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2012年6月 1日 (金)

Art Garfunkelと同質の「歌うたい」としてのポジションを感じさせるRumer

Rumer "Boys Don't Cry" Rumer(Atlantic)

デビュー・アルバムがリリースされた時には,Burt Bacharachをも魅了したと話題になったRumerのセカンド・アルバムである。私は前作は気になっていながら聞いていなかったのだが,今回は70年代の男性歌手のレパートリー,それも特にあまり知られていない曲をカバーするというのが企画の主旨ということで,これは注目に値するのではないかということで購入と相成った。私が購入したのは4曲ボーナス・トラックの入ったSpecial Edition盤である。

デビュー・アルバムが出た時に彼女の声をKaren Carpenterになぞらえる評価もあったようだが,確かにそう感じさせる曲もあった。実は私も結構近いものを感じていたのは事実である。しかし,それよりも私が感じたのは曲の作り手のポジションより,「歌手」としてのポジションを重視するArt Garfunkelとの同質性であった。それはここにArtの持ち歌である"Travelin' Boy"や"The Same Old Tears on a New Background"が収められているからということもあるだろうし,オープニングがArtとは縁の深いJimmy Webb作の"P.F. Sloan"だからということもあろうが,この一曲,一曲を丁寧に歌い上げる彼女の姿勢にそうしたものを感じさせたと言ってもいいだろう。

収録されている曲は決してマイナーな曲ばかりだとは思わない(例えば,Hall & Oatesの"Sara Smile"なんて誰でも知ってるだろう)が,さすがに選曲としては筋が通っているのは評価しなければならない。ボーナス・トラック扱いだが,Tim Hardinなんかは渋いセレクションだし,それこそいい曲揃いなのだ。最後はこれまたボーナス・トラック扱いだが,Neil Youngの"A Man Needs a Maid"だしねぇ...。こういうのを聞いていると,繰り返しになるが,Artのベスト盤"The Art Garfunkel Album"を思い起こしてしまうのだ。だが,歌手として冷静に聞いてみると,まだRumerはArtを凌駕するようなレベルには達していない。時にやや平板な表現が気になってしまうのだ。その点,Artは何度もハッとさせてくれる瞬間がある。このあたりにはまだまだ向上の余地があるように思える。

しかし,Artとの比較を忘れて,単純に歌手としてのRumerを聞けば,これはやはり素晴らしい実力の持ち主であることはわかる。そしてこの選曲のセンスである。このセンスのよさはミュージシャンとしての実力のうちだと言ってもよく,とにかくしびれるような曲ばかりなのである。70年代,男性歌手しばりで,よくぞここまでという気もして,それだけでも評価してしまいたくなる。ということで,今後の活躍への期待も込みで星★★★★とするが,感動的な深みはないとは言え,これは多くのポップス・ファンに訴求しうる音楽だと思う。

刺激は少ないが,刺激が少ないからこそ,何度でも聞けてしまうし,そして何度も聞くと,更に曲の魅力に気がつかされるという効能付きである。大したものである。ということで,YouTubeからNeil Young作"A Man Needs a Maid"を貼り付けてしまおう。これをライブでやられたら,やっぱりまいっちゃうだろう。尚,Personnelは字が小さくて読めないので省略。

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コメント

おひさしぶりです。コメントありがとうございました。

ボーナストラックに、こんないい曲が入っているのですね。うーん、ちょっともったいなかったかなぁ。
でも、アーティストとして本当に聴かせたい歌があるなら、ボーナストラックではなく、ちゃんとオリジナルトラックとして入れておくべきだ、と思っちゃうんですよね。まぁ、ビジネスだから、仕方ないですけどねぇ。

ヨシカワさん,こんにちは。TBありがとうございます。私からのTBはやはり飛びません...。

何でもかんでもデラックス・エディションにしないで欲しいって気もしますが,今回のアルバムにおいては,HardinもYoungも好きな私にとってはこれを避けることはできませんでした。本来はなしでもいいとRumer本人は思ってるんでしょうけど(苦笑)。でもいい曲ですからねぇ。

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