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2011年11月29日 (火)

Albert Aylerとはこういう音楽だったのか...

Ayler "Nuits De La Fondation Maeght 1970" Albert Ayler (Shandar→Water)

恥ずかしながら,私の人生でAlbert Aylerの音楽を聞くチャンスは一度もなかった。私はフリー・ジャズが嫌いなわけでもないし,山下洋輔の"Montreux Afterglow"ではAylerの"Ghost"をやる山下トリオを嬉々として聞いているのだから,Aylerアレルギーがあるわけでもない。しかし,意識的にAylerの音楽を聞いたことはないし,ジャズ喫茶でも掛かっていた記憶もない。これもひとえに縁がないということになるのだろう。

では私にとっての初Aylerとなったこのアルバムはどうだったのか。本作は"Last Recording"のVol.1 & 2として出ていたアルバムを1CDにまとめたお徳用盤であるが,実はあまたのAyler盤に手が出ない中,この"Last Recording"だけは聞いてみたいと思っていたのだが,ずっと廃盤だと思い込んでいた。そんなわけで,このCDの存在を知った時には「な~んだ」という思いがあったのだが,それにしてもこうして初めてAylerに触れることができたのだから,まずはめでたい。そんな思いも抱えて聞いたのだが,はっきり言ってこれは素晴らしいアルバムである。

Ayler_last_recording_1 楽器の定位が曲ごとにぐちゃぐちゃになったり,ピアノがほとんど聞き取れないという瑕疵はある。しかし,私がここに感じるのはそんな瑕疵を越えた宗教にも近い感覚である。もちろん,Aylerのテナーが非常にスピリチュアルな感覚をもたらすということもあるのだが,Call Cobbsのピアノが教会での伴奏のような感じなのである。Aylerのサックスに対して我関せずって感じでパラパラとやっているのは「説教の伴奏は目立ってはいかん」というところか(笑)。

Ayler_last_recording_2 よって,この音楽は明らかにフリー・ジャズではあるが,ゴスペルや教会音楽との関連性を非常に強く感じさせるものだったと言っては言い過ぎかもしれないが,でもそうなのだから仕方がない。この録音から4カ月後にイースト・リバーに浮かんでしまうAylerであるが,この精神世界はかなり深い。Aylerのアルバムには"Spiritual Unity"という作品もあるが,やはりそうした指向を持っていたミュージシャンなのではないかと思われる。

これは単なるフリー・ジャズの世界を逸脱してしまったという作品として,多くの人に聞かれるべき音楽であろう。こんな音楽をこの歳になるまで聞かなかったのは恥だが,この歳になってこそ深く心に響く音楽もあるはずである。若い頃,これを聞いていたら私はどう感じただろうか?おそらくは「何じゃこのピアノは?」という反応しか示せなかったかもしれない。しかし,今は上述のように感じるのである。

音は決してよくないし,ミキシングも無茶苦茶だが,Aylerのサックスはちゃんと捉えられていて,Aylerを聞くだけならば何の問題もないし,私にとっては苦行どころか,驚きと感動に満ちた傑作アルバムであった。星★★★★★。特に,CDでは後半にあたるVol.2の演奏には敬虔な気持ちにすらなってしまう。但し,アルバムの性格上,万人にはお薦めできないので為念。

いずれにしても,デザイン的にはCDよりも,LPのジャケの方が圧倒的にいいだろうということで,LP2枚のイメージもアップしておく。特にVol. 1のジャケの雰囲気にはしびれるよなぁ。いかにCDのジャケがいけていないか一目瞭然(笑)。

Recorded Live on July 27, 1970

Personnel: Albert Ayler (ts), Call Cobbs (p), Steve Tintweiss (b), Allen Blairman (ds), Mary Maria(vo)

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ジャズ(2011年の記事)」カテゴリの記事

コメント

音楽狂さん、こんにちはmonakaです。
とても素晴らしいアルバムが記事になったのでとても嬉しいです。このアルバム私の手元から30年ばかり離れていて、それが2009年に見つかって、当時記事にしました。
関連のもう一つとあわせてTBさせていただきます。
とにかく素晴らしい。

monakaさん,こんばんは。TBありがとうございます。

この歳になるまでAylerを聞いたことがなかったというのは情けないですが,それでもそういうこともありますよね。しかし,このアルバムには本当に感動しました。これは宗教と情念がうまくミックスされていて,それに痺れてしまうんだろうと思います。

こちらからもTBさせて頂きます。

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