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2015年おすすめ作

2015年おすすめ作(本)

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2012年4月30日 (月)

ジャズCDの廉価盤化が激しいねぇ。

Steve_marcus 最近はCDそのもののセールスが低迷していることも影響しているのだろうが,ジャズのCD,それも相当マイナーなアルバムまで発売する例が続いている。メジャーどころではBlue Noteレーベルの大名盤群の輸入盤に帯だけ付けて999円で売っている例もあるが,ああいうのは帯にほとんど付加価値も見出さない私にとっては全くの無駄,というよりネットで輸入盤を買った方が安いんだからそうすればいいのだが,今回出たアトランティックの1,000円盤は何じゃこりゃという感じのアルバムまでCD化していて,よくやるわという感じである。

私としては,当然そんな大量のアルバム群の中から何をチョイスするのかが問題になる(本当は買わなければいいのだが...)が,今回は私が浪人中によく行っていた某ジャズ喫茶で結構な頻度でかかっていたSteve Marcus盤かなぁってところである。もちろん,その他にも所有していないアルバムも多数あるし,何もこれじゃなくてもいいだろうって気もするが,懐かしさもあってこの"Tomorrow Never Knows"をゲットした私である。だが,GW中ということもあり,通勤時間の音楽鑑賞が原則である私は音はまだ聞けていない。しかし,このアルバムの収録曲を見ると,時代を感じないリスナーはいるまい。The Byrds,Donovan,Herman's HermitsにThe Beatlesである。ちょっと恐いようで,さっさと聞きたいと思っている私である。

Steve_marcus_counts_rock_band ところで,Steve Marcusと言えば,ほぼ同じようなメンツで吹き込まれた"Count's Rock Band"なんてアルバムのオリジナル盤を保有していたことを思い出してしまった。と言っても,買っただけでまだ聞いていないし(爆)。でもジャケはそっちの勝ち(笑)。

2012年4月29日 (日)

一聞き惚れしてしまったSomi

Somiiftherainscomefirst "If the Rains Come First" Somi (ObliqSound)

音楽に一瞬でまいってしまうことはよくあることだが,これは某ショップでかかっていて,一発で気に入ってしまったアルバムである。詳しくは追って書きたいと思うが,これはいい。2009年にこんなアルバムが出ていたとは...と自分のチェックの甘さを嘆く私である。今日はまずは紹介だけ。とにかく心地よい。

2012年4月28日 (土)

GWである

世の中は黄金週間である。私もご他聞にもれず9連休なのだが,休み明けの出張に向けたドキュメント作成もあり,家で仕事は不可避な状態である。とは言え,9日中,7/9ぐらいは休みってことになるだろうから,せっかくの休みなのでたまった本を読み,たまったCDを聞くことにしよう。

ということで,今日はGW初日ということもあって,安心して(?)昨日飲み過ぎた私は"The Hangover"って感じだが,こうした中,これから芝刈り(aka クロスカントリー  or ゴルフ)に出掛ける私。スコアは全く期待していないが,ダメでも二日酔いのせいにしてしまおう。本当なら力が抜けていいはずだが(笑)。

2012年4月27日 (金)

リリースから随分経った今聞いても面白い"News for Lulu"

News_for_lulu "News for Lulu" John Zorn

John Zornと言えばNaked Cityやら相当激しい音楽,かつフリーな音楽を想像するのが普通である。だが,この人,Sonny Clark Memorial Quartetなんてバンドもやっていたり,昔の音楽にも造詣が深いだけでなく,バップも吹きこなすだけの力も持っているのには驚く。

そして,このアルバムはそのJohn Zornが何とKenny Dorham,Hank Mobley,Sonny Clark,そしてFreddie Reddのオリジナルを演奏するという作品。しかも編成はZornのアルト・サックスにGeorge Lewisのトロンボーン,そしてBill Frisellのギターといういかにも変態的なサウンドを想起させるものである。にもかかわらず,出てくる音は極めて正調バップって感じなのがにはまたまた驚かされる私である。George Lewisも武闘派のイメージがあるが,彼もまともに吹いているのだ。

そもそもJohn Zornがこういう音楽を奏でたということ自体にも驚くが,演奏のまともさはやはり私の想像をはるかに越えていた。それでもこれを買った時にはこのサウンドが結構気に入ってしまって,この続編"More News for Lulu"も買ってしまった私である。

おそらくJohn Zornと聞いただけで眉をひそめるジャズ・ファンも多いはずだが,この演奏を聞けば,彼に対するイメージは確実に変わるはずである。何事も食わず嫌いはいかんということの証左たる作品。星★★★★☆。尚,最近ではジャケを変えて再発されているこの作品だが,それにしたって,何だかバカ高い値段で取引されているのはどういうことって気がする。でもいい作品,そしてユニークかつ面白い作品であることは認めなければなるまい。

Recorded on August 28 & 30, 1987

Personnel: John Zorn(as), George Lewis(tb), Bill Frisell(g)

2012年4月26日 (木)

本日はお休みです。

いろいろあって(何がや?),今日はお休みです。またまた飲み会続きの私...。まぁ,仕方ないですわ。最近,こういうの多いなぁ。

2012年4月25日 (水)

久々に聞いたらかなりよかったAlbert Bover

Albert_bover "Live in Jamboree" Albert Bover Trio (Mas i Mas)

CDの保有枚数が増えてくると,どういう経緯で買ったのか全然覚えていないし,何が購入の動機だったのかも定かではないアルバムってのは結構あるものである。これもそんなアルバム。ジャケは覚えていたのだが,音は全く記憶になし。ということで,久々に引っ張り出して聞いてみたら,これが結構いけている。

Albert Boverはバルセロナ出身らしいが,このアルバムも同地にあるJamboreeというクラブで録音されている。Fred Hersch,Barry Harris,Jaki Byardらにも師事したとのことで,いかにもオーソドックスなピアノを弾く人である。そうした特性がこのアルバムにも詰まっていて,軽快さと,リリカルな感覚を兼ね備え,かつフレージングもなかなかいいねぇと思わせるものだ。とにかく全編を通じて破綻がなく,この人の実力はちゃんと捉えられていると言ってよい出来である。選曲もShorter,J.J. Johnson,Monk等に加えて自作ということで,そのセンスはかなりいいと言ってよい。

ほぼ文句のない演奏集ではあるが,唯一ミディアムで演じられる"You Don't Know What Love Is"がテンポとしてはいかがなものかという感じの演奏で,違和感があるのが玉に瑕である。しかし,Shorter作"Infant Eyes"やJ.J.作"Lament"なんてそれを補って余りある出来と言ってもよく,ちゃんと評価してよいアルバム。星★★★★☆。こういうのを聞いていると,いかに自分がちゃんと音楽を聞いていないのかがよくわかって反省した私である。

ところで,このBoverだが,なんとTribal TechのGary Willisともトリオを組んでいるらしく,そこではRhodesを弾いているらしい。アルバムもそのうち出るらしいが,本作を聞いていて,このピアノの腕でGary Willisとやったらどうなるのかは興味津々,そちらも聞いてみたいと思ってしまった私である。

