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2012年3月31日 (土)

祝復活!Tribal Tech12年振りの新作

Tribal_tech "X" Tribal Tech(Tone Center)

怒涛の飲み会続き+年度末の忙しさも一段落し,ようやく記事の更新である。2日アップしなかっただけのことだが,本当に無茶苦茶な生活だったのである。まさに体によくない飲み方ってやつだろう。それに仕事も重なって,かなりひどいことになっていた。

そんなところに届いたのがこのTribal Techの12年振りの新作である。疲れてるんだったら,もう少し別に聞く音楽があるんじゃないのかとも思うのだが,長年のファンであるこのバンドの復活となれば出来るだけ早く聞きたいと思うのが人情である。ということで,早速聞いてみた。

ある意味では想定内の音楽であって,強烈な驚きはない。しかし,この4人ならではのグルーブはやはり捨て難い。ロック的なものに加え,ファンク度が高い曲があるのも特徴だが,やはり燃えてしまうよなぁ。Tribal Techの音楽にはWeather Report的な部分が感じられるところがあるが,ここではWR感は比較的希薄な気がする。その分,ファンク度が高まっているのではないかと思える演奏である。 "Palm Moon Plaza"の前半部分は,私にはJeff Beckの"There & Back"における"The Final Peace"へのオマージュ,あるいはJeff Beck的なギター音に聞こえてしまうところには「へぇ~」って感覚もあったが,それでも全体を通してみれば,どこを切ってもTribal Techの音になっている。"Gravity"なんて最高だしねぇ。

最後に収められた"Corn Butter"には謎の日本語のつぶやき「フライドポテト,ポテトフライ」,「焼き鳥」,「コーン・バター」が入り,更には冒頭とエンディングは銅鑼の音というわけのわからん展開があって,何じゃそりゃ?と思わせる部分もあるが,久々の新作の発表を祝して大目に見ることにしよう。ということで星★★★★。

私は今を去ること20年以上前のNYC在住中に彼らのライブをミッドタウンのLonestar Roadhouseというライブハウス(まだあるのかなぁ...)で見たことがあるが,こうなったらTribal Techでの来日をして欲しいものである。

Personnel: Scott Henderson(g), Gary Willis(b), Scott Kinsey(key), Kirk Covington(ds)

2012年3月28日 (水)

おことわり

私は4月に異動を控えており、年度末の繁忙感に加え、連日連夜の飲み会続きで記事を書くのが困難な状態である。よって、向こう2日ないし3日は記事の更新が滞る予定。ご了承頂きたい。疲れるねぇ。

2012年3月27日 (火)

Chuck Leavellのブルーズ・アルバムなんだけど...

Chuck_leavell "Back to the Woods" Chuck Leavell(Evergreen Arts)

Chuck Leavellと言えば,Allman Brothersか,はたまたSea Levelか,更にはStonesやEric Claptonのゲスト・プレイヤーかと,まぁロックの王道を歩みつつも,本人はかなり渋いって感じの人になるだろう。そのLeavellがブルーズの先達にトリビュートしたアルバムとなれば,このジャケであるから渋い演奏(それもド渋なやつ)を期待した私である。

昨今は私の直感買いが功を奏して,当たりのアルバムが多かったのだが,結論から言ってしまえば,これははずれである。Keith RichardsやJohn Mayer,更にはCandi Statonらが参加して盛り上げてもダメなものはダメだ。

このアルバムの決定的な欠点は,リーダーであるLeavellの軽さと言ってもよいかもしれない。彼のヴォーカルも軽ければ,ピアノも軽く,ブルーズの持つディープな響きというものに決定的に欠けているようにしか思えないのである。だから私にはこのアルバムをどうしても高く評価することができないし,聞いていてがっくり感ばかりが強くなっていったのだ。

機会を改めて,更に何度か繰り返し聞けば,このアルバムの味わいが増していく可能性が絶無とは言わない。しかし,一聴して得てしまったこのどうしようもないネガティブな印象をぬぐうことは決して容易ではないはずである。Chuck Leavellの名誉のためにはもう少し聞き込む必要もあるだろうが,そうした気力がわかないぐらい,聞いていてのがっくり感が強かった私である。

世の中,百発百中なんてことはないのだから,購入したアルバムに凡作が交じるのは仕方がないとしても,ちょっとこれには期待を裏切られたという感覚が強い。ということで,星★★。ジャケは昨年のGregg Allmanのアルバムと同じぐらい渋いのに,Allmanのアルバムとのギャップは大き過ぎた。まぁ,これも勉強である。

Personnel: Chuck Leavell(vo, p, org), Chris Enghauser(b), Louis Romanos(ds), Danny Barnes(g, vo), Keith Richards(g), John Mayer(g), Candi Staton(vo), Col. Bruce Hampton(vo), David Blackmon(vo), Randall Bramblett(vo), Davis Causey(g), Tom Ryan(bs), Neal Fountain(g, b)

2012年3月26日 (月)

中古で拾ったスウェーデン人歌手によるDionne Warwickトリビュート

Close_to_you "Close to You" Rigmor Gustafsson & the Jacky Terrasson Trio(ACT)

世の中にはBurt Bacharach曲集というのは結構あるように思うが,そのBacharachと切っても切れない歌手であるDionne Warwickにトリビュートしたアルバムってのは少ないのではないかと思う。もちろん,Burt Bacharach~Hal Davidチームの名曲なくしてDionneの名声はありえなかったとしても,歌手としての実力を踏まえれば,そうした企画があってもよいように思えないこともない。

このアルバムは中古で拾ってきたものだが,スウェーデン出身の歌手,Rigmor GustafssonがDionne Warwickにトリビュートしたアルバムである。買った時はどういう人だかわからないでピックアップしたが,伴奏がJacky Terrassonのトリオ,そして全14曲のうちBacharach~Davidチームの曲が11曲を占めるとなれば,まぁダメでもいいやって感じの購入である。そもそも私は熱心なジャズ・ヴォーカルの聞き手ではないので,完全に今回は曲買いである。だが,歌い手がスウェーデン出身であれば,おそらくはそんなに大きく外した歌唱にはならないだろうとは思っていたが,非常に素直な歌いっぷりで好感度が高い。こういういい曲が揃っているのであれば,無駄なフェイクなどは必要ないのだと思わされる(その中で一番フェイクしているのは「雨にぬれても」だな...。でも問題なしのレベル)。

一方,Bacharachの曲以外でもDiane Warrenが書いた"Much Too Much"等はコンテンポラリーなサウンドでびっくりしてしまうが,こういう幅広さをDionne Warwickその人が体現していたことの裏返しだと思うと,やはり彼女は名歌手なのだなぁなんて思いを強くしてしまう。

そして,このRigmor Gustaffsonという人は,なかなか魅力的な声の持ち主である。さすが,ACTに何枚もアルバムを吹き込んでいるだけのことはある(Ulf WakeniusやLars Danielsson同様に"Signature Edition"もリリースされている)が,それを支えるTerrassonトリオも魅力的。TerrassonのRhodesが結構いけているのも意外な感じと言えば意外だが,大したもんだ。また,ゲストのNils Landgren(プロデューサーも兼務。いい仕事である)もいいソロを取っていてこれはポイントが高い。典型的なジャズ・ヴォーカルでないところも私にとっては丁度いい塩梅であった。ことある毎に「いい意味で」気楽に聞きたくなるようなアルバムと言えばいいだろうか。

