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2011年10月 5日 (水)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第12回):Eric Dolphy編

Eric_dolphy_at_the_five_spot_vol1 "At the Five Spot, Volume 1" Eric Dolphy(Prestige)

「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするという趣旨のこのシリーズ,段々ハードルが上がってきて,今回はEric Dolphyである。

これからジャズを聴いてみようという人にとって,Eric Dolphyはややハード過ぎるかなぁと思いつつ,やはりこのアルバムは避けて通るべきではない。既にこのシリーズで音の悪い「バド・パウエルの芸術」さえ取り上げている私である。ハードな音源でも,推奨に値すると信じているので,自信を持って本作を取り上げることにする。

Eric Dolphyは特異なフレージングやら,Ornette Colemanの"Free Jazz"への参加等から,「なんとなく」フリー寄りのミュージシャンだと思われがちなのが,Dolphyの音楽へのハードルを高くしている部分があるようにも思えるが,本質的にDolphyはフリーの人ではないというのが一般的な認識である。しかし,フレージングにおけるアップ&ダウンが結構強烈なので,一聴変わっているなぁという印象は与えるかもしれない。それでもここで演奏される音楽は,Dolphyのリーダー作でも屈指の演奏として認めるべきものである。もちろん,"Last Date"から聞いてもいいし,"Out to Lunch"から聞いてもいいのだが,それらのアルバムは既にこのブログで取り上げてしまった(記事はこちらこちら)から今日は本作なのである。だからと言って,本作がそれらの作品に劣後するものではなく,同格に優れた作品であることは言うまでもない。とにかく,このときのDolphy,凄いのである。

Dolphyとここでコンビを組むBooker Littleがコンベンショナルに響くほど,ここでのDolphyは普通ではない。まず音がでかい。そしてフレージングの組み合わせ方が尋常ではない。断片を切り取ればコンベンショナルでも,組合せの方法が違うだけでDolphyの音楽は全くほかの音楽と違って聞こえるということのように思える。それがDolphyを異能のミュージシャンたらしめているところであるわけだが,それに加えてアルト・サックス,バス・クラリネット,フルート(ここでは吹いていないが...)の3種の楽器を完璧に使いこなすことも素晴らしい。

これまで耳触りのよいジャズしか聞いていないリスナーにとってはまさしく「何じゃこりゃ~」の世界かもしれないが,私はここにこそジャズの真髄が聞いて取れると思うのである。まさに傑作の名に相応しい。共演者もすべからく好演。特にLittleは本当にいいラッパである。星★★★★★。これにはまれば次はJohn ColtraneのVanguard Live Box (記事はこちら)のDolphyを目指すしかあるまい(笑)。

Recorded Live at the Five Spot on July 16, 1961

Personnel: Eric Dolphy(as, b-cl), Booker Little(tp), Mal Waldron(p), Richard Davis(b), Ed Blackwell(ds)

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ジャズ(2011年の記事)」カテゴリの記事

コメント

この記事の正しい読み方は、

表題をみて「何でラスト・デイトじゃないのだろう」、とかなんとか訝しがる、じゃないかな。そんなことを思うところが、まだちゃんとジャズファンだな、って思うようなリトマス試験紙のような記事。
文章を読んで納得でした。それにしても、コルトレーンのボックスがほしくなる副産物がありましたが。

こんにちは。
バド・パウエルで 少し耳を鍛えたので 高いハ-ドルにも負けません!(笑)
とりあえず 3つのアルバムをメモしました。
クラリネットの音色が好きなので やはり ご紹介のアルバムが聴きやすいかな。

MJQも試聴のみで まだ購入できていませんが ゆっくり聴いていきます。

蛇尾です。
MJQがThe Last Concertで、Eric DolphyがLast Dateじゃない。

やっぱり中年音楽狂さんの、アルバムチョイスは面白い。

kenさん,こんにちは。返事が遅くなりまして申し訳ありません。

あまり深い意図はなかったんですけど,「リトマス試験紙」って書かれているので,「へぇ~」と思ってしまいましました(笑)。もちろん,「ラスト・デイト」でもいいんですけどね。

私の中でも,どのDolphyが好きなのかというのは悩むところではあるんですが,やっぱり本作ははずせないですね。

マーリンさん,こんにちは。返事が遅くなりました。

「バド・パウエルで 少し耳を鍛えたので 高いハ-ドルにも負けません!」とは何と素晴らしいコメント。お薦めのしがいがありますです(笑)。

音はPowell盤よりはるかにいいですからご安心のほどを。但し,Dolphyが吹くのは普通のクラリネットではなく,バス・クラリネットですからそれだけは意識して下さいね。私はバスクラ好きですが。

蛇尾さん,こんにちは。返事が遅くなりました。

やっぱり天邪鬼なんでしょうねぇ。直球投げているつもりでもナチュラルに変化してしまうってところでしょうか。性格,性格ってことで(笑)。

こんにちは。
『LAST DATE』2枚 ジャケットがあるのですが どちらも 同じでしょうか。
イラストのものと こちらにアップされていたものです。
音は一緒ですよね。

マーリンさん,こんにちは。お尋ねの件ですが,オリジナルが写真の方で,日本で私が最初に買った頃に使われていたのがイラスト・ジャケです。Amazonではもう一種類のジャケが見られますが,どれも内容は同じはずです。

念のため,私が言っているジャケは昔の記事をご覧頂ければわかります。
http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2008/10/last.html

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