだろうか。前田の2点目はオフサイドぎりぎりに思えたが,よくキーパーをかわして入れたし,3点目の岡崎のゴールも粘り勝ちって感じの得点であった。日本代表=決定力の欠如と言われたのが嘘のようなゴール・ラッシュである。もちろん,前半の岡崎のヘッドみたいにあんだけフリーではずすなよ!みたいなシーンもあるから,完璧とは言えない。まぁ,しかしオフェンス,ディフェンスともにまぁよく頑張ったということにはなるだろう。

しかしである。このオマーン戦を見る限り,確かに日本代表は悪くはないが,オマーンが悪過ぎたという方が正確だろう。オマーンはオフェンスの意識も低く,スピードもないのでは,これが本当に最終予選に出てくるチームなのかと言いたくなってしまった。中東のチームらしさが全然感じられないのだ。逆に言えば,こんなチームが相手なら勝って当たり前(というか,なんでこんなチームにオーストラリアは負けたのか?)だが,第2戦のヨルダン戦が同じような調子で行くとは到底思えないのである。

私はオマーン戦を見ていて,「勝って兜の緒を締めよ」という当たり前のフレーズが頭をよぎってしまった。正直言って,日本代表にはつまらないパス・ミスもあったし,完勝と言えども,それは完璧ということではない。次戦のヨルダン,更には来週はアウェイでのオーストラリア戦を考えれば,オマーン戦の勝利はある程度横に置いておいて,ヨルダン戦こそが初戦だという意識を持った方がいいように思えるのだ。多分,ザッケローニも長谷部キャプテンはそれを理解しているはずなので,きっちり修正してくることを期待したい。

ホームでいい形で勝ち点3を取ったことは,大変喜ばしいことである。しかし,以前にも書いたとおり,W杯は国と国の威信を賭けた戦争なのだ。是非,気を緩めずヨルダン戦も勝利して欲しい。もちろん,勝利を確信して私は応援する。

2012年6月 3日 (日)

新たに発見されたRichard Teeのライブ音源

Richard_tee "Real Time Live in Concert 1992" Richard Tee(Video Arts)

ほぼ20年前の音源が発掘された。1993年に亡くなったRichard Teeがその前年にオールスターと言ってよいメンツで来日したときの演奏である。気にはなっていたのだが,購入には至っていなかったものを中古で発見して,めでたくゲットである。

Richard TeeはStuffのメンバーとしても著名であるわけだが,Stuffに限らず,数多くのセッション・ワークにおいて,一音でTeeとわからせてしまうその個性を感じさせるスタイリストであったと思う。それはピアノでもそうだし,Rhodesでもそうなのだ。これって凄いことだと言える。中でも印象に残っているのはセントラル・パークで復活したS&Gのバックでゴスペル的なイントロを聞かせた"Bridge Over Troubled Water"だが,それは後楽園球場で豆つぶのようなS&Gを観た時も同じ感覚であった。あの曲の持つゴスペル的な性格をあぶり出したのがTeeのピアノだったと言えると思う。

私は,Richard Teeのライブを一度だけだがNYC在住中に見ている。クラブの名前は忘れてしまったが,Mikell'sのオーナーだったPat Mikellがやっていた"Chinaなんたら"というアップタウンの店だったように記憶している。そこにはSteve Gaddはいなかったはず(確かChris ParkerかBuddy Williamsで,多分後者)でが,ここにも参加しているようなメンバーが集まっていたように思う。サックスはLenny Pickettだったかなぁ。もう20年以上前のことなので,記憶が定かでないのは仕方がないが,そこでもこうしたメンツが集まり,こういった演奏をしていたのである。そうした記憶を思い起こさせる音源であることは間違いない。

そして演奏される曲はいかにもというものばかりで,安心感のあるサウンドだと思う。でもやはり耳をそばだててしまうのは"Strokin'"であり,"Take the 'A' Train"なのは仕方ないかもしれないなぁなんて感じてしまう私である。ほかも悪くはないのだが,やはりこの2曲にTeeの魅力が凝縮されているように思えるのだ。やっぱりTeeはこの「ノリ」が一番だ。逆に言えば,それがTeeの限界でもあるのだが,この「ノリ」を示されては大概のことは許す(笑)。

その一方,このアルバムでも,「明日に架ける橋」をやっているわけだが,そこで登場する伊藤君子にはどうもピンとこない。本人はソウルフルに歌い上げているつもりかもしれないが,本当にソウルフルに歌うならAretha Franklinをちゃんと聞いてから,顔を洗って出直して欲しいって感じなのである。伊藤君子には悪いが,この歌唱はどうしても好きになれない。

そうしたことを割り引いても,アルバム全体を通じて,この翌年に亡くなってしまうなんていうことは信じられないような演奏群であるが,どこを切ってもTeeらしさが横溢したアルバムである。ライブの冗長な感覚もあるので,星★★★☆とするが,Richard TeeはどうやってもRichard Teeであったという作品。ちなみにRonnie Cuberはバリトン・プレイヤーだが,ここではバリトン以外も演奏しているように思えるのは私だけだろうか?