でもやっぱり曲の勝利なんだろうなぁと思いつつ,繰り返しになるがこれはかなり好感度の高いアルバムであった。これで800円ならもうけものである。ラッキー,ラッキー。いい買い物であった。ということで星★★★★。

Recorded in July 25 - 27, 2004

Personnel: Rigmor Gustafsson(vo), Jacky Terrasson(p, rhodes), Sean Smith(b), Eric Harland(ds), Nils Landgren(tb)

2012年3月25日 (日)

Caetano Veloso & David Byrne:録音から時間は経過してもこれはなかなかいい。

Caetano_veloso_david_byrne "Live at Carnegie Hall" Caetano Veloso & David Byrne(Nonesuch)

これは楽しい。2004年の4月にNYCのカーネギー・ホールで開催された二人の共演の模様が,なぜほぼ8年の時を経てリリースされるのかは不明だが,これはリリースされるに値するライブ音源であることは間違いない。

前半がCaetano,中盤がByrne,そして後半がご両人の共演というプログラムになっているが,Caetanoの歌いっぷりが美しく,それこそうっとりしてしまうような出来である。"Você é Linda"がその代表であるが,これを聞いて感動しなければ,Caetanoを聞いても無駄だと言い切ってしまおう。誰しもが認める名曲である。このCaetanoだけを聞いていてもいいのだが,David Byrneのパートも楽しい。

私はByrneと言えば,映画"Stop Making Sense"(この映画に関する記事はこちら)での彼の演奏という「条件反射」となるわけだが,ここでの演奏(特に映画ではバンドで演奏されていた"Life During Wartime")を聴いていて,その冒頭でByrneのソロによって演じられた"Psycho Killer"を思い出してしまった。ギターの音なんて,まさしくあの時のままなのである。これだけでもあの映画を愛する人間ははまってしまうだろう。ここでもTalking Headsの曲を中心にしているが,それにしても,"Road to Nowhere"とかByrneの書く曲もいいよなぁ。味わいや歌手としての実力はCaetanoには及ばないとしても,Byrneの演奏も非常に楽しめることは言うまでもない。

そして二人の共演であるが,残念ながら共演によるシナジーが効くところまではいっておらず,ぞくぞくするようなレベルとは言えないが,「しみじみ」と聞けてしまうところが,このアルバムの特徴か。特に最後が"Heaven"ってのが決まり過ぎって気もするが,いいものはいいのである。いずれにしても,冒頭に書いた通り,本作のリリースを喜ぶリスナーは多いはずである。星★★★☆ぐらいでもよいが,Caetanoのパートを評価して星★★★★。やはり"Você é Linda"が最高である。

Recorded Live at the Carnegie Hall, NYC on April 17, 2004

Personnel: Caetano Veloso(vo, g), David Byrne(vo, g), Jaques Morelenbaum(cello), Mauro Refosco(perc)

2012年3月24日 (土)

Ruthie Foster:これもジャケが私を呼んでいた

Ruthie_foster "Let It Burn" Ruthie Foster(Blue Corn Music)

先日,Michael Kiwanukaのアルバムを取り上げた時にも同じようなことを書いたが,今回はネット上でこのアルバムのジャケを見て,これはよさそうだと直感した私である。こんなことをやっていると,ギャンブルのようになってしまうのだが,ネット社会の中では,本人のサイトで試聴もできるのだからいい世の中になったものである。そして,試聴して直感に誤りはないと確信しての購入と相成った。

私はRuthie Fosterについては今まで全く聞いたことがなかったのだが,ブルーズを基調としながら,ソウル,ゴスペル,SSW,あるいはルーツ・ミュージック的なところも感じさせる音はまさに私の好みとするところである。まさにアメリカンなのだ。The Bandの"It Makes No Difference"やCS&Nの"Long Time Gone"なんかをやっているところも嬉しくなってしまう要因である。これはよい。更にこのアルバムを私が好きだと感じさせるのがバックのハモンドB-3の響きと,全編でペダル・スティールを使っていることによって生まれるグルーブである。ペダル・スティールと言っても,カントリー的なサウンドではなく,ここでは完全にスライド・ギターの趣である。Derek TrucksやSonny Landrethが好きな私にはたまらない音なのだ。

もちろん,これでRuthie Foster自身のヴォーカルが貧弱ではどうしようもないのだが,素晴らしいディープ・ヴォイスである。とにかくしびれる出来である。

キャリアとしては既に15年近くに及ぶらしいが,こういう人に突然出会うと本当に嬉しくなってしまう一方で,世の中には凄い人がいるんだねぇと思わざるをえないし,自分の無知を恥じたくなってしまった。2009年には来日もしていたようだが,次に来日する機会があったら,絶対見に行きたいと思わせるようなそんな歌手であり,そんなアルバムである。曲想にややばらつきがあって,戸惑う瞬間がないわけではないが,こうしたアルバムのジャケットにビビッドに反応した自分への褒美も含めて星★★★★☆(なんのこっちゃ?)。

Personnel: Ruthie Foster(vo), George Porter, Jr.(b), Ike Subblefield(org, p), Russell Batiste(ds), Dave Easley(pedal steel), James Rivers(ts) with The Blind Boys of Alabama(vo), William Bell(vo)

2012年3月23日 (金)

2,000本目のエントリーはJoni Mithchellで

Miles_of_aisles "Miles of Aisles" Joni Mitchell and the L.A. Express (Asylum)

長年ブログをやっていれば,記事の数が積み重なるのは当たり前のことだが,飽きっぽい私が6年目にしてついに2,000本目のエントリーというのは我ながら信じ難い。こうなってしまうとなかなかやめられないというのが正直なところだが,さすがに最近毎日更新はきついと感じるようになっている。それでもできるだけ更新はするようにしてはいても,「本日は...」だの「今日はお休みです」だのってのが増えてしまっているのも事実。まぁ,これからも気楽に続けていきたいものである。

その2,000本目のエントリーに選んだのが懐かしのJoni Mitchellによるライブ盤である。このアルバムがリリースされたのが1974年であるが,まだジャズに傾斜する前の,シンガー・ソングライターとしてのJoniのキャリア前半のベスト盤的位置づけにあると言ってもよいだろう。録音が3か所で行われていて,雰囲気の違いがかなり出ているのが編集的にはどうなのよと言いたくなるのも事実であるが,それでもこれはバックのL.A. Expressの演奏とも相俟って楽しめるアルバムである。

Joniらしい変則チューニングの模様や,語りも含めて収録されているところが,往時のSSWのアルバムって感じもするが,ここで聞かれるJoniのギター・チューニングの数々には改めて目が点になる思いである。よくもまぁここまで考えるものだと思うとともに,よく弾きこなすものだと言わざるをえない。まさにこれはOne & Onlyの世界である。Joni Mitchellという人は,歌手,ソングライターとしてと同じぐらい,変則チューニングを駆使するギタリストとして評価しなければならないということを改めて痛感させられた私である。

そして,このブログでも先日取り上げた"The Circle Game"も収録されているが,先日のBuffy Sainte-Marie盤の記事を書いた時には,そちらに馴染みがあり過ぎて,Joniのオリジナル・バージョンを聞いた時には違和感があったと記した。しかし,ここでの歌唱は,聴衆にも歌わせるという演出もあって,「おぉっ,いかにもSSW」って感じで微笑ましいし,スタジオ盤よりも私はこっちの方が好きかなぁ。CSN&Yの"4 Way Street"にしろ,本作にしろ,そういう時代だったのだ。ここではJoniが面白いことを言っていて,"The Circle Game"は一人で歌うよりも,大人数で歌うことを意識して作った歌,それも調子っぱずれな歌が入ってもOKみたいに言っている。これは聴衆の参加を促すためのセリフとも言えようが,いずれにしてもこういうのって時代を感じさせるものだが,これはこれで楽しいのである。

