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2011年8月22日 (月)

中年音楽狂が一肌脱ぐシリーズ(第11回)

Mjq_last_concert "The Last Concert" The Modern Jazz Quartet(Atlantic)

「お店に並んでいそうでジャズをこれから聴いてみようかなぁという人にお薦めというのがありましたらご紹介ください。」というリクエストにお応えするという趣旨のこのシリーズ,またも間が空いてしまったが,11回目はModern Jazz Quartet(以下MJQ)である。

MJQというバンドはPrestigeレーベルの時代から,非常に質の高い音楽を提供してきたわけだが,Milt Jacksonが得意とするブルーズと,John Lewisが得意とするクラシック的(対位法的と言ってもよいだろう)な手法をいい具合にバランスさせて,非常に上品で優雅なのだが,ジャズ的な感覚もちゃんと残すという点では稀有なバンドであったと思う。

一方,ゴリゴリ,コテコテのジャズこそがジャズのあるべき姿だというリスナーからすれば,この上品さが鼻につくとかいう批判を浴びることがあったのも事実である。そういうリスナーに限って,Milt JacksonがMJQを離れて行う演奏が好きだとかいうことが多いように思うが,例えば,Milt JacksonがOscar Petersonとやると確かに全然違う音楽になってしまうところが面白いのである。

だが,1950年代初頭から,一旦本作に収められた最終ライブまで約四半世紀に渡って,ジャズ界の人気バンドだったことは厳然たる事実であり,それはジャズ愛好者のみならず,より幅広いオーディエンスにも質は高いが,「聞き易く,訴求力が高い」音楽を提供したからこそ,これだけのキャリアを積み上げることができ,そしてメンバーもほぼMJQの活動に集中することができたはずなのである。ジャズというカテゴリーにあっても,その音楽性は幅広いものであり,これはこれでれっきとしたジャズであるという認識が成されるべきである。

この作品は後に再結成するMJQが,一度その活動に終止符を打つべく1974年にNYCで行ったラスト・コンサートの実況盤であるが,ここでもMJQらしさ,典雅さ,そしてバランスのよいブルージーな感覚など,彼らの魅力を十分感じさせるものだと思う。よって,「一肌脱ぐ」シリーズの主旨からすれば,これほどジャズ初心者にとって聞き易いものはないと言ってもよいかもしれない。

もちろん,MJQで推奨すべき作品はこれでなくてもよいかもしれないし,ここに収められた演奏が本当に最高かというとやや疑問がある部分もある。しかし,選曲からしてもMJQのベスト盤的な色彩もあるし,録音も悪くないから,取っ掛かりとしてはおそらく最適な作品ということで本作をチョイスした。再編後のMJQについては私はほとんど関心が持てなかったが,この作品はやはり「これで最後」という気概が感じられる演奏が非常に素晴らしい。星★。尚,現在は「完全版」ということで,オリジナルLPには未収録の曲も入っているが,別に完全版でなくても,このアルバムは優れたものなので念のため。

ちなみに私が最初に買ったMJQはこれか"Django"のどちらかであったが,若い頃はこっちの方をよく聞いていた記憶がある。「一肌脱ぐ」シリーズではストリングスものも取り上げてきたし,私はクラシックも結構好きなので,MJQの音楽には全く抵抗がなかったのだが,まさにこれからジャズを聞こうという人にも,これならおそらく受け入れられると思う。最初に好きになるジャズがどんなものであっても,徐々にその幅を広げていけばいいだけの話であり,本作がそうしたきっかけになれば幸いである。

Recorded Live at Avery Fisher Hall, New York on November 25, 1974

Personnel: Milt Jackson(vib), John Lewis(p), Percy Heath(b), Connie Kay(ds)

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ジャズ(2011年の記事)」カテゴリの記事

コメント

音楽狂さん
こんにちは。

MJQ 聴いてみたかったのでタイムリ-な記事でした。
たくさんアルバムが出ていますし 最近も 新しいアルバムが出て こちらも気になっていたところです。
両方 聴いてみようかな…

でも まず こちらのお薦め盤から聴いてみます♪

蛇尾です。

MJQは、そろそろ出ると思って、初期のアルバム4枚を収録した廉価盤のCD買っておいたのだが、"Last Concert"ですか・・・・。

このアルバム、ボクが学生時代レコード屋(今でも、言うんでしょうか)バイトしていた時、よく売れたLPですので、ジャケットも含めて、よく覚えています。

なるべく早くに購入して聴いてみます。しかし、中年音楽狂さんのアルバムの選び方、一筋縄ではいきませんねぇ。

マーリンさん、こんばんは。もしや、MJQと言ってもManhattan Jazz Quintetのことをおっしゃっていませんか?あれとは比較にならないぐらいノーブルなコンボですからくれぐれもお間違いなきように。こちらのMJQは全員故人なので、新譜は出ませんね。

もしかして私の勘違いならごめんなさい。

蛇尾さん、こんばんは。一筋縄ではいきませんか?天邪鬼ですからお許しを。

記事にも書きました通り、彼らの作品ならこれじゃなくてもいいと思います。良作の多い人たちですから、それこそ"Django"でも、"Concord"でも、"No Sun in Venice"でもいいんです。MJQというバンドを聞くことを推奨したとお考え下さい。ちなみに私が一番好きなのは"Concord'ですが、既にアップしてしまったので、今回は本作に致しました。

こんばんは。
やっぱり 間違えていました(恥)

モダン・ジャズ・カルテットですね。

探してみます♪

いいですね。ボクも最初に買ったMJQはコレ。集大成だし、音がいいし。今でも聴きます。気に入りなので、よく呑みに行くバー用にLPを買って(といっても200円、涙、ですね)、よくかけてもらっています。しっかり聴くもよし、BGMでもよし、最良のエンターティメントですよね。

本当にいい選盤ですね。

マーリンさん、返事が遅くなりました。くれぐれもお間違いなきように。えらい違いですから(笑)。

kenさん、おはようございます。返事が遅くなりました。やはり、集大成的な意味合いもあり、はじめてMJQをお聞きになる方にはいいかなと思いました。

「本当にいい選盤」と言って頂くと面映いですが、ありがとうございます。

北京 出張お疲れさまです。

MJQの 「ラストコンサ-ト」 ショップ2件 行ってみましたが品切れでした。
「ジャンゴ」はあって 試聴機に入っていたので聴いてみました。
ヴィブラフォンの音色が印象的でした。

また 探してみます。ネットで購入すればいいのですけどね(笑)

マーリンさん、こんばんは。北京にまだ滞在中ですが、日本は台風のようなので、果たして帰れるのかちょっと心配になっています。まぁ大丈夫でしょうけど。

最近のショップはジャズ系の在庫が少ないようですから、面倒くさがり屋の私なら間違いなくネットで購入しますね(笑)。"Django"も名作なので、試聴して気に入られたということであれば、本盤もお気に召すと思います。部屋で仕事を続行中の気分転換にコメント・バックさせて頂きました。

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