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2012年3月17日 (土)

期待通りのEnrico Pieranunziの新譜

Permutation "Permutation" Enrico Pieranunzi(CAM Jazz)

ショップにはとっくに入ってきていたのに,なかなかデリバリーされずにいらいらさせられたEnrico Pieranunziの新譜がようやく到着である。今回はタイトルが示す通り,「置換された」新しいリズム隊との共演ぶりに注目が集まるのは当然である。しかし,これは私の期待に応えたと言えるものであった。

Antonio Sanchezに関しては既に"Latin Quintet"で共演済みであるから,だいたい想像はついていたし,今回のベースはScott Colleyであるから悪くなるわけはないのだが,冒頭から非常にハイブラウな演奏が展開されていて嬉しくなる。Pieranunziその人はさまざまなスタイルを消化した人であるから,この展開はある意味想定通りという気がしないわけではないが,これは相当にスリリングな展開である。この調子でずっと行くのかと思いきや,中盤からはいかにもPieranunziらしいリリカルなスタイルも顔を出し,言ってみれば,剛と柔をバランスさせて,Pieranunziらしい個性を発露させたもののように聞こえる。このトリオとしては最初の作品であるから,「どっちもいけまっせ」というところを実証することも必要だったということであろう。

それにしてもAntonio Sanchezである。この人の対応能力には驚かされるというか,見事な助演ぶりに嬉しくならないリスナーはいるまい。この人が参加していれば,まずはずれはないと思っていてよい。Pat Metheny Groupでの演奏にもびっくりしたが,現在を代表するドラマーの一人であることに異論はないだろう。煽りがうまいよなぁ。Scott Colleyも同様である。ここで聞かれるベースのサウンドは非常に魅力的。ベースとしての音がいいのだ。

ただ,トリオとして作品として前作となる"Dream Dance"を上回っているかというと,よくて同等という評価はできても,それを凌駕するとはまだ言えないように思う。Pieranunziとしてはこのトリオでいくのか,Johnson~Baronとのトリオを復活させる気があるのかはまだわからないが,この新トリオの本質的な評価は次作を待つ必要があるように思える。しかし,この作品は作品として十分に高いレベルを示したものであり,多くの方々に推奨できる作品であることには間違いはない。星★★★★☆。しかし,録音からリリースまで2年以上経過しているというのはどうも解せないが...。最近,こういうパターンがPieranunziには多いなぁ...。

尚,余談であるが,ようやくCAMがスーパー・ジュエル・ケースをやめたのは喜ばしい。あの取り扱いづらい無意味なパッケージよりは普通のケースの方がずっとええわ。

Recorded on November 17-20, 2009

Personnel: Enrico Pieranunzi(p), Scott Colley(b), Antonio Sanchez(ds)

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コメント

中年音楽狂さん、ピエラヌンツィはやはり巨匠です。
弟子のCLAUDIO FILIPPINI TRIO を割と最近、レビューしましたが軽く吹っ飛んでしまった、そんな感じです。
「どっちもいけまっせ」はおっしゃるとおりですが、もう少し上品かと。。(爆)
アントニオ・ファラオに続いてイタリアのピアノの層の厚さは素晴らしいですね。TBします。

音楽狂さん、こんにちは。
この域になるとリスナーの期待って大きくて、「期待通り」ってのも全く持って大したレベルなのですが、その上を求めてしまうのも人情ってもので。この3人ならもっと上があるはずって思ってしまいますね。威圧感の差ではDream Danceの域には達していない辺りが伸びしろってことでしょうか。

TBありがとうございました。こちらからもTB致しました。

madameさん,おはようございます。TBありがとうございます。

Claudio Filippiniとはまだまだ比較にはならないと思いますが,Pieranunziが巨匠の風格を漂わせているのは事実ですね。ただ,ちょっと多作なのは気になりますし,リリースも最近出し惜しみ感があるのが?ではありますね。