また,聴衆があれを歌え,これを歌えとやかましいが,途中で聴衆が叫ぶ"Joni, you have more flash than Mick Jagger, Richard Nixon, or Gomer Pyle combined!"というセリフにJoniも爆笑しているのも微笑ましい。このあたりは米国のTV文化に通じていないとわからんと言っても仕方ないが,こういうのも微笑ましさを感じさせるのである。

同じ1974年にリリースされた"Court & Spark"から1曲しか演奏していないのは解せないが,それでもこれは選曲よし,歌よし,演奏よしの三拍子そろったナイスなアルバムである。これと"Shadows & Light"のどちらかを選べと言われたら,それは究極の質問だと逃げたくなってしまうかもしれない。それぐらい楽しめるアルバムである。星★★★★★。

Recorded Live at the Universal Amphitheatre on August 14 through August 17 except "Cactus Tree" Recorded at L.A. Music Center on March 4 and "Real Good for Free" Recorded at Berkeley Community Center on March 2

Personnel: Joni Mitchell(vo, g, p, dulcimar) with The L.A. Express: Tom Scott(woodwinds & reeds), Max Bennett(b), John Guerin(ds, perc), Robben Ford(g), Larry Nash(p)

2012年3月22日 (木)

激安Jimmy Smithボックス

Jimmy_smith "Eight Classic Albums" Jimmy Smith (Blue Note→Real Gone Jazz)

最近は著作権切れの作品を中心としてだと思うのだが,激安でのCDボックス発売が相次いでいる。このシリーズもいろいろな人の作品が出ているが,私が入手したのは4枚のCDに8枚のアルバムを収録したJimmy Smith盤である。何と言っても某ショップでの私の入手価格は990円である。アルバム1枚換算すれば125円であるから,ダウンロード音源よりもはるかに安いことになってしまい,これはお買い得感が強かった。

しかも,私はここに収録されているアルバムを1枚も保有していないということもあって,これはついつい手が出てしまったが,ダウンロード全盛の昨今にあって,こうした古い音源のフィジカル・メディアの値崩れが発生していることは面白い。そして,この値段で,物凄く勢いのあるJimmy Smithの演奏が聞けるのであれば,全く問題ない。もちろん,装丁がしょぼいとか,何の解説もないなどと文句をつけようと思えばつけられる。しかし,それはダウンロード音源だって同じである。情報が欲しければ,ネットで探せばよいだけの話なのだ。そうしたことを考えれば,こういうスタイルは更に増えていくものと思うが,ジャズを聞いたことがない人にとってはこういうのはありがたいのではないだろうか。私のように長年ジャズを聞いていても,ここに収められたアルバムのように今まで縁がなかったものが多数ある人も結構いるはずである。

ここに収められているアルバムは次の通り(すべてBlue Noteレーベルの作品)であるが,"Club Baby Grand"1枚を聞いただけでも元を取ったとほくそ笑んだ私であった。いやいやこれは絶対お買い得である。

"A New Sound, A New Star Vol 1", "The Sounds of Jimmy Smith", "A New Sound, A New Star Vol 2", "A Date With Jimmy Smith Vol 1", "The Incredible Jimmy Smith At the Organ Vol 3", "At the Club Baby Grand Vol 1", "At the Club Baby Grand Vol 2", "A Date With Jimmy Smith Vol 2"    

2012年3月21日 (水)

本日は...

昨日,何年かぶりにクラブというものを握って,体もスコアもボロボロとなり,さっさと寝てしまって記事を書けなかった。ということで本日はお休みです。ちなみに今日が1,998件目の記事のエントリーである。2,000件目は何を書こうかなぁ...。

2012年3月20日 (火)

想定外のよさに驚くJohnathan Blakeの初リーダー作

The_eleventh_hour "The Eleventh Hour" Johnathan Blake(Sunnyside)

昨今のドラマーはリズムを刻むだけでなく,リーダーとして,あるいは作曲家として,トータルな音楽的素養を感じさせる人が多い。Brian Blade然り,Jeff 'Tain' Watts然り,Eric Harland然りである。そこに登場したのがこのJohnathan Blakeである。この人はTom Harrell Quintetでお馴染みだが,私はHarrellのバンドのほかにも,Seamus Blake入りのBoris Kozlov Malfunction Alibiでもこの人を見たことがある。その時はドラマーとして注目していたに過ぎないのだが,このアルバムを聞いて驚いた。ドラマーの枠を越えた大した才人だったのである。

基本的には2管のクインテットを基本としながら,そこにバンマスのHarrellやRobert Glasper等のゲストを迎えるという構成だが,アルバムとして非常にしっかり作られていて,まずそこでのポイントが高い。かつ,これは相当にカッコいい音楽である。Johnathan Blakeの様々なビートへの対応能力が十分に表れているだけでなく,多くを占めるBlakeのオリジナルがかなりいけているのである。本音を言ってしまえば,私は本作の中で一番よかったのはHarrellのオリジナル,"Blue News"だと思っているのだが,ほかの曲も十分魅力的。だが,"Blue News"のHarrellのソロがカッコよ過ぎなのである。最近のHarrellのアルバムには今イチ没頭できない私でも,ここでのHarrellのソロには参ってしまった。

もちろん,このアルバムがそれだけかと言えばそんなことはない。とにかくゲストの使い方が非常にうまい。特に効いているのがGregoire Maretのハーモニカである。冒頭のタイトル・チューンにおけるGlasperのRhodesとの絡みなんか最高なのだ。Glasperのアルバム,"Black Radio"も最高にカッコいいアルバムだったが,それとは別のGlasperの側面が聞ける。まず,この曲でつかみはOKなのである。そこからアルバムを通じて,今のNYCを感じさせるようなサウンドを聞かせてくれるのである。変拍子はあってもそれを露骨に感じさせず,比較的真っ当に聞こえるリズムに仕立てながら,新しい感覚を生みだすというのがまた評価したくなるポイントである。いずれにしても相当コンテンポラリーなサウンドなのだ。

更に1曲だけバンド・メンバーと関係ない曲が演奏されているが,それがRandy Newman作の"Dexter's Tune"というのも渋い。これは映画「レナードの朝("Awakenings")」で,Robert De NiroとPennelope Ann Millerのダンス・シーンのバックで流れた美しい曲だが,同映画に出演したDexter Gordonに捧げられた曲である。ここではMark Turnerのテナーが渋く演奏するというのが絶妙なアクセントになっていて,この選曲のセンスも素晴らしい。スローな曲はこれ1曲と言ってよいが,ほかのどちらかと言えばハイブラウでイケイケ系の演奏の中で,何とも言えない味わいを生んでいるのである。この曲がなければ,やり過ぎ,あるいは胸焼けがすると感じていたかもしれないのだ。ここでプロデューサーとしてのBlakeも評価したくなってしまう。

繰り返しになるが,このアルバムを聞いて,Blakeという人の才能にはまさに驚かされたと言ってよいが,それにしてもここまでやるとは思わなかった。こんな作品を初リーダー作で作ってしまうと,次のハードルが高まるんじゃないだろうか,なんて思う私は余計なお世話?この想定外の素晴らしさへのご祝儀も入れて星★★★★★にしてしまおう。いやいやお見それ致しました。

