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2012年5月 1日 (火)

スリルと美的な感覚を兼ね備えた変則トリオ・アルバム

Lighthouse "Lighthouse" Simcock Garland Sirkis (ACT)

ピアノ~サックス~ドラムスと言えば,昔の山下洋輔トリオと同じ編成であるが,音楽のタイプは全然違う(当たり前だ)。しかし,この変則的な構成の中で,ここで聞かれる音楽は非常にコンテンポラリーな感覚を持ちながらも,スリルと美感を併せ持った優れた作品である。

Gwilym Simcockと言えば,昨年の"Impossible Gentlemen"でもいい仕事をしていた(記事はこちら)が,彼がこのような編成での演奏に取り組んだのは,恩師であるTim Garlandの誘いらしい。Tim Garlandと言えば,Chick CoreaのOriginやBill BrufordのEarthworks等での活動で知られるが,私にとってはあまり縁深いミュージシャンではない。そもそも英国出身のミュージシャンは一部を除けば,私の主たる関心の外にいるのだから仕方がないのだが,いずれにしてもGarlandはそれほど目立つタイプのミュージシャンとは言えないだろう。

一方のSimcockはブログのお知り合いの皆さんの注目度も高いミュージシャンであり,私もロンドンで彼のライブを見ている(記事はこちら)。その時はWayne Krantz目当てだったのだが,Simcokについては「ピアノはまるでHerbie Hancockのようで、なかなか鋭いフレージングを聞かせていた」なんて書いている。そして,その時のリーダーはと言えば先日渡辺香津美との共演盤をリリースしたJanek Gwizdalaだったし,ドラムスはGary Husbandだったのだから,なかなか強烈なメンツだったということになる。こういうメンツとの共演を考えれば,Simcockがコンテンポラリーな演奏をすることはまぁ当然と考えることも可能である。

そして,ここで展開されている音楽もそうした予想にそったものとなっているが,冒頭から相当スリリングな展開で,まずそこでつかみはOKである。そして,ドラムスを叩いているAsaf Sirkisがこれまた結構な叩きっぷりで,かなり強烈な印象を残している。この人はイスラエル出身で,現在はロンドンを拠点としているようだが,Bill Brufordが注目しているという事実からしても,そっち系統のドラマーであることはわかるが,結構なテクニシャンと聞いた。

そして,スローな曲では,特にSimcockが美的なフレーズを聞かせる瞬間があって,ここでまたはっとさせられてしまうという展開となっており,全編を聞いていても飽きることがない。いずれにしてもロンドン発のコンテンポラリー・ジャズとしてこれは推薦に値するアルバムと言えると思う。Garlandが私の好きなバスクラをもう少し吹いてくれるとなおよかったが,それでも星★★★★☆としてしまおう。このユニットはGalandのコンセプトをライブで再現することを目的としたものらしいが,十分に期待を上回る出来を示したことでついつい点も甘くなる私である。

Personnel: Tim Garland(ts, ss, b-cl), Gwilym Simcock(p, melodica), Asaf Sirkis(ds, perc, hang drum)

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