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2011年11月16日 (水)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第13回):Jimmy Smith編

The_cat "The Cat" Jimmy Smith (Verve)

「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするという趣旨のこのシリーズ,前回はEric Dolphyを取り上げて,ハードル上げ過ぎという話もあったので,ちょっと路線を別の方向へ向けてみたい。今回はJimmy Smithである。

Jimmy SmithならばBlue Noteレーベルの作品を取り上げればいいではないかという声も聞こえてきそうだが,そこは天邪鬼の私である。直球勝負はしないのである。このアルバムはJimmy SmithがLalo Schifrinのアレンジのもとに,ビッグバンドをバックにオルガンを弾きまくったアルバムである。Lalo Schifrinと言えば,「スパイ大作戦("Mission Impossible"である)」,「ブリット」,「ダーティハリー」,「燃えよドラゴン」等の映画,TVにおけるアクションものでのスリリングなスコアを特長とする作編曲家である。そのSchifrinとJimmy Smithが合体するとどうなるのか。

このアルバムを聞いていると,こうしたモダン・ジャズが1960年代においては映画と強く結びついていたことを感じさせるものである。冒頭はAlain Delon(アラン・ドロン)主演「危険がいっぱい」のテーマ曲だし,2曲目のタイトル・トラックも同映画からのもの。更に4曲目はGeorge Peppard(懐かしの「特攻野郎Aチーム」...)主演「大いなる野望」のテーマ曲である。確かにここでの演奏を聞いていると,60年代にはこういう映画音楽が多かったように感じるから不思議である。ついでに言ってしまうと,7曲目は"Delon's Blues"ということで,Alain Delonにちなんだものとなっており,やはり映画とのつながりが強いのだ。即ち,時代を表わす代表的な「大衆向けの音」がこのアルバムには含まれていたと考えてよい。ジャズ原理主義者から言わせれば,ジャズは芸術であって,大衆向けのものではない等という考え方もあろうが,この音楽は大衆的であっても,大衆に迎合しているのではない。大衆がこの音楽を求めただけなのである。

よって,このアルバムは1964年というリリース・タイミングにおいて,当時の人々の音楽に対する感覚を認識する上での指標となるとも言える。そういう意味では非常に聞き易いアルバムではありながら,きっちりとSchifrinらしいスリルにも溢れている。もちろん,ここでの主役はSmithなわけで,彼のオルガンがいかに強力で,かつ魅力的なものであるかを見事に実証しており,これが何とも楽しいのだ。難しいところは一切なし。このグルーブに身をまかせればよい。

とは言え仕掛けは準備してある。それはバックのビッグバンドに木管がいないということである。リズム・セクション以外はブラスで固めるというのは非常に珍しいと思えるが,それがJimmy Smithのオルガンとぴったり合っているのだから見事なものだ。このアルバムはオルガンとビッグバンドの見事な共演ぶりと,更には時代を切り取ったという要素を踏まえて,聞いておいて損はないし,間違いなく楽しめるアルバムである。とにかく固いことは言わずに聞きましょう。星★★★★☆。

Recorded on April 27 & 29, 1964

Personnel: Jimmy Smith(org), Lalo Schifrin(arr, cond), Ernie Royal, Bernie Grow, Jimmy Maxwell, Marky Markowitz, Snooky Young, Thad Jones(tp), Billy Byers, Jimmy Cleveland, Urbie Green(tb), Tony Studd(b-tb), Ray Alonge, Jimmy Buffington, Earl Chapin, Bill Correa(fr-h), Don Butterfield(tuba), Kenny Burrell(g), George Duviver(b), Grady Tate(ds), Phil Kraus(perc)

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コメント

こんにちは。
きのう このアルバム お店で見ていたとこでした…
この記事を読んでから 出掛ければよかったです(涙)

ところで キ-スの新譜 話題になっていますね。
ソロで『RIO』ということで みなさんのブログでも いろんなレビュ-を読めました。

わたしは もう少し 過去の作品を聴いてからにします。
monakaさまにも キ-スのお薦め 教えていただいているのですが
こちらのシリ-ズでも よろしかったら いつか 取り上げてくださいませ。

ジミ-・スミス どんなかな
o(^-^)o


あれっ
ブル-ノ-トのでは なかったのですね。

マーリンさん,こんばんは。返事が遅くなりました。

Keithは今度のもよかったですが,昔のアルバムの方が取っつきやすいですかね。そのうち,このシリーズでも取り上げますね。

こんばんは〜
そうでした! 閣下の一肌脱ぐコーナーで紹介してくださったアルバムでしたね。
今頃になっちゃいましたけど 聴きました♪
とってもカッコいいアルバムでした。
『ドロンのブルース』は アラン・ドロンでしたか!

また、閣下の一肌シリーズ 参考に名盤を聴いていきたいと思います。


トラバ代わりに URL貼らせてください。

http://blog.goo.ne.jp/tm-0117/e/5112ba81593b22476e50f2625759f010?guid=ON


カタカナの マーリン時代でしたね(^-^)

Marlinさん,こんにちは。記事のリンクありがとうございます。

私も昨日,久しぶりにこのアルバムを聞きましたけれども,Lalo Schifrinのアレンジがフィットしていて,楽しく聞けるアルバムだと思いました。もう「一肌脱ぐ」必要はないと思いますし,「次のシリーズ」もなくても大丈夫だと思いますよ。もちろん,リクエスト頂けば考えます(笑)。

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