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2015年おすすめ作

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2012年2月29日 (水)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第15回):Oliver Nelsonが実証したブルーズの普遍性

The_blues_the_abstract_truth "The Blues and the Abstract Truth" Oliver Nelson(Impulse)

「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするという趣旨のこのシリーズであるが,今回はOliver Nelsonと言えばこれって作品にしてみよう。

そもそも「Oliver Nelsonのファンです~」って人がどれぐらいいるのかはわからんが,彼のファンであろうがなかろうが,このアルバムはやはり傑作の名に相応しいと思う。もちろん,参加しているミュージシャンが一流なので,出来の悪いアルバムになることは考えにくいが,それだけではない。本作の邦題は「ブルースの真実」だが,まさにタイトル通りと言ってよいブルーズの本質を突いた作品なのである。

なぜか。普通の感覚で言えば,Eric DolphyとBill Evansが共演するなんていうことは考えられないはずである。だが,この全く個性を異にする二人が,同じアルバムの中で,ブルーズという共通言語で見事な協調を示しているのが見事ではないか。つまり,ブルーズというのは全く違うタイプのミュージシャンであっても受け入れてしまうという普遍性,あるいは包容力のある音楽だということを完璧に実証しているのである。これが本当に素晴らしいと思えるわけだ。であるから,ここでの演奏はジャズとしてレベルが高いのはもちろんだが,ブルーズというアメリカ音楽の中の確固たる分野の音楽の持つ普遍性,柔軟性を理解するのにも役に立つということで,これからこうした音楽に親しもうという人にはお薦めできるのである。

全てがNelsonのオリジナルで占められたこのアルバムの中では,私は冒頭を飾る"Stolen Moments"(Dolphyのフルートがまたいいのだ)が一番好きだが,その他の曲も「ブルーズの真実」を感じさせる名品揃いだと言えよう。作編曲家としてのNelsonの作品として聞いても,聞きどころ満載の傑作。バリトンのGeroge Barrowはソロは吹いていないが,このアンサンブルに欠かせないことは聞けばわかってもらえるはずだ。ということでやはり星★★★★★しかないだろう。それにしても,ブルーズは奥が深いねぇ。

Recorded on February 23, 1961

Personnel: Oliver Nelson(ts), Eric Dolphy(as, fl), George Barrow(bs), Freddie Hubbard(tp), Bill Evans(p), Paul Chambers(b), Roy Haynes(ds)

2012年2月28日 (火)

またも懐メロ:"Deodato 2"

Deodato_2 "Deodato 2" Deodato (CTI)

音楽的に冬枯れのようになっている。仕事が忙しくて,ショップに行く暇もないということもあるが,今は注文してある新譜が届くのをじっと待っているような状態なので,昨今は手持ちの音源ばかりを聞く毎日である。まぁ,新しいものばかりではなく,たまには古い音源を聞くことも新しい発見を与えてくれるから,それは決して悪いことだとは思わない。

だからと言って,なんでこのアルバムなんだということになるが,たまたま棚の奥から見つけてきたからである。私はDeodatoの音源は最近のアルバム以外はもっぱらCTIのベスト盤を聞いているという感じなのだが,そちらには"Rhapsody in Blue"が入っていないため,それが聞きたくなったからというのが探索の理由であった。

"Rhapsody in Blue"に限らず,このアルバムを聞いていると,Deodatoの音楽はゆるやかなファンクと,ストリングスとホーンをうまく組み合わせた感じというのがよくわかる。DeodatoのRhodesがファンキーなフレーズをパラパラと弾く上にかぶさる弦とホーンが心地よいのだ。特にフルートのアンサンブルが効いているという感覚が強かった。強烈なホーン・セクションというよりも,フルート・アンサンブルをコアにして,その他のホーンは比較的おとなしめという感じに聞こえたのは結構新鮮だった。

いずれにしても,このアルバムは「ツァラトゥストラ」の入った"Prelude"の成功を受けて作られた「二匹目のドジョウ」的アルバムと言ってしまえばその通りなのだが,ベスト盤にも入っている"Super Strut"や"Skyscrapers"も入っていてかなり楽しめる作品である。また,クラシックのアダプテーションである「亡き王女のためのパヴァーヌ」は欧州映画の音楽のように聞こえるような気品さえ感じさせるところがまたまた面白い。ラヴェルが書いたこの曲は,Deodatoがアレンジしようが,やはり欧州的なのであった。

そうした中で,今回本作を聞き直してみて思ったのは,John Tropeaのギター・ソロの「いけてなさ」だったように思う。この人,カッティングをやっている分には全然気にならないのだが,ソロになった瞬間,これはいかんと思ってしまうのである。とにかくフレージングが面白くない。普段は聞き流すことが多いDeodatoの音楽ゆえに今まで気にしたことはあまりなかったように思うが,これではちょっとなぁという感じなのである。これは明らかに減点材料となったが,それでももともと私はDeodatoの音楽はかなり好きのようなので,星★★★★としてしまおう。Tropeaはいけていないが,Stanley ClarkeとBilly Cobhamのリズムのコンビはやはり強烈なのである。

ところで,ボーナス・トラックとしてSteely Danの"Do It Again"が演奏されているが,これは所詮ボーナスだと思って聞くべきものと言っておこう。正直言って大したことはないので,念のため。

Recorded in April and May, 1973

Personnel: Eumir Deodato(key, arr), Stanley Clarke(b), John Gilmore(b), Billy Cobham(ds), Rick Marotta(ds), Rubens Bassini(perc), Gilmore Degap(perc), John Tropea(g) with horns and strings

2012年2月27日 (月)

Charlie Hadenの"Gitane":思えばこのアルバム,LPを持っていたんだなぁ...(で,買い直す私)

Gitane "Gitane" Charlie Haden & Christian Escoude (All Life)

主題に書いたとおりである。私の記憶が確かなら,私は中古盤でこのアルバムのオリジナルLPを入手したのだが,まだまだ若かった私にはこうした演奏のよさがわかっていなかったことは今にして思えば明らかである。だから,金に困って売る対象となったのも早かったと思うが,買った値段より高く売れたことにはびっくりしたことだけはよく覚えている。

Charlie Hadenには多くのデュオ・アルバムがあるが,このアルバムはオリジナルは状態によっては結構な値段で取引されていて,なかなか現物に出会うことも少ないことを思うと,処分してしまったことを悔やんでしまうが,今はCDでも購入できるからまぁ文句は言うまい。だが,久しぶりにこの音源を聞いていると,どうしてもLPで聞きたくなってしまった私である。それぐらいHadenのベースがいい音で鳴っている。こういう時に勢いでeBayを見に行く私もアホだが,ちゃんとあるところにはあるねぇ。値段もそこそこなので,発注してしまったではないか(爆)。だが,そうした行為も肯定したくなるような渋い演奏なのだ。

