2018年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

2016年おすすめ作

無料ブログはココログ

« 期待通りのEnrico Pieranunziの新譜 | トップページ | Corea & Burton:デュオ活動40年目(!)の記録 »

2012年3月18日 (日)

Brad Mehldau Trio待望の新譜

Ode "Ode" Brad Mehldau Trio(Nonesuch)

Brad Mehldauがトリオとしてのアルバムを最後にリリースしたのは2008年のVanguardでのライブのことである。スタジオ盤ということになれば,2006年リリースの"House on Hill"まで遡るし,それはJorge Rossy在団中の残りテイクであった。Jeff Ballardがドラマーになってからということであれば,更に彼らの初作である2005年リリースの"Day Is Done"まで遡らなくてはならない。そのアルバムについては,私はAmazonのユーザ・レビューに次のように書いている(ブログを始める前のことだ)。

「冒頭のRadioheadの"Knives Out"から素晴らしい出来を予感させる新Mehldauトリオの快作である。まずは新加入のドラマー,Jeff Ballardとの相性が気になるところであるが,その"Knives Out"からして痺れるような快演であり,このメンバー・チェンジがこのトリオにとって少なくともネガティブな要因となってはいないことを証明している。その後も自作やChris Cheek作の曲に加えて,Burt Bacharach,Nick Drake,Beatles,Paul Simon等,ポップ畑の名曲を自在に料理した本盤はこのトリオの新しい可能性を示したものであろう。(以下略)」

その後,彼らはMetheny/Mehldauや,トリオとしての活動を通じて,その音楽を深化させたことはライブ盤(あるいはブート音源)を聞いても想像に難くないが,ここのところ,Mehldauが個人の活動に力を入れていたこともあり,トリオとしての活動も抑制され,かつアルバムが発売されなかったため,多くのリスナーの渇望感を煽っていたことは間違いない事実である。だからこそ,本作のリリースがアナウンスされた時には,私は逸早く反応したし(記事はこちら),大きな期待を寄せてきた。発売日が3/13から3/20に一週間延びただけで残念に思ってしまうところに私の気持ちが表れているが,買い物ついでにショップをのぞいたら入荷していたので,ネットでの注文をキャンセルして,すかさずゲットした私である。

冒頭のMichael Breckerに捧げた"M.B."からしてぞくぞくするような出来である。全編を通じて,トリオの緊密な演奏が展開されており,レギュラーとしての非常に高いレベルでの「濃度」が感じられることは誠に喜ばしい限りである。時にハード・ドライビングに,時にエレジー的にと曲調の違いはあれども,全編を通じて非常にテンションの高い演奏集だと言ってよい。さすがである。もちろん,これだけのテンションの高さであるから,ジャズの一つの側面であるリラクゼーションをもたらすような音楽とは言えない。はっきり言って締め上げられる感覚すら覚える瞬間があるのも事実である。しかし,これはピアノ・トリオというフォーマットを使っての表現を追求した結果としての音楽だと思えば納得できるものだろう。

以前,Brad Mehldauのアルバムは"Art of the Trio"というシリーズでリリースされていたが,ここに至って,彼らの演奏の芸術的なレベルは更に上がったと言えるように思える。今回はMehldauのオリジナルで固めているが,改めてスタンダードに取り組んだら一体どういうことになってしまうのか。7月の来日公演が本当に楽しみになってきた私である。私がMehldauの追っかけだという贔屓目もあるかもしれないが,これは誰が聞いてもレベルの高い作品であることは間違いない。ジャズ・ファン必聴の好アルバムである。星★★★★★。

Recorded on November 17, 2008 & April 19, 2011

Personnel: Brad Mehldau(p), Larry Grenadier(b), Jeff Ballard(ds)

« 期待通りのEnrico Pieranunziの新譜 | トップページ | Corea & Burton:デュオ活動40年目(!)の記録 »

Brad Mehldau」カテゴリの記事

ジャズ(2012年の記事)」カテゴリの記事

新譜」カテゴリの記事

コメント

又ゝおはようございます。
このアルバムも予約してあります。
多分中年音楽狂さんはそうしているだろうと思っていましたから...。(爆)
と思いきや店頭での入手ですか。この辺はやはり東京と地方ではどうしようもない差ですが私は全然気にしていません。
さて、これも予想通りの評価で到着が待たれます。
今回は結局6枚全て中年音楽狂さんの紹介分となりました。
引き続き宜しくお願いします。