Recorded Live at Jamboree, Barcelona on May 27 & 28, 1998

Personnel: Albert Bover(p), Chris Higgins(b), Steve Brown(ds)

2012年4月24日 (火)

意外や意外の相性を示したJerry BergonziとFred Hersch

Etc_plus_one "ETC Plus One" ETC & Jerry Bergonzi (Red)

私はFred Herschのファンであり,Jerry Bergonziのファンである。順当に行けば,この二人の共演はあまり思いつかないし,普通だったら相性としてもどうなんだろうと思うのではないだろうか?Herschはリリカルだし,Bergonziはブリブリなイメージなので,想像しにくいのだ。だから,私のように単純な人間は,Bergonziのバックのピアノとしては私はより攻撃的なバッキングをするであろうJoey Calderazzoを思い起こしてしまう。しかしである。中古で拾ってきたこのアルバムで,この二人が意外にも相性が素晴らしいということを発見してしまったのだった。

もちろん,HerschがCalderazzoのようなピアノを弾いているわけではない。しかし,ここでのHerschはリリカルなだけのピアノではないことを見事に示す。タッチに力強さはないが,フレージングはBergonziとやり合うには十分である。逆にHerschのようなピアノに乗ると,Bergonziのパワフルな部分が何ともいい具合に響いてくるようにも思えるから不思議である。例えて言えば,甘さを引き立てるために少量の塩を加えるような感覚か(訳がわからんという話も...)。とにかくこのアルバムではBergonziのテナーが引き立っているのである。これには本当に驚いた。

結局のところ,このアルバムの勝因は何かと言えば,Herschが持つ柔軟性という気もするが,それに乗ってBergonziはいいフレーズを連発しているように思える。HerschがBergonziのよさを引き出すバッキングをしたと言ってもよいし,特別なケミストリーが働いた,あるいはシナジーが効いたということになる。それは冒頭の"Splurge"から最後の同曲の別テイクまでずっと続く。だからこそ,私はBergonziの数あるアルバムの中でも,私の中でもベスト5に入れてよいと思える出来と感じてしまったぐらいである。ここに収められた曲はメンバー持ち寄りのオリジナル群であるが,ジャズ的なスリルにも溢れて,素晴らしい作品となっている。こりゃあええですわ。ということで星★★★★★としてしまおう。尚,リズムを支えるLa SpinaやHirshfieldはJim Hallのバックをやっているぐらいなので,地味と言えば地味な人たちだが,ここでは優れたバッキングを示しており,侮れない実力を有していることを見事に実証している。

いずれにしてもこういう作品が廃盤状態ってのはもったいない。入手は難しくないはずなので,見つけたら「買い」である。

Recorded on March 15, 1991

Personnel: Jerry Bergonzi (ts), Fred Hersch (p), Steve La Spina (b), Jeff Hirshfield (ds)

2012年4月23日 (月)

何だかんだと言ってLee Ritenour好きな私。

Leeritenourfeelthenight "Feel the Night" Lee Ritenour(Elektra)

Lee RitenourはJVCレーベルが盛んにアルバムをリリースしていたこともあり,米国でのアルバムのリリース順がよくわからなくなっているのだが,グループとして"Friendship"盤がElektraからリリースされた次の作品がこれだったように記憶している。いずれにしても,久しぶりに聞いても典型的なフュージョン作として結構楽しめる作品であった。

私はLee Ritenourのギタリストとしての才能を結構評価しており,この何でもできてしまう感は凄いなぁと思ってしまうのだ。ロック的なタッチでも,ブラジル的なものでも,更にはWesを彷彿とさせる4ビートだって,どれも軽々と水準をクリアしてしまうのだから大したものである。この人にはどれだけ音楽的な引き出しがあるのかって感じだが,しかもリーダー作にはどうしようもない駄作ってのがほとんどないということも立派なものである。そんな中でこのアルバムの評価ってのは必ずしも高くないようにも思えるのだが,見逃すにはちょっと惜しいのではないかと思う。

特に私にとって懐かしいのは2曲目の"Market Place"だろうか。確か昔"Live from the Bottom Line"とかいうFMの番組があって,そこでLee RitenourがおそらくはFriendshipでこの曲を演奏していたのが物凄く印象に残っているのだ。その後,私の在米中にはBottom Lineにも何度か行く機会があったが,へぇ~,こんなところなんだって思った記憶がある。結構いいプログラムをやっていて,こういう箱がなくなってしまったのは本当に惜しい。ちなみに私が行ったのはChick Corea Elektric Bandとか,Elvin Jones Jazz Machine with Wynton Marsalis,渡辺貞夫,Oregon等は在米中,Steve KhanとDave ValentineのCaribean Jazz Projectとかは出張中に見に行ったなぁ。懐かしい。

閑話休題。いずれにしても,"Market Place"はじめ,Lee Ritenourらしいサウンドにも溢れ,これはやはり楽しめる。このアルバムはサウンドがタイトな感覚が強いが,それはメンツがほぼ固定されていることの影響があるように思える。即ち,ほとんどレギュラー・メンバーのようなかたちで,ここに参加しているミュージシャンが演奏していたということになる。コアとなっているのがRitenour,Don Grusin,Abe Laboriel,そしてSteve Gaddである。だったら,おかしな演奏にならないのも当然って気がする。メンツは下記の通りだが,見れば一目瞭然のいいメンツである。一曲だけヴォーカルが入るのがLeo Sayer作の全米ナンバーワン・ヒット,"You Make Me Feel Like Dancin'"ってのも嬉しいよねぇ。そうした点を踏まえると,このアルバムが損をしているのはジャケのせい?とも思いたくなるが,音楽だけ聞いていれば,制作から30年以上経過した今でも相応に楽しめることは間違いない。やっぱりLee Ritenourはレベルが高いのだ。星★★★★。

Personnel: Lee Ritenour(g, g-synth), Don Grusin(key), David Foster(p), Dave Grusin(p), Joe Sample(p), Steve Lukathar(g), Abraham Laboriel(b), Steve Gadd(ds), Steve Forman(perc), Alex Acuna(perc), Ernie Watts(ts, ss), Patti Austin(vo), Tom Bahler(vo), Michael Boddicker(synth), Ian Underwood(synth), Jerry Hey(tp, fl-h), Chuck Findley(tp, fl-h), Gary Grant(tp, fl-h), Larry Willimas(ts, fl, piccolo), Bill Reichenbach(tb), Lou McCreary(tb, b-tb)

2012年4月22日 (日)

お買い得だったので,ついつい買ってしまったTangerine Dream Virgin Years

Tangerine_dream_virgin_years "The Virgin Years 1974 - 1978" Tangerine Dream(Virgin)