そもそもこのアルバムが再び気になってしまったのは,随分前のことになるが,Kurt Rosenwinkelのライブで訪れた国立のNo Trunksの壁面にこのアルバムが飾ってあったことに起因しているのだが,その時は懐かしいなぁとは思いつつ,LPまでとは思っていなかったのである。しかし,CDでこのアルバムを聞いてみると,この演奏はどうしてもLPで聞くべきもののように思えてきてしまったのである。今の私は体調が悪いのだが,心までいかれてしまったのか?というぐらい買い物への意欲が高まっているのはこりゃストレスだな(笑)。

それはさておき,ここでの演奏はアコースティックな感覚も素晴らしく,私はHadenのデュオ・アルバムは結構好きだということを差し引いても,この演奏は現代の生活に疲れた私のような中年には心の潤いを間違いなく与えてくれるものと思ってしまう。やはり20歳そこそこの私には理解できるはずがなかったのあり,今だからこそ心にしみるって感じなのである。今の私には星★★★★★ってところである。Kenny Barronとのデュオと同じぐらい好きと思えてきてしまった。フランスからのLPの到着を待つことにしよう。

Recorded on September 22, 1978

Personnel: Charlie Haden(b), Christian Escoude(g)

2012年2月26日 (日)

場をさらう男,Steve Grossman

Haiti "Haiti" Simon Goubert(Seventh Records)

フランスのプログレ・グループ,マグマのメンバーでもあったSimon Gourbertのアルバムではあるが,ジャズ界においては本作はSteve Grossmanのプレイぶりによって記憶されるものとなっていることに異論のある方はあるまい。とにかく,誰のアルバムなのかわからないぐらいに凶暴な吹きっぷりなのである。

そもそもこのアルバムも新橋のテナー・サックスの聖地,Bar D2において聞かせてもらったものだが,冒頭の"Take Five"からして尋常ではない。そもそもなんでGrossmanが"Take Five"やねん?と思われる方も多数いらっしゃろうが,心配することはない。そんじょそこらの"Take Five"ではない。そもそもPaul Desmondが書いたメロディ・ラインもちょこっとしか出てこず,あくまでもモチーフとしてしか使われていない。むしろ,そこに感じられるのはColtrane 版"My Favorite Things"へのオマージュのような響きであり,そこからして完全に変態である。そしてGrossmanは後半のソプラノ・ソロで場面を完全にかっさらっていってしまう。

これだけではない。あくまでもゲスト扱いでありながら,完全に主役を張っていると言っても過言ではないのである。2曲目のGrossmanのオリジナル,"Riverbop"でのテナーを聞いて燃えないならば,Grossman好きとしては「もぐり」だと言えそうな激しいブロウである。この曲のテーマの後や,タイトル・トラックにおいて出てくるLaurent Fickelsonのピアノ・ソロなんて,McCoy Tynerですよと言われれば,信じてしまうような演奏であり,全体的にColtraneに傾斜したサウンドが全面的に展開されている。

よって,このアルバムは「マグマのGourbert」のアルバムとしてではなく,Coltraneに傾斜したSteve Grossmanのアルバムなのだという考え方のもとに聞かれるべき音源である。まじで強烈,凶暴とはこれのこと。こんなアルバムを体調がすぐれない今日のような日に聞いている私もアホだが,アドレナリンが放出されるわ。

本作は現在も廃盤ということではないらしいが,何のことはない。MP3音源なら密林で400円でアルバムがダウンロードできてしまえるのである。苦労してCDを探すことを否定はしないが,それよりも何よりもGrossmanのファンはダウンロードしてさっさと聞けばよいアルバムだと言っておこう。

しかし,よくよく見返してみると,私はGrossmanとGoubertの共演盤,"Reflections"もブログにアップしていたのねぇ(記事はこちら)。それよりこちらの方がはるかに強烈。

Recorded on February 10 & 11, 1991

Simon Goubert(ds), Jean-Michel Couchet(as), Laurent Fickelson(p), Stephane Persiani(b), Steve Grossman(ts, ss)

2012年2月25日 (土)

1日の完全休養モード...

さすがにこの一週間の仕事のきつさに耐えかねて,肉体的にも限界が近づきつつあるため,本日は何もしないで一日を過ごすこととしたい。家事もその他諸々の雑事も今日ばかりは対応しないこととする。ブログも同様なので,今日もお休み。明日には復活したいと思う。

とか何とか言いながら,明日は出張続きでできなかった残務をこなさねば。あ~あ。辛いねぇ。

2012年2月24日 (金)

無理だ…

限界値を越えてしまったようなので、今日は寝ますzzz…

まぁ、たまにはこういうこともありますわ。おやすみなさい。

2012年2月23日 (木)

お疲れモードの中で...

私はいろいろな人にタフだと言われることが多い。海外出張時でもとにかく飲み食いは激しくやっているし,体力的にも結構持久力はあるように思われている。しかし,そんな私でも,今回の地方出張の移動続きには体が音をあげつつある。とにかく疲労感が体を覆っている感じなのである。これはもうユンケルに頼らざるをえないというような状態なのだが,そんな中でも出張先ではこれはというものを食してきたので簡単にご報告である。

Photo 今回のネタは福井の塩うにである。私は某所で長崎産の塩うにをいただいたことがあるのだが,そのなんとも言えない甘みにまいってしまった。しかし,その後自分で買った塩うには塩分が強過ぎてイメージが違うなぁと思っていたのだが,今回食した塩うには私のイメージ通りというか,長崎産をも凌駕するようなまさに甘美な味わいであった。写真だけでは伝わらないかもしれないが本当にうまかったのである。この美しいオレンジ色がそそるよねぇ。あまりのおいしさに店の人にどこで買えるのかを聞いたのだが,市場でしか仕入れられないとのことで,今回は入手を諦めたが,どうしてももう一度食べたいと思わせるような逸品であった。

そのほかに,白子のバター焼き,鯖のへしこ等,やはり冬の北陸は魚介の宝庫じゃ~と思わせるような逸品の数々であった。そしてついつい飲み過ぎて,更に体力を奪われているのだからアホとしか言いようがない。それでもやっぱりうまかったのだから,まぁいいや。

でも体はマジでボロボロである。ユンケル,ユンケル...(笑)。

2012年2月22日 (水)

Bernstein/イスラエル・フィルのマーラー9番なら期待するだろう

Lenny Webを見ていたら、Bernstein指揮、イスラエル・フィルによるマーラー交響曲9番のライブがCD化されるようである。と言っても、伝説的といわれる85年の日本公演(特に大阪が凄かったらしいが、私は聞いていない)ではなく、その直前に行なわれたテルアビブでの演奏会の模様らしい。イスラエル・フィルの音源をリリースするレーベル(Helicon Classics)から発売されるものだが、伝説的演奏のライブではないとしても、やはりこれには期待が高まって当然だろう。