EVAさん,続けてこんにちは。

私の紹介するアルバムをお買い上げ頂くことは誠に嬉しい限りですが,このアルバムに関してはリリースを誰しもが待っていたという感じではないかと思っています。これを聞いて「頭でっかち」とか思っていしまう人もいるかもしれないですが,私にとっては全く問題なしです。是非デリバリーされたらお楽しみ下さい。

音楽狂さん、こんにちは、monakaです。
あまり新譜情報を探す力がないので、スズックさんのところで、新しいアルバムが届くとしってびっくり。そのあとこちらにきたら記事になっているのですから、驚きを通り越しました。
とはいってもすぐに手にはいったので、そしてはっきりアルバムの意味をかんじましたので、記事にしました。TBさせていただきます。
記事ではかきませんが、私のメルドーのアルバム数はこれで10枚になりました。とても一般的なJAZZファンでしょうか。
オタクになると何枚になるの。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

一日千秋の思いでこのアルバムのデリバリーを待っておりましたが,待った甲斐もある作品だったと思います。

私はMehldauの追っかけですので,何枚保有しているか数えてみました。彼の参加作を含めると100枚を越えていました。ひえ~って感じですね。我ながらマニアックです。

ということで,追ってこちらからもTBさせて頂きます。

音楽狂様
こんばんは。今回私はドストライクです。スタンダードより好みですし。このほんのりダークネスな世界は何とも言い難いです。音質がイマイチですが、かえって演奏ばっかりに耳がいって、まぁいっかという感じです。仰る通りレベルというものが上がっているというのも感じるところです。トラバさせて頂きます。

ki-maさん,こんにちは。TBありがとうございます。

私にとっても久々のトリオ盤ということで,本当に期待して待ち,そして期待に応えてもらったと思います。これで本当に7月の公演が楽しみになりました。サントリー・ホールってのは...ですが,たっぷりやってもらいましょう(笑)。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

当に待望の新作で、期待しすぎて裏切られるのが怖い位だったのですが、その期待に直球で応えてくれた感じですね。待った甲斐があるというものです。こちらからもTBさせて下さい。

1irvingplaceさん,おはようございます。TBありがとうございます。

私も裏切りに対しての懸念がなかったわけではありませんでした。それぐらい期待してしまっていましたから。しかし,まさに「杞憂」とはこのこと。軽々とクリアしてくれましたね。例えは変ですが,出るたびに記録を塗り替えていた頃のイシンバエワみたいなもんですね。

こんにちは。
お忙しいようで…
3,4月は そうですよね。

ところで わたしも ショップで このアルバムを見つけて 試聴したら良かったので購入しました。

トリオによるアルバムは7年ぶりになるんですね。

みなさんが 感想を述べているように とてもいいアルバムでした。 いつも 聴いているピアノ・トリオと違う メルド-ワ-ルドが素敵でした。
いろんなメルド-の周りの人物をテ-マに ドラマチックな仕上がりになっていて(と 思いました)楽しめました。
夏に来日なんですね。

マーリンさん,こんにちは。返事が遅くなり申し訳ありません。まじで死んでました。

この作品は評価する人と,そうでもない人がわかれているようですが,後者の方は期待が高いゆえだと思うんですよね。私は期待通りだと思っているので,評価していますが。

サントリー・ホールのチケットは入手済みです。楽しみなんですよねぇ。

音楽狂さん、こんにちは。
TBありがとうございました。
Jeff Ballardがはいって最初のトリオ作品「Day is Done」が素晴らしかったので、やっぱりこれを超えたものを期待してました。比べる必要はないんですが、、。
でも楽しませてくれる作品かどうか?という点では軽くクリアしていることには間違いないので、やっぱりMehldauには皆さん、高いハードルを設けているんでしょうか。Mehldauって大変・・。
というわけで、こちらからもTBさせていただきます。

とっつぁんさん,こんにちは。TBありがとうございます。

Mehldau本人への期待レベルの高さがあるのは当然だと思うんですが,ではほかの新譜との相対的に見ればどうなんだろうか...なんて感じているのも事実です。おっしゃる通り,「Mehldauって大変・・」ですよねぇ。