昨今は旧作CDをボックスにしてリリースするという商売が盛んであるが,その利点としては大幅な価格低減があることには異論はないところである。そんなこんなで,私もRoxy Musicのボックスのデリバリーを待っているところだが,ネット・サーフィンをしていたらTangerine DreamのVirginレーベルのボックス・セットが2種類リリースされているのを発見。昔なら絶対買っていなかったであろうTangerine Dreamの音楽なのだが,その中でも特にVirgin前期のアルバム群を買いたくなっている私も相当病気だと思いつつ,ついつい値段の安さにつられて発注してしまった。こんな自分の行動に,我ながら人は変われば変わるものだと思ってしまう。

そもそも私はTangerine Dreamの音を聞いていて,最近ではある意味快感をおぼえているのだが,ミニマルと言ってもよい響きはストレスフルな現代には更に魅力的に感じられるようにさえ思えてしまうのである。しかし,このブログに彼らの"Zeit"を取り上げた時には,音の極北とさえ書いた(記事はこちら)。難解と言えば難解,それこそ「何のこっちゃ」なのだが,それでもこれがはまると抜けられない世界だと言ってもよいだろう。

今回のボックスはVirginレーベルに吹き込んだ初期のアルバムの中から "Phaedra","Rubycon","Ricochet","Stratosfear",そして"Cyclone"の5作を3枚のディスクに収めたものである。ディスクにアルバムがまたがって収録されているものもあるが,昨今の私はiPodでしか音楽を聞いていないような状態であるから,そんなことは全然問題なしである。ちょちょいとiTunesで編集すればいいことだ。そんな音源が2,000円もしない値段で買えてしまうのだからいい時代になったものである。これから時間を掛けて聞こうとは思うが,こういうのは企画だけで星★★★★★と言いたくなってしまう。

それにしても,Tangerine Dreamは息も長いが,リリースしている音源も半端な数ではない。よくやるわ。でもこのボックスに収められた音源の頃が一番ポピュラーだったんだろうなぁと思っている。先ほどちょこっと"Phaedra"を聞いたところだが,"Zeit"よりははるかに聞き易い。iTunesではTangerine DreamはNew Ageとカテゴライズされるが,それでもこれはNew Ageでは絶対ないよなぁ,なんて思ってしまった。しかし,こんなものを通勤時間に聞いていたら,座った瞬間寝過ごし必至みたいな感じかもしれないなぁ(笑)。気をつけねば...。

2012年4月21日 (土)

Wayne Krantzの新作は本人のヴォーカルをプッシュしたが,これが微妙。

Howie_61 "Howie 61" Wayne Krantz(Abstract Logix)

Wayne Krantzの新作である。もうCotton Clubでのライブから2年以上経過してしまって月日の経つのは早いと思わざるをえない。そんな私がリリースがアナウンスされてからこれも首を長くして待っていた作品だが,これが踏み絵(正しくは「絵踏み」らしいが…)のような作品と言ってよいものとなっている。

Krantzは前作でもヴォーカルを聞かせていたし、昔は"Seperate Cages"で一曲とは言え、まるでSSWのような感じの演奏を聞かせたこともあるから,根本的にはギター一本に命をかけるタイプの人ではないようにも思える。 しかし、あまり表現力豊かな歌手とは言えないKrantzの歌をほぼ全編で聞かされれば、微妙に感じるリスナーがいてもそれは不思議なことではない。おそらく多くのリスナーにとってはそうしたアンビバレントな感覚が存在するはずである。だからこそ踏み絵なのだ。基本的なKrantzのイメージは、やはりギタリストとしてのものだから、ここでの演奏がギタリストとしてのKrantzとして最高だとは当然言えない。歌う暇があれば、もっと弾き倒してくれと考えるのが人情である。

アルバムとしてはタイトに引き締まった演奏ではあるが、ギターの露出が少ないのが不満に思える。 ではこれがKrantzの演奏のコアな部分になるかと言えば、それも違うように思えるのだ。私が本作のリリース記念のギグをNYCのIridiumで聞いていたら、もう少し確信めいたことも言えるのだが、それも果たせなかった現状では、あくまでも想像の域を出ない。だが、Krantzの本質は,予測不能性の高い,都度変転していく演奏にあるわけで、そうした自由度の低下をもたらすであろう歌が主流になるとは思えないのである。 私にはKrantzにとっては、アルバムはアルバム、ライブはライブという割り切りがあるのではないかと感じられる。そうでなければ、ライブにクリポタや、Lefevbre~Carlockのような凶悪なメンツを集めるとは思えないのだ。いずれにしてもKrantzの活動の方向性はまだまだ読み切れないというのが正直なところではある。

ともあれ、本作も何度も聞いているのだが、まだ違和感をぬぐい切れないでいる私である。Krantzのアルバムだと思わなければ、それなりに楽しめる作品と言えるが、Krantz作品としてはやはり微妙である。 もし、この作品でKrantzに初めて出会うリスナーにとっては、ライブの演奏がいつものような感じであったら、大いに戸惑い、一方、長年のファンはそうした演奏に快哉を叫ぶという罪作りな状況を生み出しかねない作品である。何がKrantzをこうさせたのかはわからないとしても,全面的には支持できないなぁ。ちなみにここで一曲だけ聞かれるDavid Binneyのソロは,私が今まで聞いた中で,一番よかったように思える。繰り返すが,音楽としてはあまり文句はないが,Krantz作という点を考えれば星★★★☆ってところだろうか。カッコいいんだけどねぇ。

Personnel: Wayne Krantz(g, vo), Paul Stacey(slide), Henry Hey(p), John Beasley(p), Owen Biddle(b), John Patitucci(b), James Genus(b), Tal Wilkenfeld(b), Pino Palladino(b), Nate Wood(ds), Charlie Drayton(ds), Keith Carlock(ds), Vinnie Colaiuta(ds), Kenny Wollesen(ds), Anton Fig(ds), Jeremy Stacey(ds), Gabriela Anders(vo), David Binney(sax), Yasushi Miura(sonics)

2012年4月20日 (金)

追悼,Levon Helm

Levon_helm_picture 今朝,New York TimesからNews Alertが飛び込んできた。Levon Helmが亡くなったそうである。奥さんと娘さんからは既にLevonが末期がんであるというアナウンスが行われていたが,遂に力尽きた。このアナウンスメント,涙なくしては読めないものなので,再掲しておく。

"Dear Friends,
Levon is in the final stages of his battle with cancer. Please send your prayers and love to him as he makes his way through this part of his journey.
Thank you fans and music lovers who have made his life so filled with joy and celebration... he has loved nothing more than to play, to fill the room up with music, lay down the back beat, and make the people dance! He did it every time he took the stage...
We appreciate all the love and support and concern.
From his daughter Amy, and wife Sandy"

上の写真を見ても,これは...って感じの激やせぶりだったが,The Bandの,というだけでなく,ソロ・キャリアにおいても,更には俳優としても,格別の味わいのある男がこの世を去ってしまった。本当に残念である。

今日は一日,The BandとRCO All Stars,そしておそらくは遺作となるであろう"Ramble at the Ryman"を聞いて,彼を追悼することとしたい。R.I.P.