Recorded in April 2010

Personnel: Johnathan Blake(ds), Jaleel Shaw(as), Mark Turner(ts), Kevin Hays(p, rhodes), Ben Street(b), Tom Harrell(tp, fl-h), Gregoire Maret(hca), Robert Glasper(p, rhodes), Tim Warfield(ts)

2012年3月19日 (月)

Corea & Burton:デュオ活動40年目(!)の記録

Hot_house "Hot House" Chick Corea & Gary Burton (Concord)

1972年にECMレーベルから"Crystal Silence"がリリースされて40年目の今年,久々にリリースされたCorea & Burtonの名コンビの新作である。実を言うと,私は本作を買おうか買うまいか悩んでいた。"Native Sense"や"New Crystal Silence"というECMを離れてからの作品が私に訴求してこなかったこともあり,このコンビと言えどももうそろそろ...と思っていたのは事実である。それでもやはり見ると買いたくなってしまうのが彼らの持つ魔力というところか。

"New Crystal Silence"においてもスタンダードを演奏するようになっていた彼らだが,今回はオリジナルは最後の1曲だけということで,それが珍しいと言えば珍しい。しかも1曲目は"Can't We Be Friends"のような古い曲,更に2曲目はBeatlesの"Eleanor Rigby"だから更にびっくりしてしまう。だが,彼ららしい演奏と言えばまさしくその通りで,予定調和的と言ってしまえばそれもその通りである。しかし,そうした感覚を一気に払拭してくれるのがそれに続く"Chega de Saudade"と"Time Remembered"の2曲である。はっきり言ってしまえば,この2曲は相当によい。曲との相性もあるだろうが,Corea & Burtonの美学を示しやすい曲だったということもできるだろう。

そうした演奏もあって,全体を通じて聞いている限りは破綻はないと思える。そして,前作,前々作に感じられた違和感はここでは私はあまり感じることがなかったから,これはこれで悪くないということである。だが,私がこのデュオ・チームに期待するのは,チューリッヒのライブで聞かせた凄みであり,"Crystal Silence"で聞かせた清冽な響きであり,"Duet"で聞かせたダイナミズムなのである。それらの3枚と比較すれば,やはり今回の演奏が悪くないとしても,やはり分が悪いことは否めない事実である。しかし,Chick Coreaが古希を過ぎ,Gary Burtonも来年古希を迎えることを考えれば,昔のような演奏を期待すること自体に無理があるのは言うまでもない。逆に言えば,彼らがまだ現役でこのような演奏を展開できていることが奇跡的なのである。

よって,私は本作は星★★★★には値すると考えるし,昔からのファンの期待にも応えるレベルに達し,美しさも体現していると思う。中でも私は上に掲げた2曲を評価するが,全体的にもいい作品である。まぁ,最後の弦楽クァルテットの参加はなくてもよかったようには思えるが...。それは好みってことで。

Personnel: Chick Corea(p), Gary Burton(vib) with Harlem String Quartet

2012年3月18日 (日)

Brad Mehldau Trio待望の新譜

Ode "Ode" Brad Mehldau Trio(Nonesuch)

Brad Mehldauがトリオとしてのアルバムを最後にリリースしたのは2008年のVanguardでのライブのことである。スタジオ盤ということになれば,2006年リリースの"House on Hill"まで遡るし,それはJorge Rossy在団中の残りテイクであった。Jeff Ballardがドラマーになってからということであれば,更に彼らの初作である2005年リリースの"Day Is Done"まで遡らなくてはならない。そのアルバムについては,私はAmazonのユーザ・レビューに次のように書いている(ブログを始める前のことだ)。

「冒頭のRadioheadの"Knives Out"から素晴らしい出来を予感させる新Mehldauトリオの快作である。まずは新加入のドラマー,Jeff Ballardとの相性が気になるところであるが,その"Knives Out"からして痺れるような快演であり,このメンバー・チェンジがこのトリオにとって少なくともネガティブな要因となってはいないことを証明している。その後も自作やChris Cheek作の曲に加えて,Burt Bacharach,Nick Drake,Beatles,Paul Simon等,ポップ畑の名曲を自在に料理した本盤はこのトリオの新しい可能性を示したものであろう。(以下略)」

その後,彼らはMetheny/Mehldauや,トリオとしての活動を通じて,その音楽を深化させたことはライブ盤(あるいはブート音源)を聞いても想像に難くないが,ここのところ,Mehldauが個人の活動に力を入れていたこともあり,トリオとしての活動も抑制され,かつアルバムが発売されなかったため,多くのリスナーの渇望感を煽っていたことは間違いない事実である。だからこそ,本作のリリースがアナウンスされた時には,私は逸早く反応したし(記事はこちら),大きな期待を寄せてきた。発売日が3/13から3/20に一週間延びただけで残念に思ってしまうところに私の気持ちが表れているが,買い物ついでにショップをのぞいたら入荷していたので,ネットでの注文をキャンセルして,すかさずゲットした私である。

冒頭のMichael Breckerに捧げた"M.B."からしてぞくぞくするような出来である。全編を通じて,トリオの緊密な演奏が展開されており,レギュラーとしての非常に高いレベルでの「濃度」が感じられることは誠に喜ばしい限りである。時にハード・ドライビングに,時にエレジー的にと曲調の違いはあれども,全編を通じて非常にテンションの高い演奏集だと言ってよい。さすがである。もちろん,これだけのテンションの高さであるから,ジャズの一つの側面であるリラクゼーションをもたらすような音楽とは言えない。はっきり言って締め上げられる感覚すら覚える瞬間があるのも事実である。しかし,これはピアノ・トリオというフォーマットを使っての表現を追求した結果としての音楽だと思えば納得できるものだろう。

以前,Brad Mehldauのアルバムは"Art of the Trio"というシリーズでリリースされていたが,ここに至って,彼らの演奏の芸術的なレベルは更に上がったと言えるように思える。今回はMehldauのオリジナルで固めているが,改めてスタンダードに取り組んだら一体どういうことになってしまうのか。7月の来日公演が本当に楽しみになってきた私である。私がMehldauの追っかけだという贔屓目もあるかもしれないが,これは誰が聞いてもレベルの高い作品であることは間違いない。ジャズ・ファン必聴の好アルバムである。星★★★★★。

Recorded on November 17, 2008 & April 19, 2011

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

2012年3月17日 (土)

期待通りのEnrico Pieranunziの新譜

Permutation "Permutation" Enrico Pieranunzi(CAM Jazz)

ショップにはとっくに入ってきていたのに,なかなかデリバリーされずにいらいらさせられたEnrico Pieranunziの新譜がようやく到着である。今回はタイトルが示す通り,「置換された」新しいリズム隊との共演ぶりに注目が集まるのは当然である。しかし,これは私の期待に応えたと言えるものであった。

Antonio Sanchezに関しては既に"Latin Quintet"で共演済みであるから,だいたい想像はついていたし,今回のベースはScott Colleyであるから悪くなるわけはないのだが,冒頭から非常にハイブラウな演奏が展開されていて嬉しくなる。Pieranunziその人はさまざまなスタイルを消化した人であるから,この展開はある意味想定通りという気がしないわけではないが,これは相当にスリリングな展開である。この調子でずっと行くのかと思いきや,中盤からはいかにもPieranunziらしいリリカルなスタイルも顔を出し,言ってみれば,剛と柔をバランスさせて,Pieranunziらしい個性を発露させたもののように聞こえる。このトリオとしては最初の作品であるから,「どっちもいけまっせ」というところを実証することも必要だったということであろう。