私は長い間、マーラー9番はKarajan/ベルリン・フィルが最高だと思っていた(特に終楽章の最後の最後のピアノ・ピアニシモはそうだ)のだが、今回このニュースを聞いて、Bernstein/ベルリン・フィルの演奏を聞き直してみたら、印象が全然違った。はっきり言ってBernsteinの勝ち、それも圧倒的な勝利なのだ。今更ながら、私の耳は大したことがないのである。それはさておき、Lennyとベルリン・フィルとの演奏も十分超弩級だと思えるものだったところに、それを上回る可能性がある演奏のリリースは素直に喜びたいと思う。早く聞きたいものだ。

2012年2月21日 (火)

中年音楽狂,地方巡業中(笑)

仕事の関係で,今週はあちこちを行ったり来たり(本当に西へ東へなのだ)の生活を迫られている。こんな時は,地場のお酒と食事を楽しむことだけが楽しみだが,行ったり来たりしている割に,宿泊は一日だけというかなり厳しい状態。さすがに今週は記事のアップにも苦労するかもしれないなぁ。音楽の記事を書いたとしても,いろいろ情報は不備が発生するはずなので,予めご了承を。

2012年2月20日 (月)

久々の綾辻行人の「館」シリーズの新作

Photo 「奇面館の殺人」 綾辻行人(講談社)

綾辻行人の人気シリーズ「館」ものの最新刊が発表された。私はこれまで,綾辻作品は完全に後追いで読んでいるので,発売のタイミングで読むってのはこれが初めてかもしれない。いずれにしても,このシリーズは相応に楽しましてもらっているので,今回もそれなりの期待はあったと言っていい。

結果から言えば,悪くはない。結構面白く読ませてもらったことは事実である。論理的な破綻はないので,「何じゃそりゃ」感はないのだが,物語に偶発性があり過ぎるところが難点であろう。舞台設定はある意味無茶苦茶だと言ってしまえばその通りではあるが,その割にレトリックやストーリーに驚きが少ないことも気になると言えば気になる。よくよく考えてみれば「確かにそうだよねぇ」と思わせてくれるのだが,「館」の設計にもそろそろ無理が出てきたってところか。

そうは言っても,やたらに長い「暗黒館」よりはずっと楽しめたし,出張の友には最適だった一冊である。星★★★☆。綾辻作品では「Another」も文庫化されたようなので,次の旅行の友はそっちだな(笑)。

2012年2月19日 (日)

Chris Potter来日に向けてのお勉強?

Morning_bell001 "Morning Bell" Chris Potter Quartet (Bootleg)

Chris PotterのWebサイトには確かに5/27~29の日程でCotton Clubに出演と書いてあるが,まだ同店のサイトには一切情報がアップされていないので,本当に来るのかという不安はないわけではない。ここはは信じて待つしかないのだが,今回はUnderground名義である。しかし,Craig Tabornの代わりにベースのFima Ephronが来るとサイトには書いてある。

ということで,このメンツによる正式な録音はないが,ブートレッグはとっくに出ているので,早くもそれで予習モードに入っている私である。こちらは2010年10月のパリでのライブであるが,"Good Hope"でのクリポタの無伴奏ソロやら,"The Wheel"のイントロやらがいかにもって感じである。こういうのを眼前でやられたら昇天確実だろうなぁ。

Craig Tabornが来ないのはちょいと残念ではあるが,いずれにしてもちゃんと来日してくれることを祈るのみ。

Recorded Live in Paris on May 11, 2010

Personnel: Chris Potter(ts, b-cl), Adam Rogers(g), Fima Ephron(b), Nate Smith(ds)

2012年2月18日 (土)

福岡うまいもん列伝?

Photo 今日の写真はこれだ!イマイチ色彩感には欠けるが皮はぎの酒蒸しって渋いよなぁ。まじでうまかったし。

そもそもこういう魚を酒蒸しにしてしまうというのが贅沢過ぎんか?でも私は満足よ(笑)。このプリプリ感が写真では伝え切れないところに、自らの表現力のなさを感じてしまう。

Photo_3 もう一枚は関サバの刺身。さすが福岡である。毎度毎度のことだが、移住したくなる私。と、ホテルの窓から表を見れば雪が結構激しく降っている福岡からのご報告。それにしても、昨日も飲み過ぎてしまった。眠いことこの上なし。

2012年2月17日 (金)

ハード・フュージョン・オール・スター総出演のGary Husbandの”Dirty & Beautiful"第2弾

Dirty_beautiful "Dirty & Beautiful Volume 2" Gary Husband(Abstract Logix)

Gary Husbandが同じタイトルの作品のVolume 1を発表したのが2010年の秋口だったが、そのときもオールスター総出演のようにこのブログにも書いた(記事はこちら)。Volume 1と前作に書いてある以上、続編が出ることは必定であったわけだが、ほぼ1年半を経て発売された第2作である。

コンセプトは前作とほぼ同じで、キラ星のごときギタリストが次々に登場するわけだが、今回の注目はMike Sternである。そして、笑ってしまうぐらいMike Sternな"Rolling Sevens"での演奏に思わず笑みをもらした私である。かつ、最近のMike Sternからは感じられないぐらいのハイブラウな響きに喜んでしまったのだが、これぞMike Stern節だと言いたくなるような出来。私はこの1曲だけでも元は取れたと思ってしまったぐらいだが、これと冒頭のRay Russellの2曲でOKと言いたくなってしまったのである。

全編を通して満足度の高い演奏が続くのだが、その中で若干違和感があったのはWayne Krantzが参加した"East River Jam"。徐々に盛り上がりを示すとは言え、ここでのKrantzにはいま一つKrantzらしさが感じられず、欲求不満の残る出来だったのは残念である。それでも全体を通して聞けば、ハード・フュージョン・ファン必聴であることには間違いないし、確実に満足はできるだろう。それだけにKrantzがなぜあれほどクリーンな音でギターを弾こうとしたのかがどうしても理解に苦しんでしまうのである。もう少しハードに攻めてくれれば、おそらくは半星は高く評価したはずである。それが本当に惜しい。よって、星★★★★とするが、好き者にとってはたまらないアルバムである。

それにしても、このAbstract Logixというレーベル、この手の音が好きなリスナーが反応せざるをえないような音源を連発しているが、本作もそういう意味では期待通りである。今回、Mike Sternがここに参加したということは、Sternも本レーベルとの契約が近いのかと思ってしまうが、本レーベルに移籍することにより、私たちが求めるものに近いSternの音楽が展開されるのではないかという期待が高まってしまった。そんな演奏がこのアルバムの2曲目には収められている。