2012年4月19日 (木)

話題のEsperanza Spaldingを聞く

Esperanzaspaldingradiomusicsociety "Radio Music Society" Esperanza Spalding (Heads Up)

昨年のグラミーで最優秀新人となり,話題沸騰と言ってもよいEsperanza Spaldingであるが,私はそんなことはどこ吹く風,全然関係な~いというモードを続けてきたのだが,先般ショップをうろついていたら,このアルバムがかかっていて,気持ちのよいファンクに思わず手が伸びてしまった私である。

Portland_rose_garden Esperanza Spaldingはオレゴン州ポートランド近郊の出身らしいが,ポートランドは綺麗な街で,このアルバムにも"City of  Roses"という曲が入っており,まさにそれはポートランドの別名である。同地のバラ園は本当に綺麗だし,街全体も綺麗なのだ。
また,音楽も盛んな街で,ローカル・ミュージシャンも結構多いところである。同地にあるUmpqua Bankの営業店に行けば,ローカル・ミュージシャンの自主制作CDも買えてしまうのだが,試聴した音楽のレベルは結構高かった。そんな土地から現れたEsperanzaであるが,グラミーの最優秀新人をジャズ・ミュージシャンが獲得したのは初めてということでも話題になったが,ほかのアルバムはどうかわからないとしても,この作品に限って言えば,ジャズ的な要素は希薄である。だからと言って,それが悪いことではなく,越境することは私には問題にならない。だって私はRobert Glasperの"Black Radio"を極めて高く評価しているのだから...(記事はこちら)。

ショップで聞いていて,これはいいかもしれないなぁと思ったのが冒頭の"Radio Song"であったのだが,エレクトリック・ベースのサウンドが魅力的であったのに加え,彼女のヴォーカルはどちらかというとチャーミングな響きだと言ってもよいだろう。まずそのギャップに驚いた私である。だが,アルバム全体を通して聞いてみると,やはりグラミー受賞ということもあったのかもしれないが,かなりポップな要素も強く感じられる。私が気に入ったのはファンキーなベース・サウンドが聞ける曲だったので,そうした路線で通してくれれば,Robert Glasper並に評価できたかもしれないが,残念ながらそこまではいかなかった。特に,このアルバムにおいてはJef Lee Johnsonのギターが効いていて,そうしたサウンドを活かしてくれれば尚よかったのではないかと思える。

また,"Hold on Me"のようなビッグバンド歌謡みたいなサウンドはこのアルバムにはフィットしているとは思えない。まぁ,何でもできまっせ的な感じと言えばその通りだが,このあたりにプロデューサーとしてのEsperanzaはもう一歩かなぁと感じる私である。その一方,Michael Jacksonが"Off the Wall"で歌ったStevie Wonder作"I Can't Help It"なんて非常に魅力的。特にここでのJoe Lovanoの歌伴は最高と言ってもよいし,ここのLovanoを使うセンスはいいなぁ。

いずれにしても,これはなかなかいいアルバムだということは認めるが,私としてはもう一歩の進化を彼女には遂げてもらいたいという思いが残った。ということで星★☆。

尚,ミュージシャンのクレジットが老眼には辛いので,省略させてもらう。それにしてもJack DeJohnetteの3曲参加ってのは意外だが,そんなには目立ってないので念のため。

2012年4月18日 (水)

今日もごめんなさい、である。

本来なら今日はEsperanza Spaldingについて書こうと思っていたのだが、帰りの電車で寝過ごしてギブアップの私である。なんで寝過ごしたか?単なる飲み過ぎ。明日はちゃんと書きたいと思う。しかし、結構酔っ払っているな〜(苦笑)。

2012年4月17日 (火)

保守化した感じが気になるBranford Marsalisの新作

Branford_marsalis_quartet "Four MFs Playin' Tunes" Branford Marsalis Quartet (Marsalis Music)

Branford Marsalisの新譜がリリースされた。私はJoey Calderazzoを贔屓にしてきているし,Marsalis兄弟では圧倒的にBranfordのアルバムの方を愛聴してきたクチなので,今回も期待しての購入だったのだが,結果はやや微妙である。

私はBranfordは「理屈」が優先する弟Wyntonよりも,はるかに「やんちゃ」な感じがするところが好きだったのだが,このアルバムではそのやんちゃさが影をひそめ,随分落ち着いてしまったなぁという感覚が強い。響きにワイルドな感覚がなく,随分とコンベンショナルなのである。私はBranfordとCalderazzoにはもっとハード・ドライビングに攻めて欲しいと常々思っているが,本作は私がこうやって欲しいという感覚とはかなりかけ離れてしまっているのである。

もちろん,演奏は高いレベルを維持しているとは思うのだが,リスナーなんてわがままなものである。こうしたサウンドなら,必ずしも彼らでなくてもいいのではないかと思えてしまうのだ。そうした点がやや残念ではある。しかし,Branfordバンド加入時には弱冠18歳(高校在学中)であったJustin Faulknerを相当にフィーチャーしているところに彼への期待も表れており,それはそれで認めたいのだが,Faulknerが実力溢れるドラマーであることは認めても,Jeff 'Tain' Wattsのようにプッシュしているかというと,どうもその表現は「うまさ」が先立っているようにも思えてしまう。むしろ,私はここまでFaulknerが目立たなくてもいいようにも思えるのだ。はっきり言ってこのドラムスはうまいのはわかるが、相当うるさい。とか何とか言いながら,このFaulkner,次はKurt Rosenwinkelとレコーディングするとか,したとかいう情報もあるので,注目すべきミュージシャンであることには間違いない。

ボーナス・トラックを入れて全9曲中,7曲はメンバーが持ち寄ったオリジナルである。Joey Calderazzoのピアノが美しく響く瞬間もあれば,Branfordがブリブリ吹く瞬間もあって,十分に水準は確保した作品だということは認める。"Endymion"のようなほとんどフリーみたいな曲もあって,新機軸とも言えないこともないのだが,私はもうちょっとまともにかっ飛ばして欲しかったなぁ。こうした印象はリズミックで超アップ・テンポの曲がないことが影響しているとも思えし,クラシカルな響きさえ感じさせる"As Summer into Altumn Slips"のような曲が入っていることにもよるかもしれないが,これならば,先般のJerry Bergonzi参加のCarl Wintherの"Sonic Shapes"の方を私は圧倒的に支持すると声を大にして言いたい。星★★★☆。悪くはないが,期待し過ぎた。ちなみに,このアルバムは"My Ideal"で締めくくった方がいいと思うのはきっと私だけではあるまい。ボーナス・トラックの収録は嬉しくないことはないが,別にここに収められたよう な演奏ならなくてもいいし,"My Ideal"の余韻を大事にすべきだったのではないかと思える。そうした点も評価を辛くさせる要因である

ところで,タイトルのMFsって何だろう?直訳すれば「4人のMFのお遊びチューン」だが,う~む,気になる。

Recorded on October 11 & 12

Personnel: Branford Marsalis(ts, ss), Joey Calderazzo(p), Eric Revis(b), Justin Faulkner(ds) 

