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2012年1月 6日 (金)

「悪の教典」:年末年始に読む本としては極めて不適切?(苦笑)

Photo 「悪の教典」 貴志 祐介(文藝春秋)

「このミス」でも高く評価された作品がノベルス化されたので読んでみた。約700ページ弱,2段組の長編で嵩張ること甚だしく,通勤時にも荷物になるので,さっさと読み終えようと思いつつ,読み終わらなかったものを年末年始で読了である。私は「このミス」等のランキングはほとんど信用していないのだが,この本は舞台が私の現在の居住地ということもあり,手に取ったというのが本音である。作者が舞台としている学校は「あそこ」だろうというような描写が出てくるのは面白いのだが,これが年末年始に読む本としては最悪の後味しか与えないえげつなさである。

正直言って,フィクションにしてもこんな無茶苦茶な話はありえないし,ピカレスク小説にしても,もう少し書きようがあるだろうとまず突っ込みを入れたくなるような本である。登場人物にしろ,ストーリーにしろ,何じゃこれはというようなものばかり。特に女子高生の描き方はまさにステレオタイプである。作者の貴志祐介は私より年長なので,この程度にしか描けないことにはある程度の仕方なさというものはあろうが,それにしてもである。主人公のIQが極めて高いレベルという設定の悪漢小説ならば,その主人公の行動パターンがあまりに場当たり的,かつ思考回路が短絡的という指摘は免れない。リアリティがなさ過ぎるのである。結局のところ,自身の犯罪とどのように露見させないかしか考えていないという発想はありえない。既にここが非常識なのだ。鴉のくだりにしたってこれほど中途半端なものはなかろう。

これだけの長編を読ませる作者の力は認めないわけではないが,最後の方は読んでいて殺伐とした気分になってきたのは事実である。よって,上述の通り,この本を読むタイミングとして年末年始はまずかったと反省してしまった私である。私は以前,同じく「このミス」第1位となった歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」をこのブログで酷評したことがあるが,それと同じように,これが年間最高作とする選者(たち)のセンスがよくわからない。それだけ,日本ミステリー界のレベルが低下していることの裏返しだと言ってもいいのではないのか。後味の悪さに加えて,そうした要素も影響して私にはどうも納得がいかない。星★★。

いずれにしても,なんで西宮在住の作家が選んだ舞台が私の居住地だったのかは謎としか言いようがない(笑)が,おそらくは彼のサラリーマン時代の勤務地が近かったのだろうってことか。唯一この本を読んで,シンパシーを感じたのがDream Theaterだ,Emerson Lake & Palmerだ等というバンド名が出てきたあたり。本書のタイトルもEL&Pの「悪の教典#9(Karn Evil 9)」と多少は関係があるんだろうなぁ。ついでに言っておくと,本書を読んで「モリタート」という曲が嫌いになる人が多くても仕方がないだろうなぁ(笑)。理由はご自身で読んでからご判断を。

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