Personnel: Gary Husband (key, ds), John McLaughlin, Allan Holdsworth, Mike Stern, Wayne Krantz, Alex Machacek, Jimmy Herring, Ray Russell, Neil Taylor, Robin Trower (g), Jimmy Johnson; Mark King, Teymur Phell, Laurence Cottle, Livingstone Browne (b), Jan Hammer (key), Sean Freeman (ts)

2012年2月16日 (木)

現在、福岡に滞在中。

仕事で福岡に来ている。珍しくも今回は二泊であるが、明日はプレゼンがあるので、今日は比較的おとなしくのホテル入りである。

なんだかんだと言って、福岡での楽しみは食なのだが、今晩は何とイタリアンであった。珍しいねぇ。最後にはカルバドスまで出てきて、超満足な私って感じである。さて、明日は何を食せるのか...。明日の食事を想像しながら寝ようっと。

今日はお休みです。

Gary Husbandの新譜について書く気満々だったのだが、途中でGive up状態に陥った私である。ということで本日はお休みです。あ〜あ。

2012年2月15日 (水)

Tim Berne:正調フリー・ジャズか,はたまた現代音楽か?

Snakeoil "Snakeoil" Tim Berne(ECM)

これはなかなかに難しいアルバムである。私はフリー・ジャズは決して嫌いな方ではないと思うのだが,どちらかというとドシャメシャな山下洋輔的フリー・ジャズのような音楽に爽快感を求める傾向が強い。よって,頭で考えるタイプの理屈っぽいフリー・ジャズはあまり真っ当に聞いていない。このアルバムも冒頭から現代音楽的な響きで,何となく理屈っぽい感じを与えて,決して爽快な音楽とは言えないところからハードルが高い。Tim Berneってこういう演奏をする人だったんだっけ?という疑問がまず頭をよぎるのである。

しかし,2曲目の"Scanners"なると,正調フリー・ジャズ的な響きが聞こえてきて安心するのだが,それでも疾走感を感じさせるところまではいかない。全編を通じて聞いてみても,これが本当にいいのか悪いのかよくわからないのである。私は音楽の評価を直感的に行う傾向が強いが,このアルバム,何回か通して聞いてみても,正直なところ魅力が理解できていない。「お前の耳は節穴か」というお叱りの声も飛んできそうだが,これがECMレーベルから出てなければ買ってなかったなぁっていう気持ちには変わりはない。その程度の評価しかできないのである。だって,最後の曲のタイトルは"Spectacle"となっているが,これが「壮観」だなんて,まさにご冗談でしょうみたいな曲調なのである。どういう感覚で曲のタイトルをつけているのやら。別の意味があるのかもしれんが,これには苦笑してしまった私である。

Tim Berneが山下洋輔の"Ways of Time"に客演した時は感じが違ったんだけどなぁという違和感が聞いている私の中をぐるぐるしていたというのが正直なところ。もう少しスピード感があってもよかった。ECM作品ではDavid TornやMichael Formanekの作品に参加しているBerneだが,本作に対するような違和感をそちらには感じなかった。これは私と作品との相性の悪さだろう。でもこれはやっぱりあまり評価できないなぁ。だって面白くないんだもん(苦笑)。星★★☆。

Recorded in January 2011

Personnel: David Berne(as), Oscar Noriega(cl, b-cl), Matt Mitchell(p), Ches Smith(ds, perc)

2012年2月14日 (火)

かなり微妙なRoberta FlackのBeatles集:はっきり言ってい失敗作。

Roberta_flack001 "Let It Be Roberta" Roberta Flack(429 Records)

Roberta FlackがBeatlesをカヴァーすると言えば,相当気になってしまうのが当たり前って気がする。彼女がどういう風にBeatlesを料理するか,興味はその一点に集中するのだが,今回このアルバムを聞いてみて,私には結構な違和感が残ってしまった。

その原因としてはアレンジメントの軽さということが一番の要因である。Robertaの声は何だか線が細く,彼女の声のよさを活かしているとは思えないし,曲をひねり過ぎなのも気に入らない。Roberta Flackももう75歳らしいので,昔ほど声が出ないのは仕方がないかもしれないが,それならソフトに歌っても私には全然問題ない。しかし,いくつかの曲は原曲のよさを消しているようなアレンジなのがどうしても私には気に入らないのである。無理にコンテポラリーな感覚を付け加えようという意図が見え見えで,聞いていて冷めるのだ。

Beatlesの曲は,曲そのもののよさがあるのであって,それをいじくるというのはある意味ミュージシャンにとってはチャレンジングな取り組みと言うこともできるわけだが,ここでの対応はアレンジャーが趣味でいじくってみましたって感じが強く,独りよがりにしか思えず,どうしても納得がいかない。その責任はRobertaと言うよりも,プロデュースもしているSherrod Barnesなるミュージシャンに帰するべきだろう。Barnesが単独でプロデュースせず,Barry Milesがアレンジに絡んでいる曲はまだ許せるのだから,この責任はやはりBarnesにある。Barnesがアレンジしたバックのスカスカ感も私には違和感の塊である。崩すなら崩すで,"Oh Darling"のようにブルーズ感覚を強めるのはいい(ここにもBarry Milesがちゃんと関わっている)としても,"I Should Have Known Better"なんて絶対に納得いかんわ。

結局,全編を聞いていても,最後のCarnegie Hallでの1972年のライブで収録された"Here, There & Everywhere"が一番いいのではやはりリスナーの納得は得られまい。この曲がよいと思えるのは,妙にいじくることなく,素直に曲に対峙している感覚が強いからである。その線でやればよかったものをと思わざるをえないのである。期待が大きかった分,失望も大きい失敗作。星★★。Sherrod Barnes抜きで作り直して欲しいと思ってしまうわ。

尚,Robertaには失礼だが,彼女のアルバム,ジャケが怖すぎである。購買意欲が高まないこと甚だしい。

Personnel: Roberta Flack(vo, key), Sherrod Barnes(g, key, b, ds, strings, vo), Jerry Barnes(g, b, vo), Dean Brown(g), Nathan Page(g), Selan Lerner(key), Barry Miles(key), Shedrick Mitchell(key), Morris Pleasure(key), Bernard Wright(key), Nichlas Branker(b), David Williams(b), Charlie Drayton(ds), Ricardo Jordan(ds), Kuhari Parker(ds), Chris Parks(ds), Bernard Sweetney(ds), Buddy Williams(ds), Tameka Simoen(vo), Vivian Sessoms(vo), Paul Lassiter(strings)

2012年2月13日 (月)

14年振りのVan Halen。私にとってはもっと久しぶりだがいいねぇ。

Van_halen "A Different Kind of Truth" Van Halen(Interscope)

Van Halenによる14年振りのスタジオ・アルバムである。話題はDavid Lee Rothの復帰ということになろうが,一体,長い沈黙の後,どのようになっているかが極めて興味深いところであった。