いずれにしても,追っ掛けいをやめるつもりは全くない私です。次は何で来るのかってのは気になりますね。

個人的には星4つ以上行っているんですけど、オリジナルだけの勝負はけっこう冒険しているなあ、と思います。

今までトリオだとだいたいスタンダードかロック/ポップスが入っていたので。つまるところファンとしての欲求水準が高いところなのだな、というところで納得してます。

TBさせていただきます。

910さん,こんばんは。TBありがとうございます。

私はオリジナルに対する思い入れはないのですが,こういう演奏を聴いていると,このトリオが今一度スタンダードやロック・チューンに取り組んだ時のことを想像するとワクワクしちゃうんですよねぇ。

皆さんの評価は結構分かれているように思いますが,Mehldauの作品にはもっとダメなものもありますけど...って考えてしまいます。まぁ,間違いなく皆さんの期待の裏返しだろうってことにしておきましょう。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

書かれている「待望の1枚」というのは、私も一緒です。
この3人のアルバムってのは、出れば出ただけ買い込んでやるという意気込みを持つくらいに期待感の高いピアノトリオだと思っています。
それが、4年ぶり(スタジオ作では6年ぶり)だというのは。。。(唖然)。
それでも、期待に違わぬ作品がリリースされた(と私も思っています。)ので、うはうはで聴いておりますです。

TBありがとうございます、逆TBさせていただきます

oza。さん,こんばんは。TBありがとうございます。

この人たちはライブ活動は結構しているのに,どうしてレコーディングに取り組まないのか不思議な気もします。ただ,渇望感が高まっていた中のリリースでしたので,私にとっては極めて嬉しいアルバムでした。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/198475/54242695

この記事へのトラックバック一覧です: Brad Mehldau Trio待望の新譜:

» 絶対インプロヴィゼーション主義   ODE / BRAD MEHLDAU [JAZZ最中]
ちょっとハードな仕事をして帰ってきてblogをみたら、ブラッド・メルドーの新しいアルバムが届くと喜んでいる人がいる。そんなことは知らなかったので、アンりゃと思っていたら、翌日の昼休み近場のショップで1,480円でならんでいたのは、疲れた心身へのご褒美になりま...... [続きを読む]

» Brad Mehldau Trio / Ode [音楽という食物]
Mehldauのスタジオ盤が好きです。 そしてオリジナルもまた大好きです。 更に当然トリオとなれば最高です。 それを踏まえた上で「M.B.」とやらからスタートです。 どうなんでしょう、この異常なまでのかっこ良さは。 アウトですよ、これは(←意味不明)。 視界180...... [続きを読む]

» Ode / Brad Mehldau Trio [My Secret Room]
春というのに、いつまでも寒い。。 春が来ないことはないのだけど、、ちょっと、気持 [続きを読む]

» Ode / Brad Mehldau Trio [あ/た/ま]
Odeクリエーター情報なしNonesuch  Brad Mehldau Trio 待望の新作。ここ最近はMehldau のソロあるいはトリオ外のセッションが続いていて、いずれも素晴らしい出来ではあったものの、その度にMehldau本人がここまで充実した状態でトリオを演ったらどうなるのかなぁ、とい...... [続きを読む]

» Brad Mehldau Trio : Ode [とっつぁんの日記帳]
Brad Mehldau (p) Larry Grenadier(b) Jeff Ballard (ds) Rel:2012 Nonesuch 529689-2 All tracks except 3,8 & 10 recorded November 17,2008 Tracks 3,8 & 10 recorded April 19,2011 だいぶ間があいてしまいました。今日で3月も終わり、外はかなり強風で春一番になるのかも。 さて、待望のBrad MehldauのT..... [続きを読む]

» Ode/Brad Mehldau Trio [ジャズCDの個人ページBlog]
今手持ちにあるアルバムで真っ先に聴いてみたいのはこれでした。でも、聴きながら急ぎ [続きを読む]

» Brad Mehldau Ode [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
Brad Mehldauのトリオの新作です。 The Art of Trio のメンツからdrummerがJeff Ballardに変わってから3作目のアルバムとなります。 初作が2005年の   day is done (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/12660457.html) 次が   Live (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/52936081.html) となり、それから4年ぶりの新譜となります。 ..... [続きを読む]

« 期待通りのEnrico Pieranunziの新譜 | トップページ | Corea & Burton:デュオ活動40年目(!)の記録 »

Amazon検索

2017年おすすめ作