記事にも書きましたが,このトリオを評価するには次の作品を聞く必要があると思います。それでも期待を持たせてくれる人たちであることは間違いないですね。

とっつぁんさん,おはようございます。TBありがとうございます。

「伸びしろ」っていうのがまさに適切ですね。私はこのトリオならまだいけると思いますし,逆に進化を遂げた時の演奏ぶりを想像すると怖いような気もします。それでもそれだけ期待をさせてくれるというところがPieranunziのポジションなんでしょうね。

EVAです、おはようございます。
昨夜↑のアルバムとTHE WELLを続けて聴きました。
どちらも良いですが私の好みはPieranunziに軍配を上げたいと思います。
何れにしても心に沁み入るアルバムでお気に入りです。
暫く聴いてからアップする予定です。
紹介有難うございました。

閣下、、
ご機嫌いかがですか?
わたしはかなりいいです。(笑)

ピアノトリオってメンバーも大事ですが、相性、お互いの音楽に対するモチベーションみたいなのは重要ですよね。
リーダーの強い意思が、ビシバシと感じ、それをよりたかめようとするコリーとサンチェスも凄いですわ。
緩急あって、結構、ききやすいですが、安易ってことではなくすばらしい。

トラバ、いつも、すみません。
って、ピアノトリオがわたしも続きそな予感です。
"Ode" Brad Mehldau Trioはまだ来ないのですが、こういうピアノトリオなら続いてもいいな。

EVAさん,こんにちは。

Tord GustavsenはECMファンにはたまらないものとしても,一般的な感覚で言うと好みが分かれる可能性があるのに対し,Pieranunzi盤は幅広くアピールすることは間違いないと思います。やはり私の取り上げるアルバムって一貫性がないですよねぇ,というより無茶苦茶ですね(笑)。

Suzuckさん,こんにちは。ご機嫌麗しきことなによりです。それに比べて私は...って感じですが(苦笑)。

このアルバムは期待通りのものではありますが,これだけでは評価できないというところもあり,私はやはり次作を待ちたいです。もちろん,このメンツですから,悪くなるわけはないのですが,楽しみに待ちましょう。

Brad Mehldauはすぐにお手許に届くとは思いますが,期待しても裏切られませんよ。大した人たちです。

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
このリズム隊のすごさを実感しました。TBさせていただきます。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

そうですねぇ。よくよく考えなくてもいいメンツですし,ある程度のレベルは約束されたようなものですね。おそらく,彼らはまだまだ進化するという前提で見守っていきたいと思います。

あまりエンリコ・ピエラヌンツィは追いかけてなかったですが、今回スコット・コリーとアントニオ・サンチェスに交代したということで、聴いてみました。いやいやスゴかったです。サンチェスの手数の多さと、自然に盛り上がりに持っていってしまう技は大したものですね。ピアノも含めて、皆さんおっしゃる通り、静と動をこれでもか、という感じで聴くことができました。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

このメンツですから,相当注目度が高いのは当然ですが,こちらの期待値は軽々とクリアしていましたねぇ。私はもう少し硬派の演奏を多くしてもいいように感じていますが,これがPieranunziの個性と言ってしまえばそうだとも言えますね。

是非,このアルバムだけでなく,このメンツで活動を続けてもらいたいと思っています。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

>それにしてもAntonio Sanchezである。
ですねぇ。存在感あります。凄いです。

"Dream Dance"は、自分もぶっとんだクチでしたが、この盤との比較は全然してないですねぇ。文章書いているときに、そういう発想になりませんでした。(なんでだろ)

>このトリオを評価するには次の作品を聞く必要があると思います。
評価を見定めるためじゃなくても、まだまだ彼らの演奏をきいてみたいところです (^^;;

TBありがとうございます、逆TBさせていただきます。

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

私としても,彼らの演奏はもっと聞きたいというのが本音です。まだまだ進化の余地があるメンバーですから...。楽しみに待ちましょう。

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