そもそもDavid Lee Rothがいた頃のVan Halenの作品である"1984"が私が最後に買った彼らのスタジオ作で,その後はベスト盤を購入したのと,Sammy Hagerがいた頃のライブ盤を500円という破格の安値だから買ったぐらいのものである。ベスト盤にはなんで"You Really Got Me"が入っとらんねん!とぶつぶつ言っていたのも懐かしいが,正直言って,私にとって縁深いバンドだったとは言えない。Eddie Van Halenのギターの技というのは凄いねぇというのはわかってはいたものの,Rothのヴォーカル(及びキャラ)の軽さがハード・ロックとしての魅力を感じさせないようにも思えていたのだ。"Jump"なんてのはその軽さがいい方に作用していたとは思うが,それはポップ過ぎてどうなのよって感じだったのである。少なくとも私にはそうだ。

しかし,このアルバムを一聴してみて,年月を経ていい具合にRothの声も枯れた結果,これがハード・ロックには昔よりもフィット感の強い声になっていることが感じられることには驚いた。まさに正調ハード・ロックって感じなのである。Eddie Van Halenのギターの切れも昔そのままだが,以前よりもギミックに頼らないフレージングを展開しているように聞こえるから不思議なものである。本作ではRothが全面的に作詞を担当,作曲はバンドとなっているが,こうした形態を取っていることにより,バンドとしてタイトな響きを持つようになっている要素かもしれない。

「どうせよくあるリユニオンでしょ」って感じで,あまり期待しないで聞いていた私だったのだが,予想以上に楽しめたアルバムである。予断を持って本作に臨んだことを素直に詫びたくなってしまった。いずれにしても,今の時代でも彼らの音楽が十分通用することを実証すると同時に,彼らの活動と同時代を過ごした私たちのような年代にも全面的にOKな作品として星★★★★。

尚,ベースをMark Anthonyではなく,Eddieの息子のWolfgangが務めていることに時代の流れを感じてしまうのは私が年寄りな証拠だな(苦笑)。でも結構善戦しているように聞こえるのは血のなせる技かねぇ...。

Personnel: David Lee Roth(vo), Eddie Van Halen(g, key, vo), Wolfgang Van Halen(b, vo), Alex Van Halen(ds, perc)

2012年2月12日 (日)

今聞いても素晴らしいPhoebe Snowのデビュー・アルバム

Phoebe_snow "Phoebe Snow" Phoebe Snow(Shelter)

Phoebe Snowが一昨年亡くなって,その後,Columbiaレーベルの諸作が紙ジャケで再発になった。それらのアルバムも私は"Never Letting Go"を筆頭に結構好きだが,Phoebe Snowについて考えるならば,やはりこのデビュー・アルバムが最高であることには異論はないだろう。

シンガー・ソングライターとしての素晴らしさとブルージーな感覚,ソウルフルな歌いっぷりを聞いて,当時の彼女が23歳とか24歳だったと信じられる人がどれぐらいいるだろうか。かつ,アコースティック・ギターの弾き手としても味わい深いのだからこれは大した才能だったと言ってよいだろう。

バックにもジャズ系のミュージシャンも交えて展開される音楽は相当に渋い。Zoot Simの参加も驚くが,Teddy Wilsonまで入っているのには恐れ入ってしまうと言ってよいだろう。しかもそうしたジャズ界の大物がThe PersuasionsやDave Masonのような別のフィールドのミュージシャンと同居していても,全く違和感がないのである。これはまさに優れたプロデュースの賜物とも言えるが,それを実現してしまうPhoebe Snowは偉い。

そして,このように渋いアルバムが全米トップ5に入ったというのも今にして思えば凄いことだが,それでもこういう音楽が評価される土壌があること自体が素晴らしいとも言える。今だったらAdeleがバカ売れする感覚に近いものかもしれないが,それにしてもこのアルバムの曲のクォリティには驚いてしまう。リリースからもはや40年近くが経過しても,ちっとも古びたところがないのは私がここに収められた類の音楽が好きだという理由だけではないだろう。これはやはり立派なアルバムであったのだ。

私がこのアルバムを聞くのは久しぶりのことだったのだが,私の記憶の中にあるレベルよりもはるかに優れた演奏が聞こえてきて,正直,自分の耳の至らなさを反省してしまった。Columbiaの作品もいいが,この作品に比べると何かが足りない。あるいは,逆に何かが過剰だったのかもしれないが...。

1974年のPhoebe Snow,彼女はまさに後年のアルバム・タイトルではないが,"Something Real"であった。星★★★★★。素晴らしい。

Phoebe_snow_japanese_version_2 尚,オリジナルのカヴァー・アートは上のものであるが,ちょっと素っ気ない感じもする。当時のこの作品の邦題は「サンフランシスコ・ベイ・ブルース/ブルースの妖精フィービー・スノウ」というものだったため,日本盤には金門橋の写真を被せたジャケになっているが,どっちかというとこっちの方が雰囲気出ているように思うのは私だけではあるまい。でもPhoebeは生粋のニューヨーカーではあるが...

Personnel: Phoebe Snow(vo, g), Teddy Wilson(p), Bob James(el-p), Steve Burgh(g), Dave Mason(g), Hugh McDonald(b), Chuck Domanico(b), Chuck Israels(b), Steve Mosley(ds, perc), Margaret Ross(harp), Zoot Simes(ts), The Persuasions(vo)

2012年2月11日 (土)

Tord Gustavsenの新譜はECMファンがはまること必定。

The_well "The Well" Tord Gustavsen Quartet(ECM)

私はTord Gustavsenというとトリオ編成での3枚のアルバムがどれも素晴らしく,本当に期待の星の一人として認識していたのだが,前作"Restored Returned"にはピンとこなくて,今イチ感たっぷりなレビューをこのブログにもアップした(記事はこちら)。

前作はTord Gustavsen Ensemble名義だったが,そこからヴォーカリストが抜けた以外は同じメンツである。しかし,それだけで私にとっての印象は全く違うものとなったのはどうしてなのかと言いたくなるような作品の出来だと思えるのである。冒頭の"Prelude"におけるTore Brunborgのテナーはまるで通奏低音のようであり,静謐な立ち上がりであるが,Keithの欧州クァルテットを彷彿とさせるようなタッチの"Playing"のような曲が続き,ECMファンにとっては相当に嬉しくなる出来のアルバムと最初から確信してしまった私である。

そうした印象は全編を通じて変わることはなく,これはやはりECMファンの心の琴線をくすぐる音楽である。基本的には静謐なトーンが中心であることは間違いのない事実であるが,Gustavsenの美学がそこかしこに横溢していて,アルバムとしては非常にバランスが取れていることが嬉しいのである。

