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2012年3月20日 (火)

想定外のよさに驚くJohnathan Blakeの初リーダー作

The_eleventh_hour "The Eleventh Hour" Johnathan Blake(Sunnyside)

昨今のドラマーはリズムを刻むだけでなく,リーダーとして,あるいは作曲家として,トータルな音楽的素養を感じさせる人が多い。Brian Blade然り,Jeff 'Tain' Watts然り,Eric Harland然りである。そこに登場したのがこのJohnathan Blakeである。この人はTom Harrell Quintetでお馴染みだが,私はHarrellのバンドのほかにも,Seamus Blake入りのBoris Kozlov Malfunction Alibiでもこの人を見たことがある。その時はドラマーとして注目していたに過ぎないのだが,このアルバムを聞いて驚いた。ドラマーの枠を越えた大した才人だったのである。

基本的には2管のクインテットを基本としながら,そこにバンマスのHarrellやRobert Glasper等のゲストを迎えるという構成だが,アルバムとして非常にしっかり作られていて,まずそこでのポイントが高い。かつ,これは相当にカッコいい音楽である。Johnathan Blakeの様々なビートへの対応能力が十分に表れているだけでなく,多くを占めるBlakeのオリジナルがかなりいけているのである。本音を言ってしまえば,私は本作の中で一番よかったのはHarrellのオリジナル,"Blue News"だと思っているのだが,ほかの曲も十分魅力的。だが,"Blue News"のHarrellのソロがカッコよ過ぎなのである。最近のHarrellのアルバムには今イチ没頭できない私でも,ここでのHarrellのソロには参ってしまった。

もちろん,このアルバムがそれだけかと言えばそんなことはない。とにかくゲストの使い方が非常にうまい。特に効いているのがGregoire Maretのハーモニカである。冒頭のタイトル・チューンにおけるGlasperのRhodesとの絡みなんか最高なのだ。Glasperのアルバム,"Black Radio"も最高にカッコいいアルバムだったが,それとは別のGlasperの側面が聞ける。まず,この曲でつかみはOKなのである。そこからアルバムを通じて,今のNYCを感じさせるようなサウンドを聞かせてくれるのである。変拍子はあってもそれを露骨に感じさせず,比較的真っ当に聞こえるリズムに仕立てながら,新しい感覚を生みだすというのがまた評価したくなるポイントである。いずれにしても相当コンテンポラリーなサウンドなのだ。

更に1曲だけバンド・メンバーと関係ない曲が演奏されているが,それがRandy Newman作の"Dexter's Tune"というのも渋い。これは映画「レナードの朝("Awakenings")」で,Robert De NiroとPennelope Ann Millerのダンス・シーンのバックで流れた美しい曲だが,同映画に出演したDexter Gordonに捧げられた曲である。ここではMark Turnerのテナーが渋く演奏するというのが絶妙なアクセントになっていて,この選曲のセンスも素晴らしい。スローな曲はこれ1曲と言ってよいが,ほかのどちらかと言えばハイブラウでイケイケ系の演奏の中で,何とも言えない味わいを生んでいるのである。この曲がなければ,やり過ぎ,あるいは胸焼けがすると感じていたかもしれないのだ。ここでプロデューサーとしてのBlakeも評価したくなってしまう。

繰り返しになるが,このアルバムを聞いて,Blakeという人の才能にはまさに驚かされたと言ってよいが,それにしてもここまでやるとは思わなかった。こんな作品を初リーダー作で作ってしまうと,次のハードルが高まるんじゃないだろうか,なんて思う私は余計なお世話?この想定外の素晴らしさへのご祝儀も入れて星★★★★★にしてしまおう。いやいやお見それ致しました。

Recorded in April 2010

Personnel: Johnathan Blake(ds), Jaleel Shaw(as), Mark Turner(ts), Kevin Hays(p, rhodes), Ben Street(b), Tom Harrell(tp, fl-h), Gregoire Maret(hca), Robert Glasper(p, rhodes), Tim Warfield(ts)

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コメント

お彼岸なのに、、雪。。

これは、わたしはとってもよかったです。
ジョナサンには申し訳ないけど、わたしも想定以上に楽しかったって書いちゃった。。
土壇場?って、ことらしいけど、、ならばウイットきいてますです。

ところで、交渉はおてのものとおもわれる閣下は、、
あっちは、どうなったん。。でしょう。

すずっくさん,こんばんは。TBありがとうございます。

これって絶対いいですよ。私は感服しています。そしてHarrellの"Blue News",相変わらずいい曲書いてますよねぇ。嬉しくなっちゃいました。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

交渉事の顛末は工藤さんのmixiの方へ書かせて頂きましたので,ご参照下さい(謎)。

人選の適材適所といいますか
ジョナサンの人望・人柄・気配りの良さが
あの低いドラムセットから聴こえてくるような
アルバムです
また、何としてもリリースしたいという気持ちも
強かったのでしょう
良いですね!これ
TBさせてください

HamaVenturiniさん,こんばんは。返事が遅くなりました。TBありがとうございます。

いやいや,これはいいアルバムでした。何としてもリリースしたくなるのもわかります。素晴らしいです。私もMalfunction Alibiでの彼を見ていますが,変わったドラム・セッティングだと思ったような思わなかったような。でも相当セッティングには時間をかけていましたよね。なるほどって感じです。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

個人的にはピアノが効いていると聴いたのですが、Tom Harrellの良さも大いに納得できるところです。

昨今のドラマーは本当に演奏だけではない才能を求められるのか持っているのか。。
彼も良い才能を持っていると思います。


TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

やはりこのアルバムでもドラマーの才能を痛切に感じさせられましたが,それを支えたゲスト陣も好演でした。これもBlakeのリーダーシップかはたまた人徳のなせる業かというところでしょうが,それにしても大したものです。

はっきり言って驚きました。

音楽狂さん、こんにちは。
"Dexter's Tune"はもとはGordonのピアノなんですか!これをこんな渋いソロにするなんて、Turnerの意外な一面ですね。にしても全編は動的で、ソロの場面も多くて楽しめました。
というわけでTBさせていただきます。

とっつぁんさん,こんにちは。TBありがとうございます。

これいいですよねぇ。"Dexter's Tune"はDexter Gordonが役者として出演した「レナードの朝」の中の曲なんですが,Dexter Gordonが弾いたかどうかはどうも怪しいです(すみません)。私は手許に映像がないので確認できませんが,Dexter Gordonがこの曲を弾いたというのは私の事実誤認である可能性大ですので,記事の記述も訂正しました。でも映画の中でDexter Gordonがピアノを弾いているのは間違いないですが...。

どうも正しくは,映画の公開の前にDexter Gordonがなくなってしまったので,作曲者であるRandy Newmanが"Dexter's Tune"と名付けたということみたいです。でもこれって無茶苦茶いい曲ですよねぇ。

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