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2011年8月13日 (土)

85分という上映時間も潔い「この愛のために撃て」

Photo 「この愛のために撃て("A Bout Portant")」('10,仏)

監督:Fred Cavayé

出演:Gilles Lellouche, Roschdy Lem, Gérard Lanvin, Elena Anaya, Mireille Perrier

夏休みを利用して見に行った映画である。今回は家族連れではなく,一人で見た。そもそも私がフランス映画を見に行くことも珍しいが,この映画,昨今には珍しく上映時間が85分と短いのだが,これが一気に見せるサスペンス・アクションで,フランス映画も侮れないと思ってしまった。フランス映画の犯罪ものと言えば,以前「あるいは裏切りという名の犬」という映画をこのブログで取り上げたことがある(記事はこちら)が,こういうタイプの映画,なかなか味わいがあって,ハリウッド製よりも結構楽しめたりする。

ストーリーとしては典型的な巻き込まれ型サスペンスで,この映画は全編に渡ってのノンストップ・アクションと言っていい展開も楽しめるのだが,最大のポイントは主役に全くさえない男としてのGilles Lelloucheを配したことである。これにより,一般の観衆は感情移入がしやすくなるはずなのである(少なくとも私はそうだ)。まじでこのGilles Lelloucheという役者のさえない風貌がリアリティを増すというか,とんでもないフィクションにリアリティを加えているとさえ思うわけである。

この映画は典型的巻き込まれ型であるとともに,悪徳警官ものでもあり,敵役を演じるGérard Lanvinがこれまた憎たらしいことこの上ない。私の昔の職場で宿敵であったアメリカ人(これが似ているのだ)を思い出してしまい,ますます私は感情移入が激しくなっていたかもしれないが...(苦笑)。

いずれにしても,最近は長けりゃいいと思っているのではないかとしか感じられないような尺の映画が多い中で,こういうコンパクトながら極めてアクティブな表現を感じさせる映画は非常に小気味よい。若干,表現にえげつない部分があるがゆえのPG-12指定だろうが,いずれにしても私が行った劇場の観客の平均年齢は50歳を過ぎていたのではないかと感じられるようなもので,少なくとも青少年の姿はなし。子供にはフランス映画なんて興味がないんだろうなぁと思いつつ,この映画,公開されている劇場数が少ないので,知られることがなく終わってしまうのはちょっと惜しいという気がする。星★★★★。このテンポ,まさしく小気味よい。そして,一番の儲け役はRoschdy Lem。本来の悪玉が,最後には任侠の精神さえ感じさせるところが面白かった。

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