そんな彼らが昨年来日していたことを今頃になって思い出し,聞きそびれたことを反省した私である。生でこんな演奏をされていたら,多分私は感動してしまったであろう。もちろん,こういう音楽である。どういう姿勢で聞けばいいのかって話はあるが,身じろぎもせず,首を垂れた姿勢で聞いちゃうんだろうなぁ(笑)。しかも,公衆の面前であろうがなかろうが,膝を抱えたい(爆)。

いずれにしても,前作で若干の不安を感じさせたGustavsenだったが,やはりこの人には期待できると思わされた作品である。星★★★★☆。私は今回は全面的に支持したいと思うが,こういう音楽に魅かれてしまう私はやっぱりネクラなのか?はい,ネクラです(きっぱり)。

Recorded in February, 2011

Personnel: Tord Gustavsen(p), Tore Brunborg(ts), Mats Eilertsen(b), Jarle Vespestad(ds)

2012年2月10日 (金)

非常に楽しかったTedeschi Trucks Bandのライブ

Tedeschi_trucks_band_live 私はDerek Trucksをこのブログでも贔屓にしてきたが,今回,奥さんのSusan Tedeschiも加わったTedeschi Trucks Bandでの来日とあっては,これまで彼の生を見逃してきた身としては行かざるをえない。ということもあって2/8の渋谷公会堂に駆けつけた私である。

Tedeschi_trucks_band_live_1 ライブの演奏としては,バンドの実力を発揮させるべく,各人にソロ・スペースも与えていたのが特徴的だった。彼らがインタビューに答えて「バンドは村というか、社会みたいなもの。みんなが積極的にゲームを盛り上げ、誰かがびっくりするほどすごいソロをやったり、Susanが素晴らしい歌い方をしたりすると全員の気持ちが上がるんだ」とDerekが言い,Susanも「脇役がいないのがうちの特徴」と話しているのが,なるほどなぁと思えるバンドであった。

このライブを見ていて私がずっと思っていたのが,Susan Tedeschiの歌のうまさであった。約2.5時間のライブにあってもほとんど乱れを見せない歌唱力は大したもの。ギター・ソロも思った以上に善戦していたのも感心である。Derek Trucksのギターがいいのは当たり前であるが,まさに鬼のようなフレーズ連発で,こちらとしてはまさしく「目が点」である。やはりこの人,只者ではない。そうは言いながら,私はSusanのミニスカが気になって仕方がなかったのであるが...(爆)。不惑を過ぎているにしてはいけているぞ(笑)。

ライブとしては非常に楽しめるものであったのであるが,やはりバンドとしては1枚しかアルバムを出していない状態なので,曲の魅力というより,個々のミュージシャンの対応に依存せざるを得ない部分があったことは仕方のないことであろう。よって,ややソロ回しが私には冗長に感じられる瞬間があったことも事実である。そして一番盛り上がったのはアンコールで演じられたSly & the Family Stoneの"I Want to Take You Higher"であったこともその裏返しと言えるかもしれない。そう言えば,Stevie Wonderの"Uptight"もやっていたが,ソウル好きなんだなぁなんて思ってしまったが,あれも楽しかった。

いずれにしても,聴衆の盛り上がりも上々で,皆,楽しんでいる様子は十分にうかがえたし,客の入りもよかったところに,この人たちへの期待が高いことが感じられた一夜であった。尚,写真は2/8のものではないが,雰囲気はこんな感じであった。

2012年2月 9日 (木)

懐かしのJoe Sampleの「虹の楽園」

Rainbow_seeker "Rainbow Seeker" Joe Sample(MCA)

このブログには何度かJoe Sampleのアルバムについて書いたことがあるが,何だかんだ言っても好きな人である。何と言っても,この人らしいピアノ・タッチの美しさを聞いているだけでも心地よい。そんなJoe Sampleのソロ・アルバムは結構な数が出ているが,私は"Ashes to Ashes"が一番好きだとしても,やはり忘れることができないのが本作である。

ここに収められた曲は親しみやすくも,バラエティに富み,そして美しく決めるところは決めるということで,非常にメリハリがしっかりしていて聞いていて飽きがこない。今回,久しぶりに聞いてみて,いい曲が揃っているのに感心したと同時に,自分がフレーズを結構歌えてしまうことに驚いてしまった。やはりよく聞いていたのである。気持ちいいもんねぇ。

Crusadersは時としてアーシーな感じも持ち合わせているが,本作をはじめとするJoe Sampleの音楽には「洗練」という表現こそが相応しいと思えるそんな曲,演奏だが,曲によってはギタリストの個性がよく表れているところも面白い。

私は本作は優れた音楽であるとともに,優れたBGMともなりうるという点で,高く評価してもいいのではないかと思うが,一番FMとかのジングルで流れていたのは"As Long As It Lasts"だっただろうか。何で使っていたのかはどうしても思い出せないが,これは何かのバックで間違いなく流れていた。イントロのギターだけで反応してしまう私である。いずれにしてもやはり私の同時代人の心は間違いなくつかんでいるはずのアルバム。星★★★★。世の中,このアルバムが嫌いだって人はあまりいるまい(笑)。

Personnel: Joe Sample (p, key), David T. Walker(g), Dean Parks(g), Ray Parker, Jr.(g), Barry Finnerty(g), Billy Rogers(g), Marlo Henderson(g), Robert Popwell(b), Stix Hooper (ds, perc), Paulinho Da Costa(perc), Sid Sharp (strings), William Green(fl, winds), Ernie Watts(sax, winds), Freddy Johnson(sax), Fred Jackson, Jr. (sax), Robert Bryant(tp), Steve Madaio(tp), Bobby Bryant(tp), Jay DaVersa(tp), Garnett Brown(tb)

2012年2月 8日 (水)

New York Giantsのスーパーボウル勝利を祝う。

Super_bowl ちょっとタイミングが遅れてしまったが,先日の第46回スーパーボウルにおいて,New York Giantsが第4Qの残り57秒でのAhmad Bradshawのタッチダウンで見事逆転勝ちである。Giantsを昔から応援している私としてはこれは嬉しい。

私が以前,NYCに在住していたことは何度もこのブログにも書いているが,シーズン中には毎週末,更に月曜日にカレッジやNFLのゲームを見ていたのだが,TVでは基本的にローカル・チームの試合を放送するから,選手の名前も覚えてしまうし,NYCに住んでいれば,GiantsかJetsを応援してしまうのが当たり前のような世界である。90年代初頭,JetsはJetsで面白いチームだったが,Giantsは私がNYCに住み始めたシーズンのスーパーボウルにも勝って,私たちを熱狂させたのも懐かしい。