Recorded Live at インディゴ・ブルース,新宿 on October 28, 1992

Personnel: Richard Tee(p,rhodes), Steve Gadd(ds), Ralph MacDonald(perc), John Tropea(g), Will Lee(b), Ronnie Cuber(sax), 伊藤君子(vo)

2012年6月 2日 (土)

ありがとうございます,90万PV。

気がつかないうちにPVカウンターが90万を越えていた。クリポタ熱にうなされて,すっかり忘れていたが,いつの間にか到達である。前回80万越えの記事を書いたのが2月上旬だったので,約4カ月で10万上乗せって勘定である。ここのところ,アクセス数が結構増えているのはなぜなのかよくわからないのだが,今年に入って,記事の毎日更新は難しくなっているにもかかわらず,多くの方々にアクセスして頂いていることには感謝の念にたえない。しかもこんなど素人のブログになのだから尚更である。

これで当面の目標としてきた100万PVもだいたいいつ頃かが見えてきたが,その時にはどういう打上げ花火を準備しようか(笑)。まぁ,私のことだから,あっさり通り過ぎるだろうが...。

いつも書いていることですが,ヴィジターの皆さんにはこんなしょうもないブログにお付き合い頂きまして誠にありがとうございます。懲りることなく,今後ともよろしくお願いします。

2012年6月 1日 (金)

Art Garfunkelと同質の「歌うたい」としてのポジションを感じさせるRumer

Rumer "Boys Don't Cry" Rumer(Atlantic)

デビュー・アルバムがリリースされた時には,Burt Bacharachをも魅了したと話題になったRumerのセカンド・アルバムである。私は前作は気になっていながら聞いていなかったのだが,今回は70年代の男性歌手のレパートリー,それも特にあまり知られていない曲をカバーするというのが企画の主旨ということで,これは注目に値するのではないかということで購入と相成った。私が購入したのは4曲ボーナス・トラックの入ったSpecial Edition盤である。

デビュー・アルバムが出た時に彼女の声をKaren Carpenterになぞらえる評価もあったようだが,確かにそう感じさせる曲もあった。実は私も結構近いものを感じていたのは事実である。しかし,それよりも私が感じたのは曲の作り手のポジションより,「歌手」としてのポジションを重視するArt Garfunkelとの同質性であった。それはここにArtの持ち歌である"Travelin' Boy"や"The Same Old Tears on a New Background"が収められているからということもあるだろうし,オープニングがArtとは縁の深いJimmy Webb作の"P.F. Sloan"だからということもあろうが,この一曲,一曲を丁寧に歌い上げる彼女の姿勢にそうしたものを感じさせたと言ってもいいだろう。

収録されている曲は決してマイナーな曲ばかりだとは思わない(例えば,Hall & Oatesの"Sara Smile"なんて誰でも知ってるだろう)が,さすがに選曲としては筋が通っているのは評価しなければならない。ボーナス・トラック扱いだが,Tim Hardinなんかは渋いセレクションだし,それこそいい曲揃いなのだ。最後はこれまたボーナス・トラック扱いだが,Neil Youngの"A Man Needs a Maid"だしねぇ...。こういうのを聞いていると,繰り返しになるが,Artのベスト盤"The Art Garfunkel Album"を思い起こしてしまうのだ。だが,歌手として冷静に聞いてみると,まだRumerはArtを凌駕するようなレベルには達していない。時にやや平板な表現が気になってしまうのだ。その点,Artは何度もハッとさせてくれる瞬間がある。このあたりにはまだまだ向上の余地があるように思える。

しかし,Artとの比較を忘れて,単純に歌手としてのRumerを聞けば,これはやはり素晴らしい実力の持ち主であることはわかる。そしてこの選曲のセンスである。このセンスのよさはミュージシャンとしての実力のうちだと言ってもよく,とにかくしびれるような曲ばかりなのである。70年代,男性歌手しばりで,よくぞここまでという気もして,それだけでも評価してしまいたくなる。ということで,今後の活躍への期待も込みで星★★★★とするが,感動的な深みはないとは言え,これは多くのポップス・ファンに訴求しうる音楽だと思う。

刺激は少ないが,刺激が少ないからこそ,何度でも聞けてしまうし,そして何度も聞くと,更に曲の魅力に気がつかされるという効能付きである。大したものである。ということで,YouTubeからNeil Young作"A Man Needs a Maid"を貼り付けてしまおう。これをライブでやられたら,やっぱりまいっちゃうだろう。尚,Personnelは字が小さくて読めないので省略。

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