それにしてもAntonio Sanchezである。この人の対応能力には驚かされるというか,見事な助演ぶりに嬉しくならないリスナーはいるまい。この人が参加していれば,まずはずれはないと思っていてよい。Pat Metheny Groupでの演奏にもびっくりしたが,現在を代表するドラマーの一人であることに異論はないだろう。煽りがうまいよなぁ。Scott Colleyも同様である。ここで聞かれるベースのサウンドは非常に魅力的。ベースとしての音がいいのだ。

ただ,トリオとして作品として前作となる"Dream Dance"を上回っているかというと,よくて同等という評価はできても,それを凌駕するとはまだ言えないように思う。Pieranunziとしてはこのトリオでいくのか,Johnson~Baronとのトリオを復活させる気があるのかはまだわからないが,この新トリオの本質的な評価は次作を待つ必要があるように思える。しかし,この作品は作品として十分に高いレベルを示したものであり,多くの方々に推奨できる作品であることには間違いはない。星★★★★☆。しかし,録音からリリースまで2年以上経過しているというのはどうも解せないが...。最近,こういうパターンがPieranunziには多いなぁ...。

尚,余談であるが,ようやくCAMがスーパー・ジュエル・ケースをやめたのは喜ばしい。あの取り扱いづらい無意味なパッケージよりは普通のケースの方がずっとええわ。

Recorded on November 17-20, 2009

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Scott Colley(b), Antonio Sanchez(ds)

2012年3月16日 (金)

ジャケが私を呼んでいたアルバム:Michael Kiwanuka

Michael_kiwanuka "Home Again" Michael Kiwanuka (Polydor)

ショップをうろついていると,ジャケがどうしても気になってしまう作品というものはあるものである。ジャケの雰囲気からして,こりゃよさそうだという野生の勘に訴えてくるのだが,本作もまさにそうした私のインスピレーションを刺激した作品である。こんなアップのジャケのどこがいいのかという人もいらっしゃろうが,これが私の直観を刺激したのである。

この人のバックグラウンド等はよくわかっていないが,英国出身で1988年生まれの24歳(らしい)というのが信じられないような渋くも,落ち着いたサウンドを聞かせる。Adeleの前座で注目されたというのが,いかにもAdele同様若年寄的と言ってよいかもしれないが,それでも注目されて当然のミュージシャンだと一聴して感じさせられた私である。私が購入したのはボーナス・ディスク付きの2枚組だったのだが,そもそもそのボーナス・ディスクがEthan Johnsプロデュースというところからして大いに気になったし,そして期待に応える出来である。そして,Ethan Johnsがプロデュースしたくなるような人だと思わせる。

アルバムとしてはソウル的なアプローチも聞ける(特に冒頭の"Tell Me a Tale"等は70年代初頭のソウルを思い出させる) が,そこかしこに何ともSSW的というか,私は聞いていてちょっとBobby Charlesを思い出してしまうような音楽だったのは意外であったが,その手の音楽を好む私にとっては嬉しかった。例えば"Rest"のような曲がその代表的だが,本当にBobby Charlesの曲だと言えば,通じそうな音楽なのだ。これはよい。こういう音楽が現代においてどのように受け入れられるのはわからないが,この人は今年1月にBBCの"Sound of 2012"に選ばれたそうだから,本国でも注目されているということであろう。

いずれにしても,そんなことは関係なしに,直観を信じてこのアルバムを買った自分を褒めたくなるようなナイスなアルバムであった。こういう出会いがあるから,オンラインへの依存度が高くなった昨今でもショップ通いはやめられないのだ。

世の中にはまだまだ恐るべき若手が存在することを,またも痛感させられたアルバムである。繰り返すがこれはかなりよい。私としては全面的にOKである。今後の更なる成長を期待して満点とはせず,星★★★★☆とするが,私の中では注目度急上昇,というか次もきっと買うだろうと確信させられた作品。尚,クレジット情報が老眼にはきついので,詳しいミュージシャン情報は今回は省略させて頂くが悪しからず。

2012年3月15日 (木)

本家より好きかもしれない:Buffy Sainte-Marieの"The Circle Game"

Circle_game "The Circle Game" Buffy Sainte-Marie

"The Circle Game"と言えば,私がこよなく愛するJoni Mitchellの名曲である。しかし,Joni Mitchellの音楽に私が出会うはるかに前から私はこの曲を知っていて,Joniを意識しなくてもいい曲だと思っていた。今にしてみれば非常に懐かしいのだが,私がこの曲を初めて聞いたのはラジオの深夜放送,おそらくは「ABC ヤング・リクエスト」だったはずである。年の頃はおそらく小学校5年生ぐらいだったのではないか。ほぼ40年前である。

私は子供の頃からかなりの宵っ張りで,小学生の頃から毎晩1時前後までは通称「ヤンリク」を聞いていた。この番組は歌謡曲とポップスが交互にかかるというのが編成の特徴で,私が小学生の頃から洋楽に目覚めてしまったのは,この番組でBeatles,Carpenters,更にはMichel Polnareffやら,果てはT-Rexまでいろいろな音楽に接していたことによるところが大きい。中学生になると,私はFMへと移行を果たし,更に洋楽の道を進むことになった。そんな私が「ヤンリク」でこの曲を聞いたとき,Buffy Sainte-Marieのビブラートは不思議だなぁなんて思いつつ,妙にメロディが心に残ってしまった。この曲が映画「いちご白書」に使われていたことを知るのはずっと後になってからだったが,爽やかなイントロやらいかにもポップス的な伴奏もあって,この曲は本当に強い印象を残したのである。

だから,後年,Joni Mitchellのオリジナル・バージョンを聞いた時にも,むしろ違和感のようなものを覚えてしまったぐらいであるが,それは私がそれほどこのBuffy Sainte-Marie版が好きだったということの裏返しに過ぎない。今回,ある方のFacebook上での投稿に影響されて久々に聞きたくなって音源をダウンロードしたのだが,やっぱりこれはよい。いっぺんに約40年前の自分に戻ったような気がしてしまった私である。今聞いてもBuffy Sainte-Marieのビブラートはきつ過ぎるようにも感じるし,ファースト・コーラスの後半にリズムが走ってしまうように感じるのもあの時のままだが,時代を越えて愛されて然るべき曲,歌唱であると思えてしまった。

とにもかくにも懐かしい。そして多くの人にこの曲を知って頂きたいという思いもあり,甚だ気まぐれでこの記事を書いたが,やっぱりええですわぁ。この曲が使われた「いちご白書」も劇場で再公開されているようだし,DVD化も今のところされていないので,劇場でやっているうちに休みの日にでも見に行くことにしよう。

尚,はなはだ余談であるが,「ヤンリク」のテーマを作曲したのは浪速のモーツァルト,キダタロー大先生,最初は奥村チヨが歌っていたが,私が聞いていた頃は岡本リサ版であった(はずだ)。な~んてことを言っても反応する人がどれぐらいこのブログのビジターの中にいるかなぁ,と思いつつ,人には忘れられないことって必ずあるのだ(だからどうした!?と言われても反応できないが...)。いずれにしても,こうした回顧的な記事を書くこと自体が歳を取った証拠だな(苦笑)。

2012年3月14日 (水)

今日のお題はと思ったが...