当時のGiantsはLBのLawrence Taylorに代表されるディフェンスの強いチームで,オフェンスはどちらかと言えば地味だったが,終了間際に際どく逆転することが多いという勝負強いチームであった。そういう意味では派手さはなく,日本でGiantsのファンってのはあまり見たことがない(だいたいMontanaのSF 49ersとかMarinoのMiami Dolphins等がメジャーだっただろう)。しかし,私は在米中,更には帰国後もNYCの2チームを応援し続けていたのである。

もちろん,Giantsにも浮き沈みはあったが,Eli Manningという優れたQBを得て,結構強いチームとして復活したと思っていた。そこへ今回のスーパーボウル制覇である。これはやっぱりめでたいのだ。今回も接戦を制しての最終盤での逆転勝ちというのが本当にGiantsらしい。もっとマメに試合を見たいと思うが,なかなかそうもいかないのが残念。でも今回は単純に勝利を喜ぶことにしたいと思う。

ありがとうございます。いつの間にやら80万PV。

主題の通りである。週末に帰省している間に80万PVを越えたようで,読者,ビジターの皆さまには本当にありがたい限り。

本ブログにおいて,昨年12/1に3/4 Million到達をご報告しているが,約2ヶ月で5万PV積み上げってことは,目標値としてきた100万PVには年内に届きそうだということだ。震災後,このブログへのアクセスも減少傾向を示していたのだが,最近はなぜか復調傾向を示し,一時期よりは多くの人にアクセスして頂いている。こんなしょうもないブログではあるが,これからも長い目で見守って頂ければ幸いである。そのためにはできるだけ更新頻度はキープせねば。

いずれにしても,こうしてモチベーションを維持する私である。

2012年2月 7日 (火)

またも出た! Stones Archiveシリーズ第2弾!!

Stones_hampton "Hampton Coliseum (Live, 1981)" The Rolling Stones(Stones Archive Download)

昨年,Stonesが"Stones Archive"を立ち上げて,"The Brussels Affair"をダウンロード・オンリーでリリースされた時も記事をアップした(記事はこちら)が,その第2弾に関する告知のEメールが届き,ブログのお知り合い,とっつぁんさんからもご連絡を頂いたので,早速FLACをダウンロードである。

1981年と言えば"Tattoo You"のリリース後のツアーということになるが,ジャズ界ではアルバムにSonny Rollinsが参加したことが大きな話題になったのも懐かしい。音源としては寄せ集めのアルバムであったにもかかわらず,アルバムは大ヒットしたし,冒頭の"Start Me Up"はStonesのライブのオープニングにも使われることが多かったのは皆さんよくご存知であろう。そうした時期の2時間を越えるライブ音源がFLACでも9ドルなんだから,これはたまらん。バンドの紹介を除いても25曲というボリュームは,私にとってはいまだかつて見たことがない(聞いたことがない)大盤振る舞いであり,聞き終わった時にはお腹いっぱいという感じである(笑)。

MickのMCを聞いている限り,このHamptonでの公演がツアーの最終公演の地(ライブとしては翌19日のHamptonが最後)だったようだが,そのせいかバンドとしてもタイトなまとまりを示しており,特にKeithのギターが渋いねぇ。Ron Woodがどう頑張っても絶対かなわないと思わされる。やっぱりカッコいいよねぇ,Stones。彼らもまだ40手前の男盛りであり,元気一杯(今でも十分元気だが...)。

しかし,このシリーズ,どこまで続くのか。ついつい手が出てしまう私であるが,9ドルだからねぇ。700円しないでこの演奏が聞けるなら,全然問題なしだろう。しかもMP3なら7ドルで,500円ぐらいだし,普通買うよなぁ。このような演奏なら,いつでもOKである。遠慮せずもっと出してくれと言いたい。これも星★いってしまえ。

尚,このツアー,Bobby Keysも参加しているらしいが,MickのMCではコールされていないので,Hamptonには参加していたかどうかは不明。

Personnel: Mick Jaggar(vo), Keith Richards(g, vo), Ronnie Wood(g, vo), Bill Wyman(b), Charlie Watts(ds), Ian McLagan(key), Ian Stewart(key), Ernie Watts(ts)

Recorded Live at the Hampton Coliseum in Hampton, Virginia on December 18th, 1981

2012年2月 6日 (月)

Miles色濃厚なJeremy Peltの新作

Jeremy_pelt "Soul" Jeremy Pelt (High Note)

Jeremy Peltの近作については,これまでこのブログには記事をアップしていないものの,新橋Bar D2で聞かせて頂いて結構気に入っており,レギュラー・コンボとしては実力者を集めたバンドとしても注目に値すると思っていた。ブログのお知り合いのcrissさんは彼らの"Talented Mr. Pelt"について「アルバム全体に通底するダークなセンスは、60年代のマイルス黄金クインテットを彷彿とさせる」とお書きになっているが,本作に至って,そうしたMiles色は更に濃厚になっている。最初にこのアルバムを聞いた瞬間,私が思い出したのは思い出したのは"Nefertiti"であったのである。JD AllenのテナーはまるでWayne Shorterだし,これは60年代クインテットが現代に現れたかのような感覚さえ覚えてしまう。

そもそも,冒頭の"Second Love"からしてスローな出だしに驚かされるし,全編を通じて,かなりクールでありながら,テンションの高い音楽が展開されていて,本当にMilesのクインテットのように響くのである。Danny GrissettもTom Harrellのバックや,自分のトリオ・アルバムよりもHerbie Hancock的なシャープなフレージングを繰り広げているように思える。ドラムスのGerald Cleaverは通常は更に尖った音楽をやっているように思えるのだが,ここではこのバンドの雰囲気にマッチしたかたちの演奏を行っているから不思議なものである。おそらくは彼らバンド全体の指向がマッチしているからこそ,こうした演奏が成り立っているのだろうと思えるし,やはりこれは強力なクインテットだと言えると思う。

1曲だけJoanna Pascaleのヴォーカル入りで"Moondrift"が演奏されているが,むしろチェンジ・オブ・ペースとしてはうまく機能しているように思える。もちろん,こうしたメンツであるから,もう少しハード・ドライビングな展開を求めてもよさそうにも思えるが,本作は基本的にバラッド&ブルーズ・アルバムという位置づけのようであるから,これはこういうものとして聞くべき音源だろう。いずれにしても,1日でこういう音源を録音できてしまうところに彼らの実力を十分に感じ取れる作品であり,これからも期待できるバンドであることを実証したアルバムと言える。星★★★★。劇的によいとまでは言わないが,見逃すには惜しい佳作である。

Recorded on September 29, 2011

Personnel: Jeremy Pelt(tp), JD Allen(ts), Danny Grissett(p), Dwayne Burno(b), Gerald Cleaver(ds), Joanna Pascale(vo)

2012年2月 5日 (日)

現在、帰省中につき。

訳あって、現在帰省中のため、記事を書く余裕がありません。ということで本日はお休みです。

2012年2月 4日 (土)

