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2012年1月21日 (土)

Antonio Faraoの緩急自在

Domi "Domi" Antonio Farao Trio(Cristal)

Antonio Faraoと言えば,リーダー作"Woman's Perfume"やNicholas Folmerとの共演作を本ブログで取り上げたことがある(記事はこちらこちら)が,私の中では結構力強いイメージのピアニストである。このアルバムは昨年の後半にリリースされたものの,買いそびれていたのだが,お知り合いの皆さんが褒められているので,ようやくの購入となったが,確かにこれはいいわ。

まず,iPodで聞いていてもわかる音のよさ。トリオの音楽が非常にバランスよく,かつクリアに収められていてそれだけでもポイントが高い。そして,何よりもここに収められている音楽の質が高いのだからこれは皆さん褒めるのも当然である。そうした中で,美しいメロディ・ラインの現れる曲と,ハード・ボイルドな演奏がいい具合に混ざり合って,それが音楽としてのバランスもよくしているところがいいのだ。このあたりが「やわ」に流れぬAntonio Faraoの真骨頂という気がするが,ソフト・タッチの演奏でも,それだけに終わらない美学さえ感じさせる演奏だと言っていいように思う。

"One Solution"ではHerbie Hancockのようなフレーズをぶちかましながら,その次の息子のDominique君に捧げたタイトル・トラックではやさしくも美しいまなざしを感じさせるようなメロディを紡ぐという,これこそまさに緩急自在という感じである。こうした演奏を聞いていると,Antonio Faraoのピアニストとしての懐の広さを十分に感じさせるものであり,これは本当に楽しめる。

正確に言えば,昨年リリースのアルバムであるから,2012年のお薦め盤とするには抵抗がないわけではないが,これはやはり多くの人に認知をしてもらうためにリストに載せてしまおう。やはりAnotonio Farao,いいピアニストである。星★★★★☆。本作は本作で十分に満足できる出来だが,次はFolmer盤のように,ガンガンいくところを主,美メロを従という感じでプロデュースしてくれたら嬉しいかなぁ。しかし,繰り返すがこのアルバムはよい。プロデューサーがちゃんとした耳を持っていることを実証していることに疑いの余地はない。

Personnel: Antonio Farao(p), Darryl Hall(b), Andre Ceccarelli(ds)

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ジャズ(2012年の記事)」カテゴリの記事

コメント

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
イケイケみたいだったファラオが父親になって、幅というか奥行きというか、また一つ変わって、これからも楽しみですね。
TBさせていただきます。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

子供が生まれたことが契機となって,音楽の幅が広がるならそれもまたよしですね。多分眼差しが変わるんでしょう。自分はどうだったかなぁなんて思ってしまいますが(苦笑)。

これは本当に良いアルバムだと思います。
ファラオがいろんな面を持っているのがわかるし、それをすべて楽しめる盤でもありますね。
ピアノトリオの真骨頂ともいえるでしょう。
おっしゃるように
>「ガンガンいくところを主,美メロを従という感じでプロデュース」
これは同感です。TBしますね。

madameさん,こんばんは。TBありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。

おっしゃる通り,非常に楽しめるアルバムでした。Faraoってやっぱり期待できるよねぇというのを実感した作品だったと言ってよいと思います。次作について私と同じ感覚をお持ち頂いたのは力強いです。やっぱりガンガンいくFaraoも聞いてみたいというのが人情かなぁって気がします。

こんばんは。
なんだか、コメントが遅くなってしまいました。
また、暫く、無言になるかも。。

って、これは、わたし的には去年ですわ。
だって、去年のピアノトリオの2番目に好きなアルバム。
1番は、マルチンだから、結構、気に入ってるってことです.はい。
テクニックもなんですが、曲が好き。
ドミとか、もう、メロメロに好きです。はい。

アジモサバも佐渡沖も美味しいです。はい。

すずっくさん,こんばんは。TBありがとうございます。

確かに去年のアルバムですから,今頃になって取り上げるのも抵抗はあったんですが,いいものはいいってことで。もちろん,今年のベスト作の対象からははずしますが...。

昔は安宅の関まで魚だけ食べに行っていた私ですから,日本海のアジもサバもそりゃあうまいでしょうねぇと思いつつ,まじで関アジはうまかったです。

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