2012年4月16日 (月)

残念!Cecil Taylor来日中止

Ceciltaylor2 4/16,17の両日,ブルーノート東京で行われるはずだったCecil Taylorのライブが中止となった。正式なアナウンスがブルーノートから行われたのが4/13ということで,これがどういう理由によるものかは非常に興味深いものがある。

私はCecil Taylorの83歳という年齢も考慮すれば,今回を逃すと,彼の存命中に演奏を聞けるかどうかはわからないということもあり,今回のライブに予約を入れていたのだが,中止は誠に残念である。これがTaylorの体調を原因とするものでないことを祈るが,何とかいつか来日はして欲しいものである。悔しいので,比較的近年の写真だけでもアップしておこう。

2012年4月15日 (日)

コンテンポラリーな感覚がなかなかよいEli Degibri参加作

Josh_ginsburg "Zembla Variations" Josh Ginsburg(BJU Records)

久々の音楽記事である。言い訳がましい記事を書いていたが,出張続きで結構厳しかったのは事実なのだ。

本作はショップをうろついていて偶然目についたアルバムである。BJUというレーベルは聞いたことがなかったが,"Brooklyn Jazz Underground"の略だそうである。なるほど。よくよく見てみれば,Down Beatの3月号にもこのレーベルに関する記事が掲載されており,そしてこのアルバムについてもわずかながら言及があるとしても,私としてもそこまでは追いきれていなかった。

このアルバムの購入動機はEli Degibriのワンホーンで,ピアノがGeorge Colliganだってことだったのだが,正直言って私はDigibriの魅力を理解できているとは思っていない。だから,Brad Mehldauが参加した"Israeli Song"にしても全くピンとこなかった(記事はこちら)のだが,気になるプレイヤーであることは事実であり,だからこそ今回も購入となっているのだが,今回は結構いいと思った。

今回のアルバムはベースのGinsburgのリーダー・アルバムではあるが,ベーシストのリーダー作っぽさはあまりなく,バンドとしての作品になっていることにまず好感が持てるし,リーダーの書く曲もいろいろなタイプはありながら,コンテンポラリーな感覚に満ちていて,かなり好感度が高い。そうした中でDegibriは今まで聞いた中で一番いいのではないかと思わせる吹奏ぶり。硬軟取り混ぜた感じがなかなかいいのである。また,ColliganのピアノやRhodesもかなりいけている。

こういうアルバムを聞いていると,自分が知らないだけでNYCのミュージシャンは本当にすそ野が広いと思わざるをえないが,これは全くノーマークだったところにいいものを聞かせてもらってしまったので,ついつい点も甘くなって星★★★★☆。

Photomontagebydavidhockneyjpeg ちなみに,本作のアルバム・ジャケットは写真のコラージュになっているが,右のようなDavid Hockneyの作品の影響強しと感じるのは私だけではないだろう。何を隠そう,私はHockneyの結構なファンなのである。いつか彼のドローイングでも買いたいなぁなんて思っているのだが,でも高いんだよねぇ。ポスターで我慢するしかない。

Hockneypool2figures ちなみに私の家の部屋に飾ってあるのは"Portrait of an Artist (Pool with Two Figures)"のポスターであるが,今のこの絵のオーナーはDavid Geffenらしい。いいねぇ,稼いでいる人は...(嘆息)。

Recorded on June 22, 2011

Personnel: Josh Ginsburg(b), Eli Degibri(ts, ss), George Colligan(p, rhodes), Rudy Royston(ds)

2012年4月13日 (金)

今日は名古屋の中年音楽狂

実は昨日、一昨日と静岡にいたのだが、一旦東京に帰って、今日は名古屋に来ている。名古屋と言えばひつまぶしだが、今日の飲み屋では鰻の代わりに軍鶏を使っていた。鰻の高騰ゆえか、あるいは店のポリシーかはわからないが、かなり違和感あり。まぁ酔っ払っている奴らには関係ないか。 ということで、明日は岐阜で芝刈り(あるいはクロスカントリー、またはゴルフとも言う)をして帰京予定。サラリーマンは大変なのだ(笑)。

2012年4月12日 (木)

本日出張中につき

昨日から地方出張のため、ブログの更新ができていない。今日はこれから帰京するのだが、明日もまたまた出張である。ということで音楽ネタのアップは日曜日まで無理って感じである。

宮仕えだから仕方がないが、いつものことながら、連続出張は体力を奪うんだよなぁ。

2012年4月11日 (水)

全く枯れていなかったBonnie Raitt

Bonnie_raitt "Slipstream" Bonnie Raitt(Redwiing)

私が在米中の90年代前半にはBonnie RaittがDon Wasのプロデュースでヒット作を連発していて,チャートも賑わしており,私も"Luck of the Draw"はよく聞いたものである。"I Can't Make You Love Me"なんて,私の当時の心象もあり,特に印象に残る名バラードであったと思う。その後,ライブ盤"Road Tested"あたりから私はRaittへの興味を徐々に失っていき,彼女がアルバムをリリースしても追いかけることはなくなっていた。そんな私がどうして彼女の新譜を買う気になったかと言えば,それはJoe Henryが4曲だけとは言えプロデュースしているからにほかならない。HenryとRaittの組合せ,まさにそれが私をこのアルバムの購入へと突き動かしたわけだが,結果はどうだったか。

まず冒頭の"Used to Rule the World"からしてロックな姉御としてのRaitt節が爆発している。これだけでまず「おぉっ!」となった私である。女性の歳をばらすのは問題だが,還暦を過ぎた女性の音楽とは思えない。この曲なんてトリプル・ギターだもんねぇ。Raittはスライドを弾きまくってるし,これだけで期待値が高まった私である。そして注目のJoe Henryプロデュースの演奏は3曲目のBob Dylan作"Million Miles"で登場するが,Bill Frisellも参加したこの演奏が,ほかのRaitt自身によるプロデュースの曲と違和感なく収まっているのが素晴らしい。演奏についてはいかにもJoe Henryらしいつくりと言ってもよいだろうが,次のHernyの"Civilians"に収められていた"You Can Fail Me Now"も,オリジナルに勝るとも劣らないと言ってもよいぐらいの感覚を与える。これはもともと曲がよかったということもあるが,こういう曲をやること自体がよい趣味だ。

こうしたアルバムとしてのバランスを維持できていることがそもそも優れた音楽であることの証であるが,アルバムを通じてのRaittは歌唱,そしてスライドの音が素晴らしく,これは私が想像した以上の出来だったと言ってよい。そもそも私は昔からのアメリカン・ロック好きなので,こうした音が好みということもあるが,Joe Hernyを信じて購入してよかったと思えた一作である。元気なBonnie Raittと味わい深いBonnie Raittの両方が楽しめる一作。星★★★★☆。

Personnel: Bonnie Raitt(vo, g), George Marinelli(g, mandolin, vo, perc), Bill Frisell(g), Greg Leisz(g), Mike Finnigan(p, org, key), Patrick Warren(p, el-p, org), James "Hutch" Hutchinson(b), David Pilch(b), Ricky Fatar(ds), Jay Bellrose(ds), Luis Conte(perc), Johnny Lee Schell(g), Al Anderson(g, vo), Maia Sharp(vo), Paul Brady(vo)

2012年4月10日 (火)

Radu Lupuの来日:今度は大丈夫なのか?

Lupu

Radu Lupuが11月に来日するそうである。2010年の公演は本人の体調不良により,1回の演奏だけで途中帰国となったのだが,私はそのときはチケットも取っていなかったし,そもそも来日したことすら知らなかった。そのリベンジというわけではないだろうが,今年の秋に来日することが決まり,東京では11/8と11/13の2回の公演が組まれている。そして,11/8はオール・シューベルト・プログラムである。これは行かないわけにはいかない。

Radu_lupu

ということで,今年はピアノはジャズもクラシックも来日ラッシュである。私はこれから決まっているだけでもCecil Taylor(!),Keith Jarrett,Brad Mehldau,そしてこのLupuである。それにしてもLupuのD960を聞けるのは嬉しいなぁ。昨年の内田光子のD960の演奏もよかったが,普通なら,間違いなくLupuはそれを上回る演奏を聞かせてくれるはずである。さぁ,予習,予習。今度は万全の体調で来日してくれることを祈るのみ。それにしても,Rupuって今はこんなになってるのねぇ。ピアノ仙人と呼びたい感じである。

2012年4月 9日 (月)

いくらMilt Jacksonとは言えども,さすがにこれは...

Milt_jackson_sunflower "Sunflower" Milt Jackson(CTI)

昨日アップしたBernstein / IPOのマーラーの印象が強過ぎて,その後,まともに音楽を聞く気にならない日を過ごしてしまった。そんな中,何を聞こうか迷って,ちょっと毛色の違う音楽としてチョイスしたのがこのアルバム。

Milt Jacksonと言えばMJQあるいはブルーズ・フィーリング溢れる音楽というのが定番であるが,そのJacksonがCTIに吹き込むとどうなるのかと言えば,普通心配になるってのが人情である。

結局のところ,これはMilt Jacksonのアルバムと思わずに聞けば,出来のよいイージー・リスニングだとも言えるのだが,こうしたサウンドをJacksonに期待する人がどれだけいるのかということに落ち着いてしまうような気がする。参加しているFreddie Hubbardのフレージング等は素晴らしいと思うが,それでもこれはやはりやり過ぎ感が強い。

このアルバムでは私はStylistics(!)がオリジナルの"People Make The World Go Round"はかなり好きだと思うが,これもいくらいいソロを展開していてもMilt Jacksonである必要はないわけで,どちらかと言えばFreddie Hubbardがリーダーのようにも思えてしまうぐらいである。更に私がこのアルバムにどうしてものめり込めない最大の要因はRon Carterのベースである。とにかく増幅し過ぎのアコースティック・ベースはどう聞いても気持ちが悪い。こういうのが私のRon Carter嫌いを「増幅」させると言っておこう。

繰り返すが,イージー・リスニングあるいは映画音楽的な聞き方をしていれば,それほど悪い印象は持たないが,Milt Jacksonの作品だと思うと評価は別になってしまうところが辛い。総合すると星★★★ってところだろう(もう少し辛くてもいいぐらいだが...)。何ともCTIだよなぁと思える作品(かなりアンビバレント)。

Recorded on December 12 & 13, 1972

Personnel: Milt Jackson(vib), Freddie Hubbard(tp, fl-h), Herbie Hancock(p, el-p), Jay Berliner(g), Ron Carter(b), Billy Cobham(ds), Ralph MacDonald(perc) with Strings & Horns arranged by Don Sebesky

2012年4月 8日 (日)

遂に来た!Bernstein / IPOのマーラー9番

Bernstein001 "Mahler Symphony No. 9" Leonard Bernstein / The Israel Philharmonic Orchestra(Helicon)

このアルバムのリリースが告知された時にも,期待する記事をアップした(記事はこちら)が,若干の発売遅延はありながらも,ついにデリバリーされた。今,演奏を聞きながらこの記事を書いているが,これは今まで私が聞いたどの「マラ9」よりも上である。Bernstein / ベルリンも凄いのだが,私はこちらの演奏の方に更なる凄みを感じる。

クラシックを聞いていて,久しぶりに締め上げられる感覚をおぼえたというところだろうか。これは聞けばわかる世界である。この音楽に多言は無用。ただ身を委ねていればよい。同じ年の日本公演での「マラ9」も伝説的なものとなっている(残念ながら私は聞いていない)が,その評価もさもありなんと思わせる演奏がここに収められているから,その追体験を図るには本盤をおいてほかにはあるまい。全ての楽章において,こりゃ~凄ぇやと思わされ続けている私である。何が凄いか文章化する能力は私にはないが,感覚的にのみ捉えてもこれはとにかく「えげつなく」凄いのだ。一言で言えば、濃密ってところか。

このCDのライナーにもあるように,彼らの東京における演奏終了時,スタンディング・オベーションは20分以上に及んだとのことであるが,こんな演奏を聞かされたとしたら,それもうなずける話だ。いずれにしてもクラシック部門ではこのアルバムを上回る作品は今年はありえないともはや確信している私である。まじで感動した。星★★★★★。よくぞこの音源を残しておいてくれたとIPOと,これをリリースしたIPOのレーベルであるHeliconに感謝したい。但し,エンディングで咳を連発するイスラエルの聴衆たちには辟易とするが(苦笑)。

いずれにしても,これは全ての人が必聴,必携の超弩級盤と言っておく。クラシックが好きだろうが嫌いだろうが関係ない。これを聞かねば,人生損をするぐらいに思ってもいいような演奏である。ここ暫くは何度でも聞くぞ!と思ってしまうほどの演奏って滅多にないのだ(ほかの積んどく盤はどないすんねん?)。

ちょっと熱くなりすぎたかな(笑)。

Recorded Live at the Mann Auditorium, Tel-Aviv on August 25, 1985

2012年4月 7日 (土)

改めてStonesのアーカイブ音源について

La_friday "L.A. Friday (Live 1975)" The Rolling Stones (Rolling Stones Archive)

一昨日に情報だけを紹介したこの音源であるが,2時間半近くあるので,通勤時間にしか音楽を聞けない私がこれを全部通しで聞くのは容易ではない。だが,ラッキーと言うか何と言うか,ちょうど移動を伴う出張があったので,その移動時間を利用して音源を聞くことができた。

このライブが収められた1975年の音源と言えば,収録日や場所は違うが,私がStonesのアルバムでも最も好きだと言ってよい"Love You Live"にも何曲か収められているから,期待すると言えばその通りだが,ここに収められているのはいつものStonesのライブって気がする。勢い,乗り,エンタテインメント性,どれを取っても満足できないリスナーはいるまい。しかも2時間半である。特徴的な点として結構長い尺の演奏が収められていること("You Can't Always What You Want"と"Midnight Rambler"が15分超,最後の"Sympathy for the Devil"が10分超)と,Billy Prestonをフィーチャーした2曲が収められているところだろうか。

私は正直言ってRonnie WoodよりもMick Taylorのギターの方が好きだが,Ronnie Woodも参加直後の割には馴染んでいるなぁって気がする。アルバムとしては"It's Only Rock'n Roll"をリリースした後のツアーってことになるが,そちらがMick Taylor最後の参加アルバムってことで,このツアーはMick Taylorで聞きたかったような気もするが,まぁそれはよかろう。

振り返ってみれば,私がリアルタイムで初めてStonesの音楽を意識したのが"It's Only Rock' n Roll"だった(私は圧倒的にStonesよりBeatles派だった)はずで,ここにも収録されているが,FMでかかっていたタイトル・トラックや"Angie",更には"Ain't Too Proud to Beg"あたりがエア・チェック(死語!)されていたように記憶している。

その後,私はStonesの音楽にも遅ればせながら目覚めていくのだが,それにしてもこうした音源でその当時を振り返ってみてもカッコイイねぇ。これはやはり時代のアイコンと言って間違いない音楽だと思える。ロックとしてのグルーブは完璧なので,無茶苦茶楽しめてしまうのだ。Stonesが初来日した時のライブでも十分燃えさせてくれた彼らだが,この頃のライブをリアルタイムで見ていたら,また感慨も違ったはずである。そんな強烈な勢いを感じさせる音源である。

改めて言うが,こんな音源をFLACでも9ドル,MP3なら7ドルというプライシングにもかかわらず買わないというオプションはありえないと言いたくなるぐらい優れた音源だと思う。このシリーズ,あと3作出るという話もあるが,3作と言わず,もっと出してもらっても私は全く問題なしである。星★★★★★。

Recorded Live at LA Forum on Sunday, July 13

Personnel: Mick Jagger, Keith Richards, Charlie Watts, Ronnie Wood, Bill Wyman, Ian "Stu" Stewart, Billy Preston, Ollie E. Brown and Trevor Lawrence

2012年4月 6日 (金)

また発狂するはずだったRoxy Musicボックスは2か月延期らしい。

Roxy_music 先日,ボックス地獄にはまった私の話をしたが,実は発注済みでこれからデリバリーされるものにRoxy Musicの"Complete Studio Recordings 1972 - 1982"がある。これはスタジオ盤8枚とそれらをハイ・レゾリューション版DVD4枚に収めた計12枚組であるが,これが5,000円しない値段でゲットできてしまうのだから,これは発注してしまうってやつだろう。私はRoxyのファンってわけではないが,"Avalon"は歴史的傑作(そして唯一の保有スタジオ盤)だと認識しているし,彼らのライブを武道館にも見に行ったクチであるから,楽歴を振り返るって意味では丁度いいボックスなのである。

本来なら4月初頭の発売予定だったが,6月に延期になった模様である。まぁ,私の場合,聞かねばならないボックスがたまっているわけで,この延期は渡りに船のようなものだが,それにしても,CDの価格破壊は無茶苦茶になってきたなぁって気がする。ダウンロード音源との差別化のためには仕方がないが,それでもこういうボックスならば歓迎するリスナーは多いのではないだろうか。アルバム全部持ってますというRoxyのファンには微妙だろうが...。

いずれにしても6月のリリースをゆっくりと待つことにしたい。ちなみに,まだボックスのジャケのイメージはわからないのだが,こんな感じでもいいかなぁってことで(笑)。

2012年4月 5日 (木)

またも登場,Rolling Stonesのアーカイブ・シリーズ!

La_friday "L.A. Friday" (Rolling Stones Archive)

既に2作が発表されているRolling Stonesのアーカイブ・シリーズの音源については,このブログでも取り上げてきた(記事はこちらこちら)が,早くもシリーズ第3弾の登場である。今年,結成50周年ということもあるだろうが,それにしても凄いリリースのペースである。今回はRonnie Wood参加後初のツアー音源ということらしいが,値段は相変わらずFLACで9ドルである。買わない方が不思議と言わざるを得ない価格である(きっぱり)。

しかし,この作品も25曲入りで収録時間が約2.5時間もあって,まだ聞けていない(というか,iPodへの格納を失念した)。ということで,今日は情報だけだが,やはりこれも期待しちゃうよねぇ。

Recorded Live at LA Forum on Sunday, July 13

Personnel: Mick Jagger, Keith Richards, Charlie Watts, Ronnie Wood, Bill Wyman, Ian "Stu" Stewart, Billy Preston, Ollie E. Brown and Trevor Lawrence

2012年4月 4日 (水)

久しぶりに本の話でも...

Another 「Another」 綾辻行人(角川文庫)

綾辻行人と言えば,このブログでも「館」シリーズを結構取り上げてきた。本格推理というジャンルにおいて,人気はあるし,私も何だかんだで結構読んでいるのだから,相応に好きってことになると思う。ただ,「館」シリーズも玉石混交の中,ちょっと毛色の違うのも読んでみるかということで,文庫化された本作を読んだのは暫く前のことになるが,記事にするのを失念していた。まぁたまには書籍ネタもということで,読了から時間を経ての記事のアップである。

一言で言ってしまえばホラーなんだろうと思う。しかし,恐怖感というのがあまりなくて,そのあたりが評価の分かれ目ってことになる。更にホラーの体裁をとりながら,論理に裏付けられた「誰が?(詳しくはネタバレになるので書けない)」という謎解き的なストーリー展開は「館」シリーズと同様の雰囲気もある。ただ,最近の推理小説にありがちな,「それって反則」的な論理展開もあって,どうものめり込めなかった私である。

そうは言いつつ,結構長大なストーリーを短時間で読ませるのだから,相応の面白さであることには異論はない。しかし,ホラーの本質たる恐怖感が薄いのはやはり納得がいかないし,謎は謎のまま残されてしまうところも,致し方ない部分はあれども,どうも消化不良だった私である。星★★★。こうなったら「霧越邸殺人事件」でも再読してみるか(ほとんど中身は覚えていないが...)。

それにしてもこんな作品をアニメ化(ついでに実写化も)するとは,ある意味凄いなぁ。

2012年4月 3日 (火)

中年音楽狂,発狂す...

Dextergordonboxset1 冗談のような主題(と言ってももとから狂ってるんだから,おかしいって話も...)であるが,最近の私には珍しく,ボックス・セット連続発注をしてしまった。今回発注したのは,全てComplete Columbia Albums Collectionのシリーズで,Woody Shaw,Stan Getz,Dexter Gordonの3セットであるが,それぞれ6枚組,8枚組,7枚組ってことになっていて,いつ聞くんじゃ?と言われればその通りである。しかし,それぞれのボックスには未発表音源や入手困難な音源が含まれていて,保有盤との多少のかぶりがあっても買ってしまうというものである。

いずれ,各々のボックスに含まれている作品についてはレビューをする機会があると思うが,Dexter Gordonのボックスについてはちょっと触れておきたい。私はDexter Gordonの大ファンってわけでもなく,はっきり言ってしまえば,なぜこのボックスを買ったかと言えば,多くのアルバムにWoody Shawが参加しているという要素が大きい。しかもDexter GordonのColumbia時代のアルバムは多くが廃盤となってしまって,なかなか入手が難しいということも大きかった。

今回のボックスはMichael Cuscunaがプロデュースしたものであるが,実はよく考えて作ってある。ここには"Great Encounters"がアルバム単位としては含まれていないように見えてしまうのだが,そもそもそのアルバムは複数セッションの音源の寄せ集め的だったものであるため,それを録音によって,一部は"Sophistecated Giants"のディスクに2曲,"Manhattan Symphonie"のディスクに1曲,そして"Live at Carnegie Hall"として4曲という具合に収録している。よって,もともとのフォーマットとは違っていても,Completeであることには偽りはないってことになる。ついでにシングル盤やクリスマス・アルバムに収録されていたもの,Montreux SummitやHavana Jamの音源も収録されているのだから,かなりマニアックなつくりと言ってもよいかもしれない。

ボックス全体はこれから時間をかけて聞くことになろうが,まずは"Homecoming"をさっさと聞くことにしよう。ちなみにWoody Shawのボックスには"Stepping Stone"時の未発表音源が丸々1枚ボーナスとして収められているので,好き者は即ゲット要である。

2012年4月 2日 (月)

Jerry Bergonzi参加作としては近年で一番燃えた!

Sonic_shapes "Sonic Shapes" Carl Winther(Stunt)

リリースからはちょっと時間が経っているが,録音からは1年も経っていないので,新譜扱いとさせてもらおう。このアルバムは毎度おなじみ新橋のテナー・サックスの聖地,Bar D2で聞かせてもらって,一発でまいってしまったアルバムである。ポイントはもちろん主題の通り,Jerry Bergonziである。

近年,Jerry BergonziはSavantレーベルからコンスタントにリーダー・アルバムをリリースしているし,ゲスト参加作も相変わらず結構な数があって,私も全部聞いているわけではない。実のところ,私がBergonziに求めるのはJoey CalderazzoとのBlue Note/Somethin' Elseレーベルでの共演盤,Daniel Humairの"Edges"のようなハード・ドライビングな演奏であるため,最近の演奏には好きなんだけれども,今ひとつ没入できない部分があったのも事実である。

そうした思いを一気に払拭してくれたのが本作冒頭に収められた"The Out Society"である。「これよ,これよ,これなのよ」って感じのBergonziのテナーが炸裂しており,私はこれだけで「買い」を決断したのであった。それだけでなく,全編を通じてここまで吹いたBergonziは久しぶりっていう気がする。そもそもCarl Wintherのアルバムながら,Bergonzi作が4曲,メンバー全員の合作が1曲と,作曲面でも大きく貢献しているのだから気合が入るのも当たり前と言えば当たり前であるが,Bergonziオリジナルもいつもよりも激しいのに加え,面白いのはBergonziがCarl Wintherが書いた方の曲で,テナーを更に炸裂させているように思えることである。Carl Wintherその人も,こうしたBergonziの吹きっぷりを想定して書いたのではないかと思わせるような感じなのである。"The Falcon"なんてのがそういう感じの代表的なところ。わかってるねぇって思ってしまうのはきっと私だけではあるまい。

曲が全部が全部面白いかと言えば,やや微妙なところもあるものの,本作はBergonziのテナーを聞くためにあると断言してしまおう。そもそも存在そのものに陽の目が当たっていないようにも思えるので,皆さんの注目度を高めるためにも星★★★★☆としてしまおう。まじでこのBergonziには久しぶりに燃えさせてもらった。まぎれもなく,私にとっては近年Bergonziの最高作。いつも素晴らしいアルバムをご紹介頂くBar D2のマスターに改めて感謝である。

尚,リーダーのために書いておくが,本作はCarl Wintherの亡くなった父,Jens Wintherに捧げたものであるが,演奏の質はそうした気合を感じさせるが,しんみりするようなところは何もない。とにかく気合の一作である。

Recorded on May 28, 29, July 8 & 9, 2011

Personnel: Carl Winther(p), Jerry Bergonzi(ts), Joel Illerhag(b), Anders Mogensen(ds)

2012年4月 1日 (日)

今でも結構好きなChroma:Music On the Edge

Chroma "Music on the Edge" Chroma(CTI)

懐かしいアルバムだ。CTIレーベルが一時的に復活して吹き込まれたアルバムとしては,このブログで"Live from Bahia"を取り上げたことがある(記事はこちら)が,そちらも気持ちのよいアルバムで、さすがCreed Taylorプロデュースと思わせたが,実はその時のアルバムでは更に私が好きなのが本作である。

このアルバムは五反田での実況録音であるが,彼らが来日したのはちょうど私が在米中のことであり,生ではこのバンドを見ていない。日本にいたとしたら,このメンツ(だってMike SternとBob Berg入りで,ドラムスはデニチェンである)であるから絶対見に行きたいと思っていたはずである。また,当時のCTIは映像とCDの同時リリースのようなことをやっていたから,映像も残っているはずだが,なぜかYouTubeでも引っ掛かってこないのが不思議である。ライブを見ていない人間としては映像も見てみたいと思うのが人情と言いたくなるぐらいカッコいいバンドなのである。

まぁ,いろいろなパターンの曲があり過ぎて,捉えどころがないという印象もないわけではない(なんせマイキーがアランフェスを弾くとは誰も思わん!)が,アルバム単位で聞いていてもあまり問題を感じる部分はない(少なくとも私にとってはそうだ)ので,よくプロデュースされた作品だということになるだろう。Mike SternとJon Herringtonが相当に個性が違うし,そのあたりも効果的。それに加えてRandy BreckerとBob Bergのフロントで"Squids"をやられてしまっては,そもそもそれだけで私はまいってしまうが...。しかも最後は"Upside Downside"だしねぇ。

いずれにしても,こうした急造バンドのライブであるにもかかわらず,演奏として悪くないのは,リーダー格を務めたであろうJim Beardの手腕によるところが大きいかもしれないが,それにしても,今聞いてもかなりカッコいい。私はこのアルバムはちゃんと支持したいと思う。星★★★★☆。

昔話になるが,私はこのアルバムを米国で購入し,日本に思いを馳せながら聞いていたのである。在米中は多くのよい思い出があるが,個人的には人には言えない本当に辛い精神的なダメージを負ったこともあった。今となってはそれも含めて人生だと言えるのだが,そんなことをついつい考えてしまう私である(これは完全な余談だが...)。

Recorded Live at 五反田簡易保険ホール on October 25 & 26, 1990

Personnel: Jim Beard(p, synth), Bob Berg(ts, ss), Randy Brecker(tp), Mike Stern(g), Jon Herrington(g, vo), Mark Egan(b), Dennis Chambers(ds), Mino Cinelu(perc, vo, vocoder), Mark Ledford(vo, marimba, tp, key, perc)

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