完全に飲み過ぎた

昨日、大学のサークルの同窓会があった。在学期間がかぶっている人々ばかりだったので、余計な気配り無用ということもあり、無茶苦茶楽しかったのだが、そういう場のお決まりで、案の定飲み過ぎた私である。

しかし、30年ぶりぐらいでお会いした方もいたのだが、時間なんて関係ないねぇと思った楽しい集まりだった。定例化必須だな(笑)。マジで日頃の仕事の憂さも吹き飛んだ数時間。

2012年2月 3日 (金)

Brad Mehldau Trioの新作は3/13発売

Mehldautrioode 昨日「Brad Mehldauの楽歴を振り返る」シリーズの記事をアップしたばかりだが,そんな私のところに昨日Nonesuch Recordsから届いたEメールに,Brad Mehldauのトリオによる新作の情報が記載されていた。今回は全曲未発表のMehldauによるオリジナルをトリオで演じるもので,アルバム・タイトルは"Ode",即ち特定の人々に捧げる叙情詩ってことになるが,いずれにしても,トリオとしてのアルバムは2008年の"Live"以来であるから,これはめでたい。トリオとしての活動が渇望されている(Vanguardでの新年早々のライブの人気ぶりがそれを物語っている)ことに対するMehldauのアクションとも言えるが,ついでに来日も決まった(7月らしい)ようなので,今度こそは行かねば。

全曲未発表とは言っても,"Kurt Vibe"のように既に公開映像(記事はこちら)の中で演奏されている曲もあるので,これらの曲はライブの場では演奏されてきたはずである。しかし,実在,架空の人物双方をテーマにした曲とは関心が高まって当たり前である。"Kurt Vibe"はKurt Rosenwinkelに,"M.B."はMichael Breckerに,"WWyatt's  Eulogy for George Hanson"は映画「イージー・ライダー」の登場人物に,そして"Twiggy"なんて曲もある。録音は11曲中8曲が2008年の録音で残り3曲が2011年と,またまたおやおやって感じだが,そうは言っても3/13が楽しみになってきた。早く来い来い,3/13。

2012年2月 2日 (木)

Brad Mehldauの楽歴を振り返る:第3回

Young_at_art "Young at Art" Jesse Davis(Concord)

Brad Mehldauの楽歴の中で,Fresh Sound New Talentでのアルバムを除いて,ワーナーでの初リーダー作"Introducing"を吹き込むのが1995年である。彼の楽歴を振り返る中で,おそらくは注目の新人であった頃の90年代前半の作品として,今回は本作を取り上げることとしたい。

Jesse Davisはニューオーリンズ出身のアルト奏者であるが,結構うまい人でありながら,ポピュラリティという点ではいつまで経っても地味なような気がする。本作を聞いていても,バップに根差したナイスなフレージングを聞かせており,まぁConcordレーベル好みっていう感じがする人だと言ってもよいかもしれない。そんなDavisとBrad Mehldauが共演したのは,本作にも参加しているPeter Bernstein人脈か,あるいは前回紹介したAllen Mezquida盤でも共演したLeon Parkerの紹介か。

ここではDavisのオリジナルを中心に,何曲かのスタンダードやジャズ・オリジナルを交えるというよくあるタイプの構成であるが,ハイブラウでもなければ,コンテンポラリーでもないが,一定のレベル以上を確保した演奏が聞くことができる。ちょっと軽いような気もするが,演奏としてはかなりコンベンショナルな展開である。Mehldauもまだまだ修行の身って感じで,こうした比較的伝統に根ざしたような演奏においても,強烈な個性とまではいかずとも,やはりこれは注目に値すると思わせるようなピアノ・ソロを聞かせているのは大したものである。今のMehldauであれば,ソロにせよ,バッキングにせよ,もう少し鋭さを持って臨むだろうが,まだ22歳の時の演奏であるから,やはりそこまでは至っていないのは仕方ないとしても,修行中のMehldauって感じがなんとも初々しい。

いずれにしても,Mehldauの参加なかりせば,私がこのアルバムを購入することはなかったはずであり,Davisの印税収入には間違いなく貢献しているが(笑),それでも本作ももう少し日が当たってもよさそうなConcordらしいアルバムではある。星★★★☆。

Recorded on March 24 & 25, 1993

Personnel: Jesse Davis(as), Peter Bernstein(g), Brad Mehldau(p), Dwayne Burno(b), Leon Parker(ds), Ted Klum(as on 8)

2012年2月 1日 (水)

週末の映画のはしご:二本目は「Always 三丁目の夕日'64」

Always 「Always 三丁目の夕日'64」('12,東宝)

監督:山崎貴

吉岡秀隆、堤真一、小雪、薬師丸ひろ子、堀北真希、もたいまさこ、三浦友和、須賀健太、小清水一揮

このシリーズも3作目となった。2作目については冗長なシーンの多さを批判した私であるが,それに比べれば,もう少しまともな展開になっていて安心して見ていられる。映画の性格上,さまざまなエピソードの積み重ねで構成されざるをえないことはよくわかるのだが,ただちょっと欲張り過ぎではないかと思うのも事実である。その辺が評価の分かれ目のような気もするが,それでもこれならまぁ納得がいく出来である。

今回は東京オリンピック前後の時間軸を舞台に描かれているわけだが,徐々に進化する東京の都市としてのかたちをCGでも意識して作っているように思う。ストーリーとしては今回も泣かせどころは満載で,今回一人で見に行った私としては劇場で涙するカタルシスを久々に実感できたと言ってもいいだろう。特に泣かせてくれるのが高畑淳子と吉岡秀隆の会話とその後のシークエンスで,これには私の涙腺も自然と緩んでしまったのであった。もちろん,そのほかにも泣かせる部分は多々あるから,正直言って,上映後トイレに行ったら目が真っ赤だった私である(恥)。

ここまで来ると予定調和だと言われても仕方がないかもしれないが,こういう人情ドラマに癒される瞬間があってもいいと思える作品であった。山崎貴は「ヤマト」が最低の出来で,私の評価を一気に下げたが,これで多少は持ち直したということにしておこう。いずれにしても須賀健太と小清水一揮の成長ぶりに年月の経過を感じてしまったのは私だけではないはずである。星★。

シリーズとしてまだ続けるのかどうかはわからないが,私はもうこの辺で打ち止めでもいいのではないかと思っている。でもまた続編が作られたら見に行ってしまうんだろうが...(苦笑)。

尚,私が今回見たのは2Dバージョンであったが,はっきり言ってこれは3Dにする価値はないと上映中ずっと思っていた。あぁ,ここを3D効果で見せたいのねぇなんて感じてしまったので,あまりにその意図が見え見えで,3Dで見ていたら確実に興ざめしていたはずである。ということで,この映画を見るなら2Dで十分。

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