今日はiPodでずっと聞いていたBuffy Sainte-Marieのことを書こうと思ったのだが,力尽きた私である。曲は皆さんご存知というか,彼女と言えばあれだよねって感じだが,さてそれは...?(笑)

明日にはちゃんと書きたいと思う。

2012年3月13日 (火)

完全ノーマークだったトルコ(!)のベーシストの作品

40th_day "40th Day" Ozan Musluoglu (Equinox-Music)

ショップをうろついていると,何じゃこりゃというアルバムに出会うことがある。この作品もまさにそんな一枚。リーダーはトルコ出身のベーシストで,レーベルもトルコのようである。こんな作品が輸入されているんだから日本ってのは大したもんだと妙な感心の仕方をしてしまった。それはさておき,トルコ出身のミュージシャンと言えば,私が知っているのはFahir Atakogluぐらいで,そっちもWayne Krantz等の共演者目当てで買ったわけだが,リーダーには申し訳ないが今回も共演者に注目しての購入である。何てったって,Jeremy Pelt,JD Allen,Danny GrissettというPelt Quintetの3人が全面参加なのである。これは気になる。

それでもって,本作に収められているのは全曲がリーダーのオリジナルだが,なかなかの佳曲と言ってよいものが揃っている。それよりも何よりも,やはりゲスト陣の演奏が強力である。ハードなスウィンガーと呼んでよい演奏の中で,さすがの実力を示しているのが素晴らしい。先日取り上げたPeltのリーダー作"Soul"より燃えてしまうではないかと言いたくなるような熱い演奏が展開されているのである。彼らをその気にさせたリーダーは実は大したものではないかと思わせる。また,ベーシストとしての実力もちゃんと感じさせる演奏をしていることも認めなくてはならない。

演奏そのものはPelt Quintetのものと言われても通りそうなぐらいの,現代的なハードバップとして,これは聞いたら結構気に入ってしまうリスナーが多いのではないかと思う。いずれにしてもこの作品はトルコのレーベルからのリリースという性格上,なかなか日本のマーケットには出回らないかもしれないが,その時はCD Babyに発注すればいいだけの話である。いやいや,完全ノーマークではあったし,メンツ買いの一枚ではあったが,これは買って正解と言ってよい佳作である。これでもう少し録音がクリアならねぇって感じなのがちょいと惜しいが十分星★★★★には相当する。Jeremy Pelt Quintetが気になる人は買って損はしない。特にDanny Grissettがいい仕事をしていて感心してしまった。

いずれにしても,ジャズ界ではエキゾチックな国と思われるところにも,ちゃんと実力者はいるということを実感させれられた一枚。と思ったら,Down Beatの1月号にレビューが載っていたことに気がつく私。最近,チェックが甘いねぇ...。

Recorded on February 21, 2009

Personnel: Ozan Musluoglu(b), Jeremy Pelt(tp), JD Allen(ts), Danny Grissett(p), Darrell Green(ds)

2012年3月12日 (月)

これは珍しい:Gary BurtonとPat Methenyの完全デュオ

Gary_burton_pat_metheny1 "Hamburg 1976" Gary Burton & Pat Metheny(FM放送音源)

ネットワーク上を徘徊していると思わぬ音源に出会うこともある。この音源はブートレッグでも出回っているようだが,Gary BurtonとPat Methenyの完全デュオ音源を収録したものである。

BurtonとMethenyと言えば師弟関係のようなものであり,BurtonのグループにMethenyが加入していたのが70年代,その後もGRPやConcordレーベルでの共演を続けており,その付き合いは本当に長い。しかし,完全なデュオ音源となると,正式なリリースはないはずである。もちろん,ライブの場では彼らがデュオで演奏したこともあるだろうが,やはりこういう音源は珍しいってことになる。録音されてから35年以上経っている割には,結構まともな音で聞けるのも嬉しい。

ここで聞けるのは全6曲であるが,そのうち冒頭の2曲はそれぞれがMetheny,Burtonのソロということで,デュオ演奏は4曲だけである。しかし,これがこの二人らしい演奏でなかなかしびれる美しさである。Burtonとギターのデュオと言えば,Ralph Townerとのものをまずは思い出すが,ここでのPat Methenyはエレクトリックを弾いているので,Towner作とはやや趣が違うものの,やはりこの二人ならではの美学がよく出ているって感じである。それにしても世の中にはいろんな音源があるものであるが,こういう演奏を聞いているとこの二人の相性はかなりいいってことは明らかである。

この音源がどこにあるかは調べて頂けばすぐにわかることだが,もしわからなければその時は...(謎)。尚,アップした写真は当然後年のものではあるが,若かりし二人がやっていた時代に思いをはせてということで...。

Recorded Live at Funkhaus in Hamburg on December 1(?), 1976

Personnel: Gary Burton(vib), Pat Metheny(g)

2012年3月11日 (日)

3月11日 14時46分を迎えて思うこと

あれからもう1年も経ってしまったのかと思わざるをえない。だが,本日午後2:46,追悼の黙祷をしていて,私はその瞬間,涙が止まらなくなってしまった。間違いなく,昨年の震災は私の心に何らかのトラウマを残し,その一方で,強烈に死者を悼む心を生まれさせたが,それを改めて刺激されたがゆえの涙だったのだろう。

日本は確かに復興に向けて歩んでいるとは言え,今だ復興途上にある被災地の実情を見て,改めてあの時の衝撃,恐怖を一生忘れてはならないのだと強く心に刻んだ私である。昨年,震災の後には,音楽を聞く気にもなれず,ブログをアップすることもままならなかったことを思えば,自分自身も「喉元過ぎれば熱さ忘れる」になっていないか。今,改めて自分にできることは何かを見つめ直すとともに,お亡くなりになった方を追悼し,鎮魂の祈りを捧げることとしたい。

哀愁という言葉がフィットしそうなUlf Wakeniusの新作+余談

Vagabond "Vagabond" Ulf Wakenius(ACT)

このアルバムについては,買おうか買うまいか実は悩んでいたのだが,ブログのお知り合いであるすずっくさんがご自身のブログに,「閣下の好きな統一感という意味では、少しヤバイ感じもあるんだけど」なんて書かれている。天邪鬼な私はこういうのを見てますます聞く気が出てきてしまい,今回の購入である。

そして,今回,聞いてみて思ったのは,Ulf Wakeniusのプレイぶりには美メロもあれば,テクニックを打ち出したものもあるが,このアルバムには「哀愁に満ちたメロディ」という要素によって,むしろ一貫性が保たれているように思えたのである。編成も非常に小さいものである中,ギタリストのはしくれでもある私にとって,ここで繰り出される様々なWakeniusのプレイぶりは非常に楽しめるものだったのである。

"Vagabond"というタイトルが物語るように,ミュージシャンは旅人であるというコンセプトのもとに,様々な音楽の要素が現れるが,それでも思わず聞き入ってしまうようなメロディ・ラインに参ってしまった。ここで「哀愁度」を増す上で,非常に効果を発揮しているのはアコーディオンの響きだと思うが,アコーディオンが入っていない曲においても,しみじみと聞いてしまうような曲ばかりなのである。

もちろん,気に入らない部分はある。終盤の"Witchi-Tai-To"において,せっかくアメリカン・フォーク的なギターのアルペジオを聞かせてこりゃええわと思っているところに入ってくる謎のヴォイス。ありゃ一体何なのだと言いたくもなって,思わずがっくり来てしまうが,こういうことをやらなければ,もっと褒めたものをというところで,これは何とも惜しい。その一方で一曲だけ登場するヴォーカルのYoun Sun Nahの声がなかなか魅力的で,歌うのが「孤独のメッセージ」ってのも琴線をくすぐってくれるのである。まぁ,そこに登場するもう一人のゲストであるNguyen Leは誰が聞いても彼だなと思わせるフレーズ及びサウンドで笑わせてくれるが...。

そうは言ってもトータルな出来としては,十分佳作と呼べるし,私は決して嫌いではない。最後に収められたKeith Jarrettの"Encore"も余韻を残すには丁度よかった。いずれにしても,動機はさておき,このアルバムを聞く気にさせて頂いたすずっくさんに感謝である。星★★★★。

Photo ちなみに,全くの余談ではあるが,冒頭に出てきた「閣下」とは,すずっくさんが私を呼ぶ時のあだ名であるが,それは私の声がデーモン小暮閣下に似ているからだろうと思っている。そんな私が,先日ネット上に出回った彼の素顔の画像(これは画像処理によって加工された最近の顔の「推定画像」らしい)を見て,実は私は衝撃を受けてしまった。骨格が似ると,声が似るとは言われているが,私のアバターと何だか相通じるものがあるなぁなんて思ったのは私だけか。それでも私が全国のカラオケ・バーで「お前も蝋人形にしてやろうか」なんてがなっていることを考えると,なんだかやっぱり似ている。私の素性を知る人の意見を求めてみたいところである。だが,この画像にメガネを掛けさせて,ひげを付加すれば,やはり私のアバターみたいではないか(爆)。自分で言うのも何だが,どう見ても似ているように思えるなぁ...。

Recorded on August 9-11, 2011

Personnel: Ulf Wakenius(g, oud, chant), Vincent Peirani(accordion, accordina, voice), Lars Danielsson(b, cello), Eric Wakenius(g), Michael Dahlvid(darbuka, cajon), Youn Sun Nah(vo), Nguyen Le(g)

2012年3月10日 (土)

こいつは凄いぞ,Robert Glasperの新作!

Robert_glasper "Black Radio" Robert Glasper Experiment(Blue Note)

ここのところ,飲み会続きで記事を書く余裕がなかったのだが,通勤途上ではこのアルバムばかり聞いていたような気がする。それぐらい気に入ってしまったし,これは素晴らしい作品である。

Robert Glasperが"In My Element"でデビューした当時からジャズとヒップホップの融合のように言われていたが,演奏としては別にヒップホップ色が強いわけではなく,純粋なジャズ・ピアノ・トリオのアルバムのように感じていた私である。Glasperその人はいろいろなジャンルのアルバムに顔を出しているし,越境型のミュージシャンであることは間違いないが,彼のアルバムではそこまでの融合度を感じなかったというのが正直なところである。しかし,Gretchen Parlatoのアルバムをプロデュースしたり,本当にいろいろなところに顔を出す人だと感じていたのであった。

この作品はそんなGlasperが黒人音楽の様々な要素を融合させた作品だと言ってよいと思うが,その融合度合いがまさしく半端ではない。現代のソウル,ヒップホップ,ジャズの要素を全て取り込んで,そして素晴らしい作品に仕上げたところが凄いのである。Glasperのピアノ自体は一貫したトーンとタッチを持っていて,強面な見た目とは違ってかなり繊細である。だが,そのピアノが乗るのがまさに強烈なソウル/ヒップホップのフレイバーでありながら,全く違和感をもたらさないのである。だが,単にビートを強調するものではなく,どちらかと言えば,落ち着きさえ感じさせるものだからこそ,50歳を過ぎた私にも心地よささえ感じさせる音楽となっている。これがビートばかりが目立つものだったらおそらくは辟易としてしまったはずだが,そうはならない。昨日の記事にも書いた通り,いい意味で「ゆるいグルーブ」なのでだ。

アルバム全体を通して,そうしたトーンの一貫性は維持されていて,曲ごとにゲストが変わっても,全く悪影響を及ぼしていないのである。これはGlasper自身のプロデュースの勝利と言ってもよいが,それにしてもこれは凄い。曲よし,演奏よし,歌よしの三拍子揃ったアルバムとして強く推薦できる。もちろん,純粋ジャズではないから,ジャズ原理主義者には受け入れがたいものだろうが,この音楽のよさは誰にでも理解できるものであるはずである。Glasperのオリジナル(共作)に加えて,David BowieやNirbanaの曲が入っていても全然違和感なしである。最後のNirbanaの"Smells Like Teen Spirit"なんて思わず「おぉっ!」と唸ってしまった私である。

これは間違いなく,私にとってはちょっと気が早いが,本年最高作の候補と言ってもよい優れた作品である。Robert Glasperは黒人音楽の全てを取り込み,全てを越境したと言い切ってしまおう。星★★★★★。まじで最高である。久々にぶっ飛んだ私だった。

Personnel: Robert Glasper(p, el-p, synth), Casey Benjamin(vocoder, fl, sax, synth), Derrick Hodge(b), Chris Dave(ds, perc), Jahi Sundance(turntable), Shafiq Husayn(vo), Erykah Badu(vo), Lalah Hathaaway(vo), Lupe Fresco(vo), Bilai(vo), Ledisi(vo), Amber Stroher(vo), Anita Bias(vo), Paris Stroher(key), Musiq Soulchild(vo, snapping), Chrisette Michele(vo), MeShell Ndegeocello(vo), Stokley(vo, perc), yaslin bey(vo)

2012年3月 9日 (金)

またしても...

今日も飲み過ぎた私である。よって記事は書けないが,これだけは声を大にして言っておきたい。Robert Glasper Experimentの"Black Radio"は傑作である。これだけのいい意味での「ゆるい」グルーブを全編で実現したことは素晴らしい。これは間違いなく評価しなければならない作品である。続きは明日か,明後日か...(爆)。でもまじで最高なのだ。レビューについては乞うご期待。

2012年3月 8日 (木)

疲れてるんだったら…

さっさと寝ればいいだろうというのが当たり前の意見だ。それはわかってはいても、飲まずにいられない時もある!と開き直る私である。

明日には、最高にかっこいいRobert Glasperの新譜について書きたいが、明日も飲み会の私である(爆)。明日が駄目でも明後日があるってことで。

2012年3月 7日 (水)

中年音楽狂 in ソウル(その3)

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無事帰国した。とにかく韓国は飲み方がきついため、昼間はどよ〜んとしてしまうことが多いが、そんな疲れた身体には薬膳が一番ということで、お昼に参鶏湯をいただいた。訪れたのは大変な人気店(土俗村という凄い名前だった)らしく、長蛇の列が出来上がっていたが、食して納得。これは身体にいいし、人気にもうなずけるわ。

ということで、食後は身体が熱くなっていた私である。こんなものを食べている韓国の人が元気なのは当たり前って気がする。

流石に日本食も食べたくなるが、それでも韓国の食文化は素晴らしいと痛感した二泊三日であった。

2012年3月 6日 (火)

中年音楽狂 in ソウル(その2)

韓国式の激しい飲み会のため、近年稀に見る頭痛を抱えての朝を迎えてしまった。爆弾酒はまじでやばい。ウイスキーの飲み方もやばい。ということで、お疲れモードの中年音楽狂である。今夜にはもう帰国。韓国はよいところだが、身体は絶対痛むよな〜。

2012年3月 5日 (月)

中年音楽狂 in ソウル

久々の韓国への出張である。一体どれぐらいぶりなのかとパスポートでチェックしたら、何と前回来たのは2009年の2月である。よって、3年ぶりということになるが、今回滞在のホテルもすっかりリノベーションされてしまって、戸惑ってしまった。それぐらい時間が経ってしまったということである。

以前、韓国の案件に対応している頃は、3ヶ月で10回もソウルを訪れるようなペースで出張していたのも今は昔って感じである。街の中が大きく変わったというような気はしないが、まだ着いたばかりなので、何とも言えない。しかし、時間の経過は何らかの変化をソウルの街にももたらしているのだろうと思う。こういうときに限って咳が止まらないという問題を抱えてしまっている私(多分風邪だろう)だが、まぁニンニクとカプサイシンのパワーで乗り切ることとしたい。

2012年3月 4日 (日)

Michael Landauのオール・インストの新作

Michael_landau "Organic Instrumentals" The Michael Landau Group (Tone Center)

新譜について書くのはGary Husband以来であるから2週間以上あいている。それだけここのところ私はCDを買っていないってことになるが,久々に届いたのが私が贔屓にするMichael Landauの新譜,それもオール・インスト作であるから期待が高まることは言うまでもない。その一方で,Michael Landauってのは人のバックでこそ光るような気もするわけで,期待と不安が入り混じった感覚と言えばお分かり頂けるだろうか。

本作での注目がMichael Landauのプレイに集まるのは当然ではあるが,共演者としてはLarry Goldingsが珍しく思える。ここでのGoldingsはオルガンに絞っての演奏であるが,ブルージーな感覚を生みだすのをサポートしているというところであろう。では一番注目すべきLandauはどうなのか?

ギターのプレイぶりはフレージングもなかなかよく,相応の期待に応えていると言ってもよいのだが,私はLandauにはもう少しハード・ドライヴィングな演奏をして欲しかったというところである。これは本作に収められた曲のテンポがミディアムのものが多いからだと考えてもいいのだが,それだけではなく,私がLandauに求めるのが,以前記事にしたKarizmaのライブ盤のような演奏(記事はこちら)であるがゆえなのである。ここでの演奏が悪いわけではないのだが,Landauにしてはちょっと枯れた感じがしてしまうのだ。彼はまだ53歳なのだから,枯れるにはまだ早いはずである。もちろん,随所にLandauの実力は感じることはできる。だが,彼にはストラト・タイプのギターを使って,ありとあらゆる技巧を繰り出す,よりロック・フレイヴァーの強い演奏を期待してしまう私が贅沢なのだろうか?

結局のところ,私はLandauがロックを感じさせてくれる演奏をすれば,相当気に入ってしまうのはKarizmaのアルバムでも,Robben Fordとやった"Renegade Creation"でも明らか(記事はこちら)なので,このアルバムは若干地味だったかなぁっていう感覚が強い。星★★★。やはり私はMichael Landauのリーダー作とは相性があまりよくないのかもしれないなぁ。

Personnel: Michael Landau(g), Larry Goldings(org), Jimmy Haslip(b), Teddy Landau(b), Andy Hess(b), Chris Chaney(b), Charley Drayton(ds), Vinnie Colaiuta(ds), Gary Novak(ds), Walt Fowler(fl-h)

2012年3月 3日 (土)

またも出張につき…

記事を書く余裕がない私。明日からは久々の韓国なので,更に厳しい。まぁ,何とか珍道中(+現地食材?)日記はアップしたいものである。

2012年3月 2日 (金)

これまた懐かしのJourneyの"Frontiers"

Frontiers2 "Frontiers" Journey (Columbia)

最近,新譜も買っていない(発注したものがまだリリースされていない、あるいは届かない)し,音楽をちゃんと聞く余裕もないっていうのが正直なところだが,そうは言いながら移動時間中には音楽を聞いていて,ついつい懐メロをiPodで選んでしまうことが多い。今日のお題はこのJourneyの1983年作である。

私は本作に収められた"Separate Ways"について以前記事にしたことがあるのだが(記事はこちら),その時はこの曲がWBC中継のテーマ曲に選ばれていたからである。その時も懐かしさ一杯だったが,実は本作は私が唯一購入した彼らのLPなのである。振り返れば私が大学生の頃である。その頃から結構ハードでカッコいいなぁなんて思っていたが,そうした思いは発売からほぼ30年以上経ってもあまり変わらない。

正直なところ,私はSteve Perryのヴォーカル(というか声)にあまり魅力を感じなかったので,彼らの追っかけになることはなかったが,そのバックの演奏のハードな感覚は実は好きだったのではないかと思っている。また,それだけではなく,ハード・ドライヴィングな曲とバラッドをうまく組み合わせたアルバムの構成も今にして思えばよくできていたと思うのだ。だからこそ,カラオケに行くと,ついつい"Faithfully"とか,本作収録ではないが"Open Arms"とかを私が歌うという珍事も起こってしまうのである(爆)。似合わねぇ~という声が聞こえてきそうである。

産業ロックだと揶揄されることの多いJourneyではあるが,こうして聞き直してみると,絶対に悪くない。むしろ好きだと思ってしまうのが同時代人たる私ゆえというところもあるかもしれないが,今でもNeil Schonのギター・ソロのフレーズを歌えてしまうところに,結構私がこのアルバムを聞いていたことが表れているのである。こうしたことは,昔,苦労しながらLPを買っていたことの裏返しであり,一枚一枚をしっかり聞いていた頃が本当に懐かしく感じられてしまう。こうしたことは以前にも書いたかもしれないが,私は今一度こうした姿勢を取り戻したいと思っており,そういうことを考えさせるには適切なアルバムなのかもしれない。

まぁ,このジャケはなんとかならんものかという気がしないでもないが,いずれにしても佳曲揃いの好アルバムである。やはりこの時代の音楽っていいよねぇ。星★★★★。しかし,こんなバンドで叩いていたSteve SmithがVital Informationでの演奏のようなジャズに走ったのは本当に意外だったなぁ。挙句はSteps Aheadだったし,やりたいことをやれるってのはいいことだ。

Personnel: Steve Perry(vo), Neil Schon(g, vo), Jonathan Cain(key, g, vo), Ross Valory(b, vo), Steve Smith(ds, perc)

2012年3月 1日 (木)

中年音楽狂、またも出張中。

先週は厳しい出張日程が続き、週末には体調を崩した私であったが、今週も本日より出張が続く。

現在は福岡に滞在中であるが、やはりここの食は最高である。何を食してもうまいのだ。素材がいいのはもちろんだが、素材を活かす料理方法を知っているって感じだろう。やっぱりいいねぇ。今日は写真がないのが残念だが、一口あわびの刺身は凄かった。あわびとしては本当にこぶりなのだが、カボスをかけるとうねうね動く新鮮なものだったのである。韓国のタコのように口の中で吸いつく感覚はなかったが、これは本当に珍しいと思った私である。いずれにしても、新鮮なので臭みはゼロ。はらわたのそこはかとない磯の香りは、小ぶりでもちゃんと感じられたし、うまかったなぁ。

そんな私が移動の道すがら聞いていた音楽は、Pink Floydの"Wish You Were Here"であった。この音楽はロックとしてのスリルや高揚感をおぼえさせるものではないのだが、落ち着いた中に高い音楽性を感じさせる大人の音楽だよなぁと改めて思ってしまった私である。やはりPink FloydはAORなのだと改めて感